第69話「舞い上がれ!デザートハンターズ」
千葉県富津市鋸山地獄覗き。
ここに特設された会場でダントツウィナーズとデザートハンターズのバトルが行われようとしていた。
『さぁ、ついに始まったダントツウィナーズVSデザートハンターズ!
フィールドは鋸山の岩肌を模したオフロードタイプ!この凸凹は思いの外きついぞ!!』
「ぶっ飛べ!ビートヴィクター!!」
ガッ!
ビートヴィクターは凹凸にぶつかって上手く進めない。
「くそ、アッパー形状じゃまともに進めねぇ!」
「プロミネンスドリフトも、ここじゃ難しいよ」
「俺もだ。厄介なフィールド作りやがって!」
フィールドに苦戦するダントツウィナーズ。
それに対して……。
「ヒャッホー!行くデス!パイライトファング!!」
パイライトファングは乗り上げ形状のフロントを駆使して縦横無尽に駆け巡る。
「この路面で、なんて機動力だ!?」
「スタンプスナイパー!」
ガッ!
乗り上げによってビートヴィクターを踏み付けながらマインヒットした。
「ティラノデストロイヤー!」
恐竜の化石を模した機体は岩肌が保護色となって奇襲攻撃を仕掛けられる。
「っ!見えなかった……!」
「ディープクラーケン!絡めとるデス!!」
全身に針金を付けたこの機体は、針金で乗り越え形状を作りつつ、針金を広げてマインヒットを決める。
このようにダントツウィナーズは野生的な戦いをするデザートハンターズに翻弄されまくる。
「く、いっけぇ!ヴィクター!!」
「当たらないデース!」
「ウェイバー、頑張って!!」
「ちぃ、この程度で怯むな!ダークネスディバウア!!」
『さぁ、これは一方的な試合だ!自然の力を存分に生かしているデザートハンターズに対して、ダントツウィナーズは何も出来ない!』
「ちぃ、相性が悪過ぎる!」
「こんな路面じゃ、どうしようもないよ……!」
「路面か……」
ビュウウウウウウウウ!!!
その時、一縷の風が吹き付ける。複数の木の葉が舞い上がり、空中で回転する。
「風……そうだ!路面がダメなら、空だ!」
バンが上空を指さす。
「なんだと?」
「でも、そんなのうまく行くかな」
「わかんねぇ、けど!」
バンは楽しそうにバトルしているデザートハンターズを見ながら行った。
「なんか面白そうじゃねぇか!他にやれる事がねぇなら遊んだ方が得だぜ!!」
「バン……」
「へっ、仕方ねぇ。乗ってやるか」
こうして、ダントツウィナーズはバンの提案に乗りシュートをする。
「いっけええええ!!!」
バンとリサが路面のギャップを利用してジャンプするようにシュート。
「オラァァァァ!!!」
そこへ、ザキのダークネスディバウアもスピンしながら突っ込んでいった。
空中で三機が衝突する。
「「「エアリアルブラスター!!!」」」
バーーーーーーーーーン!!!!
空中から強烈な衝撃波が降り注いできた。
「こ、これは!?」
さすがのデザートハンターズもこれには耐えきれず一気にフリップアウトしてしまった。
『おおっとこれは凄い!!ダントツウィナーズは驚きの発展技で見事デザートハンターズを撃沈!!勝利を決めました!!!』
「おっしゃぁ!!」
「す、すごいデスすごいデス!!なんなのですか今の技!!」
「へへ、お前らのおかげだぜ。楽しそうなお前らの戦い方見てたら、俺達も新しい技に挑戦したくなったんだ」
「そうデシタか。やっぱり楽しいのは最高デスネ!」
「おう!最高だ!ははははは!!!」
デザートハンターズとダントツウィナーズは仲良く楽しげに笑い合った。
その様子を、やさぐれだ表情の少年たちが気に食わなそうに眺めている。
「何が楽しくだ……恵まれた奴らが甘っちょろい事言いやがって……」
憎々しげに呟くと踵を返して去って行った。
つづく
CM