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【自作のおはじきホビーが難解過ぎる】

この、尋常じゃない勢いで物質をぶつけ合う野蛮なホビーはフリックスアレイと言います
昔懐かしの消しゴム落としを元にした同人オリジナルホビーです

このような共通のケースを素体にして、レギュレーションに合わせて機体を開発します

レギュレーションさえ守れば何をしても良いと言う自由度の高さがウリのこのホビーですが

致命的な欠点があります

それはプレイヤーに機体の開発を委ねている所です

普通の玩具は、メーカーが製品を用意し、それを使って遊ぶのですが
このフリックスアレイとか言うホビーはあろう事か、ユーザーが機体を作ることを公式から強いられています

もちろん、素体や量産機など公式が販売しているものもありますが
ガチで競技を勝ち抜く上では力不足です
勝つためには、己の発想力や技術力を駆使してバチクソに強い機体を作るしかないのです

では、作れない人はどうなるのか?
狩られるのみです

もはや、公式の怠慢とも言える状態ですが
何故こうなったのか?
それは、企画者であるユージンの絶望的な資金力の無さが原因です

潤沢な資金があれば、金型や3Dプリンターなどを駆使して製品を大量に作り
それをユーザーに使わせると言う本来のホビーとして正しいスタイルを取れるのですが

そんな金などどこにもないのです

では、何故この企画を立ち上げたのか?
それは「おはじきなら特別な機能もいらんし、素人でも作れるやろ。量産が必要になったらそんとき考えよ」
と言う信じられないものでした

しかし、それが幸いしてなのか
フリックスアレイは参戦してくれた様々な方々の手により、数多くの機体が誕生
名勝負を繰り広げて、10年以上の歴史を紡いできました

それが、企画者の資金力の無さと怠慢気質によって生まれた奇跡のおはじき、フリックスアレイなのです

【小学生の作ったおはじきが凶悪過ぎる】

このシンプル過ぎる四角いの物体の名前は『超武装装甲グリフォン』
当時小学一年生だった男児の作ったフリックスです

どう見ても我々の知っているグリフォンとはかけ離れていますが
開発者の目にはこれがグリフォンに見えているらしい
もしかしたら、グリフォンが超武装装甲する事によって四角いプレートに形を変えている可能性もありますが真相は謎のまま
そもそも超武装装甲とは一体……?

しかし、そんな疑問を抱く前に我々は、彼が小学生男児としてのセンスをフルに活かして『フルチン丸』とか名づけなかったことに感謝するべきなのかもしれません
うんこちんちんよりもグリフォンの方が好きな小学生も存在するのです

さて、この機体
某工作キットを規定ギリギリのサイズに切り出してベースに接続しただけと言う大胆な製法で作られたのですが
それによって、とんでもない頑強さを発揮します
そもそもこのプレートはバチくそ厚くて硬いので、普通の素材では太刀打ちできません

シンプルイズベストと言う言葉を暴力に変えて
並いる機体を葬ってきました

それを体力無尽蔵の小学生男児が扱う様は、まさにバーサーカー
誰にも止める事はできないのです

それが、謎のネーミングセンスとシンプルな硬さを併せ持つ機体、超武装装甲グリフォンです

 

【高性能ギミックを棍棒扱いされる不憫なおはじき】

この見るからに気品に満ちて強そうなフリックスは、スロウスエッジ
見た目通り、本当に強いです

並の機体なら耐えきれないほどの高火力
そして美しい幾何学的なボディ形状は受け流し防御に優れます

一番の武器は、ワザとらしく主張しているこの大きなバネ
これはただの自己顕示欲のメタファーではありません
なんとこのバネ、縮めた状態でロックし、そのまま敵にぶつかると力が解放されてとんでもないバカ火力を発揮するのです

バカ火力と言いましたが、このギミック自体は非常に知的且つ高度な技術力により開発されており
使用者の知性が窺い知れると言うものです

そんな、攻撃面防御面ともに優れているこの機体にも欠点は存在します

それは、ギミックの発動率がすこぶる悪い

そう、とにかくこのギミック、肝心な時に一切役に立ちません
例えるならば、晴れた日に雷が直撃するほどの確率と言いましょうか
そもそもこの小さなパーツに相手にぶつけないと発動出来ない時点で設計ミスを疑うべきでしょう

しかしご安心を
そんな事は想定済みと言わんばかりに、欠点を補う方法が存在しています

それは、ギミックなんか気にせずに馬鹿力でぶん殴る!と言うものです
摩擦抵抗の強い底面で踏ん張り、それを原始的な類人猿の如きパワーでぶん回す
これだけで並大抵の相手はバチクソにぶっ飛んでいきます

まったく、使用者の知性が窺い知れるというものです

そんな気品溢れる下品な機体が、スロウスエッジです

 

【威嚇射撃に能力全振りしたおはじきが怖すぎる】

この、夢の国に連れていかれそうな不気味に陽気な腕を生やした謎の物質は、バンバンジーです
これでもおはじき玩具フリックスアレイの一つです

この機体最大の特徴は『射撃』です
何を言ってるんだか分からないと思いますが
バンバンジーは世にも珍しい射撃が出来るおはじきなのです

もはやおはじきという言葉が別の意味に聞こえてきます

フロントのトリガーに負荷を受けると、真ん中にある発射口からスポンジ製の弾が飛び出します
これによって相手を攻撃します

銃は剣より強し、と言う諺がある通り
安全圏から遠距離攻撃をする姿は、且つて火縄銃で合戦を制した織田信長の如く
戦況を有利に運ぶことが可能なはず

しかし、一つ問題がありました
それは、肝心の威力が頗る低いのです

こんなウィンナーがいくら高速で飛んでこようと、フリックスにとっては月にスッポンを投げつけるようなもの
全く意味を成しません

しかも、フリックスにおいては発射した弾が場外しても自滅扱いとなるため
これでは単に遠隔紐無しバンジーをしているも同然です

まさにバンバンジー

そんな、スタイリッシュ身投げ野郎ですが、実は一部から非常に恐れられています
それは何故か?
この機体、トリガーが暴発するのです

つまり、いつ弾が発射するのか使用者にすら予想が出来ず
そして、発射時にバチクソやかましい音を立てるので、めっちゃビビります
ほぼ爆竹です
心臓の弱い方はご注意を

それが、威嚇射撃に特化した恐怖のおはじき、バンバンジーです

 

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