弾突バトル!フリックス・アレイ 超X 第22話「ダントツの重さを喰わせろ!!」

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第22話「ダントツの重さを喰わせろ!!」

 

 とある咽喉内科の診察室で、一人の男性が問診を受けていた。
 男性は医者に言われるまま口を開けて、医者は口内へライトを当てて凝視している。
 暫くすると、ライトを外して男性も口を閉じた。
 医者はカルテに記録しながら口を開いた

「軽度の声帯ポリープが出来ていますね」
「声帯ポリープ、ですか」
 男性は掠れた声で医者に言われた単語を繰り返した。
「喉をよく使う職業の方にはありふれた症状です。國府田さん、ご職業は?」
「はい、イベントのMCを」
 國府田と呼ばれた男性が答えると医者は納得したように頷いた。
「なるほど……ここ最近、仕事に変化はありましたか?」
「少し、忙しくはなりましたね」
「ふむふむ……」
 話を聞きながら、医者はカルテに執筆を続ける。
「あの、やはり仕事には支障ありますかね?」
「そうですね。喉を酷使する仕事でしたらそれなりの休職期間が必要でしょう」
「そんなっ、これから大型大会が……ゴホッ、ゴホッ!!」
 思わず大声をあげそうになり、咽せてしまった。
「無理に声を張らないでください。治りが遅くなりますよ」
「……」
 医者に嗜められて國府田は気まずそうに口を閉じた。
「まずは1ヶ月分の薬を出しますので、一旦経過観察。日常でもなるべく大声は出さないようにしてください。症状が緩和しないようなら手術も視野に入れ……」

 ……。
 …。
 診察を終えて薬を貰い、國府田はクリニックを出て帰路に着く。
「……」
 その足取りは重かった。
 そんな國府田の目の前に深く帽子を被った少女が現れて声をかけてきた。
「あの〜すみません、國府田闘士さん……いえ、バトルフリッカーコウさんですよね?」
「っ、君は……!」
 派手な衣装の仕事着ではなく普段着の自分の正体に気づいたこの少女は、帽子の鍔を上げて素顔を見せた。
「あたし、保科メイって言います。琴井コンツェルンの芸能プロダクション所属のアイドルです」
「保科メイ……あぁ、確か赤壁杯ユース大会の……」
「覚えていてくれて嬉しいですぅ。今日はバトルフリッカーコウさんへ営業に参りました」
「営業……?」
「はい!きっとお互いにとって良いお話だと思いますよ」
 怪訝な表情の國府田に対して、メイは営業スマイルを向けた。

 ……。
 …。
 遠山フリッカーズスクールイツキ専用研究室。
 ここではイツキとガイが二人、大きなモニターで先日行われた赤壁杯ユース大会の映像を観ていた。

「単なるエキシビジョン的な大会だと思っていましたが、とんでもない爆弾が仕込まれていましたね……」
 イツキは顎に手を当てながらしみじみと呟いた。
「フン」
 ガイはつまらなそうに鼻を鳴らす。
「イクヲリティー……こんなものが世に出回ったら」
「大した事はない。所詮は機械の浅知恵だ」
「確かに、ガイにとって気になるのはむしろこちらですよね」
 イツキが意味深に画面を指差す。そこには達斗と翔也が映し出されていた。

『いけぇ!スプリントヴァーテックス!!』
『そこだ!スピニングエイペックス!!』

 達斗と翔也が新型機で活躍しているシーンだ。

「プロジェクト・スーパーXか……まったく、さすがは殿堂入りチャンピオンとしか言いようがないですね。このような新型機を開発していたとは」
「……」
 ガイの表情が目に見えて険しくなる。
「安心してください。そのためにあなたを呼び出したのですから」
 ガイは何も言わずイツキの顔へ視線を移す。イツキは腕時計を一瞥してから言った。
「そろそろですね。来てください」
 ガイを連れて部屋の奥にあるボックス状の機械の前までやってきた。
 機械のランプが付き、白煙を上げながら開くと中に一体の黒いフリックスが見えてきた。

「完成!名付けてマッシブゼニス!!」
 イツキは得意気に機体名を叫ぶと、機械からそのマッシブゼニスを手に取ってガイへ渡した。
「マッシブゼニス……!」
 その名の通り、ゼニスをより頑強に進化させたような形状をしていた。
「ゼニスの性能をベースにしつつ、あなたの戦闘データからより最適な形へブラッシュアップしました。あのスーパーX機体にパワー負けする事は無いでしょう」
「ほぅ……」
 ガイは手に取ったその機体を興味深く眺める。
「まぁ、ものは試し。早速テストシュートと行きましょう」

 練習場。
 ガイはフィールドにつき、その反対側には機体の射出が出来そうな大きな機械が対峙していた。

「想定値ではありますが、スーパーX機体を擬似再現したものを射出するメカです。これでマッシブゼニスの性能を確認してください」
「分かった。始めてくれ」
 ガイがシュートの構えを取ると、イツキは頷いて機械を起動する。

『3.2.1.アクティブシュート!』

 電子音と共に機械からフリックスが射出される。真っ直ぐ飛んでくるそれはスプリントヴァーテックスを彷彿とさせた。

「ハァァァァ!!!」

 バキィィィ!!!
 ガイの力強いシュートによる迎撃は見事擬似スプリントヴァーテックスにヒットし、フィールド外へ弾き飛ばしてしまった。

「オーバーアクティブアウトの一撃KO……さすがですね」
「……」
 イツキが口元を緩めるが、ガイの表情は読めない。

「では、次行きますよ」
 イツキが次の機体をセットする。

『3.2.1.アクティブシュート!』

 バシュッ!!
 今度はスピンしながら飛んで来る。スピニングエイペックスの擬似バージョンのようだ。

「ふん!」
 バキィィィ!
 スピンしていようが関係ない。マッシブゼニスは圧倒的な体躯でそれを捉えて弾き飛ばしてしまった。

「お見事、想定通りの結果ですね」
 イツキは満足気にゆっくりと拍手をした。
「……」
 しかし、ガイの表情は不満気だった。
「何か、気になる事でもございますか?」
 ガイの脳裏に浮かぶのは、あの試合での光景だった。

 “「「スーパーノヴァトルネード!!!!」」”

 スプリントヴァーテックスとスピニングエイペックスのシュートパワーを融合させた合体技。
 あの強大な竜巻の前にはこのマッシブゼニスでも敵わないだろう。

(まだ軽いな……)
「ガイ?」
 ガイは無言でマッシブゼニスを仕舞い、去ろうとする。
「マッシブゼニス……良い機体だ。だが、ここからは俺の仕事だ」
 それだけ言って、ガイは研究所を出て行った。
 そんなガイの背中を見送りながら、イツキはフッと笑った。

 千葉県富津市鬼泪山……ガイが向かったのは険しい自然に囲まれた山奥だった。

「3.2.1.アクティブシュート!!」

 ガイは目の前に出現した魔法陣に向かって機体をシュートする。
 魔法陣を潜った機体は10倍スケールにサイズアップして目の前の木々を薙ぎ倒していった。

 鬼泪山のこの区域は、特別にアクチュアルバトルの使用が許可されており、市に申請すれば外来種や害獣の駆除や狩猟も可能となる特別なエリアだった。
 隣接しているマザー牧場は元々日本電波塔が建設される予定だったこともあり、そう言った特殊な装置を建設する場所としては最適な山なのである。

「はぁぁぁぁ!!!!」

 ガイは気合を込めてシュートを続け、木々を薙ぎ倒していく。凄まじいパワーだ。
 ちなみに、伐採が許されている木の種類や本数はきちんと制限があり、倒した木々は近くの営林署へ寄付するのが決まりだ。
 ガイはちゃんとそこら辺を守った上でこの特訓をしている。

 バゴォォ!!ドゴォォォ!!!
 ガイの周りで何本もの大木が倒されていき土埃が巻き上がる。

「はぁ、はぁ……!」
 大木を倒すほどの強力なシュートを何度も繰り返していくと、さすがに息が上がる。それでもガイの表情には不満が消えなかった。
「確かに、前のゼニスとは比べ物にならないパワーだ。しかし……!」

 “「「スーパーノヴァトルネード!!!!」」”
 再びリフレインするあの場面。いくらシュートしても消えてくれない。

「まだ、軽いっっっ!!!!」

 バシュウウウウウ!!!!
 再び叫び、シュートする。
 そんなマッシブゼニスへ、横から一気のフリックスが飛んできて弾き飛ばした。

「なにっ!?」
 謎のフリックスが飛んできた方向を見ると、そこにはまるで野生動物を思わせるような風貌の男が立っていた。

「バカにいい匂いがすると思ったら、美味そうなフリッカーがいるな」
 男は、機体を回収してニヤリと笑った。
「貴様、一体……!」
「なんでもいい!俺は腹が減ってるんだ……お前のダントツを喰わせろ!!」
「っ!」

 男が機体を構える。ガイも一旦マッシブゼニスを回収し直して再度スケールアップの構えを取った。

「「3.2.1.アクティブシュート!!」」

「やれっ!マッシブゼニス!!」
「喰らい付け!キメラビーストォォ!!!」

 バシュウウウウウ!!!バーーーーン!!!

 マッシブゼニスとキメラビーストのパワーはほぼ互角か!?二機の衝突で衝撃波が巻き起こる。

「くっ、何だこのパワーは……!!」
「思った通り、コクがあって良い味だ!」
 男はアクティブフェイズになって機体のパーツを外して別のパーツを取り付けた。
 どうやら、フリップスペル『ピットイン』を所持しているようだ。

「パンサーリア!」
 フロントが赤いパーツ、サイドとリアを黄色いパーツで構成されたモードになった。
 その効果なのか、凄まじい直進性で突っ込んでくる。

「くっ!」
 ドゴォォォ!!
 かなりの威力だが、マッシブゼニスなら十分耐え切れる。
「やるな」
「この程度で、堕とせると思うなぁぁぁ!!!」
 バキィィィィ!!
 マッシブゼニスの反撃でかなり重い一撃を与えた。
「なるほど」
「貴様もガチンコ型なら受けて立つぞ。さぁこい!」
「いや、味付けを変えるか。スタッグフロント!」
 そう言いながら、男は赤いフロントパーツを緑色のパーツに切り替えた。まるでクワガタのような二本角が特徴的だ。

「またパーツを入れ替えた……!?」
「喰らえ!!」
 バシュッ、ガキンッ!!
 キメラビーストがマッシブゼニスにぶつかった瞬間、二本角がマッシブゼニスを挟み込んで拘束してしまった。
「っ!拘束だと……!抜け出せゼニス!!」
 バシュッ!!
 抜け出しつつ距離を取るためにシュートをするが、相手の拘束力はかなり強く、ただ抜け出すだけになってしまった。
 密着はしてないものの、キメラビーストとゼニスはかなり接近している。
「次はこいつだな。シーラカンスリア!」
 男はリアパーツを黄色のものから青いものに変える。まるで魚のヒレのようなパーツだ。

「また変化しただと……!?」
 ガイが状況を把握する間もなく、男はそのヒレのようなパーツを手に持った。
「インスタントフィールド」
 キメラビーストを中心に簡易的なフィールドエリアが展開する。キメラビーストに攻撃されたのちにこのエリアを出たらフリップアウト扱いになってしまう。
「はああああ!!!!」
 男はヒレを手に持ったまま手首を捻るようにシュートして機体を回転させた。
 それによって、近接していたマッシブゼニスは巻き込まれるように投げ飛ばされてしまった。
「くっ!」
 どこへ飛ぶか分からない近接回転攻撃を前にバリケードは無力!マッシブゼニスはなすすべなくオーバーフリップアウトで大イメージを受けてしまう。

「こいつを試してみるか」
 フリップアウトして時間が出来たので、男はリアパーツを灰色のパーツに変更した。
「エレファントリア!」
 そして、ガイが場外から復帰する。
 その間にキメラビーストは緑、黄色、灰色の異彩を放つ形態になっていた。見るからにバランスが悪そうだが、男はそのままシュートしようとする。
「インスタントフィールド……!」
「カウンターブロー!」
 男がシュートをする直前にガイはカウンターブローでウェイトタイムを前借りして即アクティブフェイズになり、ほぼ同時シュートする形となった。

「「やれえええ!!!」」

 バシュウウウウウ!!!
 ガイと男が同時にシュートする。
 バキィィ!!!
 バランスの悪いキメラビースト側が転倒してしまった。

「フリップスペル発動!ストライクバック!!

 ストライクバック……シュート後に宣言して発動。そのシュート中にシュートしてきた敵機と自機が接触して、自機が場外や転倒せず、敵機が場外や転倒、もしくは自機よりも先に停止したらダメージを与えられる。

「っ!」
「リアに重心が寄りすぎていたようだな」
 これによって、キメラビーストはスペルの効果でマインヒットと同等のダメージを受ける上に転倒によるスタンもしてしまった。
 カウンターブローのせいで次にアクティブフェイズになるまで時間がかかるが、相手もスタンしているため先にガイのアクティブフェイズになった。

「インスタントフィールド展開!喰らえ!!!」
 無防備なキメラビーストへマッシブゼニスの重い一撃を叩き込み、フリップアウトさせる。
 これで勝負は五分と五分だ。

「面白い……エイプサイド!」
 男は更に灰色のサイドパーツを取り付けてキメラビーストを復帰させた。
「また灰色のパーツを……!」

 そして、ほぼ同じタイミングで二人がアクティブフェイズになる。

「あの灰色のパーツはバランスが悪い……これで決めるぞ!」
「ライノフロント!」
 男はフロントパーツも灰色のものに変更した。
「キメラビースト、ライプントコンボ!!」
 キメラビーストは、まるで屈強な重量級動物のような輝きを放ち始めた。
「なんだ、この重量感は……!」
 全身が金属の鎧で覆われているかのような圧倒的な威圧感……!

 そして、再びインスタントフィールドを展開してガチンコの構えだ。

「「いけええええ!!!!」」

 二人がほぼ同時にシュートする。
 バゴォォーーーン!!!!
 激突の瞬間、衝撃波と砂煙が発生し、二つの機体がぶっ飛ぶ。
 しかし、キメラビーストはフィールドの端で止まり、マッシブゼニスはフィールド外へと飛ばされてしまった。
 これでアクティブアウトとなり、マッシブゼニスは撃沈だ。

「ば、バカな……!」
 思いがけぬ結果に、ガイは呆然とした。
「なんなんだ、こいつのバトルは……コンセプトも拘りも信念も、何も感じなかった……ただ、やりたいようにやっているだけ……だと言うのに、この強さは一体……!?」
 地面に手をつき悔しがるガイへ、男は言い放った。
「なかなか美味かったぞ。だが、一味足りないな」
「なにっ!」
 侮辱されたと思い、ガイは顔を上げる。
「お前のバトルは雑味が強い。何を拘っている?」
「貴様こそ、搦手とも追手ともつかぬ一貫性のない戦い方を……!バトルスタイルに軸はないのか!?」
「軸?美味いバトルを好きに喰う。それで良い」
「……ダントツは重い!初見殺しのような軸なき戦い方では、先は無いぞ……!」
「重かろうが軽かろうが先が無かろうが、美味けりゃいいんだよ」
「っ!」
「お前こそ、そんなバトルは美味いのか?」
「なに……!」
「作法に拘ったところで、メシの旨さもバトルの旨さも変わらん!好きな時に好きに喰らう!我慢したところで、腹は満たされん!!」
「好きに、喰らう……!」

 男の言葉に、ガイは不思議と腑に落ちるような感覚を覚えた。
 そうだ、自分の目指している伊江羅ザキの本質も、強さのために犠牲をものともしないようなストイックさではない。
 己が求めるものを貪欲までに追い求める傲慢さだ。
 ザキにとって求めていたのが『強さのみ』だったと言うだけに過ぎない。
 ならば、ザキを目指すのならば、見るべきはザキが求めていた強さでは無い
 その先を見据えなければ……!

「受け取れ」
 男はガイは三つの宝石型のアイテムを渡す。リザレクトジュエルとヒーリングジュエルとリフレッシュジュエルだ。これでアクチュアルで減ったHPとスペルを回復させろというのだろう。
「何のつもりだ?」
「一味足りないと言っただろう。俺はまだ満腹になってない」
「勝手な奴だ」
 言いつつ、ガイはそれを受け取ってマッシブゼニスを回復させる。

「さぁ、おかわりだ!」
「少し待て」

 ガイは土を掬って握力で圧縮する。圧縮された土はちょうど良い大きさのウェイトになった。
 それをマッシブゼニスの中に詰め込む。
 そして、今度は丁度良さげな石を見つけて、それを腕にくくり付けた。

「フリップスペル『ミステリーウェイト』だ」
「今度の味変は、美味そうだな」
「ほざけ」

 ミステリーウェイト……シュートする前腕に錘を着けていれば、その重さに応じて機体重量を増やしてもレギュ違反にならない。ただし、バリケードは所持出来ない。

 機体重量を増やす事が出来ると言うのは確かに強いが、その分前腕に錘を付けないといけないので相当な筋力がないと扱い切れないスペルだ。
 しかし、ガイなら問題無いだろう。

 二人は再びバトルの構えを取る。

「「3.2.1.アクティブシュート!!」」

 バゴォォーーーン!!!!

 ………。
 ……。

 バトルは再び激しいものとなった。
 鎧のような硬さを持つキメラビーストライプントコンボと圧倒的重量のマッシブゼニス。
 さすがのガイも腕に錘を付けた状態の上に通常よりも重い機体をシュートするのはかなり負荷が大きく、いつもよりもシュート力は出ないが、それでも重量のトルクでそこをカバー!
 お互いに一進一退の攻防戦だ。

 そして、激しい競合いの末にお互いHPギリギリの状態でほぼ同時にアクティブフェイズになった。

「ヘビースタンピード!!」
「ニュートロンプレッシャー!!」

 お互いの渾身の必殺シュートが炸裂し、激突!!!
 ドゴオオオオオオ!!!
 今日何度目かの衝撃波が巻き起こる。

 お互いに場内に鎮座していた。
 しかし、キメラビーストは転倒。スタンで一定時間行動不能だ。
 その隙にガイは再びアクティブフェイズになって、キメラビーストへ軽く攻撃してビートヒットを決めて撃沈させた。

 ガイの勝利だ。

「はぁ、はぁ……!これが、俺のダントツの重さだ……!」
 もはやガイの言う『重さ』が比喩や精神的なものでもなんでもなく『物理的な重量』と言う酷く単純明快なものになっているが、ガイは満足気だ。
 案外答えとはそう言うものなのかもしれない。

「あぁ、美味かったぞ、ダントツの重さとやら……!」
 男も、息切れしながらも満足気にニタリと笑い、機体を回収して踵を返して歩いて行った。

「あの男……そういえば、以前見た過去の大会動画で……」
 去って行く背中を眺めながら、ガイはふと男の正体を思い出し、その名を呟いた。

「ダンガ……且つてGFCエキシビジョンで唯一段田バンに勝った男……!」

 

 

     つづく

 

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