人造昆虫カブトボーグ 続編二次創作 第10話

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第10話「カガミの死闘」

司会「第1回戦第5試合のカガミ選手VSヨシト選手の戦いは、当初の予想に反して一方的な展開だぁ!」

カガミ「くっ!」
ヨシト「ぐへへ・・やれぇ!ブラッディサタン!!」
 ガッ!ガッ!!
 しょっぱなからシャイニングフォースを発動させたサタンオオカブトが、カガミのニューギラファを攻め立てていた。
 ただでさえ突破力の高いドリルにシャイニングフォースのスピードが加わり、反撃が出来ないのだ。
カガミ「耐えろ!ギラファ!」
 ギラファはスタビポール型のグローアップパーツを装備しているので、防御力が高く、なんとか耐えている。
 しかし、シャイニングフォースの前には防戦一方にならざるを得ない。
ヨシト「ぐへ、お前シャイニングフォース使えなかったっけ?」
カガミ「っ!」

 カガミの戦い方に少し疑問を感じたコータ。
コータ「カガミの奴、なんでシャイニングフォースを使わないんだろう?そうすれば互角に戦えるのに。」
ドルヴィー「使いたくないのさ、カガミは。」
 いつの間にか、コータ達のところにドルヴィーとマリノがやってきた。
リュート「どういうことだ?」
ドルヴィー「カガミが使っていたシャイニングフォースは、あくまで黄金カブトの力を借りてのもの。自分の力じゃない。」
マリノ「あなた達に負けてから、カガミはすごく反省したの。二度と同じ過ちは繰り返さないって。だから・・・。」
リュート「シャイニングフォースを封印したってことか。」

ヨシト「シャイニングフォースを使えない奴なんか敵じゃねぇ!つぶせぇ!ブラッディサタン!!」
 ガガガガガ!!
 ブラッディサタンのドリルが、ギラファのボディとシャーシの間に入り、そのまま削るように回転する。
ヨシト「ぐへへへへ!!砕けてしまえぇ!!」
 どんどん傷ついていくギラファ。しかし、カガミは全くどうじない。
ヨシト「ぐへ?ほう、さすが前科者。自分のボーグが傷ついても平気ってわけか。」
カガミ「お前には分からない。」
ヨシト「???」
 ガッ!
 ドリルの回転が頂点に達し、ギラファを弾く。
ヨシト「止めだぁ!」
カガミ「甘い!」
ヨシト「なにっ!?」
 シュンッ!
 ブラッディサタンの最後の一撃。
 恐らくは必殺の力を込めたであろうその突進を、ギラファは見事にかわした。
司会「これはすごいー!!カガミ選手のギラファが光速で動くブラッディサタンをかわした!」
ヨシト「う、うそだろぉ・・・!」
カガミ「いかにシャイニングフォースといえど、密着すれば動きは止まる。」
ヨシト「???」
カガミ「止まった状態から動くとなれば加速するまでにタイムラグがある。だが、ギラファはお前に弾かれた事でそのタイムラグは解消された。」

リュート「そうか!それで即座にかわせたのか!」

カガミ「ゆけぃ、ギラファ!大振りで隙が出来たブラッディサタンへ、挟み込め!」
 ガッ!!
 ギラファの大アゴがサタンオオカブトを掴む。
ヨシト「ぐえええ!!」
カガミ「これなら光速で動いても意味は無い!」
 ギャギャギャッ!!
 地面に引きずりながら、ギラファがサタンをステージ端まで運び、そのまま落とした。
司会「決まりましたー!勝ったのは、ギラファ!カガミ選手です!!」
 いや、それは早合点であった。
カガミ「な、に・・!」
 いない。
 地面に落としたはずのサタンがどこにもいない。
 消えたのか?いや・・・。
ヨシト「甘いのはそっちなんだよぉ!!」
 いつの間にか、サタンはギラファの真後ろにいた。
カガミ「ばかな・・!」
ヨシト「危なかったぜ・・・・!ドリルでステージの壁を突き刺して、助かったんだが、シャイニングフォースがなかったらさすがにやばかった。」
カガミ「くっ!」
 しかし、それほどの、リングアウトと言う事実を捻じ曲げるほどの強いシャイニングフォースを使ったとなると使い手の消耗も激しいはず。
 なのに、こいつはピンピンしている。まるで、全く力なんて使ってなかったみたいに。

ダイチ「妙ですね。あれだけ力を使ったのに。」
リュート「ああ。それほどタフって事なのか?・・・って、コータどうした?」
 見ると、コータの顔色が少し悪くなっている。
コータ「あ、いや・・なんか、頭がふらふらして・・・。」
マリノ「大丈夫?」
リュート「医務室に行くか?」
コータ「あぁいや、大丈夫。ちょっとだけだから。それに、カガミが一生懸命戦ってるのに、応援してる俺が倒れちゃ申し訳ない!」
 コータは気持ちを奮い立たせ、気合入れてカガミに声援をかける。
コータ「頑張れ!カガミー!!絶対に勝ち抜いて、もう一度俺と勝負しようぜぇ!!」

カガミ「もちろんだ。必ず私は勝つ!」
ヨシト「そういってられるのも、今のうちだぜ!」
 ジャアアアアア!!!
 シャイニングフォースではなく、普通の加速をするサタン。さすがにあの後じゃシャイニングフォースは使えなかったらしい。
カガミ「さすがにガソリン切れか。これで互角だな。」
ヨシト「互角なもんかぁ!お前には今まで俺から受けたダメージがある!」
カガミ「だが、お前はそのドリルとシャイニングフォースのせいでかなりスタミナを消費している。」
ヨシト「うっ!」
 サタンのスピードが徐々に落ちる。ドリルのスタミナ消耗は半端じゃないのだ。
カガミ「このチャンスを待っていた!」
 カガミはギラファに気合をいれ、加速させる。
 その加速は、シャイニングフォースにはおよばないものの、それでもすごい勢いだった。
ヨシト「なにぃ!?まさか、バトル終盤でそんなに力を温存していただと!?」
カガミ「これが、ギラファの本来の戦い方だ!」
 バキィ!!!
 ギラファの渾身の投げにより、サタンは倒れてしまった。
司会「決まったぁ!今度こそ決まりました!ギラファの勝利です!!」

ヨシト「ぐぐ・・・!」
カガミ「そんな偽者のシャイニングフォースで勝てるほど、カブトボーグは甘くない。」
 言って、カガミはステージから降りる。

コータ「やったな、カガミ!」
 降りるなり、コータに聲をかけられた。
カガミ「あぁ、お前のおかげだ。」
コータ「???」
カガミ「(お前との戦いが、その事を教えてくれたのだからな。)」
         つづく




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