無性にズッコケ三人組が読みたくなる時期ってあるよね
ホビーやゲームが関わらない作品ではズッコケ三人組が一番好きな物語作品です
学校の怪談は、ズッコケシリーズ第30作目
発売時期は1994年で、全国の小学校で怪談ブームが巻き起こっていた時代です
例に漏れず、僕も怪談ブームに乗っかってホラーものが大好きになったわけですが
学校の図書室では『学校の怪談シリーズ』の文庫はいつも貸切
物凄い競争率でしたね
そんなわけで、小学生の頃は、当然この作品も僕の大好きな怪談が満載なのだろうと期待して読み始めたのですが
本作は他の学校の怪談的な作品とは一線を画しています
大体学校の怪談ものってのは、既に怖い噂が流れていて、子供達が『よし、確かめにいこうぜ!』って感じで夜に校舎に乗り込んで、怪異に遭遇するってのがお約束でしたけど
この作品はそれを全否定します
『夜にお化けが出るんじゃ、学校の怪談として意味がない』
『昼に、子供達がちゃんと遭遇してこそ学校の怪談』
『学校の怪談なんて、最初は誰かの創作で勝手に言いふらしたもの』
更には
これまでの怪談なんてつまんねぇ!俺達で新しい怪談を作って広めようぜ!!!
なんて滅茶苦茶な事言いだします
これぞ、ズッコケですね!
奴らは受け身じゃなく、自分から何かを始めようとする
それはテーマが学校の怪談であっても同じなんだ!
学校の怪談を噂し合うのも楽しいけれど
こうやってみんなで怪談を作り合うって言うのも楽しそうですよね!
そしてみんなの創作怪談がまた面白い
特に吸血ベッドなんかは、小学生の頃のトラウマでした
しばらく布団に入るのが怖かった……
そんないつものズッコケみたいな、子供達が企画を実行するだけでなく
ちゃんと学校の怪談としてのホラー要素も備えています
作り話のはずの怪談が、実際に起こったり
自分達が考えたもののはずなのに実は昔語られていた怪談だったり
容赦なく恐怖を振りまいてきます
そしてラストのパニック映画さながらの怒涛の展開は、読んでて飽きないです
どうでもいいけど『ドッキング』って単語を、この作品で初めて知りました
ズッコケのホラーものは他にも何作かあるんですが
この作品は、自分たちで企画を立てて実行するというズッコケらしさと学校の怪談としてのホラーが見事に融合していて
ズッコケもホラーもどっちも好きな僕としては、非常に楽しめましたね
ズッコケシリーズで一番好きな作品です
NHK版だと、何故か泰造じいさんなるオリジナルの登場人物が中心になっていて
ストーリーが『世代が変わる事への悲壮感』みたいなものになってて
ちょっとテーマが変わってるんですよね……
原作版ハカセは、卒業名簿を研究のために買ってたけど
NHK版ハカセは、『前から住んでたわけじゃないから』と買ってなかったりして原作よりやや現代っ子な性格になってましたね
まぁ、原作は1994年
NHK版は1999年放送な上に尺が違うから、多少の変更点は仕方ないのでしょう