バトルホビーの難しさ 成功の秘訣は「1~99%の攻撃」?

Pocket

男児向けコンテンツの華と言えば

ベイブレードをはじめとするバトルホビーだと認識する人は多くいると思います

コロコロコミックを主導として記事や漫画、アニメを展開し
実際にイベントで頂点を競う大会を開催

雑誌で情報収集し、玩具を買って腕を磨き、大会優勝を目指す

男児でなくとも男に生まれたからには誰しもが憧れる世界です

しかし、一見すると一大ムーブメントを築き上げているであろうバトルホビーと言うジャンルですが

「直接機体同士をぶつけ合う格闘技玩具」
と限定してしまうと、実はベイブレードくらいしか成功した玩具はありません

あれ、そうだっけ?
と疑問に思われる玩具ファンの方々も多いと思いますが

あくまで「格闘技玩具」と限定してます

爆丸がかなり曖昧ですが
あれは格闘と非格闘の合いの子みたいな感じですかね

とは言え、爆丸の競技性も後述するベイブレードの格闘玩具としての成功メソッドに当てはまるっちゃ当てはまるのです

では本題に戻って
なぜベイブレードくらいしかバトルホビーが成功しないのか?

って所ですが

まず第一に思い浮かべられるであろう説としては
「そもそもベイブレードくらいしかバトルホビーが出てないんじゃね?」

と言うのがあると思います
賢明な玩具ファンであるならばまずありえない考えですが
ベイブレードバーストからこの世界に興味を持った、と言う人ならば考える事かもしれません

当然ながらそんな事はありません

2001年頃からのベイブレード大ブームにともなって
各メーカーがこぞって玩具と玩具をぶつけ合うバトルホビーを出してきました

爆走ロボ
バトレックス
ワイルドチャーG
ブンブンスクラッパー
アフロダンサーズ
アーマーボット
バトルアクセル
ビーストシューター
バシュット
エアボッツ
スイッチレイダー
チョロQデッキシステム
騎刃王
グリリンパンチャー
テイルバトラー
ブラストファイター
騎馬ブレイカー
LBXバトルストラクション

懐かしのものから割と最近のものまで
時系列とかめちゃくちゃですが、思いつくままに羅列してみました
これだけたくさんのバトルホビーが過去に登場したわけですが
どうですか皆さん!聞き覚えのある玩具はありましたでしょうか?
当然ながらこれらの玩具は全部売れませんでした!!

これだけあって、全部失敗してるんです!すごいでしょ

どれか一個くらいは……って思うじゃない?
でも、競技的な意味で成功してるのはベイブレードだけなんですよねぇ

あ、クラッシュギアはそこそこ売れましたし
カブトボーグはカルト的な人気がありますが
どちらもアニメ効果によるなりきり玩具としての人気が主なので除外しました
ライディングソーサも同じ扱いで

それだけ、バトルホビーってジャンルは競技として面白くするのが難しいんですよね

では、何がそこまで難しいのかを考察してみます

その1「決着の定義」

通常、ゲームでのバトルってのは、相手キャラクターに攻撃を与えてブッ倒せば勝ちです
破壊するにしても命を奪うにしても、ゲーム内だからこそ可能です
命を奪わないにしても、攻撃を与えれば確実に戦闘不能にする事が出来ます

しかし、玩具でのバトルは
リアルに殺傷力、破壊力のある武器を装備させるわけにはいかないし、ましてや相手の機体をリアル破壊させあうわけにはいかないので
決着の定義は「場外」及び「転倒(行動不能)」となります

そうなってくると、それなりの運動エネルギーが必要となってくるので
いかにいろんな機能だのなんだのを売り出したところでそこまでのパワーを出せるものは実際少なく
結局そのほとんどの攻撃が「ロマン」として片づけられます
ごっこ遊びとしてブンドドしたいだけなら十分ですが、競技として考えると何をやってもロマン機能でしかないマシン同士の戦いは不毛です

そして、決着をつけやすくするために、場外や転倒が発生しやすいように調整してしまうと
今度は動けば動くほど自滅する確率の方が上がってしまい
「動かない方が強い」と言うバトルとして虚しいものとなります

それらを解決する手段として、全ての機体に共通して「攻撃を受けたら負ける」箇所を設ける事で
攻撃に意味を持たせつつ決着をつけやすくする……と言う方法が取られる事もありますが

『勝つために作り上げた強いマシンを使って戦う』事が男心をくすぐっていたはずなのに

『負けるために開発された決着をつけられるマシン同士で戦う』と言う、よく考えるとちょっとモヤモヤする感じになってしまうのが欠点です

その2「決着をつけるための1~99%の攻撃を確立させづらい」

これが今回の本題とも言えるテーマ
ゲームでのバトルや本物の格闘技と玩具での格闘技の大きな違いはここです

『どれだけ攻撃を仕掛けても、0か100の効果しか得られない』

ようは、「ダメージを与えて徐々に相手を追い詰めていく」と言うゲームではお馴染みのシステムを物理的に表現する事が玩具だと難しいんですよね

いかに良い攻撃を加えた所で、それが決着に繋がる攻撃にならなければ、その後の展開に影響を与える事はほとんどありません

しかし、逆にどんな攻撃であれ、それが良いタイミング、良い位置で決まって、決着してしまうと、それまでどんな試合展開でも関係なくそこでバトルが終わってしまう

つまり、結果を得るための過程がほぼ存在しないんです

ポケモンで言えば
お互いに一撃必殺のワザしかない状態で
ステータスの差異や状況によって命中率が若干左右する程度って感じでしょうか

前述したとおり
「相手マシンを破壊しあうわけにはいかない」からこそ、ここが難しくなってしまいます

逆に言えばここさえクリアしてしまえば、バトルホビーはとても楽しくなるんです

そこで、ベイブレードがなぜバトルものとして面白いかと言う話に繋がるんですが

『回転力をHPとして扱い、攻撃や時間経過によってそれを削り合って決着に近づける事が出来るから』
なのです

一撃の攻撃で勝負が決まらなくとも、その攻撃によって相手の回転力を削る事が出来れば、その攻撃は意味があるものになります
そう、ベイブレードには、他のバトルホビーにはない
「結果を得るための意味ある過程」が存在しているのです

バトルホビーにおいて最も重要なのは
「決着をつけやする事」
ではなく
「結果に近付く過程として蓄積させられる行動の存在」

を確立させる事




CM

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

JPEG,PNG,GIF形式の画像を投稿できます(投稿時はコメント入力必須)