第8話「一回戦!新たな強敵」
司会「さぁ、ついに始まりました、決勝トーナメント!第1試合は、ダイチ選手vsゴダイ選手!
防御型のネオリッキーと、オールレンジ攻撃型のファイブホーンの激しい戦いです!!」
ゴダイ「いけぇ!ファイブホーン!!」
ゴダイの使っているカブトボーグはGシリーズのゴホンヅノカブト。
通常の五本の角に、さらに多彩な角が装備されている。
ダイチ「耐えろ!ネオリッキー!!」
ガッガッ!
ファイブホーンが角を巧みにつかってネオリッキーをアタックする。
しかし、ネオリッキーは防御型アーマーで耐えている。
司会「果敢に攻めるファイブホーンだが、ネオリッキーはそのほとんどを耐えています!ダメージは少ない!」
ゴダイ「だが、0ではない・・・。それに、耐久率は優秀だが、転倒防止はそれほどでもない!」
ガッ!
ファイブホーンの角がネオリッキーを引っ掛ける。
ダイチ「しまった!」
自由を奪われてしまうネオリッキー。
ゴダイ「このままリングアウトだ!」
ダイチ「振りほどけ!!」
ガガガ、バキィ!
ネオリッキーは、ヘラクレスとしてのパワーを見せ、振りほどく。
ゴダイ「なに、なんてパワーだ!」
ダイチ「リッキーの能力は、耐久力だけじゃないんだ!」
ガッ!
ネオリッキーがファイブホーンを持ち上げ、そのまま倒した。
司会「決まったぁ!ネオリッキーが強力なパワーでファイブホーンを横倒し!」
バトルが終わり、ステージから降りるダイチ。
コータ「やったなダイチ!」
ダイチ「ああ、でも危なかった。」
言って、ダイチはリッキーをバラし、メンテする。
コータ「相変わらずマメだなぁ、ダイチ。」
ダイチ「カブトボーガーとして、当然の事だよ。」
コータ「ふ~ん・・・。それじゃオレも、ライデンのメンテしようかな。」
コータもダイチに習い、ライデンのメンテを始める。
リュート「次は、ドルヴィーの戦いだな。」
コータ「あ、ほんとだ!・・・えっと、対戦相手は・・・。」
会場に設置されている巨大モニターに映された対戦表を見る。
コータ「ゴウタ・・・?」
リュート「聞いたこと無いな。今回初出場なんだろう。」
司会「さぁ、一回戦第二試合を始めるぞ!選手はステージへ!」
ドルヴィーとゴウタがステージに上がる。
コータ「ドルヴィー!!がんばれよ~!!」
ドルヴィー「当然だぜ。こんなところで負けるかよ。」
コータの応援にドルヴィーは自信の笑みを見せる。
対するゴウタは、無表情のままだ。
巨体で寡黙な少年だ。
ドルヴィー「・・・。」
二人が、カブトボーグを構える。
ドルヴィー「メタルチャージ!」
ギュワアアアア!!
ドルヴィーが地面にカブトボーグをこすらせてチャージする。
ゴウタ「メタルチャージ。」
ゴウタも同様の行為をする。
ドルヴィー「な、なに!?」
しかし、行為は同じでもその中身は全く違う。
ギュワアアアアアア!!!
ゴウタは、その怪力で信じられないくらいパワフルなチャージをしていた。
ドルヴィー「くっ、いけっ!グラビティプレス2!!」
ドルヴィーのカブトボーグは、エレファスゾウカブトのGバージョンだ。アーマーはつけていない。
ゴウタ「マンディブラリス!!」
対するゴウタは、マンディブラリスを使う。
アーマーは、長い一本ヅノだ。二又のアゴとあいまって攻撃力が高い。
コータ「あのエレファス、Gシリーズなのにグローアップパーツをつけてない!?あれで勝てるのか?」
リュート「いや、パーツはつければいいってもんじゃない。リスクも存在する。
重くなれば機動力は大幅に減る。元々重量型のグラビティプレスは、アーマーを付けない方がちょうどいいんだろう。」
リュートの言うとおり、グラビティプレスは重量級としての攻撃力を見せつつも、機動力もそこそこある戦いだ。
ドルヴィー「ひゃっはっは!どうだ!」
圧倒的に優勢なのはドルヴィーだ。
ゴウタは、あのチャージのおかげで勢いはあるものの、ことごとくかわされてしまっている。
が、それでもゴウタは冷静を崩さない。
ドルヴィー「ちっ、きにいらねぇ!やれぇ!グラビティプレス!!」
グラビティプレスが最後の攻撃を仕掛けようと、角を大きく振り下げる。
ゴウタ「それを、待っていた!」
ドルヴィー「なにっ!?」
ゴウタ「シャイニングフォース!!」
カッ!!
マンディブラリスが突如輝きだしたと思ったら、カブトボーグとは思えないほどのスピードでグラビティプレスへ突っ込んだ。
リュート「なにっ?!」
ダイチ「シャイニングフォースだと!?」
コータ「俺達以外に、シャイニングフォースを使える奴がいるなんて・・・!」
シャイニングフォース。カブトボーガーとカブトボーグが心を通じ合わせる事によって発動する現象。
全能力が割り増しになるのだが、特に凄まじいのはスピードアップ。
フライホイールのカブトボーグとは思えない、まさに光速を思わせるスピードで走行できるのだ。
ドルヴィー「くそっ!」
大振りで隙を作ったグラビティプレスは、あっさりマンディブラリスに挟まれた。
ゴウタ「終わりだ。」
そのまま、投げられ、グラビティプレスはリングアウトした。
司会「き、決まりました!圧倒的な力を見せ、勝利したのはゴウタ選手!」
ドルヴィー「バカな・・・!」
がっくりと肩を落としてステージから降りるドルヴィー
ドルヴィー「くそ、オレが負けるなんて。」
マリノ「仕方ないわ。勝負は時の運だし・・・。」
落ち込んでいるドルヴィーを慰めるマリノ。一年前と比べてかなり性格が丸くなっているようだ。
カガミ「しかし、あのシャイニングフォースは一体・・・?」
ドルヴィー「受けた感じ、コータ達と同じような質だったが・・・。」
カガミ「本来シャイニングフォースはカブトボーガーならば誰でも起こり得る現象だ。特にGシリーズはその現象を起こりやすくしている。
だが、それも何か起爆剤のような『きっかけ』がなければ発動しない。」
コータはライデンへの想い、カガミは黄金カブトの力、リュートとダイチはコータのシャイニングフォースに反応して発動した。
カガミ「・・・背後に、何か大きな力があると見て間違いないだろう。マリノ、気を引き締めていけ。」
マリノ「分かったわ。」
司会「さぁ、続きますのは・・・一回戦第3試合!マリノ選手vsケイタ選手!」
緊張した面持ちでステージに上がるマリノ。
それにたいし、ケイタ選手と言う少年は、小学2年生くらいの幼い顔つきの少年だ。
ケイタ「あはは、お姉ちゃん。そんなに気を張らないで、楽しくいこうよ。」
緊張で、引きつった顔をしたマリノに、ケイタは屈託の無い笑顔で言う。
マリノ「(この子は、そんなに用心しなくてもよさそうね。)」
少年の態度に、マリノは安心したのか気を抜く。
マリノ「ええ。よろしくね。でも、手加減はしないわよ。」
ケイタ「うん!」
司会「それでははじめます!レディ、ゴー!!」
マリノ&ケイタ「メタルチャージ!!」
ギャッ!
二人がカブトボーグのエネルギーをチャージし、フィールドへ放る。
マリノ「いけっ!ゴールドオーガ!!」
マリノはオウゴンオニクワガタのGバージョンを使う。
ケイタ「ふふ、タランドゥス!!」
ケイタはタランドゥスオオカブトだ。
マリノ「ゴールドオーガの大アゴの力を見せてあげる!」
先手を取ろうとしたのはマリノだ。
ゴールドオーガはアゴの力が強く、その力で相手を掴むのを得意としている。
ケイタ「ふふふ。そんなに力んだら当たらないよ。」
ウィーン・・!
タランドゥスの背中の羽みたいなアーマーが動き、タランドゥスが旋回する。
マリノ「あ、当たらない!?」
タランドゥスは、羽根を可動させることで重心移動し、旋回性を上げているようだ。
ケイタ「それだけ?はぁ、去年の大会でいい所まで行ってたって言うから期待したのに・・・。もういいや。」
突如、ケイタは子供らしい無邪気な態度から、無邪気故の残忍な表情に変わる。
ケイタ「シャイニングフォース!」
マリノ「え!?」
驚いたときにはもう遅い。
シャイニングフォースを発動させたタランドゥスがあっという間にゴールドオーガを弾き飛ばした。
司会「き、決まりました・・・!ケイタ選手が、圧倒的強さでマリノ選手を撃破!」
マリノ「そ、んな・・・!」
ケイタ「ふふふ。」
コータ「ま、またシャイニングフォースを・・・!」
リュート「発動のタイミングが早い!それだけ、出来るボーガーって事か・・・!」
司会「それでは、続いて第4試合を始めます!」
コータ「お、オレの番だ。」
司会の言葉に反応し、ステージへ向かうコータ。
リュート「コータ!気をつけていけよ。今回の大会、何かおかしい。」
コータ「分かってるよ。」
司会「第4試合は、前年度優勝者のコータ選手と、ヨウタ選手だぁ!」
ヨウタ「コータ君。私は君と戦えるのを楽しみにしていた。いいバトルをしよう!」
ヨウタと呼ばれた少年は、さわやかに言う。
コータ「あ、あぁ・・・。」
気張ってただけに、その態度に面食らうが、コータはすぐに気を引き締める。
コータ「(とにかく、相手の出方を伺わないと・・・!)」
コータ&ヨウタ「メタルチャージ!!」
つづく