第3話「力と技の対決！ドライブヴィクターVSフレイムウェイバー」
ゴトーマガリカドーフリックス大会。
予選のフリップボウリングも終了し、いよいよ本戦出場者が決定される。
『さぁ、フリップボウリングの集計が終わったぞ！！本戦進出者はこの8名だ！！』
モニターにトーナメント表が表示され、そこに名前が記入されていく。
最初に表示されたのは、バンだ。
「やったな、バン」
「まっ、当然だぜ！なんたってダントツだもんな！！」
まぁ、パーフェクト叩きだしたんだから当然と言えば当然だ。
そして、その次に表示されたのはオサムの名前だ。
「おっ、俺も予選通過だ！しかもいきなりバンとバトルか……！」
オサムは自分の名前を見つけたようだ。
「やったな、オサム！これで決着つけようぜ！！」
「ああ！」
そしてしばらくして、リサの名前が表示される。
どうやら、バンとは別ブロックのようだ。
「あっ！」
「どうした？」
「いや……（リサとは、決勝までいかないと戦えないか）」
「結局、俺は予選落ちか……」
最後までマナブの名前は上がらなかったらしい。
「まぁ、マナブはフリップボウリング苦手なんだから仕方ないって。その分俺達ががんばるからさ、なぁバン？」
「あ、あぁ！ダントツで優勝するぜ！」
「……そうだね。こうなった以上は、全力で二人を応援するよ！」
「「おう！」」
そして、バンの第一試合が始まる。
『本戦の第一試合がいよいよスタートだ！対戦カードは、段田バン君VS村上オサム君だ！！』
バンとオサムが対戦ステージで対峙する。
「おっしゃぁ！カッ飛んでいくぜ、ドライブヴィクター！」
「負けねぇぞ、バン！」
『ルールはアクティブバトルで行う！そんじゃ準備は良いかな？行くぜ、3・2・1・アクティブシュート！！』
「いけっ！」
オサムとバンの機体がフィールド内で激突する。
激しい激突の末に、ドライブヴィクターはオサムのフリックスを押し込んだが、場外まではさせられなかった。
『先攻のバン君！凄まじいシュートで押し込み、先手を取った！』
「くそっ！場外出来なかったか」
「そう何度も同じやられ方するかっての！」
どうやら、若干軌道をズラしてヴィクターの攻撃をそらしたようだ。
しかし……。
「いっけぇ！ヴィクター！！！」
バーーーン！！
ドライブヴィクターの攻撃であっさりとフリップアウトしてしまうオサムのフリックス。
『決まったぁ！！これでオサム君のHPは残り1！あとがないぞ！！』
「んがぁ！しまった！これならむしろアクティブで場外して自滅扱いの方がダメージ少なかったぁ！！！」
「気付くの遅っ！ってかどっちにしろやられてたら意味ねぇじゃねぇか！」
バンに突っ込まれて、オサムはぎょっとする。
「うっ、確かに……って事はなに、俺絶対先攻取らなきゃ負けるゲーって事！？」
自機の防御力と相手の火力に圧倒的な差がある場合はどうしてもそうなってしまう。
それがアクティブバトルの難しい所だ。
『それでは、仕切り直しだ！いくぜ……アクティブ・シュート！！』
「ええいままよ！！」
先手を取るために思いっきりシュートするオサム。
「いっけぇ！ヴィクター！！！」
スピンしながらもう突進するヴィクター
お互いにちょっと力みながら撃ったために狙いがズレてしまい、すれ違った。
「あ」
ヴィクターはスピンしてたおかげで長距離移動が出来ずにそのまま停止するが、オサムのフリックスは勢いのままに場外してしまった。
『決まったぁ！勝者は段田バン君！！見事なパワーを見せてくれたぞ！！！』
「おっしゃ！やっぱり俺がダントツ一番！！」
試合が終了し、バンとオサムはマナブの所へ戻る。
「今回はバンの勝ちか！」
「おう！楽勝だぜ！！」
「くっそぉー！正直あの威力は恐れ入るぜ……ドライブヴィクターのパワーに勝つためにはどうしたらいいんだぁ！？」
「うん、今のバンには負ける要素が見当たらないね。敢えて言うなら、アクティブでぶつからずに先手をとって、ヒット＆アウェイで着実にマインヒットしていくしか」
マナブがそう分析する。
「かぁぁ！そんな都合の良い事出来るかよ～！！」
「なっはっは！！ダントツの俺に勝とうなんて無理無理～！」
「くっそー、いつか絶対鼻明かしてやるからなぁ……！」
そして、試合は順調に進んでいき、次はリサの番になる。
『さぁ、お次の試合は、のおっと！今大会唯一の女の子フリッカー遠山リサ君だ！対するのは下田達也君！！』
「次はリサのバトルかっ！」
リサの名前を聞いて、反応するバン。
そして、リサと達也がステージに着く。
「へっ、女だからって手加減はしねぇぜ！！」
「え、えっと……よ、よろしくお願いします」
リサは、少しおどおどした感じでペコリと頭を下げた。
「え、あぁ、こちらこそ……（なんかやりにくいなぁ）」
『今回はどんなバトルを見せてくれるのか？いくぞ！アクティブシュート！……先攻、達也君！』
「いくぜぇ、おりゃ！」
しかし達也の攻撃はあっさりとリサのフリックス、フレイムウェイバーに受け流されてしまった。
「ちっ！」
『さぁ、達也君のシュートは攻撃に繋がらず！お次はリサ君のターンだ！！』
「頑張って、フレイムウェイバー……！」
バシュッ！！
リサは、少し強めにストレートシュートを放った。
「シュートが強い？！」
「あれじゃ、たとえフリップアウト出来ても自滅しちまうぞ！！
『のおっと！これはシュートミスか、フレイムウェイバーはオーバースピードだ！！』
ガッ！！
物凄い勢いで達也のフリックスにぶつかる。しかし、達也のフリックスはフレイムウェイバーの勢いに反してあまり弾かれない。
「なんだぁ、かるっ！！」
反動でマインにぶつかりながらも動き続け、フィールドの角で停止した。
『フレイムウェイバーは、攻撃したにも関わらず逆に弾かれてしまった！！マインヒットは成功したものの、そのままステージの角でギリギリ止まった！しかし、これはピンチだぞぉ？！』
「なんだよビビらせやがって、アイツのフリックス無茶苦茶弱ぇ！」
言って、達也はフリックスの向きを変えてフレイムウェイバーを狙う。
『達也君、このままフレイムウェイバーをフリップアウトか！？』
「当然……っ！？」
狙いを定める達也。しかし、なかなか撃たない。
「どうしたんだアイツ？早く撃てばいいのに」
達也の様子に、オサムは疑問を抱いた。
「狙いにくいんだ」
「え？」
「ステージの真ん中から、ステージの角は結構距離がある。スピンシュートだと届かないかもしれないし、ストレートシュートを撃ったとしても少しでも威力が強いと自滅してしまう」
「あっ、俺が前にやられたあれか……！」
「しかも最初のシュートで達也のフリックスの攻撃は受け流されてたからね。警戒するのも無理はないよ」
「あのリサって子も運がいいなぁ。たまたま反射したフリックスが良い位置につくなんて」
「……偶然なのかな？」
「え、でも狙ってできる事か？」
散々撃ちあぐねた達也が動く。
「くそっ！マイン再セットくらいしか出来る事がねぇ！」
達也はフィールド上に残ったフリップマインをフレイムウェイバーの近くにセットした。
「下手に撃って自滅するよりは、シュートせずにマインを置き直した方がマシか」
「だけど、ダメージレースで不利な状態でこれはかなり痛い手だね」
『おおっと、絶好のフリップアウトチャンスかとも思われたが、やはり距離が厳しかったか』
「……いけっ！」
今度は、リサはスピンシュートをする。
回転しながら達也のフリックスにヒット、またも達也のフリックスはあまり弾かれないが、フレイムウェイバーはほぼ90度反射し、自分のマインを落としつつステージの端を滑っていき、またも角に止まった。
『リサ君！見事なマインヒット！そしてフレイムウェイバーは再び崖っぷちで停止！！なんともハラハラする戦いだ！！』
リサは自分で落としたマインを回収し、達也のフリックスの後ろへセットした。
マインが場外した場合は、そのマインの持ち主の手元に戻り、シュート後に再セットする。
自分のシュートで自分のマインを落とした場合は、その後即置き直せるのだ。
「ぐっ、舐めやがって……！」
しかし、達也は下手に攻撃する事が出来ない。
「せめて、マインがあれば……！」
イチかバチかスピンシュートしてみるが、思い切りが足りずに攻撃は不発。
そして、フレイムウェイバーの反撃マインヒットでバトルは終わった。
「やったっ！」
『決まったぁ！見事なマインヒットで、達也君は撃沈！リサ君の勝利だ！！』
「う、うそだろぉ……あんな軽いフリックスに負けるなんて……」
『これだからフリックスバトルは面白い！攻撃力で劣るリサ君はヒット＆アウェイで見事勝利をもぎ取ったぁ！！』
その様子を見ているバン達。
「す、すげぇ、無傷で勝った……」
「なんてテクニックだ……！マインヒットしながらも近くのマインを場外させつつ、相手がフリップアウトを狙いづらい位置へ付ける。反撃を封殺しながら着実にダメージを与えていくなんて」
予選の時にも見たが、改めてリサのテクを目の当たりにして、バンは俯き、震えだした。
「バン……」
「優勝するにはとんでもねぇ強敵の登場だな」
しかしバンは、すぐに顔を上げて叫んだ。
「へへへっ、ワクワクするぜ！！」
「って、武者震いかよ！」
「あったりまえさ！強い奴と戦いたくて大会に出たんだ！ここでワクワクしなくてどうする！！よーっし、残りの試合も勝ち進んで絶対に決勝でリサをブッ倒す！！」
そして、大会は進んでいき……。
「いっけぇ！ドライブヴィクター！！」
『きまったぁ！勝者バン君！！』
「頼むよ、フレイムウェイバー」
『勝者、リサ君！！』
バンとリサは順調に勝ち進んで言った。
そして……。
『さぁ、ゴトーマガリカドーフリックス大会もいよいよ決勝戦だぁ！！！』
ついに、決勝戦が始まった！
決勝という事もあり、歓声も一際大きくなっている。
『決勝に進出したフリッカーは、この二名だ！！』
決勝進出者がステージにつく。
『華麗なるテクニック！全ての試合をほぼ無傷で勝ち進んできた美少女フリッカー！遠山リサ君！！愛機はフレイムウェイバー！！』
モニターにリサの顔がドアップで映り、大きく歓声が沸く。
リサは、自分に向けられた歓声に少しオドオドしながらも、ペコリと頭を下げた。
『そしてそして、ここまでの試合、圧倒的なパワーで相手をブッ飛ばしてきた熱血フリッカー！段田バン君！！愛機はドライブヴィクター！！』
今度はモニターにバンの顔がドアップで映る。
「イエーイ！！」
ノリの良いバンはリサとは対照的に、両手を上げて観客にアピールする。
そして、まだ少しオドオドしているリサを指差して叫ぶ。
「遠山リサ！ついに戦う時が来たな！！予選での決着、ここで着けるぜ！！」
「あ、う、うん！がんばろうね……！」
『両者、気合いは十分なようだ！そんじゃ、まずは決勝戦の説明だ！』
「説明？基本ルールじゃないの？」
『勝利条件は基本ルールと同じだ。だが今回は、ステージが一味違うんだ！！スイッチオン！！』
コウが、懐から謎スイッチを取り出してボタンを押す。
すると、地響きがなり始め、ステージの中央付近の2か所に穴が空いた。
「な、なにぃ！？」
『これぞ、決勝を戦うに相応しい、ホールフィールド！！ステージの中央から数センチ先に空いた二ヶ所の穴！この上に機体のパーツが一部でも停止したら場外と同じ扱いだ！
フリップアウトできる範囲が広がったと同時に、自滅の危険性も増えてしまった！パワーとテクニックが要求される上級者ステージだ！！』
「こ、こんなのアリかよ……！」
オサム達もこのフィールドを見て、バンの心配をする。
「げぇ、あんなステージ初めて見たぞ」
「これは、バンには不利じゃないか……？」
初めて見るフィールドに怖気づいたバンだが、すぐに気持ちを奮い立たせる。
「へ、へんっ！どんなステージだろうが関係ねぇ！とにかくぶっ飛ばせばいいんだ！！」
『そんじゃ、そろそろ始めるぜ！！両者スタンバってくれ！3・2・1・アクティブシュート！！』
「えぇい、やってやる……！」
バシュッ！！
同時シュートした二機が激突。若干ドライブヴィクターが押し込んだ。
『さぁ、最初の激突では、二機とも穴は回避している！さぁ、先手はバン君だ！』
バンは、目の前のフレイムウェイバーに狙いを定める。
「よし！とにかく攻撃だ！相手は軽いから、あんまり強く撃ちすぎると自滅しちまうな」
バシュッ！！
バンは、フレイムウェイバー目掛けてスピンシュートを放った。しかし、威力はかなり抑え目だ。
『バン君シュート！しかし、さすがに自重気味のシュートだ！スピンしながらまっすぐフレイムウェイバーへ向かっていくぞ！！』
（遅い。これならあまり弾かれないはず）
ヴィクターが、ウェイバーにヒットする。
バーンッ！！
威力は低いが、思いのほかウェイバーは弾かれてしまい、マインにぶつかる。が、当然フリップアウトには程遠い。
「っ！」
しかし、この威力はリサの予想に反していたらしい。
（あのシュートで、ここまで弾くなんて……下手に仕掛けたら、逆に……だったらっ！）
『惜しい！あと数cmの所で攻撃はしっぱい！さすがにしょっぱなからのフリップアウトは難しいか！？しかし、マインヒットは成立したので1ダメージだ！』
「くっそぉ！あともうちょっとだったのに！」
『さぁ、次はリサ君のターンだぞ！』
「……」
バシュッ！
リサのシュート。てっきりお得意のテクニックでヴィクターを狙ってくるものと思ったが、リサは見当違いの方向へシュートする。
しかも、その位置はヴィクターにとっても狙いやすい位置だった。
『おおっと！リサ君は次のターンにかけるつもりなのか。このターンは一旦位置を変えるだけのシュートだ！しかし、この位置はバン君にとっても狙いやすいぞ！！』
「わざわざ狙いやすい位置につけてくれるなんて、助かるぜ！いっくぜぇ！このままフリップアウトだ！！」
フレイムウェイバーに狙いを定めて思いっきりシュートする。
ガッ！！
ヴィクターのシュートがヒットするのだが、惜しいところでフリップアウトは出来なかった。
『惜しい！！バン君、絶好のチャンスを逃してまたもフリップアウトならず！……しかし、リサ君は反撃せずにまたも見当違いな場所へシュート！』
「くっそぉ……！でも、まだお互いに無傷！どれだけ逃げようとも絶対にフリップアウトさせてやるぜ！！」
だが、ヴィクターの攻撃は再びフレイムウェイバーに受け流されてしまい、もうちょっとの所でフリップアウト出来ない。
当然マインヒットもしていない。
「うがああああ！！！なんでじゃぁぁぁぁ！！！」
『さぁ、HPではバン君の方がリードしているのだが、リサ君の表情は落ち着いている。一方でバン君はかなり調子を狂わされているように見えるぞ！大丈夫か！？』
苦戦しているバンを見守っているオサムとマナブ。
「何やってんだよバンの奴！とっととブッ飛ばせばいいのに！！」
「なんだろう。なんだかバンは振り回されてるみたいだ」
「え？」
「フレイムウェイバーは受け流し性能に優れてる機体みたいだし、逃げるようにシュートしながらも、ドライブヴィクターと向かい合った時に受け流しやすい向きになるように停止してるんじゃ」
リサのテクニックなら、それくらい出来てもおかしくはないだろう。
「で、でもあいつも攻撃できないんじゃ意味ないじゃん！変に逃げ回ってるせいで、マインヒットすら出来ない位置に付けてんだぜ！」
「た、確かに……一体、何を狙ってるんだろう……？」
『さぁ、お互いに攻撃が通らない状態での試合が続いている！次はリサ君のターンだ』
フレイムウェイバーはフィールド端から数センチ離れた場所。
対するドライブヴィクターはフィールド中央から数センチ、フレイムウェイバー寄りの位置についている。
が、マインは離れた位置にあるのでマインヒットはしづらい。
「うん、良い位置。これならいけるよね、フレイムウェイバー」
リサが、慎重に狙いを定める。
「へん、どうせまた逃げんだろ」
そう思い、バンは何もしなかったのだが。
バシュッ！！
フレイムウェイバーの攻撃がドライブヴィクターにヒット！
「なにっ！？攻撃して来ただと！でも、その程度どうって事ないぜ！」
ヴィクターは僅かに弾かれるだけだ。とてもフリップアウトできるような威力じゃない。
しかし……。
『リサ君、ようやく攻撃を決めた！！そして、見事にドライブヴィクターをフリップアウト！！バン君、残りHP1だ！後がないぞ！！』
「え、なにいい！！なんでだよ！ヴィクター落ちてないぞ！！！」
『バン君、最初に言った説明を忘れたのかい？』
「へ？」
バンはよーくフィールドを観てみた。
ヴィクターは中央から数センチ離れた場所で停止している。
そして、その位置には『穴』として設定された四角いエリアがあり、その上にドライブヴィクターのリアパーツがわずかに被っていた。
「あが……！」
『ドライブヴィクターは穴の上に停止している！これでフリップアウト扱いだ！』
「そうか！リサちゃんはこれを狙ったんだ！」
マナブが叫ぶ。
「なにが？」
「このホールステージは、フリップアウトを狙うのに威力を必要としない。機体の位置関係によっては弱い攻撃でも相手に大ダメージを与えられる。でも、そのためには適切な位置関係にならないといけないから、逃げつつも誘導してそのチャンスを待ってたんだ」
「な、なるほど……！ダメージレースで不利な状態なのに、下手にマインヒットで攻撃してたら、逆にドライブヴィクターの反撃を喰らっちまうかもしれないからな」
「うん、並のフリックスならともかく、ドライブヴィクターの攻撃力に耐えるためには、どうしても逃げに徹するしかなかったんだ……」
「ぐっ……！へんっ、まだまだ勝負はついてないんだ！今度はこっちがフリップアウト決めてやるぜ！！」
『さぁ、仕切り直しだ！いくぞぉ、アクティブシュート！！』
場外発生したのでHP据え置きの仕切り直しアクティブ。
今度は互いに激突せずにすれ違う。
フレイムウェイバーは中央付近、ドライブヴィクターはリサのスタート位置付近まで進んだ。
『お互いに衝突は避けてきた！しかし、距離的に文句なしにバン君の先手だ！』
「へっ、もう受け流せないぜ！！」
フレイムウェイバーはリア面を向けている。
シュートポイント側はどうしてもシュートしないといけない都合上防御力の高い形状にしづらいのだ。
「ブッ飛ばしてやれ！ドライブヴィクター！！」
バキィィ！！！
ヴィクターの凄まじい威力のシュートにフレイムウェイバーはたまらず場外へ吹っ飛ばされてしまう。
『のおおおっと！これはすさまじい！！！テクニックのフレイムウェイバーに対して、ドライブヴィクターは圧倒的なパワーを見せつける！！！！力と技の素晴らしい戦いだ！！！！』
「どぉだ！これで俺の勝ちだ！！」
最初のシュートでのマインヒットで1ダメージ。
そして今のフリップアウトで2ダメージ与えたので、バンの勝利。
かと思われたが……。
『しかーーし！ドライブヴィクターは自滅！！』
「へっ？」
フレイムウェイバーを飛ばしたのは良いが、ドライブヴィクターが止まっている位置は、フィールド中央からやや離れた場所。
そしてそこには穴が設置されている。
よーく見てみると、ドライブヴィクターの先端が穴と被っていた。
『なので、このフリップアウトは無効となり、バン君に1ダメージ！
これでドライブヴィクターのHPは0で撃沈！勝者はリサ君だ！！』
「な、なにぃ！？そんなのアリかぁ！！」
『これによって、ゴトーマガリカドーフリックス大会、優勝は遠山リサ君に決定だあああ！！！』
盛り上がる歓声の中、バンは失意のまま立ち尽くしていた……。
つづく
次回予告
http://www.senses-circuit.com/
炎のアタッカーユージンの競技玩具道場！フリックスの特別編
うっす！ユージンだ！！
今回は、バンVSリサの激闘だったけど、どうだったかな？
力で勝っていたバンだけど、リサは圧倒的なテクニックでバンをディシジョン、勝利してしまった！
そう、相手を場外させる力がなくても、勝利することが出来る！それがフリックスバトルなんだ！！
フリップアウトさせるか、ディシジョンさせるか、この二つの勝利方法が戦略の幅を広げているんだぜ！！
そして、今回リサが決め手として使ったのが、炎のエレメント『フレイムバレット』だ！
詳しい説明はまた後日にするけど、一気に相手のフリックスに4ダメージを与えてしまうことから、ディシジョン戦術に向いているエレメントと言えるだろう！
まだまだエレメントは存在する！話が進むにつれて、どんどん登場するから楽しみにしててくれ！
それじゃ、今回はここまで！最後にこの言葉で締めくくろう！
本日の格言！
『戦略の幅は無限大！勝利への研究を怠るなかれ！！』
この言葉を胸に、皆もキープオンファイティンッ！また次回！！