面白いメンコホビー競技を作りたい奮闘記その2 メンコ玩具の歴史と欠点分析編

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その1はこちら

面白メンコホビーについて考える前にこれまでのメンコモチーフ競技玩具についてまとめてみましょう

まずは2001年に旧タカラがベイブレードのヒットに乗じて出して来たのが

BANG!

正方形のフレームの中に数値と絵柄の描かれたカードを仕込み
裏には四箇所にジョイントを備え、そこにウェイトを仕込むことでカスタマイズが可能に

カードにはパワーとカスタムできるウェイトの数が記載されていて
基本的にパワーの大きさとウェイトの数は反比例しており
物理的な強さと数値的な強さのバランスが取れるようになってます

物理的なカスタムに関しては
ウェイトが均等に配された場合は攻撃型
偏重心だと防御型と言う解釈でした

後期になるとフレーム自体に爪をつけたり
フレームそのものの形が違うものが出たりしました

比較的弾力性のある素材で、ぶつかった時の弾力で跳ね上がってひっくり返ると言う仕組みでしたが
ひっくり返すためにはかなりのパワーが必要になります

ルールは、お互いにBANG!を交互に投げていき
全てのBANG!を投げ尽くしたらバトル終了
表になっているBANG!の数値を比べて大きい方が勝ちというものです

 

次は、なんとジャンプ発のメンコホビー
『スマッシュボマー』2006年
キャラクターデザインはシャーマンキングやハイパーダッシュ!四駆郎でお馴染みの武井宏之先生

これは未所持未経験なので詳細は分からないのですが

投げる側のメンコとひっくり返される側のメンコが明確に『別物』の言う扱いで
更に投げる側のメンコが手首と紐で繋がっており(バンジーボールやヨーヨーみたいな感じ)
投げた後もすぐに回収することが可能なのが最大の特徴
かなり異色ではあるものの競技玩具らしい『愛機感』がより強く出ている

 

『バチ魂バット』2014年
アベンジャーズのアニメ『ディスクウォーズアベンジャーズ』のタイアップ商品
アニメ内ではアベンジャーズの召喚アイテムでしたが
玩具は何故かメンコ

 

三角形のメンコの内側にキャラクターの描かれたメダルが入っており
そこに攻撃用、防御用の効果が書かれている

衝撃と素材の弾力でひっくり返していたBANG!とは違い
こちらはディスクの端っこが若干浮いており、そこへディスクをぶつける事で梃子の原理でひっくり返す
なのでパワーよりもコントロールの方が大事だったりする

ルールは
防御用ディスクを4枚
攻撃用ディスクを3枚用意して、防御用ディスクをフィールドに置く
交互に攻撃用ディスクを投げて、先に相手の防御用のディスクを全て裏返した方が勝ち
と言う、BANG!と比べてかなりシンプルなものに

ただ残念なのがこう言う玩具でありがちな『特殊効果要素』がどうも物理玩具として足を引っ張っている感は否めない

後期になるとアーマーをカスタムしてパワーアップ出来るものも出て来たりして

 

大きくシルエットを変えられないと言うメンコの常識を覆して
カスタマイズ玩具としてかなり面白くなって来たものの
この手のカスタムは『あちらを立てればこちらが立たず』と言ったジレンマがあってこそ楽しいものだが
メンコの場合は『攻撃力を上げると同時に防御力も上がってしまう』と言うのがネックだったように思う

 

『超爆裂異次元メンコバトル ギガントシューターつかさ』2014年

これはかなり特殊な奴
放送当時は『ギガントシューター』はあくまで架空のメンコ玩具で
架空のメンコ玩具を題材にしたホビーアニメ風のギャグアニメと言う
ある意味カブトボーグと似て非なるコンセプトの作品

しかし2015年に某TCGのパックに劇中のメンコが同梱
アニメ内ではただの厚紙メンコだったものの
玩具版は紙に専用フレームを取り付ける事でバチ魂バットのように梃子の原理を利用してひっくり返すようになっている

ルールは
メンコ玩具にしては珍しく1vs1の勝負で
攻守を交互に入れ替えて、先に相手のメンコをひっくり返した方が勝ち

何故か先攻を取った側が先に防御する上、完全な先取勝利型のルールなので
先攻1ターン目でひっくり返された場合はその時点で勝負が決まる
主人公つかさはよく自分から先攻を取って、即座に負ける
と言うのがお約束になっていた

 

 その他
ポケモンパッチン
メンコスタジアム
などのキャラクターとコラボしたものもちょくちょく出てたが
あくまでコラボ品で物自体は昔ながらのメンコとほぼ変わらず

 

ザッとこんな具合で
これだけいろいろ出ているのにイマイチパッとしないメンコ玩具
一体何が悪いのか……?

それは、『愛機感の薄さ』『物理性能バランス』『対決感』『行動結果が0か100しかない』によるものかなと分析しています

 

・愛機感の薄さ
競技玩具は多種多様な形状のメカを選び、改造や組み替えを行う事で『対戦相手とは違う見た目の自分だけの機体』を使って戦う事が最大のロマンです

しかし、メンコを元にしている故にその形状は大きな差異をつける事が難しく
絵柄を変えた程度では『自分だけのもの』感が薄いのかもしれません

また、どうしてもデッキ制で複数のメンコを扱うことから
「唯一無二の愛機」と言った要素も薄まります
そこはスマッシュボマーやギガントシューターが回避しています

基本的にメンコは投げたら投げっぱなしになり
『試合中に使い捨てしてる』と言う部分もマイナス点かなと思いますが
バチ魂バットやスマッシュボマーは攻撃用と防御用とを分ける事で回避しています

 

・物理性能バランス
『あちらを立てればこちらが立たない』からこそ生まれるカスタムの面白さですが
メンコ玩具はどうしても攻撃力と防御力を共存させやすく
また、それ以外の性能ステータスの用意が難しいため
多種多様な性能バランスの違いを生み出しにくいのです
一応BANG!はそこら辺を気を使っていたものの
やはり目に見えてカスタムで性能や形が変わるベイブレードと同時展開では印象が薄まるでしょう

 

・『対決感』
どうしてもターン制にならざるを得ないため
実質お互い交互にターゲットを狙っているだけになり直接の戦ってる感は薄まります

ターン制であっても、防御や回避等がリアルタイムで相手と駆け引きが出来れば対決感は出ますが
防御用のディスクを押さえたり動かしたりするわけにはいかないのでここが難しい

 

・『行動の結果が0か100かしかない』
メンコにおける行動目的は「相手のメンコをひっくり返す」のみで
その結果は「ひっくり返せた」と「ひっくり返せなかった」の二つのみであり、0か100しかないのです
「徐々にダメージを蓄積させてきたからこそひっくり返せた」と言った要素がないため
最低限『ひっくり返すためのスキル』がなければ遊びそのものが成立しません
しかも行動がターン制のため一投の重みが大きすぎるのもマイナスです

一撃必殺技しか持たないポケモン同士でバトルしてるようなものになってしまうのです

 

 

ザッとこれだけ欠点があるわけですが
逆に言えば、一つ一つ丁寧に欠点を解消していけば面白い遊びになるのではないかなと思うので
少しずつ制作を進めようと思います

 

つづく!(飽きたら終わる)

 

 

CM

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