爆・爆ストーリー ZERO 第43話

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第43話「ゴルドン祭 女の戦い」
セシル「うわぁ~。すごい、にぎやかだね~!」
 クロウがビアスと戦ったその翌日。
 ゴルドンの街中は、さまざまな出店が出ており、ちょうちんやらなにやら・・・えと、一言で言えばお祭り雰囲気だ。
ヒスイ「今日は、お祭りか何かあるんでしょうか?」
 と、そのとき。
ツバサ「あ、みんな!」
 ツバサと出会った。
ツバサ「ちょうど、君たちの宿舎に行こうと思ってたんだ。どう、具合は?」
クロウ「あぁ、なんとかな。」
ツバサ「そっか。」
ヒスイ「それより、今日は何かあるんですか?にぎやかですけど。」
ツバサ「うん。今日は年に一度のお祭り、ゴルドン祭があるんだ。」
ヒスイ「ゴルドン祭ですか。」
セシル「(モグモグ)ふ~ん・・・そうなんだ。)」
 と、セシルは口をもごもごさせながら言う。ヒロインのやるべき事じゃない。
ヒスイ「って、セシルちゃん!?いつの間にたこ焼きなんか買ってきたんですか!?」
セシル「イカ焼きと、綿菓子も買ってきたよ。あ~、やっぱりお祭りは出店よね~♪」
クロウ「・・・太るな。」
セシル「何よ!」
クロウ「あまり余分なカロリーは取るな。アスリートとしての常識だ。」
セシル「むぅ~!そんな事言うんだったら、これ分けてあげない!」
 と、セシルはそっぽを向く。
クロウ「・・・・・。」
 クロウはちょいとさびしそうな顔をしたが、誰もそれには気づかなかった。
ツバサ「あははは。そうだ、向こうで射的やってたよ。もちろん、ビーダマンを使ったね。」
ヒスイ「へぇ、面白そうですね。」
クロウ「そうか?」
ヒスイ「たまにはいいじゃないですか。こういうのも。それに、病み上がりで、ちょうどいい調整になるのでは?」
クロウ「まぁ・・・。」
 そんなわけで、クロウ達は射的の屋台の前へとやってきた。
オヤヂ「へいらっしゃい!!」
 店の中には、さまざまな商品が並んである。ぬいぐるみ・・・おもちゃ・・・お菓子・・・デッカイ将棋の駒・・・などなど。
 クロウ達はオヤヂに金を払い、的の前に立つ。
オヤヂ「持ち玉は一人三発ずつだぞ。」
クロウ「さて・・・・。」
 クロウが狙うのはあのデッカイ将棋の駒だ。
オヤヂ「(ほぅ、あれを狙うとは・・・たいした肝っ玉だ。だが、相当なパワーがいるぜ・・・。)」
 ドンッ!
 ドライブダブルバーストが見事駒を倒す。
オヤヂ「なっ!」
ヒスイ「さすがですね。」
クロウ「当たり前だ。」
 その後・・・ヒスイはブリキのおもちゃ。ツバサはお菓子を次々とゲットしていく。
オヤヂ「(こ、こいつら・・・・できるぜ!)」
 たかだか祭りのゲームなのに、勝手に燃えるオヤヂ。
セシル「よーし、次は私ね!」
ヒスイ「がんばってください。」
セシル「大丈夫よ!私のビーダマンはコントロール重視だし。」
 セシルはヘッドのスコープを覗き込む。
セシル「・・・あのぬいぐるみを・・・!」
 ドンッ!!
 セラフィックから放たれた玉はぬいぐるみ・・・のとなりにあるケースにヒットした。
セシル「あ、あれ?」
ヒスイ「・・・僕の開発した、ホーネットが狙いをはずすなんて・・・。」
 ショックを受けるヒスイ。だが、今のはどう考えてもセシルの責任だろう

オヤヂ「おっ、だが、こいつはすげぇぜ!」
 ケースをセシルに渡す。
セシル「すごいって?」
オヤヂ「開けてみな。たぶん、この中にある賞品の中では一番の代物だ。」
セシル「ほんと!」
ヒスイ「怪我の功名ですね。」
 早速開けてみるセシル・・・。そのケースの中にはチケットのようなものが入っていた。
セシル「これは?」
オヤヂ「ゴルドン祭最大のイベント、ミスコンの出場権だ。どうだ、すごいだろう?」
セシル「・・・・。」
 もし、男がこれを手に入れたらどうすれば良いのだろうか?
ヒスイ「すごいん・・・ですか?」
オヤヂ「おうよ!なんたって、このミスコンに出て優勝すれば・・!」
セシル「すれば?」
オヤヂ「ストライクショット、ゴールド弾がもらえるのさ。」
ヒスイ「ストライクショット?」
 聞きなれない言葉に首をかしげる。
オヤヂ「なんだお前ら。ストライクショットを知らないのか?」
ヒスイ「ええ。」
オヤヂ「まぁ、つい最近ニュースでちょこっと発表されただけだから、無理もねぇか。ストライクショットっつーのはなぁ、昔、このビーダワールドに落ちてきた謎の隕石のことだ。」
セシル「隕石とビーダマンと、どう関係があるのよ?」
オヤヂ「お譲ちゃん、話は最後まで聞いたほうがいい。その隕石っつーのは、不思議な事にビー玉とほぼ同じ大きさで、ビーダマンを使って発射できるのさ。」
ツバサ「でも、隕石って事は石なんですよね?それを発射しても、摩擦でホールドパーツをいためるだけだと思いますけど・・・。」
オヤヂ「いや、それもさらに不思議な事なんだが、その石はビー玉とほぼ同じ材質なんだ。しかも、普通のビー玉とは全然性能が違う。しかも性能が違う玉が何種類もあるらしい。」
ヒスイ「なんで、そんなものが、隕石として・・・。」
オヤヂ「あぁ、だから不思議だって言っただろ?なぜ、宇宙から、こんな都合よくビーダマンで撃てる特殊なビー玉が落ちてきたのか・・・。単なる偶然か、はたまた何者かの陰謀なのか・・・。ドリームは膨らむばかりだぜ。」
 いきなりうっとりしだしたこのオヤヂ。絶対自分に酔ってる。
ヒスイ「で、そのゴールド弾って・・・。」
 遠慮がちにたずねる。
オヤヂ「あん?」
ヒスイ「い、いや、ゴールド弾って一体どんな効果があるのかなぁ・・と思いまして・・・。」
オヤヂ「効果?」
ヒスイ「え、だって、ストライクショットにはそれぞれ独自の性能があるんでしょう?」
オヤヂ「あぁ、そうだったな。ゴールドだんっつーのはなぁ、全身を金で覆われたビー玉だ。金ぴかボディが相手の目くらましになるって寸法よ!まさにゴルドンにはぴったりのストライクショットってぇわけだ。しかも、このゴールド弾は偽者が頻繁に出ているらしいんだ。その中で、本物のゴールド弾ってんだから、価値はでけぇぜ?」
ヒスイ「へぇ・・・!」
 オヤヂの話を聞き、興味を持ったヒスイたち。
 とりあえずセシルはミスコンに出る事にした。
セシル「でも、ミスコンってどんな事するんだろう?」
ヒスイ「それは、僕にもよく分かりません。とりあえず会場に行ってみないことには。」
セシル「で、会場は?」
ツバサ「え~っと・・・確か・・・こっちだったような気が・・・。」
 そして、散々迷いつつも、ようやく会場についた。
ヒスイ「あ、参加者は受付して、控え室に行くみたいですね。そこで、説明とか、着替えとかするんじゃないでしょうか?」
セシル「う~・・・ちょっと、緊張するけど、とにかく行ってみるね。」
 受付へと歩いていくセシル。
 ・・・・ほどなくして、アナウンスが流れ出し、ミスコンの説明がされた。
 まず、一次審査はお約束の水着審査。
 これは、単にステージの前に出て、自己紹介するだけのものだ。
 そして、二次審査はコスチューム審査。
 各個人が用意されたコスチュームを選んでステージに立つ。そして、簡単な質問に答えてもらうと言うもの。
 二次審査が終わった時点で投票を行う。
 んでもって最終審査は私服審査。
 私服でディレクトヒットバトルを戦うトーナメント戦。
 この私服審査を勝ったものがミスコンの優勝者となる。
ヒスイ「一次審査と二次審査の意味は!?」

 特にない

ツバサ「まぁまぁ。」
クロウ「・・・。」
 なぜかさめた顔をしているクロウ。
ツバサ「どうしたの?」
クロウ「興がそがれた。最終審査になるまで、俺は別のところで暇つぶししている。時間になったら呼んでくれ。」
 そういって、クロウは去っていってしまった。
ツバサ「相変わらずだね。」
ヒスイ「ええ。」

 そんなこんなでミスコンは厳かに開始された。
 一次審査。
 水着を着た参加者が次々と現れては消えていく。
Mr.ビーダ「さぁ、お次は!前回の優勝者!ゴルドンの女神!アリサ・ブルームさんです!」
アリサ「皆さん、ただいまご紹介に預かりましたアリサ・ブルームです。今回で参加は三度目になるんですが、まだ緊張してます。皆さんどうか、よろしくお願いします。」
 ぺこりと頭を下げ、そのまま去る(?)
ヒスイ「無難ですね。」
ツバサ「うん、無難だね。」
ヒスイ「それにしても、なんでMr.ビーダが司会を?」
ツバサ「それはきっと、あれだよ。『ビーバトルあるところにMr.ビーダあり』って奴だよ。きっと。」
ヒスイ「・・・・最後しかバトルやらないんですが。」

Mr.ビーダ「さぁ、お次は今回初出場のクレア・フォスターさんだ!」
 クレアさん登場。
 簡単に自己紹介をすます。
Mr,ビーダ「今度は・・・おおっと!今回飛び入り参加のセシル・エレスティアさんだぁ!!」
 セシル登場。
セシル「え・・えと・・・。」
 大観衆の前に緊張しまくるセシル・
セシル「が、が、がんばりますので・・・よろしくお願いします!!」
 とりあえず、ぺこりとお辞儀し、そのまま去る。

ヒスイ「・・・さすがに、慣れてないときついみたいですね。」
ツバサ「うん、あれじゃ、厳しいかもね・・・。」

 そんなこんなで、一次審査しゅうりょ~。
 次に二次審査が始まる。
 それぞれがそれぞれのコスに着替え、それぞれの質問に的確に答え、二次審査も終了する。

Mr.ビーダ「さぁ、お次は、お待ちかねの第三審査!バトルだぁ!!みんなぁ!燃えてるかぁ!!!」
 二次審査終了と同時にいきなりテンションがあがるMr.ビーダ。なんとなく気持ち分かる。

ヒスイ「やはり、本業の方が燃えるようですね。」
ツバサ「うん、僕も実は楽しみにしてたんだ。何か、すごいビーダマンの気配がするしね。」
ヒスイ「気配?」
ツバサ「なんていうのかな・・?ビーダマンが発してる気って言うか・・・。とにかく、すごいよ。クロウの持ってるデスサイズと同じようなものを感じる。」
ヒスイ「まさか、伝説のビーダマン?!」
ツバサ「それは、分からないけど。」
 二人とも、クロウの事をすっかり忘れている(爆)

クロウ「忘れるな。」

ヒスイ「あ、クロウ。」
 クロウがやってきた。
クロウ「まったく、気がついたら時間になってるし。呼んでくれと言っただろう。」
ヒスイ「ていうか、どこにいるのか分からないのに呼びようがないですし・・・。」
 確かに。
クロウ「(分かれよ。)」
 と、クロウは心の中でさも自分が正しいかのように突っ込む。だが、正しいのはどう考えてもヒスイだ。例外は無い。
 そんなくだらない事をしている間に、トーナメントの組み合わせが決定したようだ。

Mr.ビーダ「さぁ、お次のバトルは、セシル・エレスティアVS大輪ミエだぁ!年の功を見せ付けるのか、ミエ選手!それとも、若さで押すか!セシル選手!」
ミエ「(なんか、失礼な実況ね。)」
 女性に対して年齢の事を言うのは失礼である。
ミエ「まぁいいわ!久しぶりに、私のバトルを見せてあげる!」
リエナ「ミエさん・・・ビーダマンやったことあるんですか・・・?」
ミエ「昔ちょっとね。さぁ、行くわよ!パワフルマム!」
 とある方の要望に一年の時を経て応える事になった機体、パワフルマム。
 簡単にはプロトワンのリペイントと思ってもらって差し支えない。下手に変な妄想をすると怪我をする。
セシル「相手は年上・・・でも、私は負けない!行くわよ、ホーネット!」
ミエ「(何でみんな年の事を強調するの(泣))」
Mr.ビーダ「バトルはディレクトヒットバトル一本勝負!さぁ、DHBコアをつけてくれぇ!」
 DHBコアをつけるセシル。ミエはDHBアーマー。
Mr.ビーダ「さぁ、おっぱじめるぞぉ!ビー、ファイア!!」
 スタートと同時に連射するミエ。
ミエ「まだまだ私だって現役だって事見せてあげるわ!」
セシル「きゃっ!わわ・・!」
 必死でそれをよける。と言うか、ビビッて全然動いていない。それでも玉はセシルを避けている。

ヒスイ「鈍いですね。狙いが全然あってない。」
クロウ「あぁ、あの距離で狙いを外すとは。衰えとは、恐ろしいものだな。」
 ギロッ!
クロウ「っ!」
 クロウはステージから何か殺気がくるのを感じた。
クロウ「(なんだ・・・・これはロン以上の憎悪を感じる・・・!)」
 と、その刹那。
 カンッ!!
Mr.ビーダ「きまったぁ!!ホーネットのショットがパワフルマムのアタックポイントを撃破!!ミエ選手、途中で余所見したのが、まずかったようだ!」
セシル「や、やった!」
ミエ「はぁ・・・。若さには勝てないわね・・・。」
セシル「いえ、いい勝負でしたよ。」
ミエ「セシルちゃん・・。」
 ミエとセシルは熱く握手した。
Mr.ビーダ「おおっと!美しいぞ!これは、バトル後に生まれた女の友情だ!!これでこそ、ビーダー!ビーダー仲間に、年の差なんて関係ないのだ!!」
ミエ「(もういいわ!)」
 いい加減しつこいね(爆)

Mr,ビーダ「さぁ、バトルは進みに進んで、二回戦!セシル選手VSリエナ選手のバトルだぁ!」
リエナ「えっと・・・よろしくお願いします。」
 ぺこりとお辞儀をするリエナ。
セシル「あ、こちらこそ。」
 同じくお辞儀返し。
セシル「(あ、この子、あのお店の子だ。)」
 だからどうと言うわけでもない。
Mr.ビーダ「それじゃぁ、二人とも、ビーダマンを構えてくれ!」
 ホーネットを取り出すセシル。
セシル「いくわよ・・・!」
 そして、リエナは赤いビーダマンを取り出す。
クロウ「あ、あれは!」
 クロウはその赤いビーダマンに過剰な反応を示す。
リエナ「行きます!」
クロウ「ガーネット・・・ウィンド・・・!」
 そう、リエナの使っているビーダマンはアニメでおなじみガーネットウィンド。
ヒスイ「知ってるんですか、クロウ?」
クロウ「なぜ・・奴が・・!まさか、あいつシャドウの!?」
ツバサ「うん、あの子は元シャドウのビーダーのグレイの妹だよ。」
クロウ「・・・・あ、そういえばそうだったな。」
 クロウもリエナの事を見た事があるはずだった。単に忘れていただけだ。物語に何の影響も無い。これ以上追求することなく、観戦する事にする。
 誰もツバサが知っている事に関しては突っ込まない。

Mr.ビーダ「それじゃぁおっぱじめるぞぉ!ビー、ファイア!!」
 バトルが始まる・・・そう、はじまるのだ。
 二人の少女が乱雑にビー玉を発射する。

ツバサ「クロウ、この勝負どう見る?」
クロウ「・・・連射スピード、装填スピード・・・二人とも互角だな。」
ツバサ「となると。」
クロウ「残るは運か、もしくは先にスタミナ切れした方の負けだ。」
ヒスイ「・・?」
 と、そのとき、ヒスイは懐になにやら違和感を感じたようで、そのままクロウたちに気づかれないように何かを取り出す・・・。
ヒスイ「・・・どうしたんですか?・・・ええ・・・ええ。」

 ・・・・。
 ・・・。
 カンッ!!
Mr.ビーダ「きまったぁ!!リエナ選手の勝利だぁ!!」
リエナ「やった!」
セシル「負けちゃった・・・。」
 バトルに負けたので、セシルはステージを降り、クロウたちの元へとやってくる。
セシル「はぁ、負けちゃったよ。」
ツバサ「いや、でもいいバトルだったよ。」
セシル「ほんと!?」
ツバサ「うん。」
ヒスイ「・・・・・なんだって!?」
 ゴルドン際の最中、密かにどこかと連絡を取っていたヒスイはいきなり大声を出した。




       つづく

 次回予告

クロウ「この出会いは運命だったのか・・・。それとも、虚構で塗り固まれた罠だったのか・・・。だが、今となってはそんなものは関係ない。あるのは、目の前にある事実だけだ。
 次回!『ヒスイの正体』極めろ、強さへの道!」

 

 

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