第11話「カイヤVSコウキ」
グレートフリックスカップ決勝大会準決勝第一試合。
真島「さぁ、大盛り上がりのグレートフリックスカップもいよいよ準決勝です!対戦カードはダンガ君VS宇波カイト君!カイト君は今大会最年少ながらここまでよく健闘しました!対するダンガ君も調子は上々!熱い戦いが期待できそうです!!」
バトルスタート。
宇波「波に身を任せる船のように、出航だ〜!!」
カイトの使うフリックスは戦艦型だった。
それに対してダンガは水棲生物コンボで挑む。
ダンガ「波には魚だ!キメラビースト・ハシカンスコンボ!!」
カイトの戦艦フリックスは、まさに水上のようにゆらゆらと動いてダンガを翻弄するが、ハシカンスコンボも自在な機動でそれを捉えて見事にダンガが勝利した。
ダンガ「美味かったぞ、お前とのバトル」
カイト「うぅ、バトルで船酔いした……」
…。
……。
そしていよいよ準決勝第二試合。
コウキとカイヤの因縁の対決だ。
真島「さぁ、続いての試合は早乙女コウキ君VS氷刃カイヤ君!
去年のGFCでは惜しくもカイヤ君に敗れてしまったコウキ君!これは因縁の戦いとなりそうです!!」
コウキ「待ってたぜカイヤ……この時をなぁ!!」
カイヤ「……果たして君は、僕の糧になるかな?」
コウキ「ちっ、誰がなるかよ!!」
真島「それではいきます!3.2.1.アクティブシュート!!」
カイヤ「プロトキメラ!!」
コウキ「フィールド展開!ぶっ飛べ!トリプルファング!!」
初手の激突!
いきなりトリプルファングがプロトキメラをぶっ飛ばす。
しかも初手でインスタントフィールドを展開したのでそのまま場外へ……しかし、プロトキメラはその大鎌を地面に刺してブレーキをかけて踏みとどまった。
コウキ「ちっ!」
しかし、吹っ飛ばされた距離分のダメージは受ける。
真島「さぁ、序盤からいきなりフリップアウトを狙うと言う大胆な戦術は不発となりましたが、それでも先制ダメージを与えたのはコウキ君です!これは去年の雪辱を晴らす布石でしょうか!?」
カイヤ「……いい感じだ」
コウキ「ちっ、相変わらずムカつくぜ!」
カイヤからアクティブフェイズとなる。
カイヤは猛烈なスピンシュートを撃つ。
カイヤ「はぁ!」
コウキ「っ!なんだ、このスピンは……!」
バキャァァ!!!
猛回転で鎌をぶつけたものだから、トリプルファングのパーツの一部が砕け場外してしまった。
真島「こ、これは、一部フリップアウト!トリプルファングはいきなり10ダメージ受けてしまいました!!」
コウキ「……っのやろう!」
場外したのでコウキは機体を再セットし、ウェイトフェイズやり直しとなる。
その間に再びカイヤのアクティブフェイズだ。
カイヤ「……ハーフチェンジ」
灼熱!
カイヤは赤いパーツと緑のパーツを付け替えてストレートシュートする。
バゴォォ!!
真っ直ぐに鎌をぶつけられ、パーツを砕かれながらビートヒットも喰らってしまう。
コウキ「ぐっ!!」
カイヤ「まだまだだ」
やつれた顔で淡々とバトルをこなすカイヤの姿に、コウキは違和感を覚えた。
コウキ「こいつ……!」
そしてコウキのフェイズ。
コウキ「うおおおお!ファングインパクト!!!」
必殺のバネギミックを使った大技。
しかし、カイヤのプロトキメラは灼熱アーマーに取り付けられたブレーキによってこれを耐え切った。
カイヤ「摩擦係数は計算通り」
コウキ「てめ……なんなんだ!!」
淡々としているカイヤへコウキは叫ぶ。
カイヤ「?」
コウキ「てめぇはほんとにムカつく野郎だ!同期で入った遠山フリッカーズスクールもあっさり飛び級卒業してスポンサーなんか付けやがってよ!その癖、いつも澄まし顔で俺たちの事小馬鹿にしやがって……」
カイヤ「……」
コウキ「でもなぁ!お前はなんだかんだバトルを楽しんで自分のバトルを誇ってた!俺はそんなお前を、本当は尊敬してたんだよ!いつか絶対に追い抜くと心に決めてたんだ!!」
カイヤ「だから?」
コウキ「今のテメェは、バトルを見てねぇ!淡々と作業してるだけじゃねぇか!これはゲームのレベル上げじゃねぇんだぞ!!」
カイヤ「同じさ」
コウキ「なに!?」
カイヤ「これは作業さ。強くなるためのね。君はとても優秀な、経験値だ」
コウキ「なっ!」
淡々と、何の感情もなく残酷なことを告げたカイヤはそのままアクティブフェイズへ。
カイヤ「ハーフチェンジ」
鋼鉄!
今度は切札アーマーを鋼鉄アーマーへ変更。
鋼鉄と灼熱の相性のいい組み合わせになった。
カイヤ「爆熱鉄砕拳!」
ガッ!!
カイヤのストレートシュートが炸裂。
破壊力の高い鋼鉄アーマーとその力をサポートする灼熱アーマーの相乗効果で凄まじい破壊力を発揮する。
ドガアアァァァァ!!!!
攻撃がヒットした瞬間爆炎が巻き上がり、トリプルファングを完全に破壊してしまった。
真島「な、何と言うことでしょう……!トリプルファング戦闘不能により勝者は氷刃カイヤ君です!!」
コウキ「く、くそぉ……!」
カイヤ「いい経験値になった」
つづく