フリックスヒストリー アクティブバトルが出来た理由 前編

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ぴぃさんがドライブヴィクターの制作秘話を語ってくれたので、新年と言う事で僕もちょっとフリックスの歴史を振り返りたくなりました

『フリップゴッドの苦労話は犬も食わない』と言う有名なことわざもありますが、新年なんで大目に見てくださいなw
 
 
・そもそもなぜフリックスを企画したのかと言うと……
 
2010年夏ごろ……ホビー小説を書きたかったんですが、当時事務所所属だったので二次創作物はNGでした
だったら、完全一次創作のホビー物語を作ればいい!!
自分で考えた玩具だったら文句ないだろ!!
 
と言う、最初は『合法的に物語が書きたかったから』と言うのが動機でした。玩具ではなく物語メインの企画だったんですよねw
 
 
・オリジナル玩具をでっち上げるにあたって
 
前々から『消しゴム落としにちゃんとした規定と高い競技性のルールを設けて競技玩具化したい』と言う願望があったのと、当時連載開始した爆テクの影響で『ターン制の競技玩具でも面白い物語は出来る』と言うのを確信したので着手しました
  
 
・消しゴム落としの欠点
 
ストーリーやキャラは、いくらでもそれっぽいものを考えられるものの
消しゴム落としを競技化するにあたって一番に考えたのが『バトルの膠着化を阻止する』事でした
 
結局は相手を落とす事に成功した攻撃以外はほとんど無意味で
なかなか落とせない防御型同士や、相手を落とす技術を持たないもの同士が戦った場合はいつまでたっても決着がつかなくなってしまう
 
そして、この競技において必要となる能力は、『飛ばせるかどうか』の一択しかない
形状や機能の違いなどほぼなくなり、重い奴が強いだけのものになってしまう
ここが消しゴム落としの致命的な欠点だと思っていました
実際小学生の頃にやった消しゴム落としも、これが原因で飽きられてしまった経験があります
 
これを解決する手段は
『相手を大きく弾き飛ばす事が出来なくても倒せる手段』を用意すればいい
そこでHPと言う概念を設け、当たるだけで1ダメージ与えられて0にすれば勝ちと言う勝利方法を用意
 
しかし、当たるだけでダメージを与えられるのは簡単すぎるので、HPを10と言う大きめの数字に設定
基本は落としあいだけど、仮に膠着した場合でも決着がつけられる……と言うバランスにしました
 
そして更に戦略性を増すために特殊効果も設定して試合内容に多様性を持たせられるように考えました
 
 
・シューターの有無
 
ここは迷うことなくシューターなしと言う方針に固まりました
爆テクの影響もあるのですが、競技と言うからには人間の能力が大きく影響しなければ勝っても負けても面白くない
そして、これまで出たおはじき系の競技玩具(ビーストシューター等)のほとんどがバネシューターによる発射方式だったので、差別化したかったと言うのもありました
 
 
・ターン制について
 
どうしてもターンはジャンケン等で順番を決めなければならないのですが
先攻にしても後攻にしても、どちらかが有利になったり、戦略性が変わったりするのがターン制競技の宿命です
それを運で決めてしまうのはちょっと理不尽では、と考えました
 
 
・先攻後攻の有利性を均等にするために
 
「競技開始時はフィールドに機体を置かず、最初のターンが来た時に機体をフィールドに置く」と言うルールにしました
これなら、先攻は攻撃するべき相手がいないからワンターンキル出来ないし
先攻は最初に有利になれそうな位置にシュートできるため、後攻も簡単にはワンターンキル出来ないのではないか……と考えて
 
 
・同時場外はどういう判定にするか
 
撃った側の負けとする……と言うのは、今もあまり変わらないですねw
普通は引き分けにするのでしょうが、引き分け狙いの一か八か場外はとても簡単に出来てしまうため、デメリットが無いと引き分けばかりになってしまう
なので、シュートした側のみにデメリットを用意しました
 
 
・重量はどのくらいが良いか
 
軽すぎるとすぐ自滅してしまい、全力で撃てません
自滅しないように加減して撃つ……と言うのも競技性の一つですが、やはり全力で撃てる場面が存在した方が面白いはずです
なので、子供がフィールドの端から端へ全力で撃っても自滅しないような重量を想定しました
 
 
・シュート前の向き変え
 
これは多少悩みました
向き変え無しでシュートする方が明らかにスマートだからです
しかし、そのルールで機体形状を考えた場合、前後左右の概念を無くしたアタックリングのような形状の方が効率がよくなります
が、ベイブレードならともかくリング状で性能の差別化したものを多数製作するのは難しい
そう判断して、機体には前後の区別とシュートできる箇所の概念をつけて、向き変えをアリにしました
向き変えありなら『このフロント部分が攻撃力を発揮し、サイド部分で防御するぞ!』と言う感じに、ボディの各パーツにハッキリと役割分担が出来るようになるので多様性が出ます
 
 
・並行して、ストーリーやキャラ、機体の設定も進めてました
 
ストーリーは、現行の小説を見ていただければ分かるように
『ライバル兼ヒロインをブッ倒すために、敵組織からヒロインを守る』と言う、若干爆テクを意識しつつ 「倒すために守るヒロイン」ってちょっと珍しいかなと言う感じで
主人公は「ダンッ!と弾いてバンッ!と飛ばす」と言う勢いで段田バンと言う名前に
そして「ダントツ一番!」と言う決め台詞が浮かび
そこから「弾突バトル!」と言うタイトルが浮かびました
 
フリックス・アレイは普通に、弾くとおはじきを英語辞書で調べただけですw
 
 
・機体のモチーフ
 
まず考えたのが「動物や幻獣をモチーフにしない」
この時期、あまりにも幻獣モチーフの玩具が多くて食傷気味だったので、ミニ四駆を意識して名前にそれらは入れないようにしました
ドライブヴィクター、フレイムウェイバー、ハンマーギガ、ミラージュレイダー、シェイドスピナー……そしてそれぞれの進化形の名前もこの時期に考えたものですが
それっぽくて今でも気に入っています
 
 
・機体形状
 
「タイヤのないビークル型」を想定
スーパーカー消しゴムやクラギガシャポンフォーミュラは、滑って移動しているのにタイヤのディティールがついていることがものすごい違和感があったので
滑って移動するならタイヤのないビークル型『F-ZERO』のような形状がぴったりだろうと考えていました
 
 
・名前や立ち位置から各機体の特徴を大まかに決定
 
ドライブヴィクターなら先端が鋭い攻撃型
フレイムウェイバーなら揺らめく炎のようなボディで受け流し
シェイドスピナーは強力なスピンでブラックホールのような攻撃を
 
まだ理屈が確立してないながらも、どうにか差別化を図ろうとしていました
 
 
・2011年秋企画始動
 
ある程度考えは固まったものの、肝心の実機をどう作ろうか……と言う段階で悩みました
フルスクラッチするにしても、同じ規格、互換性を持ったものをいくつも作るのは難しい
メインは物語なんだから別に実物は無くても良いだろうとは思いましたが、やっぱり架空のものだけじゃ寂しい
 
そんな風に悩んでいた所
別の企画で知り合ったぴぃさんという人に企画を説明した所
「フリスクケースをベースにすればいけそうですね。よかったら作りますよ」とありがたい申し出を受けたので
企画書と材料費を渡して依頼。製作してもらいました
ここら辺の秘話は、こちらでぴぃさんの口から語られています
 
そして実機の完成直前に旧ブログで企画始動、物語もスタートしました
 
 
・物理競技を作る難しさ
 
ついに実機が完成し、テストしてみるものの
弾き合い、落としあいとしては、消しゴム落としと同様にそこそこ面白いのですが、それ以上のものがない
HPも特殊効果も競技性を高めるものにはなりませんでした
 
 
それからしばらく、フィールドを工夫してみたり、特殊効果を増やしてみたりとテストを続けたものの
おはじきとしてそれなりに楽しいと言うだけで、ベストの競技バランスにはたどり着けませんでした
 
 
・暗黒期、それでも地道に企画は絶やさない
 
2012年~2013年は、ちょくちょく物語更新したり、ぴぃさんが新システムを開発したりと地味な動きはありましたが
やはり競技としての面白さを確立できずにモチベーションは下がっていきます
 
それでも、せっかく立ち上げた企画
パッとしないままにせよ、ストーリーだけは完結させたい!
その思いだけで、持続していました
 
 
 
後編へ続く




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