爆・爆ストーリー ZERO」カテゴリーアーカイブ

爆・爆ストーリー ZERO 第26話


      第26話「禁じられた過去」

“あなたが渡す気が無いと言うのなら、この話は保留と言う事で。セシルもこちらで預からせていただきます。”
 レシアスの言葉が頭の中に響く。
旦那「くっ・・・!」
 旦那は屋敷の自分の部屋で苦悩していた。
旦那「ようやく・・・捕らえたと言うのに・・・!」
 “6年前、あなたが見せてくれたあれですよ。”
旦那「(確かに6年前・・・私は、偶然あれを見つけた・・・。)」
 ・・・・。
 ・・・。
 6年前、旦那はビーダ魔人が祭られている神社へと足を運んだ。
 その日は、正月で、初詣にやってきたのだ。
 幼い愛娘を連れて・・・。
旦那「さぁ、お参りもすんだし、帰ろうか?」
娘「お父さん~、綿菓子買って~。」
旦那「ははは、分かった分かった。」
 と、その時、旦那の目に、祭壇の上に置いてある青いビーダマンが目に入った。
旦那「(あれは・・・?)」
 他にも大勢の人がいるのだが、気づいていないのか、皆素通りしている。
旦那「・・・・。」
 何かに導かれるように、そのビーダマンを手に取っていた。
 それから数日後。
 旦那は一人で町へ出かけていた。青いビーダマンを持って。
旦那「そうか・・・これはビーダマンと言うものなのか。」
 店で売られている、自分と同じような形の玩具を見つけて、それがなんなのかを理解したようだ。
 バッ!
旦那「?!」
 その時、人相の悪い男に、青いビーダマンを取ってかれてしまった。俗に言う引ったくりと言うものである。
男「こいつはもらったぁ!」
旦那「くそっ!待て!」
 慌てて追いかけるが、全然追いつかない。
ポイジャン「ふはははは!マラソン選手である最強の引ったくり男、ポイジャン様においつけるわけないんじゃ!」
旦那「ぐぐ・・・!」
少年「どうしたの、おじさん?」
 その時、ビーダマンを持った少年が旦那に声をかける。
旦那「あの男に、ビーダマンを取られてしまったんだ!」
少年「そう、じゃあ僕が取り返してきてあげるよ!」
 そして、少年はポイジャンを追いかけ、そしてビー玉を発射した。
 ドンッ!
ポイジャン「なんじゃ!?」
 そのビー玉はポイジャンの持っている青いビーダマンにヒットし、ポイジャンはビーダマンを落としてしまった。
ポイジャン「くそっ!覚えてろ!」
 そう言い捨てて、去って行った。
少年「よかったね、おじさん。」
 青いビーダマンを拾う旦那。
旦那「あ、ああ、ありがとう。」
少年「ところで、それ、なんなの?」
旦那「これは、神社で拾ったビーダマンなんだ。」
少年「へぇ~、凄い強そうだね~!」
 ・・・・・。
 ・・・。
 回想シーン終わり。
旦那「(まさか、あの時の事をレシアスが覚えているとはな・・・。)」
 旦那は金庫から青いビーダマンを取り出した。
旦那「一応念のためにレプリカは作って置いたんだが・・・これで納得するかどうか・・・。」

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爆・爆ストーリー ZERO 第25話

      第25話「ジャベンスの試練」

ツバキ「よし、ついたぜ!」
 ツバキ、クロウ、ヒスイの三人は、グラビトンビレッジから東北へ数キロ先に位置しているネオンシティに到着した。
 昼間だというのに、煌びやかな明かりがまぶしいにぎやかな町だ。
 前回ツバキの協力をしたクロウとヒスイはそのお礼に昼ごはんをごちそうになるのだった。
ツバキ「んじゃ、どこに食いに行こうか?」
クロウ「別に、どこでもいい。」
ヒスイ「そうですね、ここら辺の地理はよく分かりませんし・・・ツバキさんのお勧
めのお店とかがいいんじゃないですか?」
ツバキ「俺のおすすめねぇ・・・。」
 ツバキは、一瞬考えるそぶりをする。
ツバキ「おし、んじゃあそこがいいかな?」
 そうして、三人が入ったお店は、ちょっと高そうなレストランだった。
ヒスイ「・・・・。」
 その店の雰囲気に、ヒスイは少し落ち着かないようだ。
クロウ「ずいぶん高そうだな。大丈夫なのか?」
ツバキ「ガキが金のことで心配すんなよ。俺、働いてんだぜ、お前ら二人にたった一食おごるくらいどうってことねぇよ。」
 ツバキは、ニカッと笑顔で言う。
 と、その時、三人の座っている席にウェイトレスらしき女性が現れる。
ウェイトレス「ご注文はいかがなさいましょうか?」
ツバキ「あぁ、そうだな・・・俺は、ペペロンチーノを。」
クロウ「俺は・・・。」
 メニューを見るクロウ。そのクロウの姿を発見したウェイトレスは・・・。
ウェイトレス「(あ!?こ、この子・・・!!!)」
 ウェイトレスはクロウの事を知っているようだが、クロウに知られたくないのか、顔を少し背けている。
クロウ「(ん・・・この女、どこかで見たことがあるような・・・?)」
 と、クロウも少し気になったが、とりあえず、注文することにする。
クロウ「そうだな・・・シーフードチーズカレー一つ。」
ヒスイ「僕は、鍋焼きうどん。」
ウェイトレス「かしこまりました。」
 ウェイトレスは注文をメモ帳に書き、頭を下げてから厨房に戻る。
 そして数分後。
 料理が入っている『であろう』皿を乗せたお盆を、大きな猫が運んできた。
デブ猫「お待たせしました。」
 そして、猫が皿をみんなの前に並べていく。
ツバキ「うっは~!待ってました~!」
 そして、意気揚々と食事にありつこうとするのだが・・・。
ツバキ「・・・って、なんじゃこりゃ~!!」
 ツバキの皿には、麺が一本しか乗っていなかった。
クロウ「・・・・。」
 クロウの皿には、ご飯粒が5個しか乗っておらず、カレールーが少し皿にこびりつ
いているだけだった。
ヒスイ「フーフー!・・・って、あれ?どうしたんですか?皆さん。」
 鍋焼きうどんを冷ましていたヒスイは、異変に気づく。
ツバキ「なんでお前だけ料理が入ってるんだよ?!」
ヒスイ「いや、ていうか、料理が入ってないほうが不思議なのでは・・・(汗)」
デブ猫「(ふぅ、熱かった~、鍋焼きうどんは猫舌の天敵じゃわい。)」
 タッタッタ!
 クロウたちが楽しくお食事(?)をしているころ、ネオンシティの路地裏では、
ジャベンスが何かに追われているかのように必死で走っていた。
ジャベンス「はぁ・・・はぁ・・・さすがに、きついでごわすな・・・。でも、わし
は後悔はしてないでごわす。これが、わしの選んだ道だから!」
 ジャベンスは走りながら、思いに浸った。
 それは、昨日のことだった・・・。
 ジャベンスは久しぶりにB-フォースのアジトに帰ってきた。
レシアス「ずいぶんと、遅かったですね。何かあったんですか?」
ジャベンス「・・・・。」
 レシアスの問いにジャベンスは答えなかった。いや、答えられなかった、そんな余裕がなかったのだ。
ジャベンス「(ジュウあんちゃん・・・わしは・・・ジュウあんちゃんのように・・
・。)」
レシアス「ふ、まぁ、答える義務はありませんから、別に構いませんが・・・しか
し、仕事はしてもらいますよ。」
ジャベンス「仕事・・・?」
レシアス「えぇ。あなたが何度も失敗したあれですよ。何があったかは知りませんが、自分の失敗は自分で責任を持ってください。」
ジャベンス「・・・・。」
レシアス「先日、一番厄介なあの少年を始末しました。彼らの戦力は半減している。今なら・・・出来ますよね?」
ジャベンス「それは・・・・。」
レシアス「もっとも、それはあなたにやる気があればの話ですが。」
ジャベンス「!?」
レシアス「・・・分かっていますよね?私の言っていることの意味が。」
 ジャベンスは、何も答えることなく、外へ出て行った。
レシアス「ふっ。」
 その時、シルバもアジトへ帰ってきた。
シルバ「どうしたんじゃ、ジャベンスのやつ。随分と切羽詰っていたが・・・。」
 レシアスは事情を説明した。
シルバ「なるほど、あの時、やつらを逃がしたのは、こういう事じゃったのか。」
 ほくそ笑んでいるレシアスにシルバが話しかける。
レシアス「えぇ。最近の彼は、心が傾いていた。おそらく、裏切り者であるジュウに何かを吹き込まれたんだと思いますが・・・。」
シルバ「それで、なるべく任務を簡単なものにして、試すという事じゃな。」
レシアス「・・・彼には実力があります。その実力があれば、この任務は簡単にこなせるはずです。しかし、もしB-フォースとしての気持ちが皆無なら、この任務をこなすことは出来ない。そうなった場合は・・・・。」
 フッと笑うレシアス。
シルバ「なかなか面白そうじゃのう。」
 シルバも不適な笑みを浮かべる。
 そして、ジャベンスは、クロウの事を探して、グラビトンビレッジの公園のあたり
をうろついているヒスイとセシルの前に現れた。
ジャベンス「今度こそ、セシルを渡してもらうでごわす!」
ヒスイ「ジャベンス!?」
セシル「ま、また現れたの!?」
ジャベンス「・・・・。」
 “でも、兄ちゃん、もっと強くなりたいんだ・・・もっと強い正義の味方になって
・・・皆を守りたいんだ。”
 ジュウの言葉が脳裏に浮かぶ。
ジャベンス「!?」
 “B-フォースに依存している自分を救ってくれと・・・愛する弟のジャベンスの心がおいらを呼ぶ!!
ジャベンス「(ジュウ・・・あんちゃん・・・!)」
 ジャベンスはサンダースピアを構えるのだが、ビー玉を撃とうとはしない。
ヒスイ「?」
セシル「どうしたの?」
ジャベンス「(わしは・・・わしは、ジュウあんちゃんのように・・・!)」
 そして、サンダースピアをしまう。
ヒスイ「え、バトル・・・しないんですか?」
ジャベンス「わしには、できないで・・・ごわす・・・!」
セシル「そ、それってどういう?」
 そして、ジャベンスはその場を去った。
ジャベンス「(やっぱり、やっぱりわしは・・・!)」
 ヒスイたちのところから走り、街から出る。それでも足をとめず、ひたすら走り続けた。
レシアス「やはり、それを選びますか。」
 ジャベンスの前にレシアスとシルバが現れる。
ジャベンス「レシアス・・・シルバ・・・!」
レシアス「ふ、せっかくチャンスを与えたというのに、それを無下に扱ってしまうと
は、あなたも相当おろかですね。血は争えないと言う事か。」
ジャベンス「チャンス・・・?」
シルバ「これはお前への試験じゃったんじゃよ。あんな奴らからセシルを奪い取るなんて、造作もないことじゃからのう。」
ジャベンス「試験?」
レシアス「そう、あなたの心が、B-フォースよりか、裏切り者よりかを試すための、二択問題1問だけの特別試験ですよ。」
ジャベンス「それで・・・その試験の結果は?」
レシアス「不合格ですね。よって、我々はあなたを裏切り者として判断します。」
 ビーダマンを構えるレシアスとシルバ。
ジャベンス「っ!?」
レシアス「裏切り者には、それ相応の仕打ちを受けてもらいますよ。」
ジャベンス「くっ!」
 ダッ!とジャベンスは東北へ走り出した。
レシアス「・・・・。」
 その様子を見たレシアスはビーダマンをしまい、きびすを返す。
シルバ「ん?追いかけなくていいのか?」
レシアス「えぇ、それよりも、そろそろ彼が決着をつけるころだと思いますし・・・
私もアジトでいろいろとやるべきことがありますからね。ジャベンスの事はあなたに任せますよ。」
シルバ「し、しかし俺の体力が持つかどうか・・・!」
レシアス「ジャベンスの始末はまた今度つけますよ。それよりも、ジャベンスの居所をつけやすくするように、あれを仕掛けてきてほしいんです。」
シルバ「そうか、分かった。」
 そして、シルバはジャベンスを追いかけ、レシアスはアジトへと帰っていった。
 ・・・・・。
 ・・・。
 そして、現在。
ジャベンス「はぁ・・・はぁ・・・!シルバに発信レーザーを当てられた以上・・・
逃げることは無意味でごわすな・・・。でも、そう簡単にやられるわけにもいかないでごわす!」
???「やっと見つけたぜ!」
 その時、ジャベンスの後ろで声がした。
ジャベンス「!?」
 びっくりして後ろを振り向く。そこに立っていたのは・・・。
ジャベンス「ジュウあんちゃん・・。」
ジュウ「どうしたんだよ、こんな所で。B-フォースとは、話をつけたのか?」
ジャベンス「・・・・・。」
ツバキ「あ~、食った食った~。」
 食事が終わったツバキは、クロウたちと別れ、自警団事務所へと帰ってきた。
ツバサ「あ、兄さん!」
ツバキ「ん、なんだツバサ、どうしたんだよ?」
 事務所前に、ツバサとジョーがいた。
ジョー「お、おいツバサ!お前、本気なのかよ!」
 ジョーはツバサを止めているようだ。
ツバサ「うん、決着をつけたいんだ、自分自身に。自分自身の甘い心にけじめをつけたいんだ!」
ジョー「だ、だけどよ!せっかく、せっかく分かり合えたのに!」
ツバキ「?な、なんのことだかさっぱりなんだが・・・。」
ツバサ「実は・・・兄さんには隠してたんだけど・・・。」
 ツバサは、今まで自分がしてきたことの全てをツバキに話した。
ツバサ「だから・・・僕を逮捕してほしいんだ。今までの罪は消えないかもしれないけど、でも・・。何か、救いがあるような気がするから。」
ツバキ「・・・そんなことがあったのか。」
ジョー「な、なぁ!あんたツバサの兄貴だろ!見逃してくれよ!ツバサだって、反省してるんだし!」
ツバキ「・・・たとえ弟でも、法に違反した以上、見逃すわけには行かない。」
ジョー「そ、そんな!」
ツバキ「でも、自首してんだから、それほど重い罪にはならなくてすむと思うぞ!」
ジョー「・・・・。」
ツバサ「兄さん・・・。」
ツバキ「さ、行こうか、ツバサ。」
 ツバキは、ツバサをつれて、事務所へ向かって歩き出す。
ツバサ「ジョー・・・君にあえて、本当によかった。」
 振り向き、ジョーに向かって真っ直ぐな笑顔でそういう。
ジョー「ツバサ・・・!俺、もっと強くなる!そして、お前の分まで!勝利してやる
からな!!」
 ジョーは、ツバサに向かってありったけの声で叫んだ。
ツバサ「うん!また今度、絶対バトルしようね!」
       つづく
 次回予告
ヒスイ「僕たちの前に再びレシアスが現れました!」
クロウ「どうしたんだ、奴の様子がおかしいぞ?」
ヒスイ「!?・・・ま、まさか・・・!」
クロウ「そして、ヒスイも何かに怯えていた!いったい、この二人の関係は・・・!?」
ヒスイ「次回!『禁じられた過去』」
クロウ「極めろ、強さへの道!」



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爆・爆ストーリー ZERO 第24話

第24話「浄化する魂」
 B-フォースのアジトを突き止めるためにチルドを追いかけていたクロウとヒスイだが、チルドの脚力は想像以上に速く、見失ってしまった。
ヒスイ「はぁ、折角のチャンスだったのに。」
クロウ「まぁ、仕方ないだろう。手かがりは自力で見つけるしかなさそうだな。」
 そう開き直って、二人は歩き出した。

 と、その時。
 ドンッ!
クロウ「!?」
 クロウに20歳くらいの男がぶつかってきた。
 咄嗟に反応できなかったクロウはよろめいた。
 しかし、男は気にする事無く走り去っていく。
???「待てー!!」
 そして、その遥か後方で警官らしき男が走ってくる。。
クロウ「なんだ?」
???「き、きみたち!あの男を捕まえてくれ!」
 なんだかよく分からないが、とりあえず男を追いかける事にするクロウとヒスイ。
 ヒスイはともかくクロウは足が速い。ヒスイをおいていって、あっという間に男の前に立ちはだかった。
男「な、なに!?元マラソン選手のこの俺を抜くとは・・・!」
クロウ「マラソン選手だろうがなんだろうが、お前は今まで走ってきた分のハンディがあるからな。当然の結果だ。」
男「ちっ、どけ!」
 ドンッ!
 と男がクロウを押しのけようと、肩に手をぶつけるのだが・・・・。
クロウ「ふんっ!」
 その手を掴まれ、そのまま投げ飛ばされてしまった。
男「どわああ!」
 ドサッ!
 前方へ飛ばされ、しりもちをつく男。
???「おっしゃ!観念しろ!」
 警官らしき男もおいついてきた。
男「簡単に捕まってたまるかよ!」
 男は慌てて立ち上がり、走り去ろうとする。
???「逃がすか!」
 警官は懐から、何か取り出す。
ヒスイ「あれは・・・ビーダマン!?」
 そして、素早くビー玉を一個装填。
クロウ「早い!?」
???「行くぜ、プロヴィデンスホーク!」
 警官はプロヴィデンスホークと呼ばれたビーダマンの腕を固定する。
クロウ「(ホールドパーツではなく、腕を固定した?)」
 ドンッ!!
 プロヴィデンスから発射されるビー玉はシメ撃ち並のパワーを持っている。
男「な、なにぃ!?」
 ビー玉は走っている男の目の前の地面にぶつかり、地面がえぐれる。
男「うっ!」
 そして、えぐれた地面に躓き、転ぶ。
???「観念しやがれ!」
 そこを警官が捕まえ、手錠をかける。
???「へへ、ついに捕まえたぜ、ポイジャン!引っ手繰りの現行犯で逮捕する!」
ポイジャン「くっそー!!」
 その様子を眺めているクロウとヒスイ。どうやら、警官のビーダマンの性能に驚いているようだが。
クロウ「あのパワー・・・。」
ヒスイ「なるほど・・・あのホールドパーツにつけられたシールドが腕パーツと干渉を起こす事で、腕を固定するだけでパワーショットが撃てるというわけですか・・・。」
 そこへ、数人の警官達がかけつける。
警官A「神鷹さーん!」
 さっきの警官は、神鷹と言う名前のようだ。どうやら、彼らは神鷹の部下のようだ。
神鷹「おう!遅かったな!事件解決だ!」
警官B「すごいですね!さすが神鷹さん。」
神鷹「はっはっは、まぁな!っと、それより、こいつを署へ連行してくれ。」
警官V「はっ!」
 部下達は敬礼して、ポイジャンを連れていく。
 クロウ達も、特に用は無いので、その場を去ろうとする。
神鷹「おい、待てよ。」
 神鷹は後ろから二人の肩に手をまわす。
クロウ「なんだ?」
神鷹「へへ、お前らのおかげで奴を逮捕できたんだから、お礼くらいさせろよ。」
ヒスイ「お礼・・・ですか?」
神鷹「そうそう。もうそろそろお昼も近いし、飯おごってやるよ。」
ヒスイ「え、でも・・・。」
クロウ「別にいいんじゃないのか?セシルがいなくなって、まともな物を食ってないんだからな。」
ヒスイ「それは、そうですが・・。」
神鷹「じゃ、決まりだな、俺は神鷹ツバキだ。よろしくな!」
 二カッと笑顔で言うツバキ。クロウ達も自己紹介をすます。
 と、言うわけで、飯をおごって貰う事になった。
 ここは荒野なので、レストランのある町へ行こうとするのだが・・。
ツバキ「あ、そだ。その前に、ちょっと野暮用があるんだった!」
ヒスイ「野暮用?」
ツバキ「あぁ、ちと付き合ってくれ。」
 そして、クロウ達が連れていかれた場所は・・・?
クロウ「ここは・・・!」
 クレアの家の前だった。
ツバキ「すぅ~、はぁ~・・・。」
 ツバキは深呼吸してから、扉をノックする。
ツバキ「く、クレアさん・・・私です、神鷹です!」
 コンコンッ・・・・ガチャ。
 しばらくしてから扉が開き、中からクレアが出て来た。
クレア「あぁ、神鷹さん。見まわりご苦労様。」
 神鷹の姿を確認し、笑顔で言う。その笑顔を見て、顔を赤くする神鷹。
ツバキ「はっ!じょ、女性一人暮らしでは危険ですからね!だから、えっと、その・・・。」
 緊張しているのか、テンパっている。
クレア「ふふ、いつもありがとう。」
 結構な頻度で来ているようだ。
ツバキ「その・・・はい・・!」
 うつむきながら呟くツバキ。
クレア「あれ・・・クロウ?」
クロウ「あぁ、もう退院出来たのか・・・?」
クレア「うん、今朝退院したばかり。やっぱり、クロウが病院まで運んでくれたのね。ありがとう。」
クロウ「いや、あんたには一回助けて貰ったからな。・・・それより、すまないな、黙って行ってしまって・・・。」
クレア「気にしないで。あなた達にも都合があるんだし。」
ツバキ「おい、クロウ。」
 ツバキが、クロウの肩をつっつき、小声でしゃべる。
クロウ「なんだ?」
ツバキ「クレアさん、入院してたのか?・・・ていうか、お前ら、知り合いだったのかよ?」
クロウ「あぁ、まぁ、ちょっとした事でな。」
ツバキ「何だよお前、水臭いな。だったら最初から言ってくれればいいのに・・・。」
クロウ「・・・今のセリフ、全面的に何かおかしいぞ。」
ツバキ「そ、そうか?」
 と、その頃・・・。どこかの荒野では・・・。
ツバサ「へっ!」
 バキィ!!
 ツバサはまたも人のビーダマンを破壊して楽しんでいた。
少年A「うわ~ん!!」
 ビーダマンを破壊された少年は、泣きながら去って行った。
ツバサ「・・・・何か・・・違う。」
 いや、ツバサは楽しんではいなかった。
 得たいの知れない虚無感に必死に耐えていたのだ。
ツバサ「くっ、全部あいつのせいだ!あいつの・・・!」
 ツバサはジョーと出会ってから、ビーダマンを破壊する事への楽しみが薄れていたのだ。
ツバサ「くそっ!どうしてしまったんだ、僕は!・・・だが、あいつを倒せば、きっと元に戻ってくれるはず。」
 セイクリッドホークを取り出すツバサ。
ツバサ「そのために、僕は特訓してきたんだから・・・。」
 と、その時。
ジョー「あ、お前またこんな事やってんのか!?ちっ、こんな事なら楽しくないとかなんとか言ってないで、コテンパンにブッ倒してやれば良かったぜ!」
ツバサ「え・・!」
 いきなり、唐突に、問答無用にジョーが現れた。
ツバサ「・・・・。」
ジョー「ったく、バトルの匂いがしたから駆けつけてきたら、またお前かよ。どうりでなんか変な匂いかと思ったら・・・。」
ツバサ「ふふ、僕達、縁があるのかもしれないね。」
ジョー「だとしたら、ほんとに神様はいらない縁をくれたもんだぜ。」
ツバサ「丁度良かった。君に会いたいと思ってたんだ。」
ジョー「俺に?」
ツバサ「あぁ。君と出会ってから、なんかおかしいんだ。楽しい事が、楽しい事と感じられなくなってしまった。」
ジョー「はぁ?」
ツバサ「だから、僕と勝負してくれ!君をたおせば、きっと元に戻ってくれる!」
ジョー「あぁ、そうだな。俺も今、お前を倒して更正させなきゃいけないって思ったばかりだしな!」
ツバサ「それじゃあ、今回はこれを使おう。」
 ツバサは懐からターゲットバグを取り出す。
ツバサ「このターゲットバグを先に止めた方の勝ちだ。」
ジョー「ああ。構わないぜ!」
 カチャカチャ・・・ジャー!
 ネジを巻き、バグをスタートさせる。
ツバサ「それじゃ行くよ!ビー、ファイア!」
ジョー「おらあああ!!」
 合図と共にバグに向かってパワーショットを三連射する。
ツバサ「させない!」
 カンッカンッカンッ!!
 ジョーのショットを全て止めるツバサ。
ジョー「(こ、こいつ・・・!)」
ツバサ「いけっ!」
 そして、素早く構えてバグに狙いを定めてショットする。
 ドンッ!
 ジョーもツバサの玉をとめようとするのだが、外れてしまった。
ジョー「くっ!」
 バシュッ!!
ツバサ「惜しい!」
 ツバサの玉は、ターゲットバグにかわされてしまった。
ジョー「お前・・・前よりも強くなってるな。」
ツバサ「うん!君に勝つために、猛特訓したんだ!」
ジョー「特訓・・・俺に勝つために・・・。」
ツバサ「あぁ、どうしても君に勝ちたかったから。だから!」
ジョー「(勝つために、特訓する・・・。ダメだ、理解できねぇ!勝つためにバトルするなんて、間違ってる!)」
ツバサ「いけっ!」
 再びツバサのショットがバグに向かう、バグはあっさりかわしてしまう。
ツバサ「くっ!」
ジョー「(でも、それは本当に間違ってるのか?確かに、バトルは勝つためではなく、楽しむためのもの・・・でも、強くなる事自体は、間違っていない。)」
ツバサ「今度こそ、当ててやる!そして、絶対に勝つんだ!」
ジョー「(こいつは、俺に勝つために・・・強くなった・・・だが、楽しむ事しか考えてない俺は・・・勝つための努力をした事があっただろうか・・・?)」
 ジョーがバトル中に悩んでいるのと同じように、ツバサも同様に悩みを抱えていた。
ツバサ「(・・・なんだこれは・・・勝とうと思えば思うほど・・・楽しくなる・・・!まだ、勝ってないのに、あいつのビーダマンを破壊して無いのに、なんでこんなに楽しいんだ!?)」
 お互いに、今の自分の考えを否定するように、必死でビー玉を発射する。
ジョー「いけっ!」
 バグにパワーショットを放つ。
ツバサ「させない!」
 それを妨害するツバサ。
ジョー「ぐっ!」
ツバサ「やった!(な、何でよろこぶんだ?!勝った訳じゃないのに!)」
ジョー「くそっ!(何、悔しがってるんだよ!?これじゃ、楽しめないだろ!)」
 ドンドンッ!!
 バトルは更に白熱していく。
 たった一つのターゲットを狙うだけなのに、かなり長引いている。
 お互いが全力をつくし、負けまいとする心、そしてバトルを楽しみたいと言う心が表れていた。
ジョー「(・・・強くなりたい・・・今よりも、もっと・・・でも、強かろうが、弱かろうが、バトルの楽しさは変わらない・・・じゃあ、なんで!)」
ツバサ「(・・・僕は・・・間違っていたのか・・・思えば、僕は今まで、勝てるバトルしかしなかった・・・。負けるのを怖がっていたんだ・・・。だから、確実に勝てる弱い相手とばかり戦って・・・。当然、そんなんじゃ、バトルを楽しめるわけが無い。だから、屁理屈を言って、ビーダマンを破壊するのが楽しいって、自分に嘘をついていたんだ・・・。)」
ジョー「(俺は・・・逃げていたのか?負ける事の悔しさから。だから、バトルを楽しむって言い訳をして・・・勝とうと努力をしなかった。努力をして負けた時の悔しさは、計り知れないものがある。でも、違うんだ、それじゃ、成長しない・・・成長しなければ、ビーダーとしてバトルする意味は・・・バトルを楽しむ意味は無いんじゃないのか・・?!)」
ツバサ「(本当の勝利と言うものは・・・!)」
ジョー「(本当のバトルと言うものは・・・!)」
ツバサ&ジョー「(勝とうとする事を楽しむものなんじゃないのか!?)」
 ついに、二人は、バトルの本当の答えを見出したのであった!
 お互いに、向き合う二人。
 その表情は、足かせとなっていたこだわりを全て捨て、爽やかだった。
ツバサ「・・・・。」
ジョー「・・・・。」
 一瞬だけフッと笑い、再びビーダマンを構える。
ジョー「このバトル・・・思いっきり楽しもうぜ!」
ツバサ「ああ!・・・でも!」
ジョー&ツバサ「勝つのは(ジョー)俺だ!(ツバサ)僕だ!」
 二人の想いと裏腹に勝手に動き回るターゲットバグ。
ジョー「いくぜ!ファングバースト!」
ツバサ「パワーウィングモード!」
 ガガガガガ!!
 お互いの必殺技が激突する。後一歩のところでターゲットをゲットできるのだが、お互いの玉がぶつかりあい、相殺してしまう。
ジョー「(力はほぼ互角・・・こいつに下手な小細工は通用しないな!)」
ツバサ「(となると、真正面からぶつかりあって、根競べしかない!)」
ジョー「行くぜ!ウェイブギル!」
ツバサ「セイクリッドホーク!!」
 絶対に勝利する考えを捨てたツバサと、勝ち負けを考えずに楽しむ考えを捨てたジョーは、本当に楽しげだった。


         つづく
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爆・爆ストーリー ZERO 第23話

第23話「轟け!ビー玉の雷鳴!!」
ジョー「うおおおお!!」
ツバサ「はあああ!!」
 前回の続きで、激しくバトルする二人。
 フィールド内を飛び交うビー玉、弾け飛ぶターゲット。
ジョー「はぁ・・・はぁ・・・!」
ツバサ「くっ!」
 現在、ジョーの残りターゲットは、4本。ツバサは2本で、ジョーが有利で事が進んでいる。
ジョー「(これは・・・俺の求めるバトルじゃねぇ!)」
 しかし、そう心の中で叫んだジョーは、ビー玉を撃つのを止め、ビーダマンをしまった。
ツバサ「?」
 そんなジョーを不思議そうに見る一同。
ジョー「止めだ止めだ!」
 そう言って、両手を上げてきびすを返す。
ヒスイ「止め?」
ジョー「ああ。こんなバトル、続けたくねぇ!」
ヒスイ「でも、折角有利だったのに・・・。」
ジョー「そんなの関係ねぇよ!俺は、俺の求めるバトルのために戦ってるんだ!それが出来ないんじゃ、戦う意味はねぇ。」
ツバサ「同感だね。勝てるかどうか分からないようなバトルは、僕好みじゃない。」
 ツバサもビーダマンをしまう。
ジョー「そう言うこった。ちっ、バトルでこんなに厭な気分になったのは初めてだぜ。じゃぁな、もう二度とお前とはバトルしねぇよ!」
 そうツバサに言って去っていこうとした。
クロウ「待てよ。」
 が、それをクロウが止める。
ジョー「なんだ?」
 振り向くジョー。
クロウ「お前、こいつとのバトルで自分の望むものが出来ないと言うのは承知の上でのバトルだったはずだ。なのに、バトルを中断するのか?」
ジョー「・・・確かに自分勝手だってのは分かってる。でもさ、やっぱ辛いだろ?楽しくないのは。自分の感情を押し殺すのだけはしないようにしてるんだ。俺は。」
クロウ「!?」
 ジョーの言葉はきわめて自分勝手で、説得力の無いものだった。でも、それはクロウの胸に深く突き刺さった。
クロウ「(辛い・・・感情を押し殺すのは・・・。)」
ジョー「そう言う事だ。あ~あ、口直しに熱いバトルでも探しに行くかな~。」
 そう言って、今度こそ本当にジョーは去って言ってしまった。
ツバサ「じゃ、僕も帰ろうかな。はぁ、折角いい気持ちだったのにあいつのせいで台無しだよ・・・・。」
 ブツブツ文句を言いながらツバサも去っていってしまう。
 そして取り残されてしまった二人。
クロウ「俺達も行くか?」
ヒスイ「ええ・・・。結局、B-フォースの手がかりは見つからず終いでしたしね。」
 二人も歩き出した。
 B-フォースのアジト。
 水晶に映っている旦那に向かって話し掛けているレシアス。
 それを遠くから面白くなさそうに眺めているチルド。
チルド「はぁ・・・。つまんないな・・・。」
シルバ「まぁ、暇なら依頼でもこなしてみたらどうじゃ?」
チルド「そうだね。まだこなしていない依頼が5件くらいあったし。」
 そして、チルドは外へ出て行った。
 
 ドンッ!ドンッ!!
 人里はなれた荒野で銃声が鳴り響く。
男「ぐああ!!」
 スーツを着た、お偉いさんらしき男の人が倒れる。
 そして、それを見下ろすチルド。
チルド「・・・これで3件目・・・。こいつの機構は面白いけど・・・つまらない・・・。」
 チルドは退屈そうにレーザーホーネットを眺めていた。
チルド「・・・なんで、僕ばっかりこんなに退屈してるんだろう・・・?」
 そして、クロウ達は散々歩き回ったが、結局B-フォースのアジトを掴めずにいた。
クロウ「手掛かり無しか・・・。」
 あちこち歩き回っているうちに、暗くなってしまった。
 しかもまわりは何も無い荒野だ。
ヒスイ「仕方ありませんね、今日はここら辺で、野宿にしますか?」
クロウ「ああ。」
 寝るための支度をし、横になるクロウ。
 しかし、ヒスイはまだ寝る様子は無い。
クロウ「寝ないのか?」
ヒスイ「えぇ。」
 ちょっと顔をうつむけ、呟く。ヒスイの手には、破損してボロボロになったローラーシールドブースターが握られている。
クロウ「・・・そうか。まぁ、お前が起きて何をしてようが勝手だ。好きにしな。」
 そう言って目をつぶるクロウ。
ヒスイ「・・・・・。」
 完全にクロウが眠ってしまった事を確認したヒスイは、行動を開始した。
ヒスイ「さて・・どうしたものか・・。」
 冷めた目でローラーシールドブースターをジッと見る。
 そして・・・。
ヒスイ「ちっ、やっぱもう使えないか。」
 そう呟いて、地面に叩きつけた。
 完全に砕けてしまうブースター。
 ゴソゴソ・・・。
 そして、懐から緑色のパーツを取り出す。
ヒスイ「ほんとはもっと調整してから使いたかったんだけどな・・・。ま、仕方ないか。」
 カチャカチャ。
 真夜中、一人で作業を開始した。

 翌朝。
ヒスイ「出来たー!!」
 ヒスイの叫び声が丁度いい目覚ましとなり、クロウは目を覚ました。
クロウ「ん・・・。」
 けだるそうに体を起こしヒスイの方を見る。
クロウ「出来た?」
ヒスイ「ええ!ついに出来ました!ジェイドガンナーの後を継ぐ、僕の新しい相棒!ジェイドガンナーブリッツが!」
 前機よりもごつく進化した緑色の戦士を掲げるヒスイ。
クロウ「ジェイドガンナーブリッツ?」
ヒスイ「そう!この機体はなんといっても・・・。」
 ドキュンッ!!
 ヒスイが新マシンの性能を説明しようとしたとき、ビー玉が二人の頬をかすめた。
クロウ「!?」
 反射的に飛んできたほうに顔を向ける二人。
チルド「あ、やっぱりここにいたんだ。水晶を使って色々探し回ったんだけど、なかなか見つからなかったからイライラしてたところなんだ。」
 レーザーホーネットを構えたチルドが笑顔で向かってくる。
クロウ「くっ!」
 立ち上がる二人。
チルド「あ、そうだ。これ返すよ。」
 チルドはレーザーホーネットをヒスイに向かって投げる。
ヒスイ「え・・・・。」
 ヒスイはハトが豆鉄砲を食らったような顔をしてそれを受け取った。
ヒスイ「どうして・・・?」
チルド「それ、面白いけどつまらないんだ。簡単に終わっちゃうから。」
 訳が分からないヒスイとクロウ。
チルド「それより僕と遊んでよ。みんなセシルの事につきっきりになって、つまらないんだ。」
 チルドは一見友好的な笑顔を浮かべてジェネラルワンを構えた。
ヒスイ「いいでしょう。」
 ジェイドガンナーブリッツを構えるヒスイ。
ヒスイ「(丁度いいテストになりそうだ。)」
チルド「行くよ。」
 ドンッ!!
 チルドのパワーショット。
 これは、前回の戦いでは止める事の出来なかったものだ。
ヒスイ「・・・・・・。」
 真っ直ぐチルドの玉がヒスイに向かってくる。
ヒスイ「ジェイドガンナーブリッツ!お前の力を解き放て!!」
 ズドドドドド!!!
チルド「なに!?」
 ジェイドガンナーBから放たれた無数のビー玉により、チルドの玉はあっさり弾かれた。
 いや、それどころか、まだ残っている数個の玉がチルドに向かってくる。
チルド「くっ!!」
ヒスイ「はあああ!!!」
 ヒスイはまだ連射を続けている。
チルド「なに!?」
 形勢逆転。
 今度はチルドがヒスイの玉を防御する番だ。
チルド「そんな!」
 カンッカンッ!!
 チルドの目の前で弾かれていくビー玉達。
チルド「なんでっ!なんでこんな玉が!」
 ドンッ!!
 渾身のパワーを込めたショットで、一気にヒスイの連射を弾く。
ヒスイ「!?」
 間一髪でそれをよけるヒスイ。
 玉はヒスイの頬をかすめて、後ろにある大木にぶつかる。
 ドーンッ!!
 大きな音を立てて大木が倒れた。
チルド「はぁ、はぁ・・・!」
ヒスイ「・・・・。」
 息を切らすチルド。
 それを冷静に見つめているヒスイ。
チルド「なんで・・・なんなんだよ、それ~~!!!」
クロウ「(これが、新しいジェイドガンナーの力か。)」
ヒスイ「従来よりも低い位置に片手撃ち用のグリップを搭載し、補充スピードを極めたネオシールドブースター!そして、セイクリッドホークとの戦いでヒントを得た、腕に取り付け、ホールドを締め付ける効果と、補充量、補充スピードを高めたパーツを搭載した超連射モデルです!」
 グッ・・!
 腕についた緑色の板を押さえつけてパワーショットを放つ。
チルド「!?」
 チルドはなんとかそれをかわす。
ヒスイ「もちろん、パワーも上がってますよ。」
チルド「うっ・・・!」
 チルドは完全にたじろいだ。
チルド「つまらない・・・・こんなのはつまらない・・・・!」
ヒスイ「まだまだぁ!」
 攻撃の手を緩めないヒスイ。
 怒涛の連射がチルドに襲い掛かる。
チルド「う、くっ!」
 必死に防御するチルド。
 しかし、徐々に押されていく。
チルド「ふざ・・・ける・・な・・・!」
 バーンッ!!!
ヒスイ「!?」
 さっきチルドが放った渾身のパワーショットが再び火を吹いた。
 しかも、今度は連射だ。
チルド「ふざけるなふざけるなふざけるなぁ~!!!」
ヒスイ「くっ!」
 徐々に、ヒスイが押されていく。
チルド「はぁ・・はぁ・・・!」
 しかし、さすがに疲れたのか、そのパワー連射もすぐに収まった。
ヒスイ「よし!」
 形勢逆転する事無く、ヒスイが再びチルドを圧倒し始める。
チルド「ぐっ、こんなの・・・つまらない・・・!つまらない・・・!」
 何かをつぶやきながら必死で防御する。
チルド「つまらないよ、こんなの・・・簡単に勝つのはつまらないけど・・・負けるのは・・・もっと、つまらないじゃないか~~~!!!!」
 叫んで、さっきのパワーショットを遥かに凌駕する威力のショットを放つ。
ヒスイ「なんだ!?」
 スパー!!
 ヒスイの玉を全て弾き、ジェイドガンナーブリッツに向かってくる。
ヒスイ「うっ!止められない!」
チルド「うわああああああああ!!!!」
 バーンッ!!
 チルドのショットはジェイドガンナーにぶつかり、ヒスイはジェイドを落としてしまった。
ヒスイ「しまった!」
 慌てて拾うヒスイ。
 その隙に、チルドは何かを叫びながら去って行ってしまった。
ヒスイ「ふぅ・・・。まだまだ調整が足りなかったようですね。」
 額の汗を拭うヒスイ。
ヒスイ「あっ!」
 と、いきなり何か思いついたように声を上げる。
クロウ「どうした?」
ヒスイ「い、急いでチルドの後を追いましょう!」
 クロウは、ヒスイのセリフで全てを把握した。
クロウ「そうか、奴についていけば、B-フォースのアジトをつかめるかもしれない。」
 そして、二人は、チルドが走っていったであろう方向へ・・・。
 しかし、チルドは意外に速く、見失ってしまった。

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爆・爆ストーリー ZERO 第22話

第22話「相反するもの」

 B-フォースのアジトの場所を知っている。そう言う少年、ツバサとバトルをする事になったヒスイだが、そのバトルに負けたヒスイはツバサにジェイドガンナーを破壊されてしまった。

ヒスイ「そんな・・・!」
 膝をつき、粉々になったジェイドガンナーのパーツを手にする。
ヒスイ「なんで・・・こんなことを・・・!」

 ヒスイは、震える手でジェイドガンナーの欠片を拾いながらツバサへ問う。
ツバサ「僕が強いからさ。」
クロウ「!?」
 ツバサの言葉に、何故かクロウが反応した。
ツバサ「だってそうだろ?僕が弱かったら、そんな事は出来ないわけだし。」
ヒスイ「・・・・!」
 ヒスイは目に涙を浮かべてツバサを睨みつける。
ツバサ「その目・・・最高に気持ち良いぜ。信用しきった相手に裏切られるときに見せる怒りと悲しみの入り混じった眼差し。実に滑稽だ。」
 言って、くくっと笑う。
ツバサ「そう、快感さ・・・。破壊するビーダマンの出来が良ければ尚更だな。」
ヒスイ「どういう、意味ですか・・・?」
ツバサ「ふ・・・。出来のいい作品と言うのはそれだけでつまらないものだ。文句をつける事も出来なければ、それ以上の発展はありえない。」
 ツバサの言葉を黙って聞いているヒスイとクロウ。
ツバサ「だったら、それに変化をもたらせばいい。簡単さ、踏み潰して粉々にしてしまえばいいんだから・・・。」
ヒスイ「・・・!」
ツバサ「確かに、後悔はある。素晴らしい作品をなくしてしまったと言う後悔はね。だが、その過程は実に美しい。素晴らしい作品が崩されていくと言う焦燥感、崩していく自分に対する怒り、作品に対する罪悪感・・・そして何より、それを感じられるのは強さを持った自分だけと言う絶対性がある。他人では絶対に味わう事の出来ないこの感覚・・・たまらないね。」
クロウ「おい・・!」
 いつの間にか、クロウが怒りの顔でツバサを睨み付けていた。
ツバサ「なんだ?仲間のビーダマンを破壊されて怒ってるってのか?」
クロウ「いや、こいつのビーダマンが壊れようがどうなろうが、正直俺にはどうでもいい。だがな・・・。」
ツバサ「?」
クロウ「強いから・・・強いからだと・・・?自分の強さを理由にして、そんなくだらない一時凌ぎの快感に身を投じて・・・。俺はそう言う奴が一番許せないんだ!」
 珍しくクロウが怒りの感情を露にしていた。
ツバサ「・・・分からないな。君は何が言いたい?」
クロウ「強さって言うのは、ただあるだけでいい!それだけで、十分な価値を持つんだ!」
ツバサ「何を言ってる。どんなものでも使わなければただの宝の持ち腐れだろ?」
クロウ「使って・・・意味のあるものならな。」

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爆・爆ストーリー ZERO 第21話

第21話「汚れた聖なる翼」

 クレアが持っていたビーダマンはなんとレーザーホーネットだった。

 そのレーザーホーネットをクロウへ渡すためここまでやってきたクレアだが、チルドの攻撃を受けて倒れてしまう。
 そして、クレアが渡すはずだったレーザーホーネットはクロウではなく、チルドの手に渡り・・・。

 レーザーホーネットを手にしたチルドは面白そうに機体を弄繰り回す。
チルド「へぇ、これレーザーホーネットって言うんだ。」
 チルドは何気にヘッドについているレーザーのスイッチを入れる。
 カチッ!ビーン!
 赤い光が真っ直ぐ伸び、ジェイドガンナーに当たる。
ヒスイ「っ!?」
チルド「凄い。僕でも凝視しなきゃ分からないものが簡単に見える。」
クロウ「なに!?」
 そのままチルドはジェイドに向かってビー玉を撃つ。
 カンッ!
ヒスイ「くっ!」
 それほど強い攻撃ではなかった。
 しかし、それでもヒスイは成す術もなくジェイドを落としてしまった。
チルド「凄いね、このビーダマン。」
 ヒスイは慌ててジェイドを拾い、チルドに向かってビー玉を発射した。
ヒスイ「いけっ!」
 しかし、チルドはパワーショットでそれを止める。
チルド「無理だよ、そんなショットじゃ。」
ヒスイ「くっ!」
チルド「さて・・・。」
 チルドの視線がゆっくりとセシルに向く。
セシル「!?」
チルド「そろそろ終わらせようかな。」
 ドンッ!
 チルドは、またヒスイのジェイドを撃ち落した。
ヒスイ「!?」
 そして、すばやくセシルの所へ行き、腹部に拳を叩きつける。
セシル「うっ・・・!」
 そのまま気絶するセシルを抱え、チルドは去って行った。
クロウ「しまった!」

ヒスイ「そんなっ!」

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爆・爆ストーリー ZERO 第20話

第20話「最悪の巡り合い」



 紆余曲折ありつつも、ついに三人はグラビトンビレッジの公園で再会できた。
セシル「クロウ~!!」
 再会に涙したセシルはそのまま勢い良くクロウの胸に・・・。
クロウ「あ、そうだ。」
 ズデッ!
 クロウはすばやくセシルの攻撃をかわし、ヒスイの前にレクイエムを出した。

クロウ「こいつの調子がおかしい。前のバトルでは明らかに性能ダウンしていた。」

 ヒスイはレクイエムを受け取ると簡単に分析をしてみた。

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爆・爆ストーリー ZERO 第19話


第19話「人の手から手へと」
 川に流されたクロウはクレアに助けられ、クレアの家に連れていってもらった。
 クレアの家は、極普通の中流家庭によくあるような構造をしており、家の周りには、コンクリートの壁が囲っている。
 中に入る二人。玄関に上がり、居間に行く二人。
 居間は、キッチン、ダイニング、リビングの仕切りがなく、ワンフロアになっている。
クレア「とりあえず、そこに座って。今お茶を入れるから。」
 リビングにあるソファを指差すクレア。
 そして、お茶を入れるために、キッチンへ向かった。
クロウ「・・・・。」
 とりあえず、クロウは遠慮なくソファに座った。
クレア「紅茶でいい?」
 キッチンからクレアの声が聞こえる。
クロウ「ああ。」
 クロウはつぶやくように返事をした。
クレア「はい、どうぞ。」
 しばらくして、クレアが湯気の立つカップを持ってきて、クロウの前に置いてくれた。
クロウ「すまない・・。」
 クロウは、カップを手に持ち、そう呟いた。その口調は淡々としていたが、どこか罪悪と後悔が込められているように感じられた。
クレア「いいのよ、気にしなくて。なんだか、弟が出来たみたいで嬉しいんだか
ら。」
 クレアは笑顔でそんな事を言う。
 全く陰りのない本当の笑顔で。
クロウ「・・・・・。」
 その笑顔を見たクロウは、何故だか胸に温かさを感じた。
クロウ「・・・・っ!」
 しかし、それを拒むかのように、頭痛が起こる。
 痛みは一瞬だけだったが、瞬時にコメカミを押えた。
クロウ「・・・・・。」
クレア「大丈夫?やっぱり、まだ回復してなんじゃ・・・。」
クロウ「いや、大丈夫だ。・・・連れが待ってるから、俺はもう行く。」
 そう言って、立ち上がるクロウ。
 しかし、座ってる状態からいきなり立ち上がるのは、結構負担がかかるものだ。
クロウ「・・・っ!」
 また頭に鈍い痛みを感じ、コメカミを押えながらヨロヨロとふらついて腰を落とした。
クレア「無理しちゃダメ。・・・一体何してたんだか知らないけど、体中傷だらけな
んだから。」
クロウ「え・・・。」
 そう言われて、初めて自分の体を見た。
 今まで気付かなかったが、クレアの言う通りクロウは体中アザだらけだ。
 まぁ、崖から落ちて、そのまま川に流されたんだから当然だろう。いや、むしろそれで死ななかったと言うのは奇跡に近い。
クロウ「・・・・・。」
 改めて、クロウは自分の力を呪った。
 なんて生き汚い。
 あのまま死んでしまえば、それで終われたと言うのに。
 だって言うのに、しぶとく生き残って、他人に負担をかけている。
クロウ「すまない・・・。」
 思わず、さっき言ったセリフをまた呟いた。
 今度のは、消え入りそうなほど小さな声だ。
クレア「だから、いいって言ってるでしょ。私だって、別に嫌々やってるわけじゃないんだから。」
 はっきりと「仕方なくやってます」とか言う人はいないのだが、クロウはその言葉を必要以上に疑問に感じた。
クロウ「嫌々じゃ・・・ない・・・?『困っている人は助けないといけない』そんな
人間どもの作った教えを守ってるだけじゃないのか?」
 クロウの言い方にはどこか違和感がある。
 しかし、クレアは気にせずに言う。
クレア「ん~、確かにそれもあるのかもしれないけど・・・。」
 クレアは少し冷めて、飲み易くなったお茶を一口飲んでから答える。
クレア「なんて言うのかな?助けたいと思ったから・・・ううん、やっぱり『困って
いる人は助けないといけない』って教えを守ってるだけなのかも。」
クロウ「・・・・。」
クレア「でも、あのまま助けなかったら、私は絶対に後悔すると思う。これから先ず~っと。これって損じゃない?あなたを助ける事に得は無いかもしれないけど、損だけは絶対にしたくなかったから・・・。これじゃイケナイ?」
 クレアの言葉にクロウは目線を少し下げて言う。これはきっとクレアの本心ではないのだろう。だが、クロウが理解しやすいように自分を下げて話しているのだ。
クロウ「あぁ・・・イケナイな・・・。」

 それがなんとなく察せたからか、クロウはその言葉に頷かなかった。

 しかしクレアはそれ以上この話を続ける気はなかったのか、明るい口調で話題を変える。
クレア「まぁ、そんな事どうでもいいじゃない。それより、名前教えてくれない?いつまでも名前を知らないままっていうのもおかしいし。」
 そう言えば、クロウは名前を教えていなかった。
 本来ならクレアが名乗った時点で、自分の名前を教えるのが礼儀と言うものなのだが、あの時は昏睡状態(?)だったし、そのまま流れでクレアの家に来たからすっかり忘れていた。
クロウ「クロウだ。」
クレア「そう、よろしくクロウ。」
 クレアは笑顔で手を差し出す。
 一瞬ためらいながらも、クロウはその手を握った。クレアの手は少し冷たく、そして柔らかかった。
クレア「それで、クロウの家は?近くだったら、送っていくんだけど・・・でも、こ
の辺にはうち以外に家は無いし・・・。」
クロウ「俺は・・・旅をしているんだ。より強くなるために。」
クレア「へぇ、やっぱり男の子ね。そう言えば、あの子も同じ事言ってたなぁ・・
・。」
 目を細めて、思いに耽るクレア。
クロウ「あの子?」
クレア「うん、ちょっと前まで、二人で暮らしてた私の弟。あの子もただ強くなる事しか考えてなかったなぁ・・・。」
クロウ「そいつも旅に・・・?」
クレア「えぇ。前に一回帰ってきた事があるんだけど、やっぱり旅って凄いね・・
・。出て行ったばかりの頃とは全然雰囲気が違ったもん。」
クロウ「ああ。旅って言うのは、本当にいろんな事がある・・・。俺も、昨日までは
あんたに助けられるとは夢にも思わなかったわけだし。」
クレア「ふふ、それは旅をしていない私だって同じ。」
 自然と、クロウとクレアの間に隔たりはなくなっていた・・・。
 それから、クロウは風呂にも入れて貰い、食事や着替え、部屋まで用意して貰った。
 クロウの泊まる事になった部屋は、弟さんが使っていたであろう部屋で、居間から出て左に2、3Mくらい歩いたところにあり、殺風景で飾り気の無い部屋だった。
クロウ「・・・・。」
 ヘッドの中に入り、クロウは、久しぶりに家族の温かさを感じていた。
 いや、それは違う。
 クロウには、その温かさが家族とかそういうものと言う事とは感じていなかった。
 それでも、ただひたすら・・・温かかった。
 翌日。
クロウ「ん・・・・。」
 窓からこぼれてくる光を感じ、目を開けるクロウ。
 既に明るくなった外を見て、朝だと感じたクロウは、ベッドから出て、自分の服に着替える。
 そして部屋から出たところ、居間から出てきたクレアとばったり出会う。
クレア「あ、おはよう、クロウ。」
 ニコニコと、笑顔で挨拶するクレア。
クロウ「ああ・・・。」
 クロウは愛想悪く生返事する。
クレア「あ、そだ。私今からちょっと出かけなきゃいけないから、留守番してて。朝ご飯は居間に用意してあるから。」
クロウ「・・・ああ、悪いな。ありがたく、いただく。」
クレア「ふふ、それじゃいってきます。」
 そう言って、クレアは元気良く外へ出て行った。
クロウ「・・・。」
 とりあえず、居間へ行き朝食を済ます。
 それからは、特にやる事が無い。
クロウ「・・・・・。」
 ただひたすらボーっとしていた。
 その時、外から、音が聞こえる。
クロウ「なんだ・・・?」
 よく聞くとそれは、扉を強く、そして何度も叩き続けるような音だ。
 丁度退屈だったので、好奇心の赴くままに玄関に向かう。
 ドンッドンッ!!
 思ったとおり、その音は扉を叩く音だ。
 しかし、それにしてはかなり強い。扉が壊れるんじゃないかってくらい凄い音がしている。
 しかも・・・。
???「おい!中にいるのは分かってんだぞ!」
???「大人しく出て来い!!」
 なんて、まるで借金取りのようなドスのきいた声が聞こえてくる。
クロウ「・・・・。」
 なんとなく煩わしく思ったクロウは、めんどくさそうに扉を開ける。
 開けた途端、勢い良く人相の悪い三人の少年達が入って来た。
クロウ「!?」
 その勢いに押されそうになるクロウだが、なんとか踏みとどまり、不良達を外へ押し出した。
クロウ「なんだ、お前らは!」
不良A「おい・・・。あれを出せ!」
 開口一番それだ。
クロウ「は・・・?」
 当然何がなんだか分からない。
不良B「とぼけんなよ、おい!あれは元々俺のものだぞ!」
 不良Bの言葉に不良Aが反応する。
不良A「おい、お前何寝ぼけた事言ってんだよ、あれは俺が拾ったものだぜ。」
不良B「あん?あれの力を一番引き出してたのは、この俺じゃねぇかよ!」
不良C「それは俺のセリフだろ?この中で一番強いのも俺なんだからな!」
不良B「そんなの関係あるか!大事なのはあれをいかに使いこなすかだろうが!」
不良A「ふざけるな!そもそもお前があれを落とさなければ、こんな事にならなかったんだろ!」
不良B「あれは、お前があの時俺を押したりしたから・・・!!」
 三人は勝手に喧嘩をしはじめた。
クロウ「・・・・・。」
 クロウは置いてけぼりである。
 その時、何か銃声のような音が三回聞こえたあと、不良達は倒れてしまった。
クロウ「なんだ・・・!?」
 何がなんだか分からないが、クロウはとりあえず倒れた不良達は邪魔なので、外に放り投げた。
 そのすぐ後・・・。
クレア「あれ、クロウ?」
 クレアが帰ってきたのだ。
クレア「どうしたの、外に出て・・・。もしかして、お出迎え?」
クロウ「いや・・・。」
 クロウは視線を、情けなく倒れている不良達に向けた。
クレア「誰、この人達・・・?」
クロウ「さぁな。気がついたら倒れてた。・・・このままじゃ邪魔になるな。」
 クロウは三人の不良を抱えて歩き出す。
クレア「え、どこ行くの?」
クロウ「邪魔にならないような場所に置いていく。」
 そう言って、クロウはそのまま歩いていく。
クレア「・・・・。」
 クレアは無言で、懐から黄色いものを取り出す。
クレア「(また・・・やってしまった・・・。身を守るためとは言え・・・また・・
・人を・・・。)」
 ・・・・。
 ・・・。
 後悔に苛まれたクレアは、数日前の事を思い返した。
少年「ただいま!」
 より強くなるために旅に出ていたクレアの弟がその日、たまたま帰ってきたのだ。
クレア「アル!?」
 弟の名前はアルと言うようだ。
 突然の弟の帰宅に驚くクレア。
クレア「どうしたのよ、帰るんだったら連絡くらいいれてくれればいいのに。」
アル「へへへ、たまたま近くを寄ったからさ。たまには顔を見せないといけないか
な~って思って。」
 久しぶりの姉弟の再会だ。
 二人は水入らずで話しこんだ。
アル「あ、そうだ、お土産を持ってきたんだ。」
クレア「え、なに?お土産って・・・。」
アル「これだよ。」
 アルは懐から黄色いと黒のカラーリングのビーダマンを取り出した。
クレア「これは・・?」
アル「ビーダマンだよ。この前骨董屋に行った時、たまたま目に付いたものなんだけ
ど、結構強いよ。」
クレア「ビーダマン・・・ねぇ・・・。」
アル「姉さん一人じゃ、やっぱり心配だからさ、身を守るものが必要じゃないか
な~っと思ってね。」
クレア「ふふ、ありがと。」
 ・・・・・。
 ・・・。
 
クレア「(やっぱり・・・これは私が持っちゃいけないものなのかも・・・。)」
 そう思ったクレアは、クロウを追いかけた。強さを求めて旅を続けてきたクロウなら、この強大な力を正しく使えるかもしれない。そう考えたからだ。
 しかし、いつの間にか、クロウは遥か彼方へ・・・!
クレア「(は、速い・・!?)」
 その頃、クロウは・・・・。
クロウ「ま、こんなもんだろ。」
 遠く、遠くの公園のベンチに、不良達を置いた。
クロウ「さて・・・帰るか。」
 そこで・・・クロウは大事な事に気がついた。
クロウ「どこへ・・・帰ればいいんだ・・・?」
 簡単に言うと、迷ったのである。
 クレアの家にも戻れないし、ヒスイ達ともはぐれたし、クロウは完全に一人きりになってしまった。
クロウ「まぁ、俺は元々一人だったから、別にいいんだけどな。」
 そう開き直り、再び歩き出す事にした。
 そして、クレアは・・・。
クレア「はぁ・・はぁ・・・確かにこっちに行ったと思うんだけど・・・。」
 息を切らしながらクロウを探していた。
 果たして、この二人は巡り会う事は出来るのだろうか?
 その頃、ヒスイ達は・・・。
ヒスイ「一体なんだったんでしょうね、ジャベンス。」
セシル「さぁ?でも、何か、思いつめてるみたいだったね。」
ヒスイ「ええ・・・。ジュウと何かあったんでしょうか?」
 グラビトンビレッジの公園の近くを歩いていた。
セシル「あ・・・!」
 その時、セシルの目に、黒い髪と黒い服の少年がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。
クロウ「あ・・・。」
 クロウも、それに気づいたようだ。
ヒスイ「クロウ!」
クロウ「お前ら・・・!」
 ついに再会を果たした三人。
 しかし、それを見つめる黒い影・・・・。
???「へぇ・・・面白そうだね・・・・。」
           つづく
 次回予告
セシル「やった!ついにクロウと会えた!」
ヒスイ「しかも、レーザーホーネットまで見つかっちゃいました!いい事は続くもんですね~♪」
クロウ「しかし、そのレーザーホーネットはよりによって・・!次回!『最悪の巡り
会い』極めろ、強さへの道!」

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爆・爆ストーリー ZERO 第18話

第18話「熱きバトルを求めて!」




   

 ズドドドドド!!

 グラビトンビレッジからあの大きな崖へと向かう途中で、二人のビー玉が凄まじい量の連射をぶつけあっていた。
 超速連射を可能とするショートストロークトリガーを搭載しているホーリープリンスとシルバの連射に押されていくヒスイとジェイドガンナー。
シルバ「ふぉっふぉっふぉ!」
ヒスイ「くっ!!」
 シルバのショットを必死で防御するヒスイ。
 だが、シルバのショットはどんどん近づいて来る。
ヒスイ「くそっ!!」
 まともにぶつかり合っても勝てないと判断したヒスイは、すばやく身を翻し、シルバのショットをかわす。
シルバ「!?」
ヒスイ「いけっ!」
 そして、シルバの横につき、ショットを撃つ。
シルバ「むっ!」
 しかし、そのショットはホーリープリンスのヘッドの角をかすっただけだ。
セシル「惜しい・・・!」
シルバ「ほう、なかなかやりおるのう、若僧。じゃが・・・。」
 再びシルバの猛攻。
ヒスイ「くっ!」
 ヒスイはまたもかわしながらシルバを攻撃。
ヒスイ「はぁ・・・はぁ・・・!」
 さすがに疲れてきた。
シルバ「ふっふっふ、そんなに動き回って・・・いつまで持つかのう?」
 しかし、心なしか、シルバの方が疲れているように見える。
シルバ「ぜぇ・・・ぜぇ・・・!」
ヒスイ「いっけー!!」
 ヒスイのショット。真っ直ぐシルバに向かって飛んでいく。
シルバ「くっ・・!」
 シルバはよろめいてそれをかわす。
シルバ「(さ、さすがに疲れてきたのう・・・このままじゃと血圧が上がってしまう・・・!)」
 ピタリと、シルバの攻撃がやんだ。
セシル「??」
ヒスイ「ど、どうして撃たないんですか!?」
シルバ「ふ・・・ふふ、今日はこのくらいにしといてやろう。」
 そう言って、シルバはよろよろしながら去って行った。
ヒスイ「ふぅ・・・何にせよ、助かりました~。」
 ヒスイはため息をつき、その場にヘタリこむ。
ヒスイ「はぁ・・・はぁ・・・!さ、さすがに最初からワンハンドミッションを使うのは無茶でした・・・。」
セシル「だ、大丈夫!?」
ヒスイ「えぇ、こんなの、ちょっと休めば・・・あぁ、でもちょっと運動不足かも。」

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爆・爆ストーリー ZERO 第17話

第17話「老いし刺客」
 クロウが行方不明になったその日の夜。ヒスイとセシルは、とりあえず橋を渡ってグラビトンビレッジの宿に泊まる事にした。
セシル「結局・・・見つからなかったね、クロウ。」
ヒスイ「ええ・・・。」
 六畳一間の和室
の中で、セシルとヒスイは卓を挟んで座っている。
セシル「・・・私達、こうしてていいのかな?クロウがまだどこにいるかも分からないのに・・・。もしかして、まだ川に流されてるかもしれない、だとしたら・・・!」

 思考はどんどんネガティブな方向へと転がっていく。

 居ても立っても居られなのだが、何もできない自分に歯がゆさを感じる。
ヒスイ「落ち着いてください。もう外は暗いんです。あのまま探し続けて、僕らが体を壊したりしたら元も子もないでしょう?」

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