爆・爆ストーリー ZERO 第51話 C

Pocket

「とっさによける」



セシル「キャアアア!」
クロウ「くそっ!」

 クロウは得意の俊敏で、セシルをつかんだまますばやく横へ移動し、交わす。
クロウ「なに!?」
 しかし、よけた先の床がパカッと開き・・・。
クロウ「うわあああああ!!!」
セシル「きゃあああああ!!!」
 クロウとセシルはまっさかさまに落ちてしまった・・・。
クロウ「うぅ・・・・。」
 目が覚めた時には、真っ暗闇の中にいた。
 どうやら、気絶してしまったようだ。
クロウ「ぐっ!」
 起きようと力を込めたとたん、体中に激痛が走った。
 あれだけの高さから落ちたのだから当然だろう。むしろ生きていることの方がおかしい。
クロウ「は・・・あ・・・・・。」
 息を整え、気持ちを落ち着かせる。
 そして、すぐそばにいるであろう仲間に声をかける。
クロウ「おい、セシル・・・大丈夫か?」
 しかし、声は返ってこない。
クロウ「おい!」
 叫ぶ。それでも、返事はこない。
 暗闇で何も見えない。そばにいるはずなのだが、それが確認できない。
クロウ「・・・・・。」
 クロウは息を潜めてまわりの音を聞いて見る。
 ・・・・・何も聞こえない。
 他の人間の呼吸音が聞こえないのだ。
 つまり・・・それは・・・・。
クロウ「セシルー!!!」
 恐怖を感じた。そして叫ぶ。さっきより大きな声で。
クロウ「セシルー!!!」
 しかし、返事はこない。それでも、繰り返す。
クロウ「くっ、ヒスイ!セシル!」
 当然だが、ヒスイもここにはいない・・・。
クロウ「そん・・・な・・・。」
 そう、ここには仲間はいない。クロウは一人きりだった。
 あの時と・・・幼い頃、牢屋に閉じ込められたときと、同じ。
クロウ「・・・・。」
 クロウは焦り、辺りをまさぐった。
 カチャ・・・。
 右手に触れる、固い感触・・。
 デスサイズだ。自分の相棒。
クロウ「デスサイズ・・・。」
 もう、頼れるのはこいつしかいない。
 仲間がいない今、こいつしか・・・。
 だが・・・。
クロウ「・・・!」
 つかめない。
 触れているのだが、つかもうとした瞬間、力が抜けてしまう。
 ビーダマンが・・・・持て無い。
 つまり、それは強さをも失ってしまったと言うことだ。
クロウ「馬鹿・・・な・・・。」
 クロウは絶望した。
 仲間を失い、ビーダマンも持てず、暗闇の中で・・・・唯一のパートナーである強さをも失って・・・・。
クロウ「(俺は、これから・・・一体何を糧に生きていけば・・・!)」
 絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望
 絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望
 絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望
 絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望
 頭の中には、ただ一つの単語しか思い浮かばなかった。
クロウ「く・・・うぅ・・・あ・・ああ・・・ああああああああああああ!!!!!!」
 クロウは頭をかかえ、叫んだ。ただ、ひたすらに。
クロウ「ああああああああああああ!!!!」
 だが、そんな叫びも、この暗闇に吸い込まれてしまい、誰にも気づかれない。
クロウ「あああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
 それでも、この暗闇の中で、クロウの叫び声がやむ事はなかった・・・・。
       BAD END

 

 




爆・爆ストーリー ZERO 第51話 C」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: 爆・爆ストーリー ZERO 第51話 G | ユージンの競技玩具ライフ

  2. ピンバック: 爆・爆ストーリー ZERO 第51話 A | ユージンの競技玩具ライフ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

JPEG,PNG,GIF形式の画像を投稿できます(投稿時はコメント入力必須)