弾突バトル!フリックス・アレイ FICS 第99話「栄光の勝利を目指して!」

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第99話「栄光の勝利を目指して!」

 

 FICS決勝戦。
 序盤はユーロフリッカー騎士団有利な状況で始まってしまった。
 しかし、まだバトルは始まったばかり。
 果たして、勝利の栄冠を掴むのはどちらなのか?

 バンのターン。
「ふっざけやがって……だったら無効化出来ないようにしてやるぜ!」
 そして、バンは宣言した。
「俺はターンを飛ばしてザキと連携する!」
「なに、てめぇ本気か!?」
 連携は1ターン扱いとなるので、同じ機体へ攻撃した場合それは一回分の攻撃として扱われダメージの重複はしない。

「あいつが俺たちの攻撃を無効化出来るのは個別に攻撃するからなんだ!だったら……!」
「そうか、同時に二方向から攻撃すれはまだ」
「ちっ、お前にしちゃ考えるじゃねぇか」
「あったりまえだ!これまでチームで戦ってきたんだぜ!」
「気にいらねぇな」
 そう言いながらもザキはバンと連携する構えをとった。

「「いけぇ!!」」
「ちっ、気付いか!」
 二方向からの衝撃は無効化出来ず、エクスカリバーは大きく飛ばされマインに当たるがバリケードによってフリップアウトは免れた。しかし、その大きな負荷にバリケードは2枚とも破壊されてしまう。
 ガレス、残り9。

『次のターンは場外したリサ君なので、このターンは仕切り直しアクティブだ!
3.2.1.アクティブシュート!!』

 バシュウウウウウ!!

「オラァ!ダブルインパクト!!」
 ッパーーーーン!!
 エクスカリバーはヴィクターを狙い、お互いのバネの力で同時場外。
 ガレス、残り7
 バン、残り10

「こいつ……!」

 アクティブでの場外なので即仕切り直し。

『3.2.1.アクティブシュート!!』

「ダブルインパクト!!」
 またもバンを狙い、同時場外する。
 ガレス、残り5
 バン、残り8

「こいつ、自分が撃沈するかもしれねぇのに」
「チームとして総合的に勝ってるなら、あとはこの身を使って少しでもHPを削る!それが俺の役目だ!!」
「なろ……!」

『3.2.1.アクティブシュート!!』

「返り討ちにしてやれ!ストライクビートヴィクター!!」

 エクスカリバーに負けないように力を込めてシュートするバン。
 しかし……。

「ダブルインパクト!!」
「きゃあああ!!」
 バキィ!!
 ガレスの狙いは完全に油断していたリサだった。
 ウェイバーはあっさりと場外してしまい、アクティブアウトで4ダメージ。
 更に、目標を失ったバンも勢い余って自滅2ダメージ。
 リサ、残り6
 バン、残り6

「かかったな!」
「だーくっそぉ!!」
 完全に引っ掛けられた。ガレスは最初からこれも狙っていたのだ。

「何やってんだてめぇら!しっかりしろ!!」
「ザキだって偉そうな事言えねぇだろ?!」
「もぅ、こんな大舞台で喧嘩しないで……!」
「んな事言っても、リサはなんかいい手あんのかよ?」
「それは、無いけど……」
 口籠もるリサへ、ザキはハッと思い出して言った。
「いや、あるじゃねぇか」
「へ?」
「相手がダブルなら、こっちは」
 そこまで聞いてバンも気付いた。
「あ、そうか!やるな、ザキ!」
「さっきのお返しだ」
「へへっ、リサ、やろうぜ!」
「うん!」

 そして、仕切り直しアクティブ。
『3.2.1.アクティブシュート!!』

「もう一度決めるぞ!グルームエクスカリバー!!」
「いっけぇ!ソルプロミネンスウェイバー!!」
 エクスに対してウェイバーが突っ込む。
「喰らえ!ダブルインパクト!!」
 エクスカリバーの刺突プラスバネギミックの二段インパクトがソルプロミネンスウェイバーへぶつかった瞬間。

「うおおお!!ストライクビートヴィクター!!」
 ストライクビートヴィクターがソルプロミネンスウェイバーへ突っ込んだ。
 そして、三つのバネギミックが発動する。

「「トリプルインパクト!!!」」
 バゴォォーーーン!!!
 この力にはたまらずエクスカリバーも吹っ飛ばされる。
「あ、あの時の技か!?」
「フォルツァロンギヌス!!」
 エクスカリバーを支えようとするロンギヌスだが。

 ギュムッ、パチンッ!!!
 槍を結わい付けられていた紐が千切れ、それがジャンの身体にぶつかる。

「ジャン!!」
「くっ!」
 欠片ダイレクトヒットで一気に9ダメージ。残り6だ。

「余所見してんじゃねぇ!!」
 ガッ!!
 その隙をついて、スピンしたディバウアが壁に反射してエクスカリバーを小突き、場外させる。アクティブアウトで4ダメージ。
 ガレス残り1だ。

『おおっと!ダントツウィナーズ大逆襲!!ダイレクトヒットとアクティブアウトの合わせ技でガレス君とジャン君を追い詰めた!!』

 そして仕切り直しアクティブ。
『3.2.1.アクティブシュート!!』
 バシュッ!!
 今度はダントツウィナーズは無理に攻撃せず、そこそこのシュートで先手を取る事に専念。
「ダブルインパクト!!」
 しかし、ガレスはそれを許さずにウェイバーを攻撃。
「きゃっ!」
「けっ!」
 しかし、ザキのスピンシュートが横から割り込んでエクスカリバーの軌道を逸らす。
 切先が当たらなければバネギミックも発動しない。
 このままザキが先手を取った。

「ここまで削られたら、もう壁にはならねぇな!」
「ちっ!」
 ガレスはもうバリケードがない。カウンターブローで回避する事は出来ない。
 バキィ!!
 ザキはビートヒットで1ダメージ与え、ガレスを沈めた。

『おおっと!バトル前半を引っ張っていたガレス君のエクスカリバーが撃沈!!これでユーロフリッカー騎士団は残り二人になったぞ!!』

「わりぃ、あとは頼んだぜ!!」
「えぇ、ここまで削っていただければ十分です!」

 次はリサのターンだ。
「リサ、ロンギヌスのHPは6だ!一気に決めようぜ!」
「うん!」
 リサはターンを飛ばし、バンと連携する。

「「いっけぇぇぇ!!トリプルインパクト!!」
 トリプルインパクトを繰り出すバンとリサだが……。
「甘いです!!」
 パーーーーン!!!
 ロンギヌスは本体に受けた衝撃を再び紐付の槍をダンパーにする事で吸収する。
 さらに、伸び切った槍が戻る勢いで接触してきたヴィクターとウェイバーを絡め取った。
「なに!?」
「ロンギヌスの槍にはこのような使い方もあるのです」
 そしてジャンのターン。
 槍をマインへ向かって飛ばし、バンとリサをダブルマインヒットする。
 バン、リサ、共に残り3。

 アドルフは相変わらずチョン押ししてターン終了。
 ザキのターン。

『さぁ、ザキ君のターンだが、狙うべきロンギヌスは味方を絡め取っていて迂闊に攻撃が出来ない!さぁどうする!?』

「さすがのあなたも味方を攻撃する事は出来ないでしょう」
「知った事かよ。だらしねぇ奴らだ」
 そう言いながら、ザキは構える。
「ちょ、お前ガチで狙う気か!?」
「言っとくがな、俺にとってお前は元々敵だったんだからな」
「いや、今それ蒸し返すか!?」
 バンの言葉を無視してザキはシュートする。

 バキィィィ!!!
 三台まとめて大きく飛ばされる。

「てめっマジでやりやがったな!?」
「ふん、よく見てみろ」
「へ?」

 スピンしたディバウアの攻撃により、3機にその回転力が移り、その遠心力でロンギヌスの紐が外れる。

「アンデッドリバース!!!」
 外れた勢いでヴィクターとウェイバーは場内に戻り、ロンギヌスは場外し撃沈した。

『これはミラクル!ザキ君お得意の復帰技を味方に発動し、ロンギヌスを撃沈!!さぁ、残るはアドルフ君のみとなったぞ!!』

「ザキ……!」
「てめぇとの決着は、世界一になった後だ」
「おぉ、望むところだぜ!」

「すみません、騎士団長!」
「いや、よくやった。あとは俺に任せろ」

「あと一人だぜ!」
「でも相手は無傷……油断は禁物だよ」
「とにかく、攻めるしかねぇ!俺とリサで少しでもダメージ与えるんだ!」
「そんな事したら反撃ですぐやられちゃう……バンは力を貯めて!」
「へ?」
「それまで私が時間を稼ぐから!」
 リサのターン。
 リサはバンを弾き飛ばしてジークボルグの攻撃が届きづらい位置へ移動させた。自身も反動で逃げる。
「リサ……?」
「一撃で大ダメージ与えなきゃ勝てない!でも、バンならそれが出来るはず!」
「あ、そうか!よし、フリップスペル!フルチャージ!!」

 【フルチャージ】
 宣言してターン終了。次のターン与えるダメージが2倍になる。

「一撃でか。望む所!!」
 アドルフのターン。
 バシュッ!!!
 逃げに回ったヴィクターやウェイバーは無視し、ディバウアを攻撃。
「トライアンフアッパー・ツヴァイ!!!」
 今までとは比べ物にならないほどの威力のトライアンフアッパー。
 バリケードが意味をなさないほどに上空へ弾かれ、目にも止まらぬ速さでザキの腹部にヒットした。

「ぐっ、馬鹿な……!」
「あの時の借り、返したぞ」

『な、なんだ今の攻撃力は……信じられないパワーでザキ君を一撃で撃沈!!!』

「ジークボルグ最大の欠点は素材の強度にあった。だが、素材を一新したジークボルグ・ツヴァイに隙はない!」
「てめぇ……!」
 あの時はジークボルグとディバウアが破損したせいで痛み分けになったのだが、その時の借りを見事に返されてしまった。

「へんっ!それがどうした!パワーなら俺も負けねぇ!!」
 そう叫ぶバンの声は遠い。
 何故か、フィールドから離れているのだ。
「何のつもりだ?」
「すぐに分かるよ!」
 リサのターン。
 リサはヴィクターを弾き飛ばしてジークボルグを狙いやすい位置に移動させた。

「サンキューリサ!よーし、チャージ完了だぜ!」
 バンのターン。
 フルチャージの効果で与えるダメージが2倍になる。
 そして、バンはフィールド目掛けて駆け出した。

「うおおおおお!!!ビッグバンインパクトおぉおおお!!!!」

 バンの最大奥義。
 走る速度と腕を伸ばす速度をシュート力にプラスして最大パワーでジークボルグへアタックする。

 バキィィィ!!!
 その勢いに堪らずジークボルグは吹っ飛び、アドルフの構えたバリケードを破壊してフリップアウトした。
 フルチャージの効果でダメージは12。
 これで、3人の残りHPは3だ。

『さぁ、勝負は分からなくなった!!残ったのはアドルフ君、バン君、リサ君の三人!そして、残りHPも3!!』

 バンとリサは特に行動する事がないのでそのままターンを飛ばし、仕切り直しアクティブになる。

『3.2.1.アクティブシュート!!!』

「「「いっけええええ!!!!」」」

 バキィィィ!!!!
 三体の衝突で、三体ともに同時場外。
 これで全員残りHP1だ!

『す、凄まじい展開になってきた!!この終盤で、生き残った三人のHPが1となりました!ここまでもつれ込む事を誰が予想出来たでしょうか!?』

「ここまで来たぜ……!」
「うん……!」
「最高のバトルだ。ダントツウィナーズ!」
 三人の緊張感が最高潮になり、鼓動が速くなる。
 もはや歓声も届かないほど目の前のバトルに集中している。

「「「さぁ、決着を付けようぜ!!!」」」

『3.2.1.アクティブシュート!!!』

 バシュウウウウウ!!!!!
 風を纏って突進する三機のフリックス。
 その激突の瞬間、目も開けていられないほどの衝撃と爆煙が舞い上がる。

「ぐううう!!!」
 顔を覆う三人。
 そして、爆煙が晴れてフィールドが少しずつ見えて来る。

『さぁ、爆煙の中で生き残っている機体のシルエットは一つだけだ!その機体は……!』

 

    つづく

 

CM

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