第98話「FICS最後の戦い!ダントツウィナーズVSユーロフリッカー騎士団!!」
佐倉城址公園。
FICS決勝戦のために野外ステージが設営されており、そこでバトルフリッカーコウがマイクパフォーマンスをしている。
『時は半年前、戦いは始まった!各大陸の予選を勝ち抜き、世界中から集まったフリッカー達でしのぎを削る大会第一回フリックス・アレイインターナショナルチャンピオンシップ!!
各国を代表するフリッカー達の素晴らしい戦いは我々に世界の広さとフリックスの奥深さを存分に思い知らせてくれた!
そして今日、その中から選ばれし二つのチームから史上初の世界チャンピオンが誕生する!!』
バー〜ーン!と、大袈裟なライトとスモークの演出が入り、ダントツウィナーズとユーロフリッカー騎士団が入場する。
『それはこの二チームだ!!
フリックス発祥の地、日本代表ダントツウィナーズ!!慣れないチーム戦、そして世界のフリッカー達との戦いに苦戦を強いられながらも、持ち前のガッツとフリックスを愛する心で困難を突破してきたぞ!!
それに対するは、ユーロ地区代表!ユーロフリッカー騎士団!ヨーロッパ各国な強豪が集結したこのチームは、集団戦と言う面においても他国選手との交流に置いても全FICSフリッカー達の先輩とも言えるチームだった!その経験に基づいた対応力と威厳でこの決勝戦も制するのか!?』
激しい歓声が湧き上がる。
「「しっかりやれよ!バーーーン!!」」
「リサ先輩!ザキ様!頑張ってください!!」
観戦席からの応援も一層熱い。
『決勝のフィールドはスタンダードな長方形タイプ!フェンスが四つ設置してあり、中央には小型スロープ。そしてフリップホールも設置しているぞ!』
当然ながら、3VS3のチーム戦に合わせてサイズは大きく、スタート位置も三体が同時にシュートできるように大きめに作られている。
『そして、決勝のルールは上級アクティブバトルで行う!!』
「上級アクティブ!?」
「まさか、チーム戦で!?」
『そのまさかだ!今回のチーム戦におけるターンの処理は一人一人個別に行う。ただし、自分のターンを飛ばし[連携]を宣言する事で、その後の味方のターン時に同時シュートする事も可能!チームワークを存分に発揮してくれ!!
そして、アクティブシュート以外で場外が発生した場合は、そのまま順番を進行させ、場外したフリッカーのターンが来た時仕切り直しアクティブシュートを行う!
アクティブシュートで場外が発生した場合は即時仕切り直しだ。
超上級フリッカーにしか許されぬこのルールは、FICS決勝戦に相応しい戦いとなるはずだ!』
「一人一人でのターン処理……それに加えて、自分のターンを飛ばす事で味方との連携シュートも可能」
「おもしれぇじゃん!腕が鳴るぜ!!」
『では、試合は30分後だ!しっかり作戦を練って、最高のバトルにしてくれよな!!』
ルール説明も終わり、両チームステージから降りて、控えエリアで作戦会議をする。
「最後の最後ですげぇもんぶっ込んできたなぁ!」
「条件は相手も同じ、とは言え個別で動くか連携するか、通常のチーム戦と違ってそこが難しいね」
「はっ、考えるまでもねぇ!連携なんて煩わしい事してられるか」
「そうだな!最後だし、思いっきりやろうぜ!!」
それに伊江羅博士も異論はないようだ。
「俺からはもう言う事はない。悔いの残らない試合をするんだ」
「「「おう!!」」」
秒で作戦が決まり、ダントツウィナーズは準備完了だ。
ここまで来たらもう直感あるのみだ。
……。
………。
そして、両チーム準備完了し、フィールドにつく。
『さぁ、いよいよ世界一へ続く戦いの火蓋が切って落とされるぞ!!
3.2.1.アクティブシュート!!』
バシュウウウウウ!!!
6体のフリックスが一斉に放たれる。
「いっけぇ!ストライクビートヴィクター!!」
「ソルプロミネンスウェイバー!!」
「やれぇ!ダークネスディバウア改!!」
3機が横並びになって突っ込むダントツウィナーズに対し。
「先陣を切れ!グルームエクスカリバー!!」
ガレスのグルームエクスカリバーが先頭に飛び出し、その後ろにフォルツァロンギヌス、そしてジークボルグ・ツヴァイはなんとチョン押しで鎮座していた。
「なに!?」
「アドルフは前線に出ないのか!?」
「阻め!エクスカリバー!!」
ガッ!
真横に向いて面積を広げたエクスカリバーはダントツウィナーズ3機の攻撃を受け止める。
「受け止めますよ、フォルツァロンギヌス!!」
弾かれたエクスカリバーをロンギヌスが受け止める、紐で結わい付けられた射出用の槍が弾け飛び、衝撃を分散した。
『さぁ、先手を取ったのはリサ君、!続いて、バン君にザキ君、ガレス君、ジャン君、アドルフ君の順番だ!』
「こいつ、俺たちの攻撃を一人で受ける気なのか!?」
「舐めやがって……!」
まずはリサのターンだ。
「いけっ!ソルプロミネンスウェイバー!!」
バシュッ!!
いつものように反射角を利用してマインヒットしようとするリサだが……。
「甘いぜ!」
ガレスは咄嗟にステップで切先をウェイバーへ向けた。接触面が点となったせいで反射角のコントロールが効かずに、ウェイバーはあらぬ方向へ飛んでしまう。
「っ!」
これでビートヒット、ガレスは残り14。
「今度は俺が決めてやるぜ!!」
バンの攻撃。
またもガレスは切先を向けて攻撃をいなす。ビートヒットで残り13。
「なんだこいつ……!」
「スピンならどうだ!!」
ザキが猛スピンで攻めるが、長いフロントのエクスカリバーの先端にスピンが当たっても同じように回転して受け流されるだけである。
「くっ!」
「攻撃が、届かねぇ……!」
「当然だ!こいつはお前らと一緒に採掘したあの素材使ってんだぜ!性能は互角。あとはお前らの攻撃を無効化するために徹底的に研究してきたのさ」
ドンッ!!
今度はガレスの攻撃。
「ダブルインパクト!!!」
刺突プラスバネギミックの一撃により、ソルプロミネンスウェイバーが場外する。
どうにか一部だけの場外だったが、5ダメージ受けて残り10だ。
「今度は私です!」
バシュッ!
エクスカリバーの影からロンギヌスが槍を飛ばす。それはマインにぶつかり、マインは回転しながらヴィクターと反射してディバウアにヒットした。
「なに!?」
そして、アドルフは……。
チョン押しした。
「お、お前は攻撃しないのかよ!」
「大将は無闇矢鱈に前線に立たないものだ」
「そう、これが俺たちの作戦だ!前衛、後衛、大将……三つのポジションを明確に役割分担する」
「まずは前衛のガレスが矢面に立ち、後衛の私との連携で着実にダメージを与えていく」
「俺がやられた頃には、お前らはもう虫の息。あとはアドルフが仕留めるって寸法よ」
想像以上にキッチリと作戦を立てていたユーロフリッカー騎士団にダントツウィナーズは圧倒される。
『さぁ、序盤はユーロフリッカー騎士団有利で展開しているこの決勝戦!果たして、これからどんなドラマが待っているのか!?』
現在のHP
バン 12
リサ 10
ザキ 12
アドルフ 15
ガレス 12
ジャン 15
つづく
CM