第25話「伝説集結!ギラファドラゴン!!」
魔王城最後の番人は、エリートフリッカー四天王と言う4人の男達だった。
伝説の機体4つの力を試すにはちょうどいい人数なのだろうが、今の弾介達は3人しかいない。
「レイズ……!」
「ん?なんだてめぇら、よく見たら3人しかいねぇじゃねぇか」
「伝説の機体は4つ、それを操るフリッカーも4人、だから我々4人で迎え撃つように指示されたのだが……」
「3人でも、僕らはお前らに負けないぞ!!」
「まぁ、どちらでも同じ事」
「魔王様と戦う力があるなら通す、無ければ世界が滅びる、ただそれだけでござる!」
どうやら人数不足でも戦ってくれるそうだ。
人数揃わなかったら問答無用で失格とならなかっただけありがたいがそれでもこちらが圧倒的不利なのは変わらない。
「元々不足は承知で乗り込んだんだ!このくらい、勝ってやる!」
早速、7人が一斉にシュートし、機体をスケールアップさせた。
「いくわよ!フィールドジェネレート!!」
まずはフィランがフィールドを生成し、少しでも有利に立てるようにする。
「あいつら、ウェイトカウントが遅いな。よし、先手必勝だ!!」
アクティブフェイズになった弾介は黒い三角形のような機体へ向かってシュートした。
しかし、その黒い機体はドラグカリバーの攻撃を掬い上げるようにいなし、ドラグカリバーは勢いで自滅してしまった。
「な、なに!?」
「けっ、バカが!タガラを舐めてっからだ!」
「俺の愛機小鷹は特殊コーティングされたボディで全ての攻撃を受け流す」
「くっ、くそ……!」
「どうにか形勢を立て直さなくては……マインセット!」
シエルは小鷹の後ろへマインをセットする。
攻撃を受け流す相手にはマインヒットが有効だ。
「フィラン、頼みます!」
「分かったわよ!」
行動の早いハンターフィーラインでマインヒットしようとするが……。
「させない!華麗に決めろ!クロスアームド・レラ!!」
シュンッ!!
フィランがフィーラインをシュートするよりも早く、クロスアームド・レラと呼ばれたバネ付きのフリックスとシエルの設置したマインが一瞬消えたかと思ったらフィーラインはマインヒットを受けていた。
「な、え、」
「一体何が起こったんですか!?」
「いつの間に、マインヒットに……!」
呆然とする弾介達に、クロスアームド・レラの使い手が説明する。
「俺のクロスアームド・レラはシュートポイントに装備したスプリングで超加速し、フロントのスプリングでマインを弾く。このマインヒットからは誰も逃れられないのさ」
「さすがだぜ、ムドー!んじゃ、今度は俺から行くか!喰らえぇぇ!!」
今度は別のフリックスがシェルガーディアンに襲いかかる。
「シェルターディフェンス!!」
「無駄なんだよ!イッテツ!ちゃぶ台ひっくり返し!!」
バーーーーン!!
イッテツと呼ばれたフリックスはまるでちゃぶ台をひっくり返すようにフロントをカチ上げてシェルガーディアンをあっさりとフリップアウトさせてしまった。
「そ、そんなっ!」
「シェルガーディアンをこんなにあっさり……!」
「見たか!これがガンジ様の愛機、イッテツの超火力よ!!どんなに防御力があったって無駄だぜ!!」
「だったら拘束して封じるだけよ!」
バシュッ!!
フィランがフィーラインをシュートするが……。
「無駄でござるよ!」
それを迎え撃つようにござる口調のフリッカーがシュートした。
「ボルテックスNINJA!!!」
バキイイイィ!!!
真正面からぶつかり、フィーラインが拘束するよりも早くボルテックスNINJAがフィーラインを弾き飛ばした。
「ハンターホールドが間に合わなかった!?」
「ボンのボルテックスNINJAは巨大なビスでフロントからシュートポイントまでを一体化してる。剛性は半端ねぇ!まともにやりやっても勝てねぇぜ」
「そういう事でござる」
「な、なんて奴らだ……一人一人のレベルが今までとは比べ物にならない!」
その後も、弾介達は善戦するが四天王達の優位は変わらずに追い詰められていく。
「はぁ、はぁ……!くそっ、ジワジワと追い詰められてる!」
「しょうがないわよ、どうしても人数的には不利なんだから」
「人数的な……そうだ、フィラン!フィールドを解除してください!」
「は、何言ってんのよ?これ以上不利になるわよ?」
「いえ、ちょうど今私とフィランのアクティブフェイズが被ってるので、フィランが解除した後すぐに私がフィールドを生成します」
「入れ替えるって事?」
「味方同士でフィールドを入れ替えて意味があるの?」
「まぁ、とにかくやって見るわ。フィールド解除!」
フィランは言われた通りフィールドを消した。
「なんだあいつら?」
「わざわざフィールドを解除して、血迷ったか」
「それならこちらがフィールドジェネレートするまででござるよ!」
フィールド権を奪われる前にシエルが叫ぶ。
「そうはさせません!フィールドジェネレート!!」
ボンが宣言する前にシエルがフィールドを生成した。
「味方同士でフィールドの入れ替えか」
「今更フィールド変えた所で戦況が変わるか?」
「フッ、悪あがきというならそれもいいだろう」
「ま、生成者を倒せばフィールドは消えるしな」
「でござるな!!」
バシュッ!!
イッテツ、ボルテックスNINJA、クロスアームドレラが三機同時にシェルガーディアンへ攻撃する。
バキィィィ!!!
三体分の攻撃には流石に耐えきれず、シェルガーディアンはあっさりと場外するが……。
「っ!」
三機とも、フィールド上の穴[フリップホール]の上に停止してしまい自滅。フリップアウトは無効になった。
「なに!?」
「よく見てください、このフィールドを!」
シエルの生成したフィールドを見ると……フィランのフィールドと違い、そこかしこにフリップホールが設置されていた。
フィールド内に設置出来るフリップホールの面積には制限があるものの、シエルは防御型故に制限いっぱいまで設置しているようだ。
「フリップホールの多いフィールドは、機体面積が大きければ大きいほど不利になります。それは、味方の数が多くても同じ!」
「そうか!機体の数が多ければ、それだけ穴に落ちる確率が上がる!」
「なるほど」
「それでフィールドの入れ替えとは、考えたな!」
このフィールド入れ替えの効果は凄まじく、一気に形勢は互角になった。
一進一退の攻防で、敵を追い詰めていくも、シエル、フィランは序盤で受けたダメージによって戦線離脱。
残りは弾介のみとなった。
「シエル、フィラン……!」
「すみません、弾介さん」
「あとは頼んだわよ!」
「……ここまで来たら、絶対に勝つ!!」
とは言え、状況は悪い。
シエルが撃沈した事でフィールドが消えて、今はムドーがフィールド生成している。
HP的には、弾介は割と余裕があり四天王達の方が一人一人の残りHPが低い。
とは言え物理的な数の力で一斉に来られたら、一溜りも無いだろう。
「あと1人……これで最後だな」
「これで決めるでござるよ!」
「負けるもんか!!」
四天王は弾介1人に向かって同時にシュートしてくる。
弾介も負けじと迎え撃つ。
「いっけえええ!!!」
どう考えても弾介に勝ち目のない激突だが、その時!
シュンッ!
一筋の赤い閃光がフィールドの外から入ってきてドラグカリバーを弾き飛ばした。
「なに!?」
ドラグカリバーの軌道が逸れたおかげで、激突は避けられて命拾いした。
そして、その赤い閃光の正体は……。
「ウイング、ジャターユ……!」
シュタッ!
と、フィールド外からフィールド内へ1人の少年が飛び込んできて着地する。
「「「レイズ!?」」」
「……」
レイズはゆっくりと弾介へ視線を向けた。
「なっ、なんのつもりだ!?」
「取り戻しに来ただけだ、俺の命をな」
「なに???」
「そして、今度こそ証明して見せる」
それだけ言うとレイズは四天王の方へ向いた。
「ちっ、時間差で4人揃うとはな」
「これも作戦か?」
「気にするな。お前達はここで終わりだ……スプレッドウイング!!!」
レイズは必殺のスプレッドウイングを使い、四天王の機体全てをマインヒットし、一気に撃沈させた。
戦いが終わり、先へ進む前に弾介達はレイズへ話しかけた。
「レイズ、助かったよ。でもどうしてここに」
「言っただろう、取り戻しに来たと。あとは魔王を倒すだけだ」
それだけ言うと一人で歩いて行こうとするので、弾介は慌てて止めた。
「ちょちょちょ、ちょっと待ってよ!」
「もうお前らに用はない、とっとと帰れ」
「帰れぇ!?」
「魔王を潰した後はお前らの番だからな、せいぜい首を洗って待ってろ」
「じょ、冗談じゃない!!魔王を倒すのは僕なんだ!!横取りされてたまるか!」
再び歩き出したレイズに負けじと弾介も競うように歩き出す。
「誰が倒すとかじゃなくて、せっかく四人揃ったんですから皆で協力しましょうよ〜!」
「なんにも変わってないのね、あんた……」
シエルとフィランも呆れながらその後を追った。
そして最上階、魔王の間。
仰々しくも禍々しい部屋の奥にフリップ魔王は仁王立ちしていた。
「ようやく来たか」
魔王は心底嬉しそうに言った。
「フリップ魔王!今度こそお前を倒してやる!」
「魔王をやるのは俺だ。お前は引っ込んでろ」
「後から来たくせに横取りなんて虫が良いぞ!」
「俺が来なければお前は撃沈していた。そんなお前が戦っても勝てるわけがない」
「あれは!だって、人数的に不利だったし」
「お前らを潰すのは俺だ。魔王に先を越されてはたまらんからな」
「へ?」
レイズの意外なセリフに弾介らは面喰らった。
「なに、あんたツンデレなの?今更めちゃくちゃベタじゃない」
「……」
「よーし、こうなったら勝負だ!どっちが先に魔王を倒せるか!」
「……口で言って分からないなら、仕方ない」
弾介とレイズは機体を取り出して構えた。
「意地でも協力する気はないんですね……」
ため息をつきつつシエルとフィランも機体を取り出す。
「フッ、やる気なのは良いが。宴の前には準備が必要だ」
そう言って、魔王は手を翳して呪文を唱えた。
「セイクリッドバース」
すると、弾介達は暖かな光に包まれて、体力、機体のHPや破損、使用したスペル、何もかもが全回復した。
「これは、究極の回復魔法……!」
「何故わざわざ敵である俺たちを回復させた?」
「我の目的は、お前達を倒す事でも、世界を滅亡させる事でもない。正々堂々と強いライバルと戦う事だからな」
「何が正々堂々よ、魔王の癖に」
「そんな事のために、これ以上世界を危機に晒すわけにはいきません!」
「なんであれ、俺がお前を倒す事に変わりはない」
「お前なんかライバルじゃないけど、勝つのは僕だ!!」
それぞれの想いが交錯する中、ついに最終決戦の火蓋が切って落とされる。
「「「3.2.1.アクティブシュート!!!」」」
「行くぞ、ウイングジャターユ!」
「お願いします、シェルガーディアン!」
「行くわよ、ハンターフィーライン!」
「いっけぇ!ドラグカリバー!!」
合計五機のフリックスが放たれ、スケールアップする。
「……さぁ、念願の時だ!楽しめ、ゴルドライグ!!!」
シュンッ、バゴォォォ!!!
魔王から放たれたゴルドライグが向かってきた四機のフリックスをいっぺんに弾き飛ばした。
「ぐっ!」
「なんてパワーだ……!」
「さすがは魔王と言った所でしょうか」
「とりあえず意味あるか分からないけど、定石通りフィールドジェネレートしとくわよ」
特に有益な作戦があるわけではないが、やらないよりはマシだろうと言う事でフィランはフィールドを生成した。
「どんなに強かろうが、マインヒットのダメージは変わらない」
次にレイズはマインをセットした。
「よし、レイズナイス!僕がマインヒット決めてやる!」
弾介はレイズがセットしてくれたマインを利用しようと構える。
「なっ、それは俺のだぞ!」
「マインヒットに人のも自分のも無いだろ!」
「協力してくださいよ〜……」
「いっけぇドラグカリバー!!」
バシュッ!!
不服そうなレイズを無視して弾介がシュートする。
「シェルターディフェンス!!」
スンッ……。
ゴルドライグは機体を回転させてドラグカリバーの攻撃を受け流し、軌道を変えた。
「なに!?今のはシエルの技じゃ……!」
「では、そろそろこちらから行くぞ」
魔王はゴルドライグのサイドウイングを展開し、自身の後ろにあるマインへ伸ばしながらシュートした。
「スプレッドウイング!!」
バチンッ!!
ウイングジャターユを遥かに上回るフレキシブルな変形によってドラグカリバーとウイングジャターユがマインヒットを受ける。
「今度は俺の技だと……!」
次はシエルのフェイズだ。
「フリップスペル、シャイニングキュア!」
スペルを使ってドラグカリバーを回復させる。
「ありがとう、シエル!」
「私はなるべく回復役に徹します。レイズも後で回復させますので待っていてください!」
「いらんっ!」
「ええー」
「他者の心配をしてる場合ではないぞ。フリップスペル『電光石火』」
電光石火の効果で再びアクティブフェイズになった魔王はフロントのバネを縮めて、ドラゴンヘッドでロックした。
「喰らうがいい!ドラゴブレス!!」
ドンッ!バギィィィ!!
ゴルドライグの一撃がシェルガーディアンにヒット!
その衝撃でフロントのバネが伸びてシェルガーディアンを弾き飛ばした。
「っ!」
「シェルガーディアンの防御が通じない!?」
しかも、シェルガーディアンが飛ばされた先にはドラグカリバーがいる。
「受け止めろ!ドラグカリバー!!」
弾介はバリケードを張り、シェルガーディアンを受け止めて一緒に飛ばされてきたドラグカリバーを支えるが……。
「ぐぅっぅ、うわぁぁ!!!」
パキーーーン!!
あまりの衝撃にバリケードは破壊されてしまった。
「弾介さん!大丈夫ですか!?
「なんて、プレッシャーだ……シェルガーディアンだけじゃなく、ドラグカリバーまで飛ばした上にバリケードを壊すなんて……!」
「奴に行動させるのは厄介ね……ハンターホールド!!」
今度はフィランのフェイズだ。ゴルドライグの真正面から突っ込んで拘束しようとするのだが……。
「ハンターホールド返し!」
ガッ!!
逆にゴルドライグの口に挟まれて身動きが取れなくなってしまった。
「逆に掴まれた!?」
「拘束技はこう使うのだ!」
フィーラインを咥えたまま、ゴルドライグは一回転して投げ飛ばした。
さらに、その先にはウイングジャターユがいる。
「ちぃ!」
バシュッ!
レイズはちょうどアクティブフェイズになったのでバリケードではなく飛ばされたフィーラインを迎え撃つようにシュートして防御した。
バーーン!!
どうにか勢いは相殺されたものの二機とも転倒してしまう。
「悪いわね、レイズ!」
「ふん、まぁ姉さんには貸しを作っておくか」
ダメージは軽減されたが、スタン扱いになるのでフィーラインとジャターユは一定時間動けない。
次は弾介がアクティブフェイズになった。
「こうなったら、全力で行くしかない!フリップスペル『フルスロットルフィニッシュ』!!」
フルスロットルフィニッシュ……宣言したら一定時間チャージし、自滅無効化したシュートを撃てる。ただし、一定距離以上飛ばさないとダメージが入らない。
「私はスペルを回収します」
シエルはシャイニングキュアを回収し、次の回復に備えた。
そして、弾介のフェイズになる。
「行くぞ!僕とドラグカリバーの全力を見せてやる!!」
「面白い、来るがいい!」
弾介はドラグカリバーのフロントソードを変形させた。
「必殺!ドラグリーチスティンガー!!」
弾介の必殺技、ドラグリーチスティンガーが炸裂!
しかもフルスロットルフィニッシュの効果で自滅を恐れない全力のシュート。今の弾介に出来る最大の攻撃だ。
「それが全力かっ!」
魔王もゴルドライグのフロントを変形させた。
「なに!?」
「ドラグリーチスティンガー!」
バーーーーーーーーーン!!!
ドラグリーチスティンガー同士の激突。
しかし、力の差は圧倒的でドラグカリバーの方が大きく飛ばされてしまった。
「ド、ドラグカリバーの全力の必殺技が、負けた……!」
「……なぜだ」
「え?」
魔王は不満げな表情で弾介を睨みつけた。
「何故その程度なのだ!龍剣弾介!!」
「なぜ、って……」
「そりゃラスボスが強過ぎるのは当然でしょ……」
「我が!何のためにお前を作り出したと思っている!!何のために我が力を宿した機体を散りばめ、集めさせたと思っている!!」
「僕は、お前のために戦ってるわけじゃない!!」
「ならば問いを変えよう……龍剣弾介よ、お前はこのバトル楽しいか?」
「!?」
「このまま続ければお前達は確実に負ける。一方的にな!それで何の不満も感じずにいられるのか?」
「そ、それは……!」
魔王の問いに言葉を窮する。それは肯定を意味した。
「ならば力を合わせろ!伝承通りに伝説の力を一つにし、我に立ち向かえ!!」
「そ、そうです!魔王の言う通り、協力して戦いましょう!!」
魔王とシエルの意見が一致しているのも奇妙な話だが、弾介とレイズは口を揃えて叫んだ。
「「断る!!」」
「ええええーーー」
「ほんとなんなのよあんた達……」
「魔王は俺一人の力で倒す!必ず!!」
「勝つのは僕だ!魔王にも、レイズにも絶対負けない!!」
「ああもういいです!!だったらもう知りません!!仲良くしないんだったら私が魔王を倒しちゃいます!!」
「ノ、ノーパン!?」
「ふん、今更横入りなどさせるか!」
「シエルにだって負けないぞ!」
「……はぁ、まぁあたしは協力しようが何しようが、魔王討伐できれば何でもいいと思うけど」
「よーし、誰が先に魔王を倒せるか、勝負だ!!」
長々と話していたおかげで、いつの間にか四人全員がアクティブフェイズになっていた。
なるべく公平になるよう、四人は声を揃えてスタートの合図を叫ぶ。
「「「「3.2.1.アクティブシュート!!!!」」」」
「魔王を倒すのは俺だ!!!」
「私が世界を守ります!!!」
「やるからには負けないわよ!!!」
「僕がダントツ1番だあああああ!!!!」
バシュウウウウウ!!!!
それぞれバラバラな想いで四つのフリックスが魔王へと向かっていく。
その時だった。
カッ!と眩い光が四機を包み込み、一点に収束していく。
バキィ!!!
収束した光がゴルドライグを弾き飛ばす。
今まで全く歯が立たなかったゴルドライグに初めて攻撃が通った!
「やった!いいぞ、ドラグカリバー!!」
「何を言ってる、あれはウイングジャターユの攻撃だ!」
「どう見てもドラグカリバーだって!」
「どっちでもいいわよもう」
「いえ、見てください!」
四機を包んでいた光が少しずつ消えていく。
そこに現れたのは、ドラグカリバーを中心に、ウイングジャターユ、シェルガーディアン、ハンターフィーラインのパーツが合体した一機のフリックスだった。
「なんなの、これ?」
「何故一機しかないんだ?」
「僕のドラグカリバーはどうしちゃったの!?」
狼狽える弾介達とは対称的に、魔王は満足げに呟いた。
「ようやく、一つになったか……」
「へ?」
魔王は心底嬉しそうに口を緩ませた。
「あれこそが伝説のフリックスの真の姿……!我がライバル、ギラファドラゴンだ!!」
つづく
CM