爆・爆ストーリー ZERO 第7話

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第7話「パワーの秘密 ジュウの秘策」


闇のトーナメント。ヒスイとダスイの戦いは長引いていた。

 実力では圧倒的にヒスイが勝っているにも関わらず、ダスイは生死が掛かっている事による気迫のみでヒスイに食らい付いている。

ヒスイ「ジェイドガンナー!超高速連射~!!!!」
ズドドドドド!!!

 新パーツ、ローラーシールドブースターを装備したジェイドガンナーの凄まじい連射が火を吹く。
DJ「再び、ジェイドガンナーのビー玉の嵐が吹き荒れる!!」
ダスイ「ちぃ!」
しかし、ダスイは身を翻してなんとか躱す。
ダスイ「喰らえ!」
ドキュンッ!

 そして、躱しざまにカウンターの一撃を放つ。
DJ「ダスイ選手の反撃!」
そのショットは攻撃に集中して防御が手薄になっていたヒスイの左腕に見事ヒットする。
ヒスイ「ぐっ!」

 鈍痛を受けて顔を顰めるヒスイ。そこを突いてダスイが更に攻撃を続ける。
ダスイ「はあああ!!!」
ドドドド!!
DJ「ひるんだヒスイ選手に、ダスイ選手の容赦ない連射!これは、耐えられるかな~?!」
ヒスイ「うわああ!!!」

 ドサッ!
ショットをまともに受けてしまい、ヒスイは吹っ飛び、倒れてしまう。
DJ「た、倒れた!ヒスイ選手が倒れてしまったァ~!!!」

セシル「ヒスイ!」

 客席にいるセシルは思わず身を乗り出して叫んだ。
ヒスイ「ま、まだまだ・・!」
ヒスイは、倒れながらも、必死にジェイドガンナーを持っている。
DJ「ヒスイ選手はジェイドガンナーを手放していない!まだまだ決着は着かないぞ!!」

 その姿を観て、クロウは妙に感心した。
クロウ「初めてにしてはなかなかやるな・・・。」

 そして、ダスイはそんなヒスイのしぶとさに苛立ちを覚えていた。
ダスイ「まだ立ち上がるのか・・。」
ヒスイ「僕は、君みたいにこの試合に全てを賭けてるわけじゃない・・・。だから、
君ほどの緊張感がなかった。それが、この大会での僕の弱さだったんだ。」
クロウ「(ようやく、分かったようだな。)」
ヒスイ「でも、どう足掻いても僕は君ほどの緊張感を得る事は出来ない・・・。だけど!」
ダスイ「・・・・。」
ヒスイ「勝利に賭ける想いは負けても、ビーダマンに賭ける想いなら負けない!」

 ヒスイもようやくダスイに負けないほどの気合いを出す事が出来た。

 これで、勝負は対等だ。
ダスイ「面白い・・!」
チャキ・・!
二人が、ビーダマンを構える。
DJ「のっと!二人がビーダマンを構えた!そろそろ決着がつくのか!?」
ヒスイ「うおおお!!」
ダスイ「はあああ!!」
ズドドドド!
二人の連射がぶつかり合う。
DJ「パワーは互角か!?お互い一歩も譲らないぞ!」
ヒスイ「くっ!」
ヒスイは、いったん連射を止める。
ダスイ「なに、勝負を捨てたのか!?」
ダスイの連射攻撃がヒスイに向かって飛んで来る。
ヒスイ「・・・っ!」
なんとかその攻撃を躱す。
ヒスイ「ジェイドシールド解除!」
ヒスイはジェイドガンナーの腕に取り付けられていたジェイドシールドを外す。
ヒスイ「ローラーシールドブースター、ジョイント!」
カシャッ!
ローラーシールドブースターにジェイドシールドを取り付ける。
ヒスイ「ジェイドガンナー!ワンハンドミッション!」
ヒスイはブースターに取り付けられたシールドに指を引っ掛け、片手でジェイドガンナーを持つ。
ヒスイ「いっけー!!」
ヒスイは、片手撃ちで高速連射する。
DJ「なんと!ヒスイ選手!両手うちから片手撃ちに変えて、連射スピードを上げた!!」
セシル「凄い!ジェイドガンナーにあんな技が隠されてたなんて!」
クロウ「なるほど・・・片手で撃つ事によって、ビー玉の補充スピードを上げて、その相乗効果として連射スピードを上げたのか。」


 片手撃ちのヒスイが連射力でダスイを圧倒していく。
ドキュンッ!ドキュンッ!
ダスイ「くっ・・・そろそろ体力の限界か・・・!」
消耗戦に耐えきれなくなったのか、ダスイの連射速度が遅くなっていく。
ヒスイ「今だ!」
ヒスイはここぞとばかりに一気に連射。
ダスイ「ぐっ!」
ヒスイはダスイのビー玉を全て弾き飛ばし、ダスイのビーダマンを弾き飛ばしてしまった。
ダスイ「くそっ!」
DJ「決まったー!長かったバトルに終止符が打たれた!!勝ったのはヒスイ選手だ!」
ヒスイ「か、勝った・・・!」
ヒスイは、ため息をつき、その場に座り込む。
ヒスイ「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・!」

 よほどキツイ試合だったのか、どれだけ呼吸しても息の乱れが整わない。
セシル「お疲れ様。」
そこへセシルがやってきて、ヒスイにタオルを渡す。
ヒスイ「ありがとう。」
タオルで汗を拭い、ジェイドガンナーを見る。
ヒスイ「まさか、もうこの技を使うとは、思っても見ませんでしたね・・・。」
セシル「凄いね、ワンハンドミッション。カッコ良かったよ!」

ヒスイ「えぇ、ありがとうございます……」

 息絶え絶えで礼を言うヒスイへ、クロウは非情に言い放つ。
クロウ「いいから早くフィールドから出ろ。大会進行の邪魔になる。休みたいならこっちで休め!」
ヒスイ「あ、はい~!」

 クロウに促されてヒスイは慌てて立ち上がり、ヨロヨロとフィールドを出る。
セシル「大丈夫?」

 それを見て、セシルは駆け寄ってヒスイを支えた。
ヒスイ「ええ、このくらいどうってことありませんよ。」
ヒスイはセシルに支えられながら客席へと戻った。

DJ「さあ、続いてはBブロック第二試合を始めるよよーん!対戦カードはAB選手VSCD選手だ!」
AB「負けねぇぞ!」
CD「おらだって!」
DJ「それじゃあ、始めるぞ!レディー、ビーファイアー!」
ドキュンッ!バンッ!ガンッ!バリバリ!ゴゴゴゴ!!バーン!!!
DJ「決まった!勝ったのはAB選手だ!」
AB「おっしゃ!」

セシル「す、凄い手抜き・・・(汗)」

DJ「そして、第3試合は、IE選手VSファイ選手だ!」
この二人の試合は、激闘の末ファイ選手が勝った。
DJ「決まった!ファイ選手の勝利だ!」
ファイ「うっしゃ!」
IE「くぅ~!!」

DJ「そして、続いてはBブロック第四試合!クロウ選手VSヴィーク選手だ!」
クロウ「俺の番か・・・。」
クロウがフィールドへ向かう。
ヴィーク「お前・・・俺のこの、ビークボーダーの餌食になりたいか?」
クロウ「別に・・。」
ヴィーク「ふ・・・やはりな。」
クロウ「・・・?」
ヴィーク「だが、なりたかろうが、なりたくなかろうが、どの道餌食になるんだか
ら、なりたいと答えた方が、あとで言い訳が出来るぜ。」
クロウ「そうか・・・。じゃあ、なりたい。」
ヴィーク「なかなか素直だな。」
クロウ「だが、これはあくまで願望・・・。望みどおりに行かないのが、人生の辛い所だな。」
DJ「それじゃ、始めるぞ!レディー、ビーファイト!」
クロウ「いけっ、メタルレイヴンレクイエム!」
ドキュンッ!バーン!!
ヴィーク「ぐわあああ!!!」
DJ「決まった!これは凄い!クロウ選手、ロン選手と同様、たった一発で決めてしまった!」
クロウ「・・・・・。」
クロウは無言でフィールドを出る。
ヒスイ「さすがですね、クロウ!」
クロウ「当然の結果だ。」
そして、続いてAブロックの二回戦、第一試合が行われた。
このバトルも、お互い一歩も譲らない最高のバトルを見せてくれた。
連射、パワーショット、回避、防御、それらを組み合わせた駆け引きは、白熱のものだった。
このバトルを制したのは、ヤセンだった。

DJ「続いては、Aブロック二回戦、第二試合を行うぞ!対戦コードは、一回戦で圧倒的な力を見せ付けたロン選手と、バトルシーンを省略されたせいで印象が薄いジュウ選手だ!」
ヒスイ「ここまで扱いの差を露骨に出さなくても・・・。」
ロンとジュウがフィールドに立つ。
DJ「それでは、始めるぞ!レディー、ビーファイト!」
ロン「殺れ、ライジングヘイロン・・!」
ドキュンッ!
ライジングヘイロンの強力なドライブショットがジュウに向かって発射される。
ジュウ「・・・!」
しかし、紙一重で躱す。
DJ「おおっと!ロン選手の攻撃を躱した!」
ロン「っほう・・・。」
ドキュンッ!
再び、ライジングヘイロンのショットがジュウに襲い掛かる。
ジュウ「よっと!」
しかし、また紙一重で躱してしまう。
DJ「また交わした!!あの強力なショットを立て続けにかわしているぞ!!」
ヒスイ「凄いですね、ロンのショットを躱すなんて・・。」
クロウ「いや、あのジュウって奴、躱す事に全神経を集中して、肝心のバトルの事は全然考えてない・・・。やられるのは時間の問題だな。」
ヒスイ「でも、おかげで、念願のライジングヘイロンの分析が出来そうですね・・。」
ロン「はああ!」
ドドドドド!!
ライジングヘイロンの連射。4発のビー玉がジュウに襲い掛かる。
ジュウ「よっ!ハッ!ほっ!」
見事に全部躱す。
その間に、ヒスイはライジングヘイロンをじっくり観察する。
ヒスイ「・・・・・。」
ドキュンッ!ドキュンッ!
とめどなくビー玉を発射するライジングヘイロン。
そして、それを全て紙一重で交わすジュウ。
ヒスイ「なるほど・・・やはりライジングヘイロンは改良型素体ZEROを使っています
ね・・・。」
クロウ「改良型素体ゼロを・・?」
ヒスイ「ええ、クロウと同じドライブタイプの素体です。・・・しかも、三本目の爪
がレクイエムよりも若干高くセッティングされてます。」
セシル「それが、あの強力な回転力の源って事?」
ヒスイ「そうですね・・・。でも、ホールドパーツにパッドが装備されているレクイ
エムの方がしめ撃ちしやすい分、ビー玉にスピードが出ますね。」
ずっと避け続けてきたジュウだが、そろそろ息が切れてきた。
ジュウ「はぁ・・・さすがにつらいな・・!」
ロン「はああ!」
ドキュンッ!
ジュウ「しまった!」
ガンッ!
ロンのショットがヒットしてしまう。だが、なんとか耐える。
ヒスイ「そして、あのライジングヘイロンのブースター・・・あれは、大型の翼のよ
うな形状で持ちやすさを重視する事で、コントロール性を高めているんですね・・
・。」
セシル「へぇ・・・。」
ヒスイ「ただ、大型だと重量があるから、俊敏性に難があるように思えますね。」
クロウ「大体、分析できたな。」
ヒスイ「ええ、これでライジングヘイロンの性能が大方掴めました。」
ヒスイの分析が終了しても、バトルはまだまだ続く。
ロン「殺れぇ!」
ドドドドド!!
攻撃の手を緩めないロン。
ジュウ「くっ!」
なんとか交わすジュウ。
果たして、このバトルの行方は・・・!(結果は見えてるようなものだけど・・)

つづく

次回予告

ヒスイ「やった~!ついに完成した~!!」
セシル「何が完成したの?」
ヒスイ「これでようやく、弁償できるぞ~!」
セシル「ねぇ、何が完成したのよ?」
クロウ「次回!『一撃必中!レーザーホーネット』極めろ、強さへの道!」 

 



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