主人公チーム「仲良しブレーダーズ」
1 コウ・ゲキオ
アタック大好きブレーダー
天性の反射神経で相手のシュートを見極めて適切な軌道でベイをぶつけるのが得意
オーバーやエクストリームで一気にポイントを稼ぐタイプ
努力が苦手でベイブレードのメンテなどはサボりがちなので攻撃を決めきれないと負ける
しかし楽観主義者なので
「まっ、スピンの1pくらい後で取り戻せるっしょ」
と動じない
2 スタ・ミナタ
スピンフィニッシュ信者のブレーダー
パワーもテクニックも凡庸だが、超がつくほどの勤勉な努力家タイプ
ベイブレードのメンテナンスが得意で、常に大量のパーツを持ち歩いてバトルのたびにベストな重心になるように調整する
確実に勝つために相手に合わせて使うベイブレードを切り替える
「アタックなんて運ゲーだろ。スピンで勝ってこそ本当の実力だ」
自分にも他人にも厳しく、努力に裏付けされたベイブレード理論に絶対の自信を持っているが、尊大な態度で周りに嫌われがち
ゲキオとの出会いで少しずつ変わっていく
3 フィジ・カルキ
フィジカル重視のマッチョブレーダー
元アームレスリング選手で、最近ブレーダーに転向してきた
まだ初心者だが、圧倒的なフィジカルを活かしてシュートパワーはトップクラス
バランス型を使う事でオーバーもスピンも両方狙える
温厚な性格でチームの潤滑剤的な役割をするが、自己主張が苦手でミナタをイラつかせる事がたまにある
・あらすじ
ベイブレードがプロスポーツ化した世界
全てのブレーダーはプロを目指して日夜努力している
スタ・ミナタもその中の1人で昔馴染みの友人でチームを組んでプロ選抜のアマチュア大会に挑んでいた
しかし、結果はミナタ以外惨敗
この情けない結果にミナタはメンバーを叱責する
「なんだよあのカスタムは!ちゃんと相手ベイとの相性考えたのか!?」
「ビットの取り付けが甘い!だから終盤でブレてスタミナが持たないんだよ!!」
しかし、ミナタの厳しい叱責に
「もうお前にはついていけないよ」
「勝手にプロ目指してろ」
とチームは離散
途方に暮れ、もうベイを辞めてしまおうかと悩みながらフラッと訪れた公園では地元のブレーダーたちがベイバトルで遊んでいた
「お気楽なもんだよな。俺にとってベイブレードは遊びじゃないのに」
そんな風に愚痴りながらも、ミナタは遠目でそれを眺める
勝っても負けても楽しげにしているブレーダーたち
そんな姿にかつての自分を思い重ねてフッと頬が緩む
「そんなとこで見てないで、一緒にやろうよ!」
ふと声を掛けられた。
気がつくと、ミナタは無意識のうちにスタジアムの近くまで歩み寄っていたようだ。
「あ、いや、俺は」
「君もブレーダーなんだよね?見てるよりやった方が楽しいって!」
「だ、だから……」
「あっ!その手首に付けてる整理券!もしかして今日やってたプロ選抜大会に出てた人!?すっごいなぁ!僕も出たいなって思ってるんだけどなかなかチームが作れなくてさぁ」
「人の話を」
「僕だって結構強いんだぜ!さ、やろう!!」
「はぁ……」
あまりのしつこさにミナタは折れた。
「僕の名前はコウ・ゲキオ!ベイはアタックタイプのこいつさ!」
「スタ・ミナタだ(先に自分のベイ見せる奴があるかよ、ド素人が)」
内心バカにしつつ、ミナタはアタックに相性の良いディフェンスタイプのベイを取り出す。
「3.2.1.ゴーシュート!」
バトルは、第1、第2とミナタがスピンフィニッシュを決めた。
(こんなもんか。ベイの組み方が全然なってない)
「すっごいなぁ!こんなに綺麗に回るベイブレード初めて見た!!」
「負けてる癖に随分余裕だな」
「え、でもまだ2pあるし!これからこれから!」
「ちっ」
第三バトル。ミナトはゲキオの態度にイラッとしたせいでシュートがブレる。
「今だ!」
ゲキオの攻撃を受けてミナトのベイがパッカーンと分解する。
「やったぁ!」
「バースト……くそ、ついてないな」
「へへへ、実力実力ぅ!」
「アタックなんて運ゲーだろ。そんなんでポイントとって嬉しいかよ」
「おっ、負け惜しみか?」
「ちっ」
第四バトルはミナタがスピンを取る。
「ふん」
「あっちゃ〜、狙いが外れたぁ。惜しかったんだけどなぁ」
「何が狙いだ。運任せで突っ込んでるだけのくせに」
「そんな事ないって〜!でも、君の動きは大体分かった!次で決めるよ!」
「こっちのセリフだ」
第五バトル。ゲキオはミナタのシュートフォームを見て一瞬で手の角度を変えた。
「っ!」
その刹那の動きにミナタも気づくが、既にベイは放たれている。
直感で悟った……この軌道では……!
ゲキオのベイがミナタのベイへ抉るように当たる。
バチーーーーン!とお互いに弾かれるが、ゲキオのベイは壁に当たり、ミナタのベイはオーバーゾーンに入った。
「やったー!逆転だーーー!!!」
「……」
(今の軌道、狙ったのか……?そんな、ありえない……アタックなんて、実力がない奴の誤魔化しなのに……バーストさえ取られなきゃ、ディフェンスタイプで勝てるはずなのに……!)
“でも、君の動きは大体分かった!”
(まさか、本当に狙ったのか……だとしたらこいつは……!)
ミナタは一つの考えに行きつき、無邪気に喜んでいるゲキオの顔を見る。
「あー、楽しかった!さ、もっかいやろ!」
ミナタの心情を知らず再戦を申し込むゲキオへ、ミナタはゆっくりと口を開いた。
「なぁ、俺と、チームを組まないか?」
こう言う感じの奴