「日誌を読まない」
クロウ「(これを読めば・・・何か分かるかもしれない・・。)」
だが、怖かった。
本当の事を知るのが、とてつもなく・・・・。
セシル「どうしたの?」
いつの間にか、セシルが後ろに来ていた。
クロウ「いや、なんでもない。」
セシルに気づかれないよう、ノートを置くクロウ。
その時・・・!
ヒスイ「なんだぁ、来ちゃったんだ。」
二人の前に、怪しくメガネを光らせたヒスイが現れた。
セシル「ひ、ヒスイ!?」
クロウ「お前・・・!」
ヒスイ「あのままさよならしてたらよかったのに・・・まぁ、見られちゃった以上仕方ない。君たちには消えてもらう。」
セシル「ど、どういうことよ!ヒスイ、あなたは一体・・・!」
ヒスイ「僕は、この研究所の研究員・・・。改良型ヒューマノイドを研究しているものです。」
クロウ「なんだと・・・!お前は、俺の兄弟じゃ・・・。」
ヒスイ「あぁ、あれ。嘘です。」
あっさりと否定するヒスイ。
クロウ「なに。」
ヒスイ「あの時、すぐに君の本気のデータが必要になりましてね・・・。
でも、病み上がりじゃ本気は出せない。だから、本気を出さざるを得ない状況を作っただけです。」
クロウ「・・・・。」
ヒスイ「そして、あの時の君の本気のデータのおかげで、ようやく完成しました・・・私の最高傑作が!」
ザッザッ!
ヒスイの後ろの暗闇から、誰か人が近づいてくるのが見える。
ヒスイ「紹介しましょう!私の最高傑作!ワルタ!」
クロウ「お前は!?」
クロウらの前に現れたのは、かつてレーザーホーネットの事で争った・・・・。
クロウ「ワルタ・・・!」
あの時、病院につれていくフリをし、実はこの研究所へ案内していたのだ。実験材料として利用するために。
ワルタ「・・・・。」
ヒスイ「私はずっと研究して来ました。最強の改良型ヒューマノイドを・・。そして、これがその答えなのです!」
クロウ「・・・!」
ヒスイ「データはすべて取らせていただきました。もう君達は用済みです。
最後にワルタのテストとして利用させていただきます。」
非情な事を、淡々と言うヒスイ。そこには、以前のヒスイとはかけ離れていた。
セシル「そんな・・・・。」
クロウ「くそっ!」
クロウはデスサイズを取り出す。
ワルタ「イクス・・・。」
ワルタもイクスと呼ばれるビーダマンを取り出した。
構える二人。
先に、ワルタが動いた。
ドンッ!
イクスのショット。それを撃ち落すためクロウも撃つ。
バーンッ!!
二つのショットの激突で、強力な衝撃波が起こる。
セシル「きゃああ!」
クロウ「くっ!」
その衝撃にひるんでしまうクロウ。
ワルタ「その程度か・・・他愛も無い!」
ドンッ!
ひるんだところへイクスのパワーショットがクロウへ撃ち込まれる。
クロウ「うっ!」
強い衝撃を受け、吹っ飛び壁に激突するクロウ。
クロウ「があぁ!!」
あまりのショックで吐血。そのまま地面にうつぶせに倒れる。
クロウ「く・・・そ・・・。」
全身が震えているのは、ダメージのためだろう。たった一発でそれだけのダメージを与えたのだ。
それでもクロウは立ち上がった。
クロウ「は・・・あ・・・・。」
しかし、立ち上がった事でさらにダメージが増す。脳震盪を起こしたかのように頭がぼうっとする。
ワルタ「立ち上がるか。おろかな。」
そこへ、無常にもワルタはパワーショットをさらに撃ちこむ。
バシュッ!
クロウ「うっ!」
しかし、クロウのプライドは倒れる事を許さなかった。もはやなんの力も残っていないのに耐えている。
クロウ「あ・・あ・・・。」
構える事も出来ない。もう、すぐにでも倒れてしまいそうなのに。
ワルタ「・・・・・。」
ドンッ!!
ワルタは無表情のまま何度も何度もパワーショットをクロウへ撃ちこんだ。
クロウ「ぐっ!」
それでも、クロウはなかなか倒れない。倒れてしまえば楽になるのに・・・。
セシル「クロウ!もうやめて・・!もう・・・倒れて・・・このままじゃ、このままじゃ・・・!」
死んでしまうかもしれない。
クロウ「(それでも・・・負けるよりは幾分マシだな。)」
ドンッ!ドンッ!
止まらない。ワルタの攻撃は、延々と続く。
受ける度に、ダメージはすさまじい。肉が裂け、血が吹き出・・・それでも、クロウは負ける事を選ばなかった。
ヒスイ「ふふふ、最高のショーだ。」
セシル「ひ、ヒスイ・・・。」
止めることも、助けることもできない自分を歯がゆく思うセシル。
セシル「どうすれば・・・。」
だが、そんな事を考えている暇など無かった。
もう、手遅れだったのだ。
セシル「あぁ!」
バーンッ!!
ワルタの、渾身のパワーショットがヒットした。
クロウ「がああああ!!!」
ついに、クロウの体が吹っ飛ぶ。そして・・・地面に強く体を撃ちつけた。
ワルタ「・・・・・。」
勝利を確信したのか。ワルタはそれ以上何もしてこなかった。
セシル「クロウ!」
セシルは倒れているクロウにかけよる。
セシル「クロウ!ねぇ、クロウ!おきてよ!」
クロウ「・・・・。」
しかし、クロウは目を覚まさない。体が・・・・冷たくなっていく・・・。
セシル「そ、そんな・・・そんな・・・!なんで・・・なんで・・・!!
うそ、うそよ・・・こんなの・・・うそよ・・・・こんな現実・・・・私は・・・私は・・・・!あ、あぁ・・あああ!!」
セシルは、クロウを抱きかかえ、そのまま泣き崩れた。
それを見て、ヒスイは笑う。
ヒスイ「よし、実験は成功だ!ついに、ついに、我が野望が達成されたのだ!あーっはっはっはっは!!!」
全ては、ヒスイが書いた筋書きだった。
そして、この物語は筋書き通りに進み・・・。
そのまま、幕を閉じた。
多くの悲しみを生み出したまま・・・。
