遅ればせながら、あの世界的に有名なゲーム『スーパーマリオブラザーズ』の劇場版を観てきました！！
マリオの映画と言えば、ハリウッドで公開された『魔界帝国の女神』が記憶に新しいと思いますが
今回はその続編という訳ではなく
世界観的には繋がりのない全くのパラレルです
なので、前作をまだ観てないと言う方も楽しめる親切設計です！
公開からすでに何日も経ってるので
何もせずともTLで普通に評判が流れてきてるわけですが
殆どの感想が
「映画としての深いテーマやストーリーは皆無に等しい。しかし、マリオ作品としては完璧！」
「ストーリー云々はともかくとして、マリオを散々遊んできた俺たちが世界観に入り込める作品」
「マリオを知ってる事前提な作品ではあるが、そもそも知らない奴は世界にほぼいないと言う世界中が身内の身内受け作品」
ばかりであり
確かにその通りで
アクションシーンにおける様々なステージギミックやアイテム、敵キャラの特徴はほぼ完璧な原作再現
最低限の説明はあるものの、『初見の映画のはずなのに全く初見に感じさせない』のは本当に強い
そしてマリオシリーズだけでなく、パルテナやスターフォックスなど、他の任天堂作品の小ネタも随所に散りばめられてるところに
製作陣の愛を感じざるを得ません
ただ、僕は一つ言いたい
ストーリーだってめちゃめちゃ熱い王道少年漫画だろうが！！！！
弟想いで熱い夢を持ってるけど、まだ上手くいかなくて周囲からバカにされて父にも認められていない青年マリオと気弱だけどそんなマリオをトコトン信じて慕う弟ルイージが、不思議な世界に迷い込んで冒険を通じて成長し
悪の大魔王を倒して世界を救い、ついには父に認められて夢を叶えるストーリー……
『マリオブラザーズ』と言うタイトルにしながら、敢えて兄弟を別離させる事でより深い絆を描き
偉大な父を持つドンキーコングとお互いに、父の存在を意識してる事を吐露しあったり
ここまでしっかりやってて中身の無いストーリーって評するのは無理があるだろ！！！
ただ、不満点があるとすれば
このストーリーの面白さはマリオファン的なものとはまた別物なんですよね
僕が1番グッと来た、街の人に認められて父に抱擁されるシーンなんか
マリオ要素一切皆無ですしね
更に言うなら
『キャラクター描写に関してはマリオファンであればあるほど違和感が大きくてノイズになる』って感じです
その1番の原因はピーチ姫
別にポリコレがどうこう言う気はありませんが
ピーチ姫の性格や能力を「いかにも洋画に出てきそうなクールで気の強いバトルヒロイン」として描いたのは正直言って不快でした
こんな事言うと
「いや、原作でもピーチが活躍するゲームはある」だの
「そもそもクッパがピーチを攫ったのはピーチの魔法が強力だから」だの
「マリオRPGのピーチはチート性能」だのって意見も出てくるのですが
少なくともピーチが強いのは魔法力であって、クッパを蹴り飛ばすほどのフィジカルでは無いし
マリオRPGでの物理攻撃性能は武器に依存してるので、裸のステータスは低い
そもそもマリオRPGでは、強い敵を前にしてマリオの後ろに隠れたり、アクセサリー落として泣いたり、自分の可愛さを自覚してたりと言った王道ヒロイン要素強めの性格をしています
そしてルイージも、気弱ではあるもののジャンプ力はマリオより高くてフィジカル面では負けてないはずなのに
映画ではそう言った面が一切描かれてませんでした
あと何より
「マリオは勇敢なヒーローとして世界中から頼りにされている」って言う設定のゲームをいくつもプレイしてるので
映画での、ピーチ姫にリードされるような描かれ方をするマリオはどうしても受け入れ難いものがあります
とは言え
これらは全部マリオシリーズであると言う事を忘れて
「ブルックリンに住む青年兄弟の冒険と成長のお話」と言う目線で見ればそこまで気になりません
「あぁ、そう言う設定の別キャラなのね」で済む話なので
しかしそうなると、世間でよく言われる
「ストーリー性は皆無だけど、全てが完璧に原作再現された忠実な設定が楽しい映画」と言う批評は、キャラ描写やストーリー面に関してだけはちょっと共感出来かねます
この映画が本当に『ストーリー性皆無な代わりに原作に忠実なお話』ならば
「クッパに攫われたピーチを助けるために、マリオとルイージが協力しキノピオ達からの援護を受けながらクッパ軍団に立ち向かっていく」
って感じの筋書きになるはずです
なので僕はこの映画は
「ストーリーに関しては、マリオとは別物として観れば熱い王道少年漫画風
それをマリオゲームのギミックをふんだんに使って表現している映画」
と評したいです