爆・爆ストーリー ZERO 第46話

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第46話「謎の失踪 本当のはじまり」
 ヒスイとの戦いが終わり、クロウ達は宿舎に戻った。
 最初は気まずい空気が流れていたのだが、それは今まで一緒に旅をしてきた友。
 夕食の時間になる頃には、さっきの事はすでに水に流し、和やかなときをすごしていた。

 そして、三人は就寝までくつろいでいる。
ヒスイ「クロウ、デスサイズを貸してください。あれだけのバトルをした後ですし、だいぶ消耗してるはずです。」
クロウ「あぁ。」
 ヒスイにデスサイズを預けるクロウ。
ヒスイ「(ふっ。)」
 一瞬、口元がつり上がるが、クロウはそれに気づかない。
 そして、なにやら作業を始めるヒスイ。
ヒスイ「(・・・もう十分だな。)」
 手をとめる。
ヒスイ「はい、これでデスサイズは完璧です!」
クロウ「ああ。すまないな。」
ヒスイ「いえいえ。このくらいお安い御用ですよ。」
クロウ「ん・・?」
 クロウはデスサイズの腕にリングがはめられていることに気づいた。
ヒスイ「あ、ちょっと改良して、ZERO2化しておきました。これで互換性はあがりますよ。」
クロウ「そうか。」
ヒスイ「いやぁ、こういう細かい改良って楽しいですね。」
 楽しいらしい。それでさっき笑ってたのか。

 そして翌日。
 クロウらはまだゴルドンに滞在するらしく。町を散策していた。
 映画館にいったり、レストランにいったり・・・一般の友人たちがするようなそんな娯楽を一通り楽しんでいた。
 あるいは、確かめたかったのかもしれない。お互いの絆を。
 あんなことがあった後だ。そんな簡単に絆が戻るわけが無い。今はまだ、表面を繕ってるだけだ。
 だけど、こうやって・・・少しずつ、隔たりをなくして行けば良い。

セシル「あ~楽しかった~!」
 映画館から出て、大きく伸びをする。
セシル「そういえば、午後はツバサも合流するんでしょ?」
ヒスイ「ええ。この町にあるBコロシアムに案内してくれるそうですね。」
セシル「楽しみだね~!」
 その中で一番楽しそうにしているのはセシルだった。
 いや、単に虚勢を張っているだけかもしれない。
 不安で仕方が無い。今の状況が。いつ、崩れるかもしれないこの状態が。
 それを少しでもごまかしているのだ。

ツバサ「やぁ、みんな!」
 午後になり、ツバサと合流する。
ツバサ「ゴルドンにあるBコロシアムはすごいよ!設備はいいし。最新の競技はすぐ入ってくるし。」
 との事なので、皆コロシアムへ向かった。

 ツバサの言うとおり、コロシアム内は今までに見た事がないほどのいい設備がそろっており、最新のアルティメットシューティングもある
セシル「うわぁ!これってもしかしてアルティメットシューティング!?」
クロウ「鋼の砦で見て以来だな。」
ツバサ「うん、今一番人気の競技だよ。」
セシル「あの時は、ヒスイしかプレイしなかったけど、結構面白そうだったよね~!」
 と言うわけで並ぶ。
 しかし、かなりの行列が・・・!
ヒスイ「す、すごい人ですね。」
ツバサ「一番人気だからね。」
 列のそばには看板が置かれており『1時間待ち』と書かれていた。
セシル「い、1時間も待つの・・・(汗)」
ツバサ「人気競技だから仕方ないよ。」
クロウ「別の競技にするか。」
 しかし、クロウらの後にもどんどん人が並んでくる。ここで抜けるのは、なんか損した気分だ。
 仕方なく待つ事にする。
 そして1時間後・・・。

セシル「いくわよぉ~!」
 プレイしているのはセシルだ。ホーネットの命中精度を生かし、どんどんターゲットを撃破していく。
 ピー!
 結果が出てきた。得点は22点。
セシル「う~ん、意外と難しいかも。」
ツバサ「これは移動型ターゲットだから、固定型ターゲットを狙うのに有利なコントロール型には、逆に不利かもね。」
セシル「確かに。ちょっとやりにくかったかも。」

 その後もいろいろな競技をプレイし、楽しい一時を過ごすクロウたち。
 たまにはこういう日もいいかもしれない。戦いを忘れ、息抜きをする事も必要だ。

ツバサ「ふぅ、そろそろ帰ろうか?」
 少し日が傾いてきた頃、ツバサがそう提案する。
 結構遊びつかれてきたし、クロウたちも異存はなかった。
 と、そのとき・・・!
???「ううおおおお!!バトルの匂いはここかぁ!!」
 と、いきなり勢い良くコロシアムの中に突入してくる輩が・・・!
ツバサ「あ!」
 ツバサが反応する。
 その輩とは・・・!
ツバサ「ジョー!」
ジョー「んは?」
 ジョーもツバサに気づく。
ジョー「おぉ!ツバサ!久しぶりだな!!」
ツバサ「ど、どうして、ここへ?」
ジョー「どうしてもこうしてもあるか!お前が釈放されたって聞いて、真っ先に飛んできたんだよ!・・・・ちっと迷ったりもしたが。」
 見ると、ジョーの体はボロボロだった。・・・ジャングルの中にでも彷徨っていたのか?と思わせるほどに
ジョー「んな事より、バトルだぜ!久しぶりに!」
ツバサ「うん!」
 と、叫ぶなり、ジョーはゆっくり倒れた。
ジョー「きゅ~!」
ツバサ「ジョー!?」
ヒスイ「ど、どうしたんですか!?」
ジョー「は・・・はらへった・・・。」
セシル「は、ははは。」
 そんなジョーにツバサは笑みをこぼし。
ツバサ「じゃぁ、今夜は僕の家に泊まっていきなよ。僕も、ちょっと疲れてたし。バトルは明日にしよう。」
ジョー「お~・・・ナイスな提案、感謝だぜ・・・。」
 そうつぶやいて、ぱたりと意識を失うジョー。
ツバサ「ははは・・。じゃぁ、今日はこれで。」
ヒスイ「ええ。」
 そして、クロウ達は宿舎へと戻った。
ヒスイ「ジョーも、相変わらずでしたね。」
セシル「ほんとほんと、暑苦しいって言うか。」
ヒスイ「そういえば、ジョーとツバサっていつの間に仲直りしたんでしょうね?仲悪かったのに。」
クロウ「まぁ、いろいろあったんだろう。」
 さして興味の無い様子のクロウ。
ヒスイ「ふぅ・・・ほんと、久しぶりに楽しく過ごせましたね。」
セシル「うん、いろいろあったからね・・・。」
 今まであった事を振り返り、過去をいとおしんでいる。
セシル「でもまだ、続くんだよね?私たちの旅。」
ヒスイ「え?」
セシル「今までもいろいろあったんだけど、これからも、いろいろ・・・あるんだよね?」
 少し、おびえているようにも感じられるその問い。何かを確かめるようにセシルはつぶやく。
ヒスイ「・・・もちろん・・・ですよ。」
クロウ「当然だ。お前を失うわけにはいかないからな。俺が生き続ける限りな。」
 相変わらずセシルは金づるって考えを捨てていないクロウ。まぁ、確かにセシル失ったら食ってけ無いけど。
セシル「そ、そうよね。・・・ごめん、変な事言っちゃって。」
ヒスイ「・・・。」
 そして、時間はあっという間に過ぎ、就寝時間となる。
 ・・・。
 ・・・・。
 ・・・・。
 翌日。
クロウ「ん・・・。」
 クロウはゆっくり目覚める。
 そして、気づいた。隣に・・・ヒスイがいないと言う事に。
クロウ「なに!?」
 バッとヒスイの布団を引っぺがす。確かに誰もいなかった。
 いやな予感がする。
 ただ単に早く起きて部屋から出て言っただけなのかもしれない。
 だけど、そのいやな予感は・・・。
 と、ここで、布団の下になにやら紙切れが一枚置いてあった。
クロウ「これは・・・。」
 そこには丁寧な文字で一言。
 『探さないでください』
 とだけ書いてあった。
クロウ「・・・っ!」
 クロウは急いで部屋を出る。
 そして、セシルを呼び出した。
セシル「なぁにぃ・・・?」
 眠い目をこすりながら現れるセシル。それに、ヒスイが残した置手紙を見せる。
セシル「な、なにこれ!?」
クロウ「分からん。だが、ヒスイは俺たちの前から姿を消した・・・それだけは事実だ。」
セシル「そんな・・・!」
 がくっとひざを突く。
 ずっと不安に思ってきて、でも絶対ありえないと思っていたことが、現実に起きてしまった。
 そのショックでセシルは呆然とする。
セシル「なんで・・・・だって・・・これからもずっと・・・一緒に旅が出来るって・・・。」
クロウ「おい、しっかりしろ。」
 セシルの肩をゆする。
セシル「なんで・・・なんでよ・・・。」
クロウ「おい!」
 大声を出す。正気に戻るセシル。
セシル「クロウ・・・ヒスイは・・・・。」
クロウ「落ち着け。・・・・あいつは、俺たちにとってかけがえの無い仲間だ。それは、確かだな?」
セシル「う、うん。もちろん!」
クロウ「だったら、俺たちがやるべき事は一つだ。分かってるだろう?」
セシル「・・・うん。」
クロウ「どんな理由があるにせよ。このまま黙っているわけにもいかない。いくぞ。支度しろ。まだ遠くへは行っていないはずだ。」
 支度し、外へ出るクロウたち。
 そこで、バッタリツバサとジョーと出会った。
ツバサ「やぁ。」
クロウ「お前ら・・・。」
ジョー「これから、ツバサとBコロシアムいくんだけど、お前らも来るか?」
クロウ「いや、俺達は・・。」
ツバサ「??何かあったのかい?」
 ただならぬ様子に気づいたツバサ。
 クロウは、置手紙を見せ、ヒスイがいなくなった事を説明した。
ツバサ「そっか・・・。分かった。僕達も協力するよ。」
ジョー「・・・・。」
クロウ「すまないな。」
ツバサ「いや、彼にはいろいろと借りがあるし・・・。行こう、ジョー!」
ジョー「・・・・待て。」
 いきなり、ジョーの口調が変わった。
ツバサ「え?」
ジョー「このまま、お前らを生かす訳には行かねぇ。」
ツバサ「??」
セシル「なんなの?」
 ゆっくり顔を上げるジョー。
 そして、額から第三の目が開いた。
ツバサ「こ、これは?!」
クロウ「あ、アババの呪縛!?」
ジョー「アババ・・・それは違う。俺はネオシャドウの一員。マーダビィ様の忠実なるしもべだ。」
ツバサ「ネオシャドウ・・マーダビィ?」
クロウ「なんだって違わない。操られていると言う事には。」
 チャキ・・・!
 ゆっくりビーダマンを取り出すジョー。
ジョー「ウェイブアビス・・・!」
ツバサ「新型ビーダマン!?」
ジョー「奴らを食いちぎれ!」
 ドンッ!!
 ウェイブアビスから放たれる強力な玉。
クロウ「くっ!」
 それを交す三人。
ツバサ「そんなっ!せっかく再開できたのに。こんな形で戦うことになるなんて・・・!」
ジョー「お前の想いなんか知るか。俺はマーダビィ様に従うだけだ。」
ツバサ「くっ!」
セシル「な、なんで次から次へと!こっちはそれどころじゃないのに・・!」
ツバサ「君たちは行って!彼を探すんだ!」
ジョー「ふん。」
 ドンッ!
 クロウとセシルに向かって撃つ。
クロウ「どうやら、そう簡単には行かせてもらえないようだな。」
 戦闘態勢に入るクロウ。
ツバサ「ダメだ!君たちはこんなところで足踏みをしている場合じゃない!」
セシル「でも・・・!」
ツバサ「ここは僕が食い止めるから、なんとか隙を作るから!その間に・・・!」
クロウ「・・・・分かった。」
セシル「ごめん!」
 ジョーをにらむツバサ。
ツバサ「君は・・・僕の目を覚まさせてくれた。今度は、僕の番だ!」
ジョー「お前の想いなんか知らないと言っただろう。バトルだ。」
ツバサ「ああ!」
ツバサ&ジョー「ビー、ファイア!!」
 再び、あいまみえる事になったツバサとジョー。
 しかし、それは望みもしないバトルだった。
 果たして勝つのは。汚れを落とした聖なる翼か!?はたまた、マーダビィに汚された荒れ狂う波か!?

           つづく
 次回予告
クロウ「ヒスイは、俺たちの前から消えてしまった。何も言わず。ただ、そっけない置手紙を残して。俺達は本当に仲間だったのか?あいつは、一体何を思って・・・。そんな時、ネオシャドウに操られたジョーが俺達の想いに関係なく襲い掛かる。」
ツバサ「ジョー!君は絶対に僕が倒す!あの時の決着をつけるために!」
ジョー「無駄だ。お前じゃ俺には勝てねぇよ!いけっ!ウェイブアビス!!」
ツバサ「次回!『荒れ狂う海を飛ぶ神鳥』」
クロウ「極めろ、強さへの道!」

 

 

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