弾突バトル!フリックスアレイ」カテゴリーアーカイブ

弾突バトル!フリックス・アレイ FICS編

○あらすじ
第一回グレートフリックスカップから数ヶ月後
初の世界大会『フリックスインターナショナルチャンピオンシップ』開催が決定された
バトルはチーム対抗戦で行われるため、日本選抜戦によってバン、リサ、ザキの三人が選ばれた
慣れないチームプレイに苦戦しながらも、世界のフリッカー達を相手に『ダントツウィナーズ』の戦いが始まった!

○新登場人物

 アジア予選参戦チーム

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弾突バトル!フリックス・アレイ 特別編最終章「ダントツのその先へ」

特別編最終章「ダントツのその先へ」

 

 フリップゴッドが向かった先はトルコにある人類最古の遺跡、ギョベクリテペだという情報を得たバン達は早速現地へ向かった。
 ゆうは破損したフリックスを修理するために帰国したので、バン、リサ、ザキの3人パーティだ。

「ここがギョベクリテペか…!」
 目の前に広がる広大な遺跡群に圧倒される。
「人類最古の遺跡…すごい迫力」
「けっ、そんな事はどうでもいい。ここに本当にフリップゴッドがいるんだろうな?」
「それはわかんねぇよ。あの教会に行った後にここに向かったってだけなんだから」
「ふん、まぁいい。ここにいても仕方ねぇ。とっとと中に入るぞ」
「え、で、でも、勝手に入っていいのかな……?」
「フリップゴッドが入ったなら俺たちが入っても問題ねぇだろ」
「うーーん、まだそうと決まったわけじゃ……」
 バン以上にザキは短気で扱いが難しい。リサが苦戦していると、辺りを見渡していたバンが声をあげた。

「あ、おい!あそこ見てみろよ!!」
「え、なに?」
「ほら、あっちの方!なんかちょっと小さいけどこことよく似た遺跡っぽいのがあるぜ」
「ほんとだ……しかもちょっと人工物っぽい」
「もしかしたらフリップゴッドの住処かもしれねぇ!行ってみようぜ!!」
「…可能性はそっちの方が高いか」

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弾突バトル!フリックス・アレイ 特別編第3章「神と悪魔」

特別編第3章「神と悪魔」

 

 ギリシャにある教会。
 『サンペドロ教会』
 ここでは、神父に向かって一人の男が懺悔をしていた。

「では、あなたの罪を全て告白なさい。神はきっとお許しになる事でしょう」

 首を垂れている男に対して、神父は優しげに語りかける。

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弾突バトル!フリックス・アレイ 特別編第2章「フリップゴッドを求めて」

特別編第2章「フリップゴッドを求めて」

 

 遠山フリッカーズスクールでバンキッシュドライバーとのバトルを行った日から、バンとリサは伊江羅博士と遠山段治郎監修の下、新型フリックスの開発に勤しんでいた。

「これらが、バンキッシュドライバーのデータを基に私が試作したフリックスアレイだ」
 机の上にズラッと様々なバネ機が並べられている。
「うわっ、すげぇ……!」
「バンキッシュドライバーの性能を様々な方向性でアレンジを加えた。これらのテスト機でデータを取りヴィクターやウェイバーにフィードバックしていく」

「よ、よし……!」

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弾突バトル!フリックス・アレイ 特別編第1章「バンキッシュドライバーを超えていけ」

特別編第1章「バンキッシュドライバーを超えていけ」

 

 第一回グレートフリックスカップが終了してから一ヶ月後。
 遠山フリッカーズスクール、特別研究室。
 さまざまな研究機器がひしめく近未来的な部屋に伊江羅博士とバン&リサが対峙していた。

「ふっ、来たか」
「どう言うつもりだよ!こんなところに呼び出すなんて!大体お前、スクール追い出されたんじゃなかったのか?」
「……まずは一ヶ月遅れだが、グレートフリックスカップ優勝おめでとうと言っておこうか」
「そ、そんなことわざわざ言うために呼んだのかよ!?」
 伊江羅の祝辞に対してたじろいでいると、後ろから扉が開く音と老人の声が聞こえてきた。
「ふぉっふぉっふぉっ、そんなわけがなかろう」
 振り向くと、そこにいたのは…!
「お、お前は……!」
「お祖父様……!」
 遠山フリッカーズスクールの長、遠山段治郎が不敵な笑みで立っていた。
「て、てめぇ!今更俺たちに何の用があるんだ!!」
 敵対心を剥き出しにするバンに対して、段治郎は極めて穏やかな口調で話し始めた。
「リサ、久しぶりじゃな。しばらくみない間に少し大きくなったようじゃ」
「……」
 リサも警戒心を崩さない。
「段田バンよ、先月は良きバトルを見せてもらった。わしからも祝いの言葉を贈ろう」
「けっ、負け惜しみかよ!お前のとこの生徒は全部ぶっ倒してやったぜ!!ザマァみろってんだ!!」
 バンの言葉を聞き、段治郎は愉快そうに笑った。
「ふぁっふぁっふぁ!そうじゃな、実に見事なバトルじゃった。おかげでワシの計画が大きく進んだ。感謝するぞ」
「な、なに!?どう言う意味だ!!」
「順を追って話すとしよう。年寄りの話は長い、腰を掛けると良い」
 一先ず奥に設置してある四人用の席へ移動し、座って話をすることになった。

「そうじゃな……まず、ワシの真の目的について話すとするかの」
「真の目的?スクールでフリックス界を支配することじゃねぇのかよ!」
「ふぉっふぉっふぉっ!そんな無意味な事して何になる!独占は世界を矮小化し、衰退させてしまう……そうなれば、ワシも商売あがったりじゃ」
「な、なんだよそれ……!じゃあ、お前の目的は?」
 段治郎は一呼吸置いて続けた。
「フリックスアレイの国際競技連盟の設立。そして、世界大会の開催じゃ」

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弾突バトル!フリックス・アレイ 第51話

第51話「弾突!一番の勝利者(ヴィクター)!!」

 

 まどろみの中に、バンはいた。
 浮遊感と若干の気だるさを覚えながら、自分が姿形のない視覚を持った意識体になっている事だけはなんとなく理解出来た。

 セピア色の視界の中、バンが俯瞰で見ている光景は病院の一室だった。
 ベッドの上には優しそうだがやつれた顔の女性、その周りには医者と看護師、そしてバンの父親と幼き日のバンだった。

 バンは泣きながらベッドにいる女性……バンの母親にしがみついている。
 母親は優しくバンの頭を撫でた。
「ごめんね、バン……寂しい想いをさせて……でもね、お願いがあるの……最後にバンの笑顔を見せて欲しい。
どんな時でも、強く、笑顔でいてくれれば、お母さんはきっとバンのそばにいるから」

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弾突バトル!フリックス・アレイ 第50話

第50話「恋い焦がれていたバトル!」

 

 準決勝が終わり、バン、リサ、剛志、レイジ、オサム、マナブの6人が観客席に集まり、他の観客と同様神妙な面持ちでステージのモニターへ注目していた。
 モニターにバンとリサの顔とそれぞれの機体が映し出され、バトルフリッカーコウの声が響き渡る。

『さぁ、これで日本一を決めるための役者が揃った!!
段田バンくんと遠山リサくん!果たして、優勝するのはどっちだ!?』

「リサ……ついにこの時が来たんだな」
「うん」

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弾突バトル!フリックス・アレイ 第49話

第49話「リサの想い リベンジの意味」

 

『第1回グレートフリックスカップ二日目!準決勝第一試合は大激闘の末にバンくんが勝利した!
次なる試合は、リサくんvs剛志くんの戦いだ!その前に、30分の休憩に入る!試合に向けてしっかりと準備を進めてくれよぉ!!』

 大会運営の幹部クラス以上の人間しか入ることの許せない部屋。
 ここに段治郎が座っていた。
 扉の前と段治郎の横にはガードマンらしき男が配置されている。

 扉の向こうで何やら言い争う声が聞こえる。
「こら!ここは関係者以外立ち入り禁止だ!!」
「邪魔だ、雑魚ども」
 ドゴオオオオン!!
 爆音共に扉が開かれ、そこにはザキと倒れているガードマンがいた。

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弾突バトル!フリックス・アレイ 第48話

第48話「己の行く手を導く者!」

 

 バーーーーーーン!!!!
 準決勝第一試合、バンVSザキの試合は最初のアクティブシュートから凄まじい激突。
 衝撃波で埃が舞い上がり、会場が揺れる。

『初っ端から激しすぎるアクティブシュート……!衝撃波で前が見えないぞ……!!』

 しばらくして、埃が晴れて視界が回復する。
 そこには、場外している二機があった。

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弾突バトル!フリックス・アレイ 第47話

第47話「バンVSザキ!運命の戦い!!」

 

『さぁ、大盛り上がりだった第一回グレートフリックスカップも1日目の工程を終えて折り返し地点だ!
残す準決勝と決勝は、明日行うぞ!今日のところは家に帰ってゆっくり休んでくれ!!』

「ひゃ〜、それにしても濃い1日だったぜ!」
「うん、まるで何年も経ったみたい」
「予選から考えると結構バトルしたもんなぁ」
 バンとリサが話しながら会場外へ向かっていると、一人の小柄な少年が目の前に現れた。
「リサ先輩」
「ゆう、くん……」
「知り合いか?」
「うん、スクールにいた頃の後輩……」
 ゆうはバンには構わずリサにのみ話しかける。
「準決勝進出おめでとうございます。リサ先輩なら必ず勝ち上がると思っていました」
「うん、ありがとう」
「僕はもう一度スクールで鍛え直してきます。いつか必ず、あなたと並び立てるように」
 ゆうはチラッとバンを一瞥した。
「……?」
 バンはその意図がわからずに首をかしげる。
「うん、楽しみにしてるよ。頑張って」
「はい!…では」
 ゆうは一礼して去って行った。

 その後、歩いていると剛志レイジと合流できた。
「おう、さっきぶりじゃな!」
「剛志にレイジ!お前らの試合凄かったぜ!!」
「当然じゃ!バンにリサも無事勝ち上がれてよかったわい!」
「それこそ当然だぜ!俺とリサが簡単に負けるわけねぇだろ!」
「うん!」
「でもここからはそうはいかないよ!優勝するのは剛志だからね!」
「じゃな!覚悟せぇよ、まずはリサじゃ!」
「わ、私だって負けないよ!」
「へんっ!ダントツで優勝すんのは俺に決まってるぜ!!」
「明日が楽しみじゃな!」
 話しているうちに会場の外に出た。
「それじゃあ僕と剛志は迎えの車で帰るから」
「お互い、良きバトルをしようぞ!」
「おう!じゃな!!」
「また、明日」

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