やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。第13巻

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長らく待たされた俺ガイルの最新刊…とは言え、12巻が出てから一年ちょっと過ぎてるだけだからそこまで期間空いてないか?

物語はプロムの開催が雪ノ下母によって中止に追いやられそうになった所から始まり

中止にせざるを得なくなったプロムをどうやって開催させるか?と言った目的を主軸にしながら
八幡、雪ノ下、由比ヶ浜、それぞれの想いを描き
またオールスター達の協力も得ていくと言う

まさに最終章に相応しいボリューム!

何と言っても注目は、アニメでは完全に存在をなかった事にされた遊戯部が再登場!
しかもあの材木座さんの人脈という形で協力を得る流れ

なんだかんだここ最近の材木座は有能で
逆に戸塚とか川なんとかさんの方が貢献度低くて影薄いんだよな

長らく謎だったさがみんと相模の関係も姉弟と言うことが判明
SSとかだと勝手に姉弟設定にしてるものも多かったけど
ようやく公式になったと

プロム中止の判断を取りやめさせるために八幡が出した案は
「従来よりも酷い当て馬的な企画を提示する事で相対的に従来の案を選ばせる」
と言うもの

協力を拒む雪ノ下だったけど、それを勝負という形に持っていく事で歩み寄ろうとするのは懐かしい感じ
八幡的には
「形上は協力じゃなく勝負だから、これで雪ノ下が勝って企画を遂行すればそれは依存じゃない」
って言う、はるのんの「共依存」と言う言葉への反抗も兼ねていたけど

まぁ、そんなのはただの詭弁だし
まだまだ欺瞞で取り繕うことから抜け出せない模様

企画を進めるにあたって、これでもかってくらいに展開される八幡と由比ヶ浜のイチャイチャ
八結派としては、眼福だけど
あまりにもあからさま過ぎてフラグにしか思えない
由比ヶ浜も内心これが最後の思い出みたいな感じだしな

雪ノ下母との直接対決は、さすがに付け焼き刃な当て馬作戦は即座に看破されて窮地に立つものの
雪ノ下母を倒すべきキングとしてでなく、仲間にすべきクイーンだと判断し
切り札である「事故の被害者」と言うカードを切る
まさに八幡にしか使えないし、事故の件を掘り返して半ば脅迫に近い交渉をするのは人間として最低の手段
八幡の事故の件はすっかり忘れてたけど
遊戯部といい、初期頃の忘れてた設定をこれでもかってくらいに突き付けてくるな、今回
俺ガイルのファン度が試される

雪ノ下母を逆に取り込むって形で問題解決させるやり方は見事だった
ただ、チェスで例えるよりも将棋で例えた方が相応しいと思うな

雪ノ下との勝負
これで形の上は雪ノ下の勝利だが、結局は全て八幡の掌の上
何も変わってないんだよなぁ……
いまだに表面取り繕うことしか出来てない

雪ノ下が勝利を受け入れ、さらに総合的な勝利まで得ようとしたのは
強引にでもこの関係を終わらせるためか

初めて八幡に向けて語られた本音は泣ける
もう殆ど告白みたいなもんだけど

雪ノ下が八幡へ願った事は

「由比ヶ浜さんの願いを叶えてあげて」

さぁ、ほんとここからどうなるのか
12巻の終わり方も衝撃だったけど、結局次の巻の最初の時点で衝撃展開リセットされるから
これも14巻の最初の方でなぁなぁになりそうな気もするけど

本編はどう言う方向に向かえば決着と言えるのか

由比ヶ浜の願いは「ゆきのんと同じで反対」
そして雪ノ下の願いは「由比ヶ浜さんの願いを叶えてあげて」

つまり、仮に由比ヶ浜が勝負に勝った場合は「ゆきのんの願いを叶えてあげて」
って言うんだろう事は想像に難くないけど

じゃあその二人の願いは何か?

単純に八幡と恋仲になる事なんかな

由比ヶ浜の場合は間違いなく八幡の恋仲になる事と、それでも雪ノ下と親友のまま三人で仲良くいたいって願いを持ってて
それが11巻でも言った「私は全部欲しい」なんだろうね

そして雪ノ下も同じように八幡と恋仲になりたいと思ってる、と由比ヶ浜は思ってる

ただ、自分が八幡と恋仲になった場合
雪ノ下は孤立して崩れてしまうと言うことが分かってるから
だったらまだ耐えられる自分が身を引いた方がいい
ってのが由比ヶ浜の行動理念ね

雪ノ下も由比ヶ浜の恋心は分かってるから
自滅するのは薄々感じつつもそれに甘えるわけにはいかないと身を引く事を願った……

そして八幡は……

さて、この状態で問題になるのが
「本物の関係」

はるのんが今の奉仕部は本物とは程遠いと揶揄したように
お互いに本音を隠し、本心とはかけ離れた行動を取っている状態はとても本物とは言えない

かと言って、どういう選択を取ればベストなのかもわからない……

個人的に思ったのが
この物語は「まちがっている青春ラブコメ」なんですよね
6巻までは、謎の部活に入って美少女二人に囲まれてるのに全く恋愛に発展しないことを八幡が「俺の青春ラブコメはまちがっている」と皮肉るものでしたが

7巻からは雪ノ下も由比ヶ浜も八幡へ恋心を寄せている描写が増えました
ハッキリとしないもののそれは明らかです
それでもこの物語は「まちがっている青春ラブコメ」なんですよ
二人の美少女に恋心寄せられて何がまちがっとるのか?立派な青春ラブコメやろ?
しかし、八幡がはるのんへ自分たちの関係を三角関係だと言った時に、それは違うと一蹴されました
やっぱりまだまちがっているんです

「共依存」

それは恋心じゃなく共依存だとはるのんは言った
だから、その事を知った由比ヶ浜ははるのんに食って掛かった
自分の思いは依存ではなく本当の恋であり友情だと
でも、それを証明する術がない
ただ感情のままに否定することしか出来ない

八幡は通じないと分かっていながらも建前上、共依存であることを否定しようとしたし

雪ノ下も依存しないように八幡を拒絶して足掻いた

三人とも、三人の想いや関係が本物であると言う確かな証拠を欲した

この物語の終着点は、誰と誰がくっつくかとかそう言うことじゃなく

まちがっている青春ラブコメからの脱却
まちがっていない青春ラブコメな関係に三人が発展する事なんじゃないかなと

今の雪ノ下との由比ヶ浜は、お互いに本心をひた隠し、ハッキリとした想いは告げず
変に気を使ってお互いに身を引こうとしてます

それは八幡が最も嫌った欺瞞の関係
表面上の関係を取り繕うだけのもの
それを嫌ったから八幡はぼっちの道を選んだわけで

つまり、雪ノ下も由比ヶ浜も遠慮なく八幡へアプローチし
恋のライバルとして競い合えるような関係になる事が
まちがっていない青春ラブコメなんじゃないかなと

Anotherでは由比ヶ浜ルートだから、本編は雪ノ下ルートになることが濃厚ではあるものの
単純に誰かのルートとかじゃなく、三人がちゃんとラブコメするかどうかってのが物語の終着点になるんじゃないかと考えています

思えば、Anotherも由比ヶ浜ルート一直線だからラブコメはしてないんですよね
まちがった青春からまちがってない青春になっただけで

それに対して本編はまちがった青春ラブコメからまちがってない青春ラブコメへ終着すれば綺麗にまとまるんじゃないかなと

CM

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