第2回グレートフリックスカップ関西杯決勝戦 それは一人のフリッカーの四年間に渡る孤独と戦いのストーリーだった

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関西には、誰よりもフリックスアレイを愛する一人のフリッカーがいる
これは彼の、孤独との戦いとそして勝利への英雄譚である

約四年前の2015年初頭、アクティブバトルの登場によってフリックスアレイが活性化
関東を中心にフリッカーが増えていく中、関西で一人のフリッカーが誕生した

彼の名はたたみね
関西最古参フリッカーであり、関西フリッカーナンバーワンを目指す男である
しかし、ナンバーワンを目指そうにもそもそも関西でのフリッカー人口は彼以外には実質0
つまり、彼の夢はゼロどころかマイナスからのスタート
いや、スタートラインすら出来上がっていない状態だったのだ

それでも彼は夢を諦めず、ひたすらに孤独の中で活動を続けた
たった一人で愛機を開発し、たった一人で特訓し、たった一人で布教活動に明け暮れた

結局約3年もの間、その想いが報われることは無く
それでも彼は挫けなかった
いつか来るであろう決戦の日を信じて

そして、2017年始めに転機となる運命の出会いを果たす
その男の名はやまと将軍
この出会いが雲を掴むかのようだったたたみねさんの夢に一筋の光をもたらした

関西のインフルエンサーとして尽力してくださったやまと将軍さんのおかげで関西フリッカーが急増
2018年夏にはGFC関西杯が開けるほどになった

苦節3年
ようやくスタートラインに立てた…いや、スタートラインが作られたのだ!

せっかく開かれる記念すべき第一回大会
少しでも盛り上げようと、たたみねさんはフリックス初心者であり親友のだいちゃんさんへ機体をプレゼントするためにユージンへミルフィーユラキエータの製作を依頼

更に機体のセッティング、シュートテクニックの伝授、戦術の指南など
自分の事以上に手解きを与えた

そして開かれた第一回大会
見事関西チャンプの座を手に入れたのは、自分ではなく……
皮肉にも、塩を送り続けた親友だいちゃんさんだった

自らが手解きした親友の勝利
初心者の親友に先を越される

念願を叶えられるはずだった初めての舞台は
喜びと悔しさの入り混じった複雑な結果となってしまった…

しかし、たたみねさんの心は折れなかった
この悔しさをバネにして愛機であるヴェロカスの性能を徹底的に見直し
更に進化させたヴェロカス2を開発
来るべき決戦へ向けてより一層己の腕を磨きつづけた

それと同時に弟であるかなぶんさんの愛機としてフォートレスレガシーを共同開発
だいちゃんさんへの手解きもこれまでと同じ
いや、それ以上に努めた

何故なら、たたみねさんの真の夢はただ関西チャンプになる事だけではない
出来うる限りより強い相手と最高のバトルを繰り広げた上でチャンピオンとして君臨する事だから!

自分が負けるだけじゃなく、相手が弱くても夢は叶わない

そして、全ての準備が整い迎えた運命の時

前回とは比べ物にならないレベルの関西フリッカー達を相手に一進一退の攻防戦
互角の戦いを繰り広げながら、予選最終戦でのごろくーさんとのバトルで最後の最後で不利な状況から必殺技で逆転勝利すると言う劇的な展開でチャンピオンへの挑戦権を獲得

ようやく、スタートラインへと舞い戻ったたたみねさんは
誰よりも強くなってほしいと願い、そして誰よりも倒したいと願った相手であるだいちゃんさんと同じ土俵で対峙した

正直、失礼ながら僕はだいちゃんさんが何故チャンピオンになるまで勝ち上がれたのかわからなかった
パワーもテクニックも飛び抜けているわけではないし
機体はミルフィーユラキエータのレプリカ
扱いやすいとはいえ、ただそれだけの機体
しかし、その認識は足りなかったのだと後に判明する

たたみねさん曰く、だいちゃんさんは地図などを一目見ただけで即座に把握して迷わずに目的地へ行ける能力
つまり空間把握能力がずば抜けて高かったのだ

関東と比べて関西の機体はまだまだ発展途上
どうしても攻撃力やマインヒット力が低い機体同士の戦いになりやすい
そうなると重要なのが、自機、敵機、マイン、三点の位置関係
空間把握能力がズバ抜けていただいちゃんさんはこの位置関係による優劣を無意識のうちに把握していたのかもしれない
つまり、低火力造形機同士の長期戦で彼が勝ち上がるのは当然だったのだ

誰もが重要視しなかった能力を駆使した予想外の天才フリッカー
そこにフリップゴッドの製作した機体にたたみねさん直々の手解きがプラス
それがだいちゃんさんの強さの秘密

乗り越えなければならない壁はあまりにも厚く大きい!!

それでも、関西最古参としての意地、そしてずっと見てきた夢を手にするための舞台に再び登りつめた者として

この戦いは譲れない!!

今、関西最強のフリッカーを決める戦いがついに始まる!!

試合内容は、お互いにダメージが通らないターンが続く長期戦
しかしそれはグダッているからではなく、互いに防御や立ち位置が絶妙な為にギリギリのところで攻撃を回避されてしまうと言う
防御的に高レベルな立会いをしているが故!

となると、勝負の決め手は単純な攻撃によるものではない
いかにミスをしないかの精神力がものを言う!

これまで天才的な空間把握能力によって長期戦を制してきただいちゃんさん
しかし、それでも彼はまだ経験が浅い
にも関わらず手にしてしまったチャンピオンとしての称号はあまりにも重かった

対してたたみねさんは数年間孤独に耐えて愛を貫き続けてきた根性の男

天才vs根性

この二人が互角なまま長期戦を続ければ、自然と差が生まれていくのは必然!

遂に、だいちゃんさんのシュートの冴えがなくなり……自滅!!

よって勝者は、たたみねさん!!!

実力は互角!
だいちゃんさんの行動選択にミスはなかった
しかし、長期戦による精神力消耗、そして選択した行動を成功させるためのシュートテクニックがほんの僅かに足りなかった!

そしてたたみねさんは、相手の有利な土俵にいながらも
それでも想いを貫き通したが故にこの我慢比べを制した!!

派手なぶつかり合いには欠けていたものの、この戦いは決勝戦に相応しい緊張感に溢れたものだった!

本当におめでとうたたみねさん!!
この四年間、見守り続けてたものとして涙無しには語れない大会でした!!!

 

つづく!

 

CM

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