弾突バトル!フリックス・アレイ キメラ 第9話「GFC開幕」

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第9話「GFC開幕」

 

 GFC開催が発表されてから数週間後。
 ダンガは地区予選を難なく突破し、決勝大会へ進出。
 そして今日が決勝大会当日。
 ダンガ達は会場である千葉県の幕張へやってきた。

アキラ「ついに決勝大会だね!」
播磨「初出場でここまで来るとは、さすがだよ」
ダンガ「予選も美味かったが、決勝はもっと美味そうな匂いがプンプンするな……!」
アキラ「ダンガくん、大会始まるまで我慢しなきゃダメだよ」
ダンガ「当たり前だ。せっかくのご馳走を前につまみ食いするような無粋な真似はしない」

 無秩序に見えて、ダンガはこう言うところは意外と理性的だ。

コウキ「よぉ、やっぱりお前も来てたか」
 ダンガへコウキ達ダストが話しかけて来た。
アキラ「き、君達は……!」
コウキ「空に輝く一番星!『ダスト』だ!!」
アキラ(なんでわざわざスターを略すんだろう)

 ダストはただのゴミクズという意味である。

コウキ「あの時の決着、つけてやるからな!」
ダンガ「面白い、しっかり味わわせてもらうぞ」

タイラ「ところで、氷刃カイヤの野郎は見なかったか?」
アキラ「う、ううん……そう言えば、見てないなぁ」
ケイ「あいつも予選は突破してるはずなんだけどねぇ」
コウキ「まぁいい、てめぇもカイヤも、このコウキ様がぶっ潰してやるからな!覚悟しとけ!」

 宣戦布告をするとダスト達は去っていった。
 そして、いよいよ大会が始まる。

真島「グレートフリックスカップ決勝大会へようこそいらっしゃいました!各地の予選を勝ち抜いたフリッカー達がトーナメント形式で優勝を争う全国大会!
張り切っていきましょう!!」

 大人気男子アナウンサー、真島アナが実況解説を務める。

真島「大会のバトル形式はこの広大なフィールドを使用したアクチュアルバトル!」

 会場に石畳の超巨大なステージが現れる。

真島「また、今回からアクチュアル追加要素として『インスタントフィールド』が使えるようになります。
インスタントフィールドは、シュート前に自機のシャーシ中心から任意の広さのフィールドを展開してシュート出来るシステムです!
特性はフィールドジェネレートのフィールドと同じですが、そのフィールドはシュートした自機とそれに触れた敵機しか影響せず、またシュート後には消えてしまいます。
さらに、このフィールド展開中はバリケードが若干強化されるだけでなく、攻撃を受けた機体のグリップ力が一瞬増加します」

 真島アナウンサーの説明を聞いて播磨は呟く。

播磨「ようするに、場外の判定がない場所でもフリップアウトや自滅が発生するエリアをシュートするたびに生成出来るって言う事か」
アキラ「でも、生成した機体とそれに接触した機体しか干渉しないってことは、接触する前に逃げればフリップアウトはされない」
播磨「バリケードもあるから、ギリギリまで範囲を狭くすると逃げられたり、バリケードで防がれやすくなる」

 バリケードは場外で構えるのが一番強く、そして自機からなるべく近い位置の方が飛ばされる方向を読みやすい。
 つまり、インスタントフィールドの範囲を敵機ギリギリにしてしまうとバリケードで支えやすくなるのだ。

アキラ「かと言って広くすると今度は遠くに飛ばさないといけなくなる」
播磨「しかも生成した側のバリケードが強化されるフィールドジェネレートとは逆に、インスタントは防御側が強化されるのか……」
アキラ「インスタントがいいか、ジェネレートがいいか、それともフィールド無しの方がいいか」
播磨「機体特性や状況によりけりって感じだなぁ」

 新システムも理解したところで、いよいよ大会が始まる。

真島「さぁ、一回戦は三俣ソウジ君VSダンガ君のバトルです!
『致死の槍兵』の異名を持ち、類稀なスピードとコントロールでフィールドを制するソウジ君!
そして、今大会初出場ながら野生味溢れる大胆な戦いで勝ち抜いて来たダンガ君!
屈指の好カードです!!」

 ソウジとダンガがフィールドに上がって対峙する。

ソウジ「僕の槍からは逃れられないよ」
ダンガ「お前のダントツを食わせろ……!」

 二人は、それぞれ決め台詞を言ってからマインとフリップホールを設置し、機体を構えた。
 二人の目の前にスケールアップ用の魔法陣が出現した。

真島「3.2.1.アクティブシュート!!」

ソウジ「プロトトライデント!!」
ダンガ「キメラビースト!!」

 二体のフリックスが10倍の大きさになってフィールドへ着地する。

ソウジ「先手必勝!貫け!プロトトライデント!!」
 いきなりソウジのプロトトライデントが速攻する。
 ガッ!
 フィールド生成なしでの一撃!大した当たりではなかったが、クリティカルヒットしたようでそこそこ弾かれる。
 ビートヒットを食らう距離まで飛ばされつつ、しかもフリップホールの上に被ってしまい一部フリップアウトだ。
 アクチュアルのフリップアウトは一部は10ダメージ。全部は12ダメージとなる。

真島「おおっと!いきなりフリップアウト発生!しかもビートヒットの1ダメージも追加で合計11ダメージ!!ダンガ君、いきなりピンチです!」

 アクチュアルで場外した場合は一定の範囲内の好きな場所に移動して再びウェイトフェイズとなる。

アキラ「す、すごい!速攻でダンガ君に大ダメージ与えるなんて……!」
播磨「フリップホールを設置する位置がよかったんだろうが、動きを読みづらい初手で相手の位置を予測して見事にフリップホールを決めるとは、さすがの戦術家だ」

ソウジ「ふふふ、フリックスバトルはパワーだけじゃない。戦略とコントロールで大ダメージを与える事は可能なのさ」
ダンガ「なかなか美味だな、お前のバトル」

 ダンガはプロトトライデントの後ろへキメラビーストを設置。フリップアウトもマインも食らいづらい位置だ。
 しかし、再び連続でプロトトライデントのフェイズとなる。

ソウジ「貫け!」

 ガッ!
 今度はマインもホールもない上に密着して停止したのでビートのダメージも入らない。

ソウジ「受け止められた!?」
ダンガ「今度はこっちだ」

 ダンガはセンターアーマーをタイガーに変える。
 そして、クローを広げてマインヒットした。
 しかもマインを遠くへ飛ばしたので反撃も受けづらい。

真島「さぁ、今度はダンガ君の反撃!!可動アームで見事にマインヒット!6ダメージ!!」

 アクチュアルにおけるマインヒットは6ダメージなのだ。

ソウジ「脳筋かと思ったら、意外と技巧派だねぇ」
ダンガ「なんでもいい。美味けりゃな」
ソウジ「なるほど。ならば!」

 ガッ!
 マインもフリップアウトも狙いづらいが、ソウジはとりあえず掠めるようにキメラビーストを攻撃し、ヒットアンドアウェイでプロトトライデントを遠くで停止させた。
 掠めたとはいえ、ビートヒット1ダメージは入るくらいは動かされた。

真島「さぁ、ソウジ君の華麗なヒットアンドアウェイでジワジワとダンガ君のHPが削れていきます!残りHP18!」

ダンガ「これで決めるか」

 ダンガはヘッドをライオンに変える。
 ラトパンサーコンボだ。
 そして、インスタントフィールドを展開してフリップアウト狙いの構えを取った。

ダンガ「はあああああ!!!ビーストサンダー!!!」
ソウジ「こ、このパワーは!?」

 バキィィィ!!!
 コンボのパワーは凄まじい。
 強化されてるはずのバリケードをあっさりと破壊してプロトトライデントを大きくすっ飛ばす。
 フリップアウト+ビートヒットで大ダメージだ。

真島「これは凄まじい必殺技です!ソウジ君、バリケードを破壊された上に全フリップアウトとビートヒットで一気に15ダメージ発生!!これで、残りHPは9!」

ソウジ「あの技をもう一度食らったらまずい……体制を立て直さなければ」

 ソウジは場外されたので機体を好きな位置へ設置。
 そして、ウェイトフェイズはソウジの方が早いのでそのままアクティフェイズになる。

ソウジ「いけっ!!」
 バシュッ!
 ソウジはマインヒットを決めながら遠くへ逃げる。

真島「ソウジ君、ビート&マインヒットを決めながら距離を取ります!ダンガ君、残り11!」

ソウジ「この距離ならフリップアウトは無理なはず!」
ダンガ「面白い」

 ダンガはヘッドをスタッグに変える。

ダンガ「喰らいつけ!!」

 ガッ!!
 スタッグの顎でトライデントを拘束。

ソウジ「っ!」

 ソウジのフェイズが来るが、拘束されて上手くシュート出来ない。

真島「おおっと!ダンガ君は見事な拘束技でプロトトライデントの動きを封じました!!」

ソウジ「……バリケード回収。この状況ならマインヒットしか出来ることは無いはず。それを耐えれば挽回できる!」
ダンガ「甘いな」

 ダンガはセンターをマンティスに変更し、付属クリップをトライデントに取り付けてからマインヒットした。

真島「なんとなんと!キメラビーストには毒針まで付いていました!!置き土産を残しながらのマインヒット!ソウジ君、残り3です!!」

ソウジ「そんな!いくらなんでも戦術の幅が広すぎる……!!」

 ソウジはマイン再セットしてフリップホールの奥に置いた。
 マインヒットを狙おうものならマインがブレーキになってホールに落ちる可能性が高い。せめて自滅を誘えればチャンスはあると思ったのだろう。
 しかしダンガはリアをホッパーに変更する。

ダンガ「ビーストポイズン!!」

 ホッパーリアの力で大ジャンプして穴を飛び越してマインの上に乗った。
 これで自滅せずにマインヒットが出来たのだ。

ソウジ「ジャ、ジャンプまで……!!」

真島「まさしく変幻自在!!無限の戦術を駆使してダンガ君が一回戦を制しました!!」

 試合が終わり、ソウジはダンガへ握手を求める。

ソウジ「いやぁ、まいった。凄いね、君」
ダンガ「美味かったぞ、お前のバトル!」

 二人は互いの健闘を讃え、堅く握手をした。

 

  つづく

 

 

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