ベイブレードバーストアニメ総評その1 初代編

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ベイブレードバーストアニメ最終作、ダイナマイトバトルも終わり
6年に渡って続いたベイバアニメの歴史についに終止符が打たれました

毎週欠かさず感想記事を書いてた身てしてはそれなりに思い入れも深く
喪失感もあるので

せっかくだから総評なるものをしてみようかなと思い、筆をとってみました

まずは一年目から

 概要

2012年末にメタベイアニメの日本放送が終了してから3年強の時を経て再び日本のテレビ界に復活したベイブレードアニメ
今作の歴代との最大の違いは『コマとしてのリアリティラインの引き上げ』だと思います
歴代のベイアニメは、放ったベイは基本的にブレーダーの意志で自在に動き
凄まじいエネルギーを放出して戦います
そんなんだから建造物は破壊するわ、スタジアムなんて不必要だわで
ドローン兵器ばりの戦闘力を発揮していましたが
ベイブレードバーストはそこを抑えて

・基本的にベイはスタジアム内にしかシュートしないし
・シュートしたベイは以降遠隔操作不可能
・必殺技はブレーダーのシュートフォームによる動きの変化で放たれる
・ベイ自体の個人的な開発や加工改造は行わず、殆ど市販品であると言う事が示唆されている

と言った点が徹底されていました

しかしコマの動きを現実的にした分、他の部分はしっかりとフィクション的な表現をされており

・歴代と同様の巨大スタジアム
・個性豊かなブレーダー達
・大袈裟な特訓
・ベイブレードに対する意識の高さ

このリアルとフィクションのバランスは非常に新鮮でした

 

 良かった点

とにかくバトル描写とベイの機能描写は歴代でも類を見ないほどに丁寧で見応えがありました
リアリティラインを引き上げた事によって、ベイブレードが『わけわからん力を放出する兵器』から『僕達が持ってるのと同じホビーがアニメで活躍してる』と言う認識になり没入感が増します

そして、数多く登場する魅力的なサブキャラクター達
彼らは主人公に負けるために用意されたかませキャラではなく、ちゃんとそれぞれの意志と目的、バックボーンを持って行動しており
そこが面白い群像劇となり、リアルなスポーツ観戦のような感覚で楽しめました

 

 悪かった点

ここからはマイナス評価が苦手な人は読まないでください

・高いリアリティラインと愛機描写の相性の悪さ

現実のホビーは複数のオモチャを買って、それらを取っ替え引っ替えしながら遊ぶものです
買う事でプレイバリューが保たれ、それが売り上げも伸びるのですが
ホビーアニメと言うものは一機入魂の『愛機感』を重要視しており
この愛機感の有無こそがホビーアニメをホビーアニメたらしめている要因なのですが

ベイバのリアリティラインと致命的に食い合わせが悪く
シュートの仕方でしか動きを変えられないって設定にも関わらず
各キャラクターはベイブレードを変えないどころかパーツ組み替えすらも頑なにしないため
初登場のキャラ以外のバトル内容のバリエーションが低くワンパターンになりがちでした

・キャラクターの格付けを意識しすぎている

ホビーアニメは相性や状況に応じていろんなキャラが軽率に勝ったり負けたり出来るというのも魅力の一つだったりするのですが

この作品には『四転皇』と言うランキング上位ブレーダーという格付け設定が存在しており
そんな肩書きを持たせてしまうと、重要な試合や何か言い訳でも無い限りそのキャラクターを負けさせる事が出来ないため、バトル内容のバリエーションが更に狭まります

また、『格の低いキャラは徹底的に低くする』というのもこの作品の悪癖で
特にその割を食っているのがクミチョーとユーゴ
これらの要因のせいで『やる前から結果が分かる』バトルが大半になってしまいました

・主人公の魅力のなさ

魅力的なサブキャラクターによる群像劇が面白い本作ですが
それでも中心人物として主に描かれるのは主人公のサクセスストーリーなわけで
この主人公に魅力がなければ全てが瓦解してしまいます
残念ながら、蒼井バルト君にはそこが不足していました
結果、総合的にはちょっと物足りない作品だったと思わざるを得ませんでした

 

 

 

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