爆転シュートベイブレードの魅力が詰まった無印第20話の一幕について語る

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ベイブレードのアニメの中で最も出来が良いのは、第1作目である爆転シュートベイブレードだと思ってるんですが
 
こういうと
 
どうせ思い出補正だろ
懐古厨乙www
 
そんな風に思われる方が一定数います
 
 
当然ながらそんな事はないです
 
昔の作品だろうが今の作品だろうが、良いものは良いというし、悪いものは悪いと言います
 
そもそも僕、作品に対する評価は相当甘めなので
批判するものはよっぽどおかしな事やってる場合だけですよ

で、この作品の何が他の作品と比べて一線を画しているかと言うのを一番分かりやすく表現してるのが
第20話「戦慄のアメリカンパワー!」でのPPB食堂での各キャラの会話に込められています
 
19話にて、PPBの二軍に対して辛勝したBBAチームだが
個人としてはマックスはエミリーにボロ負けしてしまい、心なしか母親の態度が冷たくなっているように感じ
マックスは落ち込んでしまう

その時の一幕です

タカオ「どうした、マックス?元気ないぞ」
マックス「ママの目の前でかっこ悪い所見せちゃったから」
タカオ「気にするな、アメリカ大会を勝ち抜いて優勝すれば母ちゃんの見る目も変わるさ」
カイ「そうかな?さっきのバトル、それほど余裕ある勝利ではなかったはずだ」
キョウジュ「カイの言う通り、油断は禁物です」
カイ「事実、マックスは一軍のエミリーに負けた」
タカオ「だってあれは不意を突かれたからだろう!観た事もないシューターを使われてさぁ!!」
カイ「……お前は試合でもそう言い訳をするのか」
じっちゃん「キョウジュ君とカイ君の言う通りじゃ。過信は慢心に、ひいては油断に通じる。いついかなる時も気を引き締めておかねばならん。
だからと言って悔やんでもならん。ここはタカオの言う通り気に病んでも仕方あるまい。
それに、取り返しのつかない負けでもなかろう。今日の負けを明日に活かすのじゃ」
 
……どうです?何か感じませんか?
 
この会話の中に、各キャラクターの性格、価値観の違い、良い所、悪い所が明確に現れ
それを大人であるじっちゃんが見事にまとめ上げているのです
 
まず、マックスが落ち込んでいることに真っ先に気付くのはタカオです
無印におけるタカオは誰よりも仲間想いで、ブレーダー皆を大切にしているキャラクターです
しかし、少々楽観的な所が欠点で、マックスへの励ましも不安が残る説得力に欠けるようなものでした
そして、そこをカイに諫められます
カイはこの作品の中で最もストイックで向上心があり、自分が最強になるためには所属チームを勝たせる必要があり、何よりもそれを優先して考えています
そしてそれに同意するキョウジュも、研究者気質のため事実や分析結果を優先するあまり、少々情緒に疎い所があります
カイとキョウジュが言っている事は正しく、アスリートとして最も優先しなければならない精神性ではありますし、マックスもそれは十分に承知しています
が、人の心はそれだけで割り切れるものでなく
離れて暮らしていて、ようやく会えた愛しの母親の前で無様に負けて、その後何のフォローもなく冷たくされた直後ではプラス思考でいられるわけがない
ストイックさを理解しつつも、それより仲間の気持ちを優先するタカオは、カイに反発するようにマックスのフォローをするものの
浅い考えのやみくもなフォローは却って競技に対するいい加減さが現れてしまい、更にカイに突っ込まれてしまいます
 
どちらの主張も間違っていないからこそ、このままではマックスがただ辛いだけになってしまう……と言ったところでじっちゃんは
キョウジュとカイの主張の正しさ、厳しさを語りつつも
それでも今この時点で必要なのは正しさや厳しさではなく、タカオの優しさや気楽さであり、正しさや厳しさはその後で良い
としてこの場を鎮めました
僕が常々言っている「筋の通った脚本」っていうのはこういう事で
各キャラクターの性格、価値観、立場、状況に見合った行動や言動を取らせつつ、良い方向に話を持って行ってるんですよね

CM

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