弾突バトル!フリックス・アレイ 第9話

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第9話「リサを取り戻せ!潜入!遠山フリッカーズスクール」
 

銭湯に行った前回の翌朝。
「おはよ~」
眠い目を擦りながら、バンは既に食卓についているリサと父に挨拶した。
「おう」
「……」
父は普通に対応するが、リサは少し気まずそうに目をそらす。
「?」
リサの態度に疑問を感じるバンだが、特に気にせずに席についた。
「……」
リサが気にしているのは、昨日の銭湯でのことだ。
あの後、バンは父に思いっきり怒られ、そのままロクに話す事無く就寝した。
一緒に住んでいる男の子に裸体を見られてしまったこと、そしてそのまま何も話せていない事で、リサはバンに対してどことなく気まずさを感じているのだ。
「父ちゃんって今日も仕事?」
「ああ。今人足りないからな、土曜は大体休日出勤だ」
「そっか」
今日は土曜らしい。父ちゃんは仕事でも小学校はお休みだ。
「バンは、どっか出かけるのか?」
「ん。オサム達と遊ぶ約束してる」
「いつもどおりだな」
予定調和な会話が淡々と進んでいく。
「あ、そだ。リサも来るだろ?」
と、ふいにリサに話を振る。
「え」
急に話を振られて頭が回らない。
「ほら、前に会っただろ、オサム達とフリックスバトル」
「……私は、今日は、いい」
気恥ずかしさが抜けないのか、俯いて断りの言葉を呟いた。
「え、そうか。珍しいな」
リサの態度に、ますます疑問を感じるバンだが、特に問い詰めることもしなかった。

そして、バンはリサを一人留守番にして、公園に遊びに行った。
「いっけぇ!ドライブヴィクター!!」
いつものように、フリックスで友達とバトルしまくっている。
「くっ!耐えろぉ!!」
オサムはバリケードを構えて防御しようとする。
しかし……!
「貫け!ドライブヴィクター!!」
バンはバリケードを破壊しながらオサムのフリックスを状態させてしまった。
「おっしゃぁ、俺の勝ち~!」
バンはドライブヴィクターを掲げて喜ぶ。
「だああああ!!せっかくバリケードしてんのにそれごと突破されたらどうしようもないぜ!!!」
オサムは頭を抱えて唸った。
「まぁ、ヴィクターに対して真正面から力比べってのは無茶だよね」
「へっへっへ!ドライブヴィクターと俺はもう鬼にカネボウ!獅子にフカヒレ!もう誰にも負けないぜ!!」
得意気になるバンに、マナブが突っ込んだ。
「金棒とヒレ、だよ」
「う、うるへ~!」
フリックスは強くても頭は弱いのだ。

「呑気なものだな!」
突如、頭上から高圧的な声が聞こえた。
「っ!」
ハッとして見上げると、木の枝の上にMr.アレイが腕組をして立っていた。
「み、Mr.アレイ……!?」
「前に、バンにドライブヴィクターを渡した奴だ……!」
Mr.アレイは、シュタッ!と華麗に着地する。
そして、つかつかとバンを見下ろせる位置まで歩いてきた。
「な、なんだよ!何か用か?」
見上げながらも威勢の良いバンに、アレイは口を開く。
「守るべきものがありながらみすみす手放すとは、随分と滑稽なナイト様だな」
Mr.アレイの言い回しは回りくどかった。だが、皮肉を言われている事は分かる。
「なんだと!!」
「金庫にでも入れて、大事にしていたつもりらしいが。見張りもつけずに放置とは愚にもつかん」
「……っ!」
そこまで言われて、Mr.アレイの皮肉の中に、何か重大な意味がある事に気付いた。
「ま、まさか……!」
全身から血の気が引くのを感じたバンは、咄嗟に駆け出した。

「お、おい!!」
慌てて呼び止めようとするオサム達だが、バンはもう遥か先へと走っていっていた。

段田家に戻ったバンは、唖然とした。
「なんだよ、これ……」
玄関は鍵が掛かっていた。しかし……リビングの窓が破れ、何者かが侵入した形跡がある。
そして、複数人が争ったように部屋の中は荒れていた。
なによりも……。
「リサ……」
リサの姿がどこにもなかった。
「くっ!」
バンは、沸々と湧き上がる得体の知れないドロドロとした感情を拳に込めて床にぶつけた。

 ガンッ!!

フローリングの床は硬く、バンの拳には骨に響くほどの痛みが走ったが今はそんな事どうでもいい。
「リサ……!」
連れ去られてしまった。まさか嗅ぎつけられていたなんて。
「ちくしょう!俺が……俺がもっと気をつけてれば!!」
こういうときは、警察を呼ぶべきなのだろうが。向こうが不法侵入ならば、こっちは未成年略取誘拐だ。迂闊に法律沙汰には出来ない。
もっとも、当のバンにはそこまでのノウハウは無いのだが……。

「くそっ!」
ここでこうしていても仕方ない。バンは玄関から飛び出した。

「どこに行くんだ、バン?!」
飛び出したところで、オサムとマナブに止められた。
「オサム、マナブ……」
二人の顔を見て、バンは幾分落ち着いたようだ。
「バンの様子がおかしいから、ついてきたんだ」
「……」
玄関の扉が開いたままだ。中の荒んだ様子が外からでも見えた。
「バン……こりゃ一体どういう事だ?」
尋常ではない様子に、二人は問う。
「……実は」
バンは少し躊躇ったのち、二人に事情を説明した。

「そんな事があったのか……」
「リサ子ちゃんが遠山リサだったとは、道理で強いわけだ」
バンの話を聞いて二人は納得する。
「それで俺、スクールからリサを取り戻しに行くんだ!」
バンは既に居ても立ってもいられないという風だ。
「待てよバン」
「スクールの場所分かるの?」
「……あ」
うっかりしていた。
「ちょっと待って」
マナブが、ケータイを開いて何やら操作する。
「どうするんだ?」
「スクールのサイトにアクセスして住所を調べるんだ。住所さえ分かれば地図で場所を特定できる」
「???」
バンには良く分からない。
「……よし、分かった!」
検索が終わったようだ。マナブがケータイの画面を二人に見せる。
「これって、隣町じゃんか!」
「結構近いんだな」
「よし、早速行こう!!」
三人はケータイに記された場所に向かって駆け出した。

スクールは、隣町の都心部に存在する80階はあろうかと言うほどの超高層ビルの中にあった。
いや、中にあると言うか、そのビル自体がスクールのようだ。
「で、け~……」
バンはビルを見上げながら感嘆をもらす。
「見上げてても始まらないし、入ろうぜ」
オサムが足を動かした時、バンが口を開く。
「待って。ここからは、俺一人で行く」
「え?」
「な、なに言ってんだよ、バン!ここまできてそりゃねぇぜ!」
バンの申し出に、二人は不満気な顔をする。
「スクールはリサにヒドい事してきたところだ。中で何されるか分からない。これ以上巻き込めない」
「だけどさ……」
「いや、バンの言うとおりかもしれない」
なおも食い下がろうとするオサムと反対に、マナブはバンの言い分に納得した。
「マナブ?」
「部外者がぞろぞろと大人数で入ったら、余計に怪しまれてしまう。人数は少ない方がいい。僕達は、何かあった時に助けを呼べるようにするために外で待機してよう」
マナブがそういうと、オサムもしぶしぶ納得する。
「……分かった」
「サンキュ、二人とも」
言って、駆け出そうとするバンにオサムは声をかける。
「あ、バン!」
「なに?」
振り向いたバンに、オサムはケータイを手渡した。
「俺のケータイだ。マナブの番号も入ってる」
「あ」
「何かあったらかけてこい」
「おう!!」

オサムとマナブの精一杯の支援を受け、バンはついにスクールの中に突入した。

スクールの門はガラス製の大きな自動ドアだった。
中に入ると、空調が快適な温度を保っていて心地よかった。
人の数はまばらで、年齢も10代~30代まで、さまざまだ。ドア付近には警備員らしき人間が二人微動だにせず立っている。
目の前には受付があった。
バンは真っ先に受付に並んでいる人達を押し退けて乗り出した。
「やい!リサをどこにやった!!」
「は……?」
受付嬢はいきなりのバンの行為に面食らっている。

一方その頃。
スクールの校長室と思われる場所で、リサと段冶郎が対峙していた。
「……」
リサの周りは黒服の男達が囲っており、下手な動きが出来ないようになっている。
リサはそこで、ただ黙ってたっていた。
「何か言う事は無いのかね、リサ?」
段冶郎が問う。しかしリサは何も応えない。
しばらく応対を待っていたのだが、何の反応も無いリサに痺れを切らした段冶郎は大きく息を漏らす。
「ふぅ、全く困った孫娘じゃわい。じゃが、こうなった以上はもう勝手は許さんぞ」

 プルルルル!!
その時、備え付けの電話が鳴った。どうやら内線のようだ。
段冶郎が受話器を取る。
「ワシじゃ」
しばらく、段冶郎が電話先の主の話を聞いている。時折相槌を打つ。
「なるほど。構わん、ひっ捕まえて追い出してしまえ」
そう言うと受話器を置いた。
「??」
電話の内容が気になり、リサが少し首をかしげていると、段冶郎が口を開いた。
「お友達が来てくれたようじゃな」
「っ!バン……」
それを聞いて、リサは驚いたような嬉しいような、そんな表情をする。
「囚われの姫を救う王子様のつもりかは知らんが、お門違いな奴じゃ。お前達、リサを地下の反省房の中へ連れて行け」
「はっ!」
段冶郎の命を受け、黒服の男達が短く敬礼をする。
そして、リサを抱きかかえようとする。
「きゃっ!!」
必死に抵抗をするリサだが、それも虚しくあっさりと黒服たちに捉えられ、連れ去られてしまった。

一方のバンは、受付で喚いていた。
「なんでだよ!なんでリサを出せないんだよ!!」
「申し訳ございません。リサ様はただいま取り込み中でして、お引取り願います」
受付嬢が淡々と頭を下げる。
「ふざけんな!そっちが出さないんなら、こっちから行くぞ!!」
ダッ!と駆け出すバン。しかし……。
「さぁ、帰ってもらおうか」
扉付近で立っていた警備員が、いつの間にかやってきてバンを取り押さえようとした。
「どけぇ!!!」
バンは咄嗟にドライブヴィクターを取り出して、左掌に乗せ、右手人差し指でそれを弾いた!

 バーーーーン!!
ドライブヴィクターは警備員の足元に突っ込み、大爆発した。

「「うわああああああ!!!」」
あまりの衝撃に、警備員は吹っ飛ぶ。ドライブヴィクターは反動でバンの手元に戻った。
「よし!」
その隙に、バンはスクールの中へと足を運んだ。
「リサはどこだ!?」
いくつもの部屋が並んでいる無機質な廊下をバンは必死で駆け巡る。
「いたぞ!あそこだ!!」
その時、廊下の角から、複数人の少年達が走ってくる。
どうやらスクール生だ。バンの侵入を聞いてやってきたのだろう。
「くそっ!」
「さぁ、大人しくしてもらおうか」
スクール生達がフリックスを構える。
「冗談じゃねぇ!」
バンもドライブヴィクターを構えた。

 バシュウウウウウ!!!
互いに同時にフリックスを放つ。

 バキィィィ!!!
 ドライブヴィクターがスクール生達のフリックスを一気に吹っ飛ばした。
「ぐわああああああ!!!」
フリックスと一緒にスクール生達も吹っ飛び、倒れる。
その横を、バンは駆け出す。

 ビー!ビー!!
突如、警報が鳴り響いた。

『侵入者発見!侵入者発見!緊急セキュリティシステム作動!緊急セキュリティシステム作動!!』

 そんなアナウンスが流れる。

「な、なんかやべェ事になってきたぞ(汗)」
しかし、もう後には引けない。
「こうなりゃ、駆け抜けるまでだ!!」

 タッタッタ!!

しばらく走っていると、目の前にエレベーターが見えた。
ガラス張りで、外が見えるタイプのエレベーターだ。
もしかしたら、上の階にリサがいるかもしれない。そう思って、バンはエレベーターの前に立ってボタンを押した。
エレベーターが最上階からゆっくり降りてくる。
「早くっ!早くこい!!」
ソワソワしながらゆっくりと一階まで降りてくるエレベーターを待つ。

 チーン!
ようやく、エレベーターが一階に止まった。
ドアが開く。
その時だった。

「いたぞ!」
「あそこだ!!」
後ろからスクール生達の声が聞こえてくる。
「くそっ!」
バンはエレベーターを諦めて隣の階段に行こうとする、その時だった。
エレベーターの扉が開く、そこに、黒服の男に抱えられたリサの姿が見えた。
「あ、リサ!」
駆け出す途中で、咄嗟に踵を返すことが出来ず、エレベーターはバンが反応する前に扉を閉じてしまった。黒服の男が咄嗟に閉じるボタンを押したからだろう。
「くそっ!」
バッ!とエレベーターの扉を強く叩くのだが、閉じてしまったものはしょうがない。
エレベーターは凄い早さで下に向かっていく。
このビルは高いだけでなく、地下にも伸びているようだ。地下30階まで存在している。
バンが、逃げ出そうとする前に見ただけで、エレベーターはあっと言う間に12階まで下がっていた。

スクール生達がかけてくる。バンは急いで隣の階段を駆け下りていった。
一階降りて、もう一度チラッとエレベーターを見る。エレベーターは最地下階の地下30階で止まっていた。
「あそこに、リサが……!」
それを確認したバンは全速力で階段を下りていった。

螺旋状の階段は、永遠に続くのではないかと思わせるほどに長かった。
角度も急なので、時折足を踏み外しそうになる。
「リサ……!」

 キュンッ!ガンッ!
その時、天井から、一筋の光が落ちてきて、バンの髪を掠める。
髪から焦げ臭い臭いが漂った。
「いぃ……!」
見ると、壁から銃のようなものが飛び出していて、そこからレーザー光線が発射されていた。
「こ、ここまでするかよ……!」
 シュンッ!キュンッ!!!
銃から、無数のレーザー光線が発射される。
「う、うわああ!!」
転げるように避けていくバンだが、キリがない。
「くっそぉ!!」
ドライブヴィクターをシュートして、銃を破壊していく。

 ゴッ!バキィ!!
煙を上げながら破壊されていく銃達。
ドライブヴィクターに掛かれば、レーザー光線銃など、おそるるに足らないのだ。
「はぁ、はぁ……!」
しかし、バンの息も絶え絶え。このまま持つのだろうか……?

その頃、リサは……。
「きゃっ!」
黒服たちに突き飛ばされ、独房と思われる檻の中に放り込まれた。
オリの外で、黒服は扉に南京錠をかけた。
「……」
リサは悔しげにその様子を見る。
『ふぉっふぉっふぉ。どうだね、リサ。少しは反省する気になったかね?」
リサの後ろから声が聞こえる。
「お爺様……!」
独房には、モニターが設置されていた。それは今段冶郎の顔を映している。どうやら校長室と繋がるテレビ電話の役割を務めているようだ。
『ここは校則違反をしたり、成績の振るわない生徒を閉じ込め反省させるための場所じゃ。優等生のお前には縁のなかった場所じゃな』
「……」
段冶郎の言葉を聞き、リサは改めて自分がいる場所を見た。
コンクリートで固められた冷たい床に壁……天井には監視するためカメラと、スクールの人間と連絡を取るためだけに設置されたモニター。
とても冷たくて、寂しい場所……。
自分が負かしてきたフリッカー達はみなこんな所に放り込まれてしまったのか。
そう思うと、リサは言いようのない罪悪感を覚えて唇をかみ締めた。
その様子が、段冶郎には反省しているように見えたらしい。
『ほう、少しは反省の色が見えてきたようじゃな』
「……」
しかし、リサは応えない。
『じゃが、お前にはしばらくそこにいてもらう。王子様が、騒がしいのでな』
「っ!」
モニターが切り替わる。そこには、防犯用の機械やスクール生達と戦いながらリサのいる場所を目指しているバンの姿があった。
「バン……!」
『ふぉっふぉっふぉ!愚かな奴じゃ!たった一人で我がスクールに乗り込んでくるとは』

そのモニターの中で、バンが悲痛の声をあげている。
『うわああああああ!!!』

『くっくっく!ただ追い返すだけではつまらん。徹底的に痛めつけ、ボロボロにして追い返すのじゃ!』

「そんなっ、お爺様!やめて!バンは、バンは関係ない!」
リサは、ガッ!とモニターを掴んで、段冶郎に懇願する。
『無論、関係のない人間じゃ。じゃが、侵入してきた以上は容赦はせん』
「そ、んな……」
リサは、ヨロヨロと後退り、ペタンと地面にへたり込んだ。
そして、ボロボロと涙を流す。
「うっ、ひっく……!」
また、自分のせいで、誰かが傷ついてしまった。
しかも、それが、自分を助けようとしてくれた人だなんて……リサにはどうしても耐えられない事実だった。
『何を泣く?お前も言ったではないか。この少年は関係ないと。関係ないのならば、どうなろうがかまわんだろう』
段冶郎の非情の言葉が、今のリサには十分すぎる刺激だった。
「私はっ!」
思わず、声を荒げる。
「私は、こんなのが、嫌だから……だから、スクールを出て行ったのっ!!」
『意味が分からんな』
段冶郎の声は淡々としている。
「私は、ただ、楽しくフリックスがしたいだけだった……なのに、どうして、私のせいで、誰かが傷つかなきゃいけないの……こんなの、こんなのおかしい!!」
リサの悲痛な叫び声。しかし、段冶郎の心には届かない。

場面が変わって校長室。
段冶郎は、モニターに移る泣き顔のリサに向かってつまらなそうに言葉を吐く。
「くだらん。まだ反省が足りんと見えるな」
その言葉に、モニターの中のリサが更に顔を歪ませる。

コンコンッ、ガチャ。
その時、扉が静かにノックされ、開かれた。
「校長、失礼します」
入ってきたのは、白衣の男だ。
「おぉ、伊江羅か。どうじゃ、研究の方は?」
「たった今、調整が終了したところです。あとは、最終テストを行うだけです。それをご報告に上がりました」
うやうやしく頭を下げる伊江羅を見て段冶郎はほくそ笑んだ。
「ふぉっふぉっふぉ!そうか、ついに完成か!我々の計画の第一歩を担う、奴が……!」
ひとしきり笑うと、段冶郎は、リサに向かって言う。
「リサ、楽しいフリックスバトルがしたいと言ったな?」
『??』
モニターの中のリサが怪訝な顔をする。
「ならば、見せてもらおうか。お前の処遇はその後で決める」
リサが理解の表情を見せないまま、段冶郎は伊江羅に向き直る。
「伊江羅、奴を第23番独房へ送り込め」
「独房へ、ですか?」
「最終テストを行うに、相応しい相手がおる……!」
「……かしこまりました」
伊江羅は頭を下げて、校長室から出て行った。

一方のリサは、段冶郎が言った意味をまだ理解しきれないでいた。
楽しいフリックスバトルを見せてもらう?
つまり、これからバトルをしろと言うのだろうか?
でも、相手は?
自慢ではないが、このスクールでリサはナンバーワンの実力を誇る。並のスクール生では勝負が見えていると言うものだが……。

 ザッ、ザッ、ザッ……

その時、独房に近づく重苦しい足音が聞こえてきた。
「っ!」
ハッとして独房の扉を見ると、そこには……。

「お前かぁ?俺の相手は……」
見た事もない、鋭い目つきの少年が立っていた。
「せいぜい楽しませてくれよぉ?」

つづく

 次回予告

 

BGM:フリー音楽素材 Senses Circuit

 

炎のアタッカーユージンの競技玩具道場!フリックスの特別編

 

うっす、ユージンだ!元気にフリックスやってるかな?

今回はなんと、リサがスクールに連れ去られてしまい物語が激動してしまうお話だ!

伊江羅が行っていた研究とは一体何なのか?

リサの前に現れた少年は一体……!

謎がどんどん深まる展開に今後も目が離せないぞ!

 

それじゃ、今回はここまで!最後にこの言葉で締めくくろう!

 

本日の格言!

『楽しいからこそのフリックスバトル!』

 

この言葉を胸に、皆もキープオンファイティンッ!また次回!!

 

 

 

 

 




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