弾突バトル!フリックス・アレイ キメラ 第10話「プロトキメラデュアル」

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第10話「プロトキメラデュアル」

 

 グレートフリックスカップ決勝大会。

真島「さぁ、続いての試合は、早乙女コウキ君VS新井新一君です!」

 ステージにコウキと新一が立つ。

ダンガ「あいつは……」
 新一の姿を見てダンガが反応する。
アキラ「知ってるの?」
ダンガ「あぁ、なかなか美味い奴だったぞ」
アキラ「そんなに上手いんだ……」
ダンガ「美味かったぞ」

 漢字が違う。

 ……。
 …。

コウキ「ブチかませぇ!トリプルファング!!」

 バキィィィ!!
 コウキのトリプルファングが新一のフリックスをぶっ飛ばす。

真島「決まりました!!コウキ君の素晴らしいパワーシュートで新一君の撃沈!勝ったのはコウキ君です!!」

 ステージを降りたコウキへ早速ダストのメンバーが駆け寄る。

タイラ「さすがです、コウキ様!!」
コウキ「まっ、ザッとこんなもんよ!次はお前の番だろ、しっかりやれよ」
タイラ「はい!!」

 …。
 ……。

真島「さぁ、一回戦最終試合は坂東タイラ君VS……氷刃カイヤ君です!!」

タイラ「っ!」

 ステージへゆっくりと上がるカイヤの姿にタイラはもちろん会場の皆からもどよめきが起きた。

コウキ「カイヤ、お前……!」

 カイヤはすっかり痩せこけており目も鋭くすわっている。
 以前までの余裕のある雰囲気とかけ離れていた。

カイヤ「……」
 カイヤはスッと簡素な機体を取り出す。機体と言うよりも素体のような見た目だが……。

アキラ「あ、あれは!」
播磨「プロトキメラのフレーム……!」

 そう、レイガが使っていたはずのプロトキメラだった。
 しかし、そのアーマーは今ダンガが持っているから、その機体では戦えないはずだが……。

カイヤ「……」

 カイヤはまたしても無言で緑と黒のパーツを取り出す。

 疾風!

 切札!

 そんな電子音声が聞こえたような気がした。
 そして、緑色で羽の付いたパーツ【疾風】を右側へ。
 黒く、鎌の付いたパーツ【切札】を左側へ取り付けた。

真島「さぁ、昨年度チャンピオンであり、今大会の予選も全て一瞬で勝利してきた氷刃カイヤ君!果たして今回はどのような戦いを見せてくれるのか、対して坂東タイラ君はどう立ち向かうか!?」

タイラ「……!」
 タイラは気を引き締めて機体を構えた。

真島「それではいきます!3.2.1.アクティブシュート!!」

タイラ「いけ!グランドファング!!」

 タイラが使用する機体はコウキから譲り受けたグランドファングだ。

カイヤ「プロトキメラデュアル!!」

 カイヤはスケールアップのためのシュートでインスタントフィールドを作成。いきなりフリップアウトを狙うようだ。

 ガッ!!
 真っ直ぐ突き進むグランドファングに対して、プロトキメラはスピンでぶつかり、その大鎌を引っ掛けてグランドファングを大きく飛ばしてフリップアウトさせた。 

真島「開始早々いきなりの衝撃!!予選と同様、カイヤ君は一撃で相手に大ダメージを与えてきます!しかし、タイラ君どうにか堪えました!ブレーキ機能の効果です!!」

タイラ「コウキ様からいただいたグランドファングで負けるわけにはいかない……!」

 それでももはやグランドファングはボロボロだ。
 HPも残り少ない上に、すぐにカイヤの次の攻撃が来る。

カイヤ「ハーフチェンジ」

 カイヤは銀色のパーツを取り出した。

 鋼鉄!

 重く硬そうなアーマーを切札アーマーと交換して取り付ける。

カイヤ「はぁぁぁぁ!!!」

 そして、それをスピンシュート。
 鋼鉄のアーマーが猛回転によって凄まじい破壊力を発揮。

コウキ「に、逃げろタイラぁぁぁ!!!」

タイラ「あ、あああ!!!」

 バキィィィ!!!!
 ブレーキ機能で踏ん張ってしまうグランドファングは、ステップでの移動もできず、しかも踏ん張ってしまうせいで衝撃も受け流せずに大破してしまった。

真島「な、なんと言うことでしょう……プロトキメラの凄まじいパワーによりグランドファングは大破!よって勝者は氷刃カイヤ君です!!」

タイラ「う、そんな……!」

 機体が大破された衝撃でタイラもその場で倒れる。

コウキ「タイラ!!!」

 コウキ達が慌てて駆け寄ってタイラを抱き抱える。

コウキ「しっかりしろタイラ!!」
タイラ「コウキ様、すみません……せっかくいただいたグランドファングを……!」
コウキ「そんな事はいい!」

 そんなタイラ達を全く気にせず、カイヤは踵を返してステージから降りようとする。

コウキ「待てカイヤ!!」
 コウキの怒号にカイヤの足が止まる。
コウキ「てめぇは必ず俺がぶっ潰す!覚悟しておけ!!」

カイヤ「……楽しみにしているよ」

 振り向きもせずにそう呟くと、カイヤは再び歩みを進めた。

 

   つづく

 

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