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トリニティ キャラ紹介その3

弾突バトル!フリックス・アレイ トリニティ 目次ページ

キャラクター紹介 キャラクターデザイン ごろくー

[]はモチーフとなった三国武将

○正本ハジメ [袁紹]

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弾突バトル!フリックス・アレイ トリニティ 第39話「ダントツの絆」

第39話「ダントツの絆」

 

 トリニティカップ決勝戦の1週間前。
 本来はこの日が決勝戦当日となるはずだったのだが、昨日の雷雨で施設が停電し復旧のために1週間延期したのだ。
 雨はすっかり上がり、外は快晴が広がっている。そんな昼下がり。
 遊尽コーポレーションの運営する特設訓練場では、5人の少年達が待機していた。
 コウ、ソウ、アツシ、ハジメ、ホウセンだ。
 5人は何をするでもなく、時間を確認したり扉を眺めたりしている。

「……あと10分か」
 ソウがボソリと呟く。
「一つ聞いていいか、諸星コウ」
 ソウの呟きに便乗するようにアツシが口を開いた。
「なにかな?」
「お前はソウのやり方に異を唱えていたはずだ。それがなぜ、わざわざ小竜隊と江東館メンバーへ果たし状を出し、このような決闘の場を用意した?」
「……ある意味、君と同じさ。レッドウィングスを蹴ってまでソウのセコンドに着く事を選んだ君とね」
「そうか」
「だが、期待はしない方がいい。ただでさえ今のソウは警戒されている。そんな彼と決勝を前に草バトルを受けるような者がいるかどうか。そうだろう、ホウセン」
 険しい顔で立っているホウセンへ声を掛ける。
「当たり前だ。俺がここにいるのも、こいつがケンタ達に危害を加えない様に見張るためだからな。誰も来なかったら俺が代わりにこいつをぶっ潰す」
「……頼もしい限りだ。父が君を雇ったのは正解だった様だ」
「まぁそんな険悪に考えんなって!ただのフリックスバトルだ、楽しくやろうぜ。万が一が起きても、この俺がついてるんだ」
 ハジメが空気を和ませようと楽観的な口調で言う。
「えぇ。正本クリニック後継者のあなたがいれば、安心ですよ」
「フン……」

 そして、時間が経過する。
「時間か……」
「やはり誰も来ないか」
「まぁそうだろうね。あんな果たし状を受けてノコノコ来るのはよほどの愚か者か、よほどの……」
 その時、プシューと扉が開いて一人の少年が慌ただしく入ってきた。
「……お人好しは、やはり君か」
 入ってきたのはゲンジだった。額に汗を滲ませて肩で息をしている。
「はぁはぁ、間に合った……道に迷っちゃって……あれ、なんでハジメが?ってかホウセン、お前決勝前にこんな挑戦受けるのか!?」
「お前が言うか……」
「俺とホウセンはただのスタッフさ。果たし状を受けたのは今のところゲンジだけだ」
「そ、そっか。やっぱり江東館は来ないのか……」
「そりゃな。ってか、お前はよく来たな?メンバーには話してねぇのか?」
「……ケンタやツバサには止められたんだけどさ。でも、無理言って行かせてもらった。ソウとは決着付けたかったし」
 そう言って、ゲンジはソウを見る。
 ソウは無表情で機体の調整をしており、そこから感情は読めない。

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弾突バトル!フリックス・アレイ トリニティ 第38話「宿命の果たし状」

第38話「宿命の果たし状」

 

  パパン!パーーン!!

「「「準決勝進出おめでとう〜!!」」」
 小気味良いクラッカーの音と共に児童達の祝いの声が上がる。
 トリニティカップ準々決勝大会の後日、無事に勝ち上がった小竜隊のために担任の黄山タダヨシ先生が少し広めのレンタルルームを借りて放課後に祝勝パーティを開いてくれたのだ。
 煌びやかに飾り付けられた内装に、中央に並べられた長机には豪華な料理が用意されている。

「ありがとうみんな!」
「おおきにな!」
 クラスメイトに囲まれ祝いの言葉を投げかけられるゲンジ達は照れ臭そうに礼を言った。

「でもまだ優勝したわけじゃないのに少しオーバーじゃないですか?」
「何を言うとる!ベスト4だって大したもんじゃ!それに、優勝祝いのパーティはこんなもんじゃないぞ?」
「あ、はは、プレッシャーだなぁ」
 意味深に笑う黄山先生にナガトは苦笑した。
「それに小竜隊四人が揃って勝ち上がるのもこれで最後だしねぇ〜」
「あ、バカチュウタ!」
 チュウタの何気ない発言に、ヨウは慌てて諌めた。
 そして、その言葉の意味を察せないほど小竜隊は鈍くない。
 先ほどまでの和やかな雰囲気が水を打ったように鎮まり、そして小竜隊三人とナガトは向き合った。
「いよいよなんだな、ナガト」
 神妙な表情でゲンジが言うとナガトは深く頷いた。
「あぁ、この時をずっと楽しみにしてた。手加減無しの全力で行くぞ」
「ああ!」
「うん!」
「当然や!どっちが勝っても恨みっ子無しやで!」
「ようやく、あの時の決着をつけられるな」
「あの時の……あぁ」
 ナガトに言われ、ゲンジは思い出した。
 赤壁杯前に行ったアクチュアルバトルの練習試合。あれがお互いに初めてお互いの実力を認識し、そして本気でぶつかり合ったバトルだった。
 あの時は時間切れで決着がつかず、そしてそれからずっとチームとして戦っていた。
 そんな二人の表情を見て、ツバサはハッと思い付いて言葉を発した。
「せや!ゲンジ、次の試合はウチとユウスケのHPをあんたに託すで!」
「え?何言ってんだよいきなり」
「ツバサちゃん、ナガト君の目の前で作戦言っちゃうのは……」
「こんなん作戦でもなんでもあらへん!うちはただ、二人のバトルを応援したいだけや!ユウスケかてそうやろ?」
「ま、まぁ、僕は構わないけど……」
「ツバサ……」
「馬場との事、ほんま感謝しとるんやで。このくらいさせてぇな!どうせならチームの事考えずにナガトとガチでやりたいやろ?」
「……そう、だな」
 ツバサの善意に対し、ゲンジは目を逸らして歯切れ悪く曖昧な返事をした。
 そこに何かを察したナガトはゲンジの肩に手を置く。
「ゲンジ、ちょっと外で話さないか?」
「え?」
「悪いみんな、少し席を外す」
「おっ、ライバル同士の熱い語らいって奴やな!存分にやってきぃ!」
 クラスメイト達も微笑ましげに頷いてくれたのでナガトはゲンジを連れてレンタルルームの外に出た。
 部屋を出てひんやりとした廊下を歩き、施設のロビーにあるベンチに腰掛ける。
「ふぅ、ようやく落ち着いたなぁ」
「ははは、黄山先生はいつも大袈裟だからなぁ」
「まぁ有難いんだけどさ。まだ二試合残ってるのに、ちょっとプレッシャーだよな」
「そうだな」
 まだ二試合ある。しかし、それは勝ち上がったどちらかだ。その事を意識して、ゲンジはナガトから目を逸らす。
「なぁ、ゲンジ。ゲンジはトリニティカップに出場した目的って何かあるか?」
「え?そりゃ、優勝するために決まってるだろ」
「それは目標だろ?俺が言ってるのはもっと根本的な、フリッカーとしての目的だ」
「フリッカーとしての、目的……」
 思いもよらなかった問いかけに、ゲンジは少し考え込んだ。
 答えに窮していると、ナガトが語り始める。
「俺はさ、初めてのGFCで遠近リョウマに敗れてから、ずっとリョウマを倒す事を目的にフリックスをしてきた」
「……そうだったな。凄いよな、ほんとに夢を叶えちまうんだから」
「ははは。……でもさ、実際に夢を叶えてみて、俺はどう感じたと思う?」
「は?そんなの分かるわけないだろ。めちゃくちゃ嬉しい、とかじゃないのか?」
「……いいや。『全然物足りない』だ」
「え?」
 キョトンとするゲンジに対し、ナガトは笑いながら答えた。
「おかしいだろ?長年の夢を叶えておきながら物足りないなんて、贅沢な奴だって自分でも思う。けどさ、結局俺にとってリョウマに勝つ事も目標の一つでしかなかったんだなって気付いた」
 ナガトはセンチュリーオーガを取り出し、慈しむように見つめながら言った。
「俺はこいつと共にフリッカーの道を極め続けるためにバトルしてるんだ」
「ナガト……」
「ゲンジ、お前はどうなんだ?トリニティカップに優勝する事か?俺と戦う事か?それとも、南雲ソウに勝つ事か……?」
「俺は……!」
 ナガトにまっすぐ見つめられ、ゲンジは言葉には出来ないが何か心の中でピースが合わさるような感覚が生まれた。

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弾突バトル!フリックス・アレイ トリニティ 第37話「戦いの意味 ライバルの意義」

第37話「戦いの意味 ライバルの意義」

 

 トリニティカップ準々決勝大会。
 既に大会はスタートしており、激闘が繰り広げられていた。

『江東館VSロシア代表のカビノフ君のバトルはパワーとパワーの大激突だ!!』

「うがぁぁ!吹き飛ばせ!!レッドサイクロン!!!」
「みんなを守るんだ!タイガークローディフェンス!!」
「吹き飛ぶのはお前だ!ブロッケンボンバー!!」
「コメットブレイカー!!」

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弾突バトル!フリックス・アレイ トリニティ 第36話「それぞれのプライド」

第36話「それぞれのプライド」

 

 トリニティカップ三回戦。
 会場の巨大モニターには次の対戦カードが提示されていた。
 それは、小竜隊VS馬場長超次郎と言う名の少年だった。

「ば、馬場やてぇ!?」
 その名を見て、ツバサは素っ頓狂な声を上げた。
「なんだよ、知り合いか?」
「知り合いも何も……」
 ツバサがゲンナリしながら説明しようとする前に声をかけられた。
「おっ、なんや張本やんけ!」
 髪を金髪に染めたチャラそうな少年だった。
「馬場……」
「えらい久しぶりやないか!なんやお前も参加しとったんか!少しは強ぅなったか?」
「……試合見とけば分かるやろ」
「生憎ワイは目の前のバトルにしか興味がないんでな。誰が参加しとるのかも分からん!」
「相変わらずやな……」
 馬場はあのツバサがタジタジになるほどに態度がデカい。
「なぁ、お前ら、どう言う関係?」
 置いてけぼり喰らったゲンジが聞いてみる。
「……前の学校の先輩や。卒業と同時に海外留学したって聞いたけど、招待されとったんか……」
「海外枠でな。それにしても懐かしいな、ワイと張本は学校でもトップ2のフリッカーだったんやで!まぁ、ワイの方がちょいとばかし強かったけどな!」
「99連勝しといてよう言うわ」
「しかしまぁ、100連勝目は厳しいやろなぁ」
 とても謙遜とは思えないような態度で言う。
「何が言いたい?」
「赤壁杯優勝チーム、小竜隊の噂は海外にいても届いとる。強い奴とチームを組めば、実力と関係なく勝てるからな。考えたやないか、張本」
「な、なんやて……!」
「せいぜい警戒するでぇ。特に東堂ゲンジ、お前は相当腕が立つみたいやからな」
「え、あ、あぁ……」
 突然話を振られて、ゲンジは間抜けな返事しかできなかった。
 片手を上げて去っていく超次郎の背中を見ながら、ツバサは地団駄を踏んだ。
「かーっ!あいっかわらず嫌味なやっちゃでホンマ!!!」
「ははは、なんか癖の強そうな奴だったな」
「昔っからああなんや!!けど、強さはほんもんやから余計ムカつく!!!」
 一頻り唸ったあと、ツバサはため息をついた。
「はぁ、せやけどあいつの言う通りや……うちは結局フリッカーとして大した事ないのかもしれん。赤壁杯かて、ゲンジ達と同じチームになれたから勝てたようなもんやしな……」
 ツバサは珍しく自虐的に凹んだ。
「何言ってんだよ、らしくないぞツバサ!」
「そうだよ!ツバサちゃんがいたから小竜隊は優勝出来たんだよ!」
「せやろか……あぁ、いやすまん。どうもあいつは苦手でな。負けた事ばかり思い出して自信がなくなるんや」
「そっか……苦手なのはしょうがないよね」
「次の試合、ウチのHP減らしてゲンジかユウスケのHPを増やしてくれ。ウチはサポートに回る」
「ツバサ……」

 “お前は、フリッカーの弱さに寄り添える優しさと、それを脅かすものへ立ち向かえる強さを持ってる。だから皆が力を託してくれる。それは大きな才能だ”

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