理想の競技バランスを考える

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僕の考える理想の競技バランスは

『様々なステータスが存在し、相手と比べてどれか一つでも優っている部分があれば勝つチャンスがある』
『逆に、全てのステータスで劣っている場合はほぼ勝てない(運要素が少ない)』
『対戦感の有無』
『目的が直感的』
『場所や人数の自由度が高い(どこでも出来る、何人でも出来る)』
『判定がしやすい(審判不要)』
『互いに決定力が弱くても決着に向かって競技が進行する』

これらの点です

今回は上3つについて考えてみました

様々なステータスが存在する


これは単純に、競技に必要な性能、能力を示し

格闘系なら、攻撃、防御、機動力
レース系なら、スピード、安定性、敏捷性
射撃系なら、パワー、連射、コントロール

などの複数の性能を存在させる事を言います

そして、これらの性能の優位性を均等にする事が『競技における性能バランスが良くなる』と言えます

このバランスが良くなると、機体や戦い方に多様性が生まれ、何度やっても何度見ても飽きない競技になるのです

逆に、このバランスが悪いといくら複数の必要性能をアピールした所で、結局は多様性が失われてしまいます

相手と比べてどれか一つでも優っていれば勝つチャンスがある


複数存在するステータスのうち、どれか一つでも優っていれば勝つチャンスが生まれる
そういう競技性こそがバランスの良い競技となります

いかに、複数のステータスを謳った所で、結局勝利する上で優位性の高いステータスが一つしかなかった場合は
単純にその能力だけ優っていればいいので、性能の多様性がなくなり、一強化してしまい
そして、他のステータスが優れた形状や機能はほとんどロマンとして片づけられてしまいます

例えばベイブレード

・相手をスタジアムアウトさせるための攻撃力
・それに耐えるための防御力
・相手より長く回り続けるための持久力

と、三つのステータスが掲げられていますが
スタジアムアウトさせる行為は成功率が低く自滅のリスクが非常に高いため、ほとんどの人が持久勝ちを狙います
そうなってくると、攻撃型とそれに耐えるための防御型の使い手が減り、持久型一強となり
攻撃力や防御力を高めるための性能や機能がロマン扱いされてしまいました
しかも持久勝負は見た目的にはかなり地味なので競技の魅力そのものが減ってしまいます

バランスを良くするためにはどうすればいいか?


提示した必要性能の優位性を均等にする…
つまり、最高速重視でもコーナリング重視でも、戦い方や状況、舞台によってどっちが勝ってもおかしくないようにする事です

しかし、これがなかなか難しく、どんな競技も研究が進んでしまえば最適化され
どの性能が必要で、どの性能がいらないか、簡単に取捨選択されてしまい
得意不得意による格差が広がります

一番手っ取り早い方法は『勝利に直接つながる行為を二つ以上用意する』
この方法論を最も活用し、競技バランスを最適化したのが爆丸爆テクシリーズです

勝利条件である、ゲートカード3枚の入手において
入手方法を

・クリティカルK.O.(攻撃力、それに耐える防御力が必要)
・ダブルスタンド(パワーがなくてもある程度テクニックがあれば出来る)
・数値バトル(戦略)

このように複数設定し、それぞれの難易度やメリットを均等にすることで機体や戦い方の多様性を保ちました
特にクリティカルK.O.は成功率が低いですが、1ターンでカードが入手できると言うリターンの大きさ
そして仮に失敗しても、クリティカルヒットすれば相手のスタンドもチャラにできると言うリスクの軽減及びメリットの追加がこのバランスを実現しました
そして、失敗にもメリットを用意する事で積極的にK.O.を狙うプレイヤーが増え、練習や経験を重ねる事でレベルが上がり、成功率も高まります

しかし、単純に勝利条件を増やすという行為は、一つの弊害を生み出します

対戦感の有無


対人戦であるなら、もっとも重要で
いかに競技バランスが優れていようと、ここが失われてしまえば魅力的な競技からは遠ざかります

例えば、上で競技バランスに優れていると評した爆丸
しかし、互いにダブルスタンド狙い、互いに干渉しない試合展開によって決着がついてしまった場合
果たして面白い競技と言えるでしょうか?
一人で遊んでいるのと大差ありません

複数の勝利条件によって競技バランスを保った場合は、この『対戦感の有無』に悩まされることになるのです

例えばフリックスのアクティブバトル
これは、フリップアウトとマインヒットの二種類の勝利方法が存在します
が、フリップアウトするにしてもマインヒットするにしても『敵機と干渉しなければならない』と言う大きな共通点があるため
フリップアウトを狙おうと、マインを狙おうと『どんな状況であろうと必ず敵の存在を意識しなければ勝利できない』これによって対戦感が保たれます

つまり、直接的であろうとなかろうと、何かしらの行動が『相手に影響されるもの』であればあるほど対戦感が強くなるのです

そして、相手の影響度が大きくなればなるほど競技バランスの向上にもつながります

例えばミニ四駆
レーン分けされたコースを走る場合は、相手が誰であれ、そのコースで最適なセッティングをしたマシンが勝ちます

しかし、レッツ&ゴー!!のようにオープンな場所である程度自機を操作できる場合はどうでしょうか
例えそのコースのタイムアタックで劣っていたとしても
対戦する時は、一瞬でも相手よりも前に出る状況が存在するなら相手よりも劣る場所では『ブロック』と言う行動で欠点を補えますし、ブロックされてもスリップストリームでパワーを温存できる
このように、他者の影響を受け、自機をある程度操作できる競技ならば自然と競技バランスは保たれます

架空のものを出すのは若干卑怯ではありますが、これは現実にも通用するというのは、このブログでも何度か行っていることです(オープンミニ四駆、操作式クラッシュギア&ベイブレード等)

全てのステータスで劣っている場合は、ほぼ勝てない(運要素を少なくする)


最も賛否両論分かれる部分かと思いますが
レクリエーションスポーツを目指すか、チャンピオンスポーツを目指すかの方針で分かれる事なので、賛否どちらが正しいという事はありません

僕自身もレクリエーションとしての競技性は嫌いではないですし
それならば運ゲー大歓迎。強い人も弱い人も皆均等に遊べるというのは素晴らしい事です

が、今回はチャンピオンスポーツとしての競技性について語ります
チャンピオンスポーツにおいて運要素が強い
つまり、『弱くても勝てちゃう』と言うのは競技としての発展性、競技者としてのやる気を阻害します

『一見弱いと思っていたけど、実はこの部分で優っていたから勝てた』なら良いのですが
実力ではどうしようもない要素が大きい競技を真剣に取り組むのは難しいです

とは言え、フィジカル系の競技においては、全ての事柄に運要素が付きまとうし、全ての事柄に運要素が無いと言えます
実力が低い時は運だと思っていたものが、実力を付ければどうにかなるものだったりする、なんてことは多いです

ミニ四駆公式大会の一次予選など、当たる相手による運ゲーだと言われていますが
どの相手にも勝るスピードで完走する実力があれば運ゲーではありません

つまり、運ゲー回避するために出来る事は、運要素を敢えて付けたりしない事、余計な事をしないのが肝心です

とは言え、物理競技でも絶対的に運が絡む要素があります

それが、ターン性競技におけるターンの順番
これを回避する方法は

・どんな順番でも優位性に差が無いようにする(難しい)
・順番によってメリットが変わる(噛み合わない場合は結局運ゲー)
・いっそ全部同時に動く(ガチ爆やバトルダーツなど、シュートエリアと相手と干渉するエリアが完全に分かれていないと難しい)
・そういうもんだと割り切る(諦めんなよ!)

そしてもう一つの手段は、『実力でターン順番が決まるようにする』
例えば、フリックスのアクティブシュートは、バトルの最初だけ同時に撃って
その時に機体の進んだ距離によって順番が決まり、それ以降は順番通り一人ずつターンが進行します
これによって『順番による不公平さはあるものの、それを勝ち取る所から競技が始まる』とする事で、運ゲー要素を排除しました

総括


あくまで個人の意見なので、賛否両論あるかと思いますが
僕自身も自分で競技や遊び方を考える事が多いので、どういう信念で考えているのかとまとめてみました

一言でまとめると『いろんな強さが行き交う競技』こそが理想なのです

 





 

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