1999年に鮮烈デビューし大ヒットを記録したバトルホビー、ベイブレード
伝統遊戯であるベーゴマ遊びをモチーフとしていながら
紐を直接本体に巻き付けて、素手で投げる事で回すベーゴマと違い
射出装置に取り付けて、ギアと連動させたワインダーや紐を引っ張ってコマを回転させる事で
コマを回すために最低限必要なハードルを下げる事に成功
これも、プレイヤー人口を増やす要因となったと言われています
そして、この成功によって
「とりあえずバトルホビーはシューターで射出するのが正義」
みたいな風潮が蔓延していた時期があったように思います
例えば
メンコをシューターで打ち出すポケモンパッチン
オハジキをシューターで打ち出すビーストシューター、バシュット
初期爆丸もアニメではシューターが登場して以降それがデフォルトとなっていました
確かにシューターがあればそれだけ商品が増えるので
商売的に考えるとプラスな面もあるのですが
プレイバリュー的な意味で勘違いしてはいけないのが
シューターを使う必要がない玩具にシューターを無理矢理使わせても全く意味がない
と言う事です
そして面白くないのに商品ばっかり増やしても売れるわけないです
ベイブレードのシューターは、射出装置ではあるものの
その楽しさの本質は手回しコマと同じベクトルです
コマを手で回す事の楽しさを、より手軽に、そしてより力強いエネルギーに変換させる事を目的としたのがベイブレードのシューターなのです
手で直接動かすよりも手間がかかり、エネルギーも低くなり、尚且つ動かし方のバリエーションが少なくなるのであれば
シューターは不必要
それどころか、玩具としての楽しさを大きく削ぐものになります
個人的に、その事を強く認識させてくれたのが
爆丸の爆テクシリーズです
前述したとおり、爆丸にはシューターがあるのですが
ルール自体は
『シューターは使っても使わなくてもいい』と非常に自由なものとなっており
そしてシューターを使わないからこそ、素手を使った様々なシュート方法
プレイヤーによって得手不得手の多様性が生まれました
これこそが爆丸の楽しさ
もし、シューターを義務付けていたとしたら
爆テクはビーストシューターやバシュットと同じ運命を辿っていたでしょう
人間の手は非常に自由度の高い射出装置であり
専用シューターを使わせる場合は、人間の手を超えるパフォーマンスとプレイバリューを実現させなければならないのです
ちなみに、シューターを使った一番の悪例は、ビーストサーガですね
サイコロをシューターで打ち出し、出た目で勝負するという
これ以上に『手で投げた方が良くね?』と言いたくなる玩具もないですね
CM