オリジナルビーダマン物語 第55話

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爆砕ショット!ビースピリッツ!!


第55話「マネージャー対決!彩音VSリカ!!」




 彩音にマネージャー対決を申し込んだリカ。
 とりあえず、対決は翌日に持ち越しという事でその日は普通に練習して解散した。
 
「あ゛~~~」
 シュウは、湯船に浸かりながらおっさんのような声を出した。
 その声は、台所で飯の支度をしている父の耳にも聞こえてきた。
「なんだぁ?あいつ、仕事疲れのおっさんみたいな声出しやがって」
 小学生のシュウに似つかわしくない声に、父は怪訝な顔をした。
 
「づ~が~れ゛~だ~~~」
 湯船の中で全身を伸ばしながら、シュウはグデ~とダレるのだった。
 練習はいつも通りだったのだが、変なごたごたに巻き込まれた気疲れが大きい。
「なんか、変な事になったなぁ……」
 彩音とリカのマネージャー対決。
 どんな勝負をするのかは知らないが、そのジャッジはシュウがする事になった。
「具体的に何やるかは分からないけど。俺も一か月後は日本選抜戦控えてるんだけどなぁ」
 シュウ自身も試合を控えている身。
 あまり遊んでもいられないのだが……。
 
 そんなこんなで翌日。
 まだ夏休みなのでシュウは朝からクラブへ行った。
「おはよー!」
「おう、シュウ。やっと来たか」
 入るなりタケルがやってきた。
「やっと、って。まだ結構早い時間だと思うけどな」
 現在朝の9時だ。
 元々正式な開始時間なんて無いし、遅刻と言うには早いだろう。
「いや、さっきっから、ピリピリしててなぁ……」
 タケルはチラッと奥を見る。
 そこには、黙々と何か作業をしている彩音とリカの姿があった。
 二人とも、表には出していないものの、対立のオーラが濛々と浮かび上がっていて、周りで練習しているビーダー達も気圧されてやりづらそうだった。
「あぁ……」
 シュウはちょっとゲンナリとした。
「ま、勝負しろっつったのはお前だ。乗りかかった船と思って観念するんだな」
 タケルは逃げるようにその場から離れた。
 シュウに丸投げするつもりだ。
「俺だって別にそんなつもりで言ったんじゃないんだけどなぁ」
 シュウはため息を付きながらフィールドの方へ歩いて行った。
「あ、シュウ先輩!おはようございますぅ!!」
「シュウ君、おはよう」
 シュウの姿を見つけると、彩音とリカが素早く反応して近くまでやってきた。
「あ、あぁ。おはよ」
 シュウは少し引きながら挨拶した。
「シュウ先輩、シュウ先輩の練習用のフィールドを用意しておきましたよ!すぐに練習できますよ!」
 リカが、自分で用意したであろうターゲットがいくつも並んだフィールドへシュウを案内した。
「重めのターゲットをいくつも並べたので、シュウ先輩お得意のパワーショットの練習が出来ます!」
「お、おう、サンキュ。じゃあ早速やろうかな」
 シュウは、たじろぎながらもブレイグを取りだして台についた。
「あ、待ってシュウ君」
 ブレイグを撃とうとしたシュウを彩音が止めた。
「え?」
「私の分析だと、最近のシュウ君のコンディションを考えて、今日はトルネードターゲットを使ったトルネードプッシュが良いと思うの」
「そなの?」
「えぇ。いきなり負荷のかかるトレーニングは、腕に乳酸が溜まるから。最初は力を抑えて、徐々に威力を出すように心がけて」
「わかった。あやねぇが言うなら間違いないだろう」
 理解は出来なかったが、彩音の分析が言うのならば信用できる。
 シュウは彩音に言われた通りの練習をする事にした。
「ふふ」
 彩音はチラッとリカの方を向いて微笑んだ。
 勝利の笑みだ。
「むぅ!」
 リカは頬を膨らませた。
 
「うおおお!いけぇ、ブレイグ!!」
 彩音に言われた通り、シュウは徐々に力を解放するようにショットを放ち、トルネードターゲットをフィールドの奥へと押しやった。
「ふぃ、こんなもんかな」
 一通り練習を終えて、シュウは額の汗を拭った。
「おつかれさま、シュウく……」
「お疲れ様ですぅ!シュウ先輩!!」
 と、彩音が労いの言葉をかけるのを遮るようにリカがタオルを持ってシュウへ近づいた。
「これで汗を拭いてあげますね!!」
 リカはタオルをシュウの顔へ押し付けた。
「うぉ、そ、そのくらい自分でやるって!」
「遠慮しないでください!私はシュウ先輩のマネージャーなんですから!」
 シュウの顔を拭きながら、リカは彩音の方を見て口元を緩ませた。
「にやっ」
「っ!」
 彩音はムッとした。
 元々控えめな性格だけに、咄嗟の行動の早さはリカに劣ってしまうのだ。
 
 暫くして、お昼の時間になった。
「ふぅ、腹減ったぁ……。もう昼飯だな」
 シュウはブレイグを撃つのを止めて、時計を見ながらお腹を抑えた。
「シュウ先輩!私お弁当作ってきました!ぜひ食べてください!!」
 見計らったかのように、リカが可愛い柄の巾着を持ってきた。
「あ、あぁ、サンキュ」
 シュウはそれを受け取った。
「シュウ君、私も……」
 と、彩音も後からひかえめに弁当箱を持ってやってきた。
「あぁ!私のお弁当を先に受け取ったんですから、シュウ先輩は私のを食べるんです!」
「で、でも私だって、ちゃんとシュウ君に必要な栄養バランスを考えて作ったものだから……」
 彩音も引かない。
「あ~、腹減ってるから。どっちも食べるよ」
 シュウはうんざりしながら言った。
 実際シュウの食欲ならば二人前の弁当を食べるくらいどうという事は無いだろう。
「じゃあどっちが美味しいか、ちゃんと教えてくださいね!」
「あぁ、はいはい」
 シュウは適当に返事しつつまずはリカの弁当箱を開いた。
「おぉう……!」
 開いた瞬間に目についたのは、鶏そぼろで描かれたリラックスクマの絵柄だった。
 いわゆるキャラ弁と言う奴だろう。
「こ、凝ってんなぁ……」
「えへへ~、可愛いでしょ?」
 可愛いのかもしれないが、シュウの趣味ではない。
 しかし、それを差し引いても、彩り豊かなおかずは美味しそうで食欲をそそる。
「まぁ、美味そうだな」
 シュウは早速鶏そぼろご飯を口にした。
「ん……?」
 普通だ。
 特別にマズイと言うわけでは無いが、美味くもない。
 いや、鶏そぼろなのにうまくないって時点で、それはマズイと同じだ。
 掃除の時と同じで、何をやっても見た目を作るのは上手いが、中身が伴わないのだろう。
「どうですか?美味しいですか!?」
 リカはキラキラした瞳でシュウを見つめている。
「……」
 反応に困った。
「まぁ、食える」
 上手い言い回しが思いつかなかったのでドストレートに言った。
「良かった~!」
 思いの外リカの反応は上々だった。
 シュウの発言は脳内で都合のいいように変換しているのだろう。
 上手くも不味くもない弁当を、シュウは完食した。
 元々リカの感覚に合わせて量が少なめだったのが救いだった。
「そ、それじゃあシュウ君……!」
 彩音は緊張した面持ちでシュウに自分の弁当を進めた。
「ああ」
 彩音に言われるまま弁当箱を開く。
 リカの弁当と比べると、いささか地味な色合いのおかずが並んでいた。
「なんか地味ですね。女の子ならもっと可愛くなくちゃ」
 リカが茶々を入れる。
「私は、食べるシュウ君の事を考えて作ってきたの」
 彩音は負けじと反論した。
 
「んじゃ、いただきます」
 シュウは早速一口いただいた。
「ん、んまい!!」
 彩音の料理は相変わらず美味かった。
「良かった。シュウ君の好みの味付けにしたんだよ。もちろん、ちゃんと栄養のバランスも考えてね」
「うん、さすがあやねぇだ!最高だよ!!」
 シュウは既に一人前の弁当を食べた後とは思えない食欲で彩音の弁当をがつがつと口に運ぶ。
「ぶぅ……!」
 その様子を見て、リカは面白くなさそうにブスッとした。
「まだまだいっぱいあるから、たくさん食べてね!」
「まだまだ?」
 その言葉を聞いて、シュウは固まった。
 目の前にある弁当だけでも結構な量である。
「うん。シュウ君の食欲に合わせて、たくさん用意してきたからね!」
 と言って、ドンッ!と何段にも重ねられた重箱をシュウの前に置いた。
「……!」
 さすがに、この量はキツイ。
 どんなに美味くても、食えたものじゃない。
「いっぱい食べてね!」
 しかし、ニコニコと笑う彩音の顔を見ては拒否する事も出来ないし。
 食べ物を粗末にしちゃいけないと、いつも言われている。
「お、おう……!」
 シュウは、気合いを入れて目の前に置かれたお弁当をやっつけにかかった。
 
「うっぷ……!くるし……!」
 なんとか完食したものの、シュウは破裂しそうな腹と逆流しそうな口を押えながらソファでもたれ掛った。
「うぅ……少しは楽になったけど、まだ動けないな……」
 数十分経って、胃の中の物がある程度消化したおかげでリバースの心配はなさそうだが。
 激しい運動をするにはもう少し休みたいところだ。
「ちょっと横になろ……」
 シュウはうつ伏せに倒れた。
 と、そこへ……。
「あ、シュウ先輩!お休みですかぁ?」
 リカがやってきた。
「げぇ……」
 シュウは露骨に嫌な顔をしたがリカは気付かずにとことこと近づいてきた。
「じゃあちょうどいいです!マッサージしてあげますね!疲れが取れますよぉ!」
「マッサージ?」
 嫌な予感がする。
 が、突っぱねる気力は無い。
「さぁ、力抜いて」
 リカはシュウの背中の上に馬乗りになり、指圧し始めた。
「んしょ、んしょ……どうですか?シュウ先輩」
 嫌な予感はしたが、思ったよりも悪くは無い。
「あぁ、悪くないな」
 力が弱い上に微妙にツボを外しているため、全く効かないのだが、特に痛みもないし気持ちいい。
「ふぅ……」
 効果は無くても指圧されるというのは気持ちいいものらしい。シュウは力を抜いた。
「えへへ~、よくお父さんにも上手いって言われるんですよ~!」
 リカは顔を綻ばせながら指圧を続けた。
「あ、ダメだよ。そんなんじゃ」
 と、マッサージをしているリカを見かけた彩音が止めにかかってきた。
「なんですか?」
「微妙にツボがズレてる。それじゃあ返って逆効果だから。ちょっとどいて」
 彩音がちょっと強引にリカを押しのけた。
「それじゃあいくよ、シュウ君」
「うぇ、あ、あやねぇ……!」
 上に乗られたのが彩音だと気づいたシュウは焦った。
 彩音のマッサージは効くが、的確にツボを押さえてくるのでかなり痛い。
「今日は、特別なのいくからね!」
 ガッ!
 彩音はシュウの背中を指圧した。
「ぐおおおおおお!!!!!!」
 力は弱いのだが、的確にツボを突かれて、シュウは悲鳴を上げた。
「ちょっと我慢してね、すぐ楽になるから……!」
 彩音は手加減せずになおも続ける。
「ぎゃあああああああああ!!!!!!」
 効くのだが、これはちょっと効き過ぎだ。いつもより痛い。
「ちょ、ちょっと彩音先輩やめてください!シュウ先輩痛がってますよ!!」
 悲鳴を上げるシュウを見かねたリカが彩音を止める。
「邪魔しないで。これが効くんだから」
「いいえ、彩音先輩には任せられません!やっぱり私がやります!!」
 リカが彩音を押しのけようとシュウの上に乗る。
「大丈夫、だから!痛いかもしれないけど、ちゃんと効果あるの!」
「いくら効果あっても、痛がらせたら可哀相です!マッサージは気持ちよくなくっちゃ!」
「気持ちいいだけじゃ意味ないでしょ!ちゃんと身体の調子を整えてあげなきゃ!」
 いがみ合う二人。しかもシュウの上で。
「ぐ、ぐお……!」
 背中の上でドタバタと対抗しているものだから、シュウはたまらない。
「私がやります!」
「いいえ、私が!」
 ガルルルルルル!とにらみ合う二人。
 そこで、シュウはブチ切れた。
「ああもう、いい加減にしろおおおおおお!!!!!」
 二人を押しのけて、シュウは飛び上がるように立ち上がった。
「はぁ、はぁ……!」
 ビックリしてシュウを見上げる二人に、シュウはソファの上で仁王立ちしながら言った。
「何がマネージャー対決だ!!バトルすんのはビーダーの役目なんだよ!!そんな、競い合うようなマネージャーなんて、いらねぇ!!!」
 それだけ言い捨てると、シュウは休憩室の方へ歩いていく。
「あ、シュウ君!」
「シュウ先輩!」
 慌ててその後を追おうとする二人に、シュウは振り返らずに言った。
「ちょっと寝てくる!ついてくんなっ!!」
 プンスカ怒りながら、シュウはずんずんと奥へ行ってしまった。
 
「怒らせちゃった……」
「ちょっと、やりすぎたかも……」
 二人はシュンと項垂れた。
 
 休憩室。
「ったくもう!こんなんじゃ日本選抜戦間に合わねぇよ!」
 シュウの怒りはまだ収まらないようだ。
「シュウ」
 そんな所で、琴音が休憩室に入ってきた。
「ことねぇ」
 琴音は神妙な面持ちでシュウの隣に座ってきた。
「なんか、大変だったみたいね」
 さきほどまでのやり取りを見ていたのか、琴音は苦笑しながら言った。
「あぁ、もうたまんねぇよ。人をダシにしやがって……!」
「だよねぇ。あんなお姉ちゃん初めて見たよ」
 琴音はおかしそうに笑った。
「他人事みたいに言いやがって……」
 シュウは不満げに言った。
 が、琴音はフッと笑いを止め、真面目な表情でシュウを見た。
「あのさ、シュウ。お姉ちゃんの事、嫌わないであげて」
「え?いや、別に嫌うってほどじゃないけどさ……」
「お姉ちゃん、ちょっと気持ちが揺らいでるみたいだから。あの子が来てから……ううん、本当はシュウと出会ってからなのかもしれない」
「俺と……?」
 ちょっと意味が分からなかった。
「だって、お姉ちゃんがあんな風に誰かに尽くすなんて滅多にないもん」
「そう、なの?でも、あやねぇは優しいからな」
 彩音のイメージは、皆の世話を焼く優しいお姉さんだ。
 だから、常に誰かに尽くしていると思うのだが。
「それでも、シュウに対しては特別よ。シュウのために特別な分析をしたり、特製の料理を作ったり、付きっ切りで練習したり。
誰にでも優しいお姉ちゃんだからこそ、たった一人を特別扱いするなんてありえない事なんだよ」
「……」
 言われてみればそうだ。
 優しい人は誰にでも優しい。
 その優しさは平等だからこそ優しいのだ。
 優しいからこそ、簡単に特別扱いは出来ない。
「俺にだけ……?」
「ううん。正確にはもう一人。あたしとお姉ちゃんの、お兄ちゃんよ」
「っ!」
 それは、何度も聞いた事がある。
 彩音がもっとも慕っていた人物だ。
 そして、シュウと似ている人物……。
「佐倉、ゆうじ……」
 その名を呟いたシュウは、なんとなく琴音が言いたい事を理解した。
「シュウ、あたしはあんたに代わりになれなんて言わない。けど……」
「……」
 シュウは黙ってその続きを待った。
「もし、今後お姉ちゃんが気持ちの揺らぎに耐え切れなくなって、暴走してしまったとしても、その時は受け入れてほしい」
「……」
 シュウは琴音の言葉には答えず、黙りこくってしまった。
「言いたい事はそれだけ。邪魔したね」
 返事は強制せず、琴音は立ち上がって部屋から出て行った。
「……」
 琴音がいなくなり、静かになった部屋の中で、シュウは何を考えているのか、息を殺してジッとしていた。
 
 
 その頃、練習場では彩音とリカがタケルにこってり絞られていた。
「ったく、迷惑かけない範囲でなら目を瞑ろうと思っていたが、これはちょっとやりすぎだぞ!」
 
「「ご、ごめんなさい……!」」
 二人はしょんぼりと謝った。
「シュウは大事な試合を控えたビーダーだ。振り回していい身体じゃない。マネージャーなら、そこを一番分かってやらなきゃいけないだろ!
彩音さんもこんな事に乗って、らしくないぞ」
「反省してます……」
 彩音は頭を下げた。
「それからリカ!」
「は、はい!」
 矛先が自分に向けられ、リカは姿勢を正した。
「とりあえず、シュウ専属のマネージャーは禁止!」
「えぇ~!!」
 あからさまに不満の声を上げた。
「えぇじゃない!お前はクラブ全体のマネージャーだ!仕事はしっかり覚えろ!それが厭なら辞めるんだな」
「わ、分かりましたよぉ……!」
 クビにされるのはさすがに敵わないと、リカはしぶしぶながら返事をした。
「よし、もう行っていいぞ。仕事に戻れ」
 それだけ言って、タケルは自分の練習に戻って行った。
 
「はぁ、怒られちゃいましたね」
 リカは少し落ち込んだ口調で彩音に言った。
「しょうがないよ。私達調子に乗りすぎちゃったし。シュウ君にもちゃんと謝って、これからの仕事で挽回しよう」
「そうですね。私、頑張ります」
「うん」
 この一件で、少しは二人の仲がほぐれたようだ。
 
「あ、シュウ先輩!」
 と、シュウが寝ぼけ眼のまま休憩室から練習場へ戻ってきた。
「ふぁ~あ。もうちょっと寝とけばよかったかな……」
 大あくびをするシュウの前に、彩音とリカはやってきた。
「シュ、シュウ君……!」
「シュウ先輩……!」
 真面目な表情で目の前に現れた二人を見て、シュウは面食らった。
「あ、あぁ、ど、どした?」
「その……」
 二人は勢いよく頭を下げた。
「「ごめんなさい!」」
「私達、調子に乗りすぎました!」
「一か月後に大事な試合があるのに、振り回しちゃって本当にごめんね」
「あぁ、いいよいいよ。勝負しろって言ったのは俺の方だしな。とりあえず、もう邪魔しなければいいや」
 シュウとしてもこれ以上責める気は無いらしい。
 と言うよりも、責める時間があれば練習をするべきだ。
「あぁ、やっぱりシュウ先輩は優しくて素敵ですぅ!!」
 と、リカはシュウへ抱き着こうとするが、彩音がそれを制した。
「だから、そういうのが良くないの」
「あ、そうでした……」
 リカはバツが悪そうに笑った。
「さ、本来の仕事に戻ろう。倉庫の整理の仕方教えてあげるから」
「は、はい!よろしくお願いします!」
 二人は倉庫の方へ歩いて行った。
 
「……」
 シュウは去っていく二人の背中を見ながら、思案した。
 
“もし、今後お姉ちゃんが気持ちの揺らぎに耐え切れなくなって、暴走してしまったとしても、その時は受け入れてほしい”
 琴音の言葉が脳裏に浮かんだ。
「受け入れるって、どうすればいいんだよ……」
 
         つづく
 次回予告
 
「夏だ!海だ!合宿だ!!
俺達仲良しファイトクラブは、日本選抜戦に向けてタケルの家の別荘へ合宿に行く事になった!
 
 次回!『波乱の夏合宿!』
 
熱き魂で、ビー・ファイトォ!!」

 

 

 



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