ベイブレードXアニメ放送直前 現時点での所感(閲覧注意)

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注意
ちょっと辛口です
普通に漫画を楽しんでいるファンの方、どんなものでもプロが出している作品は肯定しないといけないと言う思想をお持ちの方はその感性を大事にしてください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 はじめに     

ベイブレードバーストの後釜として鳴物入りでスタートしたベイブレード最新シリーズ

ベイブレードX

プロモーションにもかなり力を入れていて
『遊びではなくスポーツ』をテーマとしているようです

このテーマの是非や実際のプロモーションの出来栄えに関しては今回特に触れませんが
ともかく、ベイブレードXはめっちゃ力を入れて販促されています

なので、当然ながら歴代と同様販促のためのストーリー漫画、それを原作としたアニメ化が予定されており

作家陣も『大物を起用』と豪語して
漫画担当は約束のネバーワールドで大ヒットした出水ぽすか先生

そしてなんと原作担当として
河本ほむら先生、武野光先生を起用!

新人ではなくいきなりベテラン作家さんを、しかも漫画と原作分けて添えると言う徹底っぷり
明らかに今までとは違います!

そして現在、漫画はコロコロコミックにて第4話まで掲載
そして10月6日にアニメ第1話が放送開始

と言うわけで
漫画を読み、アニメ第1話の放送を待つこの段階での僕のベイXストーリーについての所感を語りたいと思います

 

 

 漫画ベイブレードXのざっくりしたストーリー  

ベイブレードがプロスポーツとして繁栄している世界
全ブレーダー達はプロブレーダーの集う『Xタワー』なる施設の頂上を目指して日夜戦っていた

主人公の黒須エクスは、チャンピオンチーム『ペンドラゴン』の一員だが
チャンピオンになった事で目標を失いかけるも
『同じチームのリーダーを倒すことを目標にすれば良い』と考えてチームを脱退し
素性を隠して仮面ブレーダーとしてアマチュアブレーダーから再出発

同じ頃、アマチュアブレーダーの風見バードはプロを目指してチームを作って特訓するも
柄の悪いプロブレーダーに絡まれて敗北し、ベイを破壊される
その結果チームは解散し途方に暮れるが

エクスと出会ってチームを組み、共にチャンピオンを目指すのだった……!

 

 個人的に良かった点    

・ファンタジーチックなバトルものにせず、ちゃんと競技ものと言うジャンルにしてくれた事
・『遊びじゃない、スポーツ』と豪語する現実のプロモーションに対して
・劇中では『ベイは遊び、遊びだから真剣になれる』と逆張りをしたのが面白い
・七色マルチやメイデンなどの、インターネッツのオタクにウケそうなキャラ設定(別にこれは良いとも言い切れないけど)

はい
まぁ、表層的な面に関してはさすがはベテラン作家さんと言う感じで
ホビーものへの造詣が深くない人がパッと軽く見る分には
『あぁ、ベテランさんの描いた力の入った作品なのかなぁ』
と言った感想が出るだろうなぁと思いました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 忖度なしの個人的な感想   

・ブレーダーと使用ベイの噛み合ってなさ

主人公機がドランソードなのに主人公名が『黒須エクス』と言うのは噛み合ってはないものの『鋼銀河』みたいなものかなと言う感じで納得できるのですが

準主人公っぽくてあからさまにフェニックス等の鳥型機体を使いそうな『風見バード』が、最初は未商品とは言えイメージ通りにストライクホークを使ってるのに、何の脈絡もなくヘルズサイズを使用
使い手のキャラや立ち位置とベイのモチーフがあってない

七色マルチの複数機を使う設定なのは悪くないけど
ウィザードアロー、ナイトシールド、ナイトランスと、ナイト系だけ二つ使ってるのが歪
これならウィザードアローは別キャラに使わせても良かった(後にウィザード系も増えそうですが)

メイデンのキャラ的にも立ち位置的にもシャークエッジっぽさがない

という感じで
『とりあえず、それっぽいウケそうなキャラだけ先に設定して後から使うベイを当てがった』感がマシマシなのです

主人公名が『何を使う事になっても問題がなさそうな名前』って点からもそれを察せますよね

まぁ、『それっぽいキャラ』も正直ホビーものとして魅力的かというと全然魅力はないんですけどね
七色マルチやメイドさんはあくまで『オタクの性癖に響く』ってだけであり
『ホビーもののキャラとしてめちゃくちゃ応援したくなる魅力的なキャラかどうか?』と言う点においては
「1話限りのゲストキャラとしてならあっても良い」レベルだと個人的に思います

性癖に響くかどうかなんかよりも前に、ホビーものとして魅力あるキャラの方が圧倒的に欲しいです、マジで

なんか、作家さんとメーカーの擦り合わせが出来てないんじゃないだろうか?とか
ベテランだからメーカーも遠慮してんのか?とか
そんな不毛な邪推すらしてしまいそうになります

 

・主人公の訳分からん行動を主軸に始まるストーリー

チャンピオンになった事で目標を失った主人公が
『同じチームメンバーをライバルとして倒すためにチームを脱退する』
までは良い
非常に戦闘意欲の高い好感の持てるキャラです

が、その手段が問題で

『素性を隠してアマチュアからスタートして新人とチームを組む』
と言う歪極まりない行為をやらかします

言ってみれば
大谷翔平がプロ野球で優勝して目標失ったから素性隠して高校野球のメンバーに入って甲子園からやり直してるようなもんです

ポケモンでダンデが素性隠してリコロイとパーティ組んで
リコロイの代わりにダンデがジム戦に挑戦して勝ちまくってるようなもんです

実際に漫画でエクスがやってるバトルは
「元チャンピオンが、小物悪役やアマチュアブレーダーに実力差を見せつけて普通に勝ってるだけ」

『強くてニューゲームで雑魚狩り』してるようにしか見えないんです

主人公がアマチュアの枠を潰して雑魚狩りする元チャンピオンとか、設定考えてる時誰も何も疑問に思わなかったの?

 

・何故か冒頭でドランソードを使った龍宮クロム

物語冒頭ではエクスのチームメイトでありライバルになる龍宮クロムがドランソードでエクストリームダッシュを決めてチャンピオンに君臨する……と言うシーンが描かれました

その結果、ドランソードはクロムのベイだとバードは勘違いしていたのですが
実際はクロムはエクスからドランソードを借りていただけで
本当のベイはコバルトドレイクなのですが

ここもちょっと訳が分からないです
なんでチャンピオンを決める大事な試合でわざわざ人のベイを借りるのか
なんかのアクシデントでコバルトドレイクが使えなくなったにしてもチームメイトのベイを借りても良いのか?
そもそも大事な試合前に愛機が使えない状況になるのはアスリートとしてどうなのか?

そもそもチャンピオンならこれまで散々バトルを披露してるんだから、ドランソードが本来エクスのベイだって事は一般大衆は周知じゃないの?

と、割としっかりとした言い訳を提示してくれないと
龍宮クロムやペンドラゴンの『意識の低さ』や一般大衆の『プロ選手への興味のなさ(流行ってるんじゃないのかよ)』ばかりが目立って作品内の競技界隈そのものの魅力が激減してしまいます

このシーン描いた時点で漫画家とメーカーの擦り合わせが上手くいってなかったとかだったらさすがに酷い……

 

・魅力のない没個性な準主人公、風見バード

予告漫画で真っ先に姿が明かされ
その後、エクスの方が主役だと判明しても

「最初から実力者のエクスに対して、これから成長を描かれる準主人公クラスの立ち位置だろうな」
と思われたのですが

とにかくこのキャラ、没個性過ぎて魅力がありません

実力が伴ってないから戦績が悪い……と言う点もマイナスではあるものの
そこもまだ序盤だから、で許せるのですが

にしてもこの手のキャラには
『未熟にしても凡人にはない何かしらの長所』が描かれないといけないのです

例えば、似たような立ち位置のキャラである仮面ライダーギーツのタイクーンは
「一見凡庸な一般人ではあるものの、超が付くほどのお人好しで『世界平和』なんて分不相応な願いを持っており、姉の事になると見境が付かなくなる」
と言う、一般人っぽさの中に『フィクション的な変な部分』があるからこそ
たとえ序盤の戦績は悪くともどことなく「気になる」キャラとして描かれていました

しかしバードに関しては
「努力は人並み」
「ベイの知識は人並み」
「人柄は普通の常識人」
「実力は皆無、何か尖った特技も無い」
「負けん気が強いわけでも諦めが悪いわけでも無い」
「使用機体は人からの貰い物」
「ストライクバードを失った事をそこまで引きずってない事からベイへの愛情も普通」
「自分は何も活躍してないのに、元チャンピオンのエクスにキャリーされる形でプロになってるだけの状況に何の違和感も抱いていない=プライドがないか自分を客観視出来てないか」

と、準主人公どころか販促機体を持たせるべきキャラですらありません
本来なら、主人公のモブ友達レベルが関の山です

もしこれらが
「視聴者が感情移入しやすいように敢えて没個性にしている」のだとしても

こんなキャラに感情移入してたらストレス溜まるわ!!!

 

・歪な大会ルールと展開

第2話では、エクスがバードとチームを組んで
3VS3のプロ選抜大会に出て優勝して、プロに昇格するところから始まるのですが

何故か3人チーム大会だって言うのにエクスはバードと2人で出場
そしてそれに対して七色マルチは1人で出場し

3vs3がルールだっつってんのにいきなり最初の大会で主人公も対戦相手もルールと違う事やって
しかもそれが罷り通ると言う歪な展開

とは言え、ベイブレードなら別に人数が不揃いでも公平なルールのバトルは可能だからアリなのかなと思ったら
しっかりと「人数が少ない側は一回で負け」と言う、お互いルール違反してるのにルール違反の度合いが大きい側が不利になるようなルールを提示と言う
どんな結果になっても不快感の残るルールに……

そして『人数は不揃いでも良いけど、使うベイは複数機所持がアリで相手のベイを見てから使うベイを決めるのはアリ』と言うまたも歪なルールを提示
「複数機使う事が難しいからマルチの特性」みたいな事を言われても、何がどう難しいのかの説得力がない

そして1番ルール的に歪だと感じたのは
「プロ選抜戦で負かしたマルチをチームに加入する事でマルチも一緒にプロ昇格」と言う

作者の頭ベ⚪︎バ神なのかな……と思わず頭を抱えてしまいました

 

・キャラ格付けやカタログスペックに忠実な面白味のないバトル描写

未熟なバードがベテランブレーダーに敗北

アマチュア相手にイキっていた小物ブレーターが元チャンプのエクスに情けなく敗北

未熟なバードがアマチュアの中でそこそこ名の知れてるマルチに敗北

元チャンプのエクスがアマチュアのマルチを危なげなく撃破

相手がメイドだからと舐めてかかったバードを元プロのメイデンが、シャークエッジのカタログスペック通りにバースト

新製品を使うマルチが販促通りにメイデンに勝利

……と、バトルの展開が『勝って当然のキャラがカタログスペック通りの展開で勝利してるだけ』でしかないのと

そして必殺技であり一番の見所の『エクストリームダッシュ』が

「スタジアムによってお膳立てされた誰でも出来る上に誰がやっても同じ動きにしかならない没個性なムーブ」
と言う認識があるせいでそこまで燃える事ができず

しかも、ベイが流行ってる世界ならこれまでプロ達のバトルで散々披露されてきてるはずなのに
エクスがそれをドヤ顔で、まるで本邦初公開みたいなノリで披露するのもおかしな話

エクストリームダッシュが出来るのは当たり前で、そこから先の動きを見せて必殺技として昇華するか
もしくはエクストリームダッシュの難易度やリスクをこれでもかってくらい言及されなければ、何も凄さを感じられないのです

 

 

 

 

 

……。
とまぁちょっと辛口な感じになってしまいましたが

ボトルマンDXが終わってから半年ぶりの物理系競技玩具アニメ
どうにかこれらの印象を払拭して名作アニメになってくれる事を願います……!

 

 

 

 

 

 

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