「とっさによける」
セシル「キャアアア!」
クロウ「くそっ!」
クロウは得意の俊敏で、セシルをつかんだまますばやく横へ移動し、交わす。
クロウ「なに!?」
しかし、よけた先の床がパカッと開き・・・。
クロウ「うわあああああ!!!」
セシル「きゃあああああ!!!」
クロウとセシルはまっさかさまに落ちてしまった・・・。
クロウ「うぅ・・・・。」
目が覚めた時には、真っ暗闇の中にいた。
どうやら、気絶してしまったようだ。
クロウ「ぐっ!」
起きようと力を込めたとたん、体中に激痛が走った。
あれだけの高さから落ちたのだから当然だろう。むしろ生きていることの方がおかしい。
クロウ「は・・・あ・・・・・。」
息を整え、気持ちを落ち着かせる。
そして、すぐそばにいるであろう仲間に声をかける。
クロウ「おい、セシル・・・大丈夫か?」
しかし、声は返ってこない。
クロウ「おい!」
叫ぶ。それでも、返事はこない。
暗闇で何も見えない。そばにいるはずなのだが、それが確認できない。
クロウ「・・・・・。」
クロウは息を潜めてまわりの音を聞いて見る。
・・・・・何も聞こえない。
他の人間の呼吸音が聞こえないのだ。
つまり・・・それは・・・・。
クロウ「セシルー!!!」
恐怖を感じた。そして叫ぶ。さっきより大きな声で。
クロウ「セシルー!!!」
しかし、返事はこない。それでも、繰り返す。
クロウ「くっ、ヒスイ!セシル!」
当然だが、ヒスイもここにはいない・・・。
クロウ「そん・・・な・・・。」
そう、ここには仲間はいない。クロウは一人きりだった。
あの時と・・・幼い頃、牢屋に閉じ込められたときと、同じ。
クロウ「・・・・。」
クロウは焦り、辺りをまさぐった。
カチャ・・・。
右手に触れる、固い感触・・。
デスサイズだ。自分の相棒。
クロウ「デスサイズ・・・。」
もう、頼れるのはこいつしかいない。
仲間がいない今、こいつしか・・・。
だが・・・。
クロウ「・・・!」
つかめない。
触れているのだが、つかもうとした瞬間、力が抜けてしまう。
ビーダマンが・・・・持て無い。
つまり、それは強さをも失ってしまったと言うことだ。
クロウ「馬鹿・・・な・・・。」
クロウは絶望した。
仲間を失い、ビーダマンも持てず、暗闇の中で・・・・唯一のパートナーである強さをも失って・・・・。
クロウ「(俺は、これから・・・一体何を糧に生きていけば・・・!)」
絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望
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絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望
絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望
頭の中には、ただ一つの単語しか思い浮かばなかった。
クロウ「く・・・うぅ・・・あ・・ああ・・・ああああああああああああ!!!!!!」
クロウは頭をかかえ、叫んだ。ただ、ひたすらに。
クロウ「ああああああああああああ!!!!」
だが、そんな叫びも、この暗闇に吸い込まれてしまい、誰にも気づかれない。
クロウ「あああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
それでも、この暗闇の中で、クロウの叫び声がやむ事はなかった・・・・。
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