第57話「世界と戦うために」
ユーロフリッカー騎士団との親善試合を行った次の月曜日。
バンの通っている小学校。
「それにしてもすげぇよな、バン!」
「日本代表として世界と戦うんだもんね!」
FICS日本代表に選ばれたバンはクラスメイトたちにチヤホヤされていた。
「いやぁ、それほどでもあるぜ〜!世界でも俺がダントツ一番だ!」
教室では一日中FICSの話題で持ちきりでバンはすっかり有頂天になっていた。
第57話「世界と戦うために」
ユーロフリッカー騎士団との親善試合を行った次の月曜日。
バンの通っている小学校。
「それにしてもすげぇよな、バン!」
「日本代表として世界と戦うんだもんね!」
FICS日本代表に選ばれたバンはクラスメイトたちにチヤホヤされていた。
「いやぁ、それほどでもあるぜ〜!世界でも俺がダントツ一番だ!」
教室では一日中FICSの話題で持ちきりでバンはすっかり有頂天になっていた。
第83話「誕生!ストライクビートヴィクター!!」
ダントツウィナーズVSデザートハンターズの試合当日。
試合開始は午後になるので、午前中いっぱいまでダントツウィナーズは研究所で新ヴィクターの開発に勤しんでいた。
ウィーウィー!と言う電子音とともにマシン製造機が開き、中から新型ヴィクターが現れる。
「よし、成功だ。新素材の分子結合は問題ない」
「おお、ヴィクター!」
バンは待ちきれんとばかりに機械の中にあるヴィクターを手に取った。
「くぅぅ!かっこいいぜ!これが新型、ストライクビートヴィクターだ!!」
新機体を掲げてポーズを取る。
「カッコつけてる場合か。とっととテストするぞ」
「いや、もうその時間はない。早く出発しないと試合に間に合わなくなる」
「へっ?」
「じゃ、じゃあテストもなしでいきなり試合へ?」
「無茶だが、棄権になるよりはいい」
「大丈夫だぜ!ヴィクターならぶっつけ本番でも問題ねぇ!!」
第82話「急げ!新ヴィクター開発!!」
デウスリベンジャーズとの試合で傷ついたヴィクターを抱えて、バン達は研究所へ駆け込んだ。
伊江羅はヴィクターを機械にセットして分析をする。
「ど、どうだ伊江羅博士?ヴィクターは直りそうか??」
「少し静かにしていろ」
伊江羅は真剣な表情でキーボードを叩き、作業を続ける。
しかし、暫くして手を止めて息をついた。
「……これは酷いな。外から見える傷だけじゃなく内部にも亀裂が無数に走っている。ここまで破損しては、修復は難しい」
「そんなっ……」
まさに死刑宣告にも等しい伊江羅の言葉に、バンは絶望する。
「無茶するからだ」
「でも、バンは私達を守って勝つために戦ったんだよ」
「だが、それで再起不能になってちゃ世話ないだろ。何か手は無いのか?」
ザキは悪態を吐きながらも心配はしているようで、伊江羅へ話しかけた。
「……無い事はない」
「ほんと!?」
「あぁ、修復ではなく新型を開発する。それしか手はない」
「新型か……」
「だが、ビートヴィクターは元々ヴィクターの持つポテンシャルを最大限活かして開発した機体だ。それを超えるとなると、そう簡単にできる物ではない」
「へっ、やってやる!!ヴィクターを甦らせるためならな!!」
「でも、次の試合までに間に合うかな?」
「ギリギリだろうな」
「それでもやるしかねぇ!!皆、手を貸してくれ!!」
「うん!」
「仕方ねぇ」
こうして、ダントツウィナーズは新ヴィクターの開発に勤しんだ。
ビートヴィクターの魂を受け継ぎつつ、更に進化させた機体。
並大抵のものではないが、皆でアイディアを出し合ってようやく設計が完了。
開発スタートしてから数日後。ようやく試作品の完成に漕ぎ着けた。
第81話「踏み躙られない誇り」
運営スタッフルーム。
そこへTSインテリジェンスの面々がデータを持ってやってきた。
そしてスタッフへ入手したデウスリベンジャーズの不正の証拠を見せるのだが……。
「どうでしょうか、彼らの行いはルールに抵触していると思うのですが」
「うーん、しかしだねぇ……このような素材は見た事がないし、本当に刃物になるのかね?」
「それに、ここまで大会が進んでいるとなるとスケジュールの問題も」
やはり、あまり良い顔はされなかった。
デイビットもその事は想定済みなようで、動揺はしていない。
「とにかく、データはこちらの方で十分に精査しておくよ。どう言う裁定を下すかはしっかりと吟味しようと思うから少し待っていてくれ」
「……」
デイビットは平然を装っているが密かに舌打ちした。
吟味している暇などないと言うのに。
しかし、それも想定済み。ここで焦っても仕方ない。
とにかく、時間が掛かってでも奴らの不正が伝わり、相応の裁定が下されさえすればいい。
「分かりました。よろしくお願いします」
今の所はそう言って礼をするしかなかった。
……。
………。
一方で会場では、すでにダントツウィナーズVSデウスリベンジャーズの試合が激化していた。
第80話「消えない憎しみ」
デウスリベンジャーズがユーロフリッカー騎士団の機体を破壊して勝利すると言う衝撃的な試合から1週間後。
千葉県市原市子供の国キッズダムでは、午前中にTSインテリジェンスVSユーロフリッカー騎士団の試合、午後にダントツウィナーズVSデウスリベンジャーズの試合が予定されていた。
しかし……。
『さぁ、本日このキッズダムで予定されているTSインテリジェンスVSユーロフリッカー騎士団の試合ですが、試合時間が迫っているにも関わらず、ユーロフリッカー騎士団の姿がまだ見えない!このまま時間が過ぎてしまえば、TSインテリジェンスの不戦勝になってしまうぞ!!』
ステージにはTSインテリジェンスだけが立っており、その対戦相手の姿がない。
その様子をダントツウィナーズは控え室のモニターで見ていた。
第79話「暴け!デウスリベンジャーズの魔手!!」
館山城城山公園。
ここでは、ユーロフリッカー騎士団とデウスリベンジャーズの二戦目が行われている。
先日行われた七夕祭りでFICSフリッカー達の仲が良くなったのもあり、その試合を他の三チームも観戦していた。
もちろん、デウスリベンジャーの動向に対してユーロフリッカー騎士団を心配してのものだ。
『さぁ、ユーロフリッカー騎士団とデウスリベンジャーズの戦いはますます激しさを増している!前回敗北してしまったデウスリベンジャーズは、どうにかここで勝っておきたいところ!それ故なのか、物凄い気迫で戦っているぞ!!』
第78話「七夕の夜に大バトル!FICSフリッカー大集合!!」
千葉市美浜区いなげの浜。
デザートハンターズVSインテリジェンスの試合後、バン達はインテリジェンスと監督のゴタゴタを目撃。
なんやかんやあってインテリジェンスの監督と交流する事になった。
「そうだ!!君達に折り入って頼みがあるんだが、聞いてくれるかい!?」
「いぃ!?」
グイグイくる監督にバンは思わずたじろいだ。
「お願いだ!あの子らと友達になって欲しい!そして、フリックスの楽しさを教えてやって欲しいんだ!!」
ガシッと手を掴んで懇願する。
「いや、急にそんな事言われても」
「分かりマシタ!マカセテクダサイ!!」
戸惑うバンに対して、マルコは二つ返事でOKした。
「おまっ、そんな安請け合い!」
「安くないデス!ボクもインテリジェンスの皆さんとは仲良くなりたいと思ってマシタから!」
「うおおお!ありがとうマルコ君!!……チラッ」
監督はマルコへ大袈裟に礼を言った後、わざとらしくバンをチラ見した。
「だぁぁぁもう分かったよ!俺も協力するよ!!」
周囲の圧力に負けて、バンはそう答えざるを得なかった。
「バン……」
「この忙しいのに余計な仕事受けやがって」
「お、俺のせいか!?」
「さっすがバンデス!でも、具体的にはどうしましょうカ?」
「お前なぁ……俺だってそんなアイディアあるわけ……あ、そうだ!遠山のじいさんに相談してみよ」
第77話「鋼鉄の魂」
千葉市美浜区いなげの浜。
ここではデザートハンターズとTSインテリジェンスの試合が行われていた。
「いけー!マルコーー!!」
バン達はダントツウィナーズの応援を受けながらマルコ達は絶好調だった。
「いやっほー!いけぇ〜パイライトファング〜!!」
第76話「チームの絆!試行錯誤で勝利を掴め!!」
千葉県東京ドイツ村。
ダントツウィナーズVSユーロフリッカー騎士団のバトルは3バトルマッチとなった。
第1ラウンドはユーロフリッカー騎士団に取られてしまい後がないが、果たして……!
『さぁ、白熱の戦いを見せてくれるダントツウィナーズとユーロフリッカー騎士団!第二ラウンドはどのような戦いを見せてくれるのか!?』
インターバルを挟んで、フィールドが一新される。
第75話「3バトルマッチ!負けられない戦い!!」
千葉県東京ドイツ村。
ここに特設されたフィールドでダントツウィナーズとユーロフリッカー騎士団が対峙していた。
『さぁ、千葉、東京、ドイツの三国が内包されたこの地で行われる試合はダントツウィナーズvsユーロフリッカー騎士団だ!
今回はいつもと違った趣向で行われる!
ルールは3バトルマッチ!全フリッカーHP1でバトルを行い、決着が付いたらフィールドを一新して第2ラウンドへ……これを繰り返して2勝した方の勝利だ!まさに東京ドイツ村にふさわしいバトルだぞ!』
「3バトルマッチだと……?」
「HP1で3回やるのか……」
「しかも、セットごとにフィールドを変えるなんて」
これでは対応力に優れたユーロフリッカー騎士団が有利だ。
「へんっ、俺達だって散々対応力を鍛えてきたんだ!これくらいどうって事ねぇ!!」