オリジナルビーダマン物語 第44話

Pocket

爆砕ショット!ビースピリッツ!!


第44話「タケルの誓い!過去からの手紙」






 北海道、小樽。
JBC第3回戦会場。
『さぁ、次の試合が第3回戦最後の戦いとなるぞ!
対戦カードは守野タケル君VS村山要君だ!』
ボートにタケルと、背の低い少年が乗り込んだ。
「よろしくな」
タケルは紳士的に試合前の握手を求めた。
「こちらこそです!負けないです!!」
要はその手を握り返した。
『さて、試合前の握手も終わったところでそろそろ始めるぞ!
レディ、ビー・ファイトォ!!』
ボートが動き出す。
しばらくするとターゲットが見えてきた。
「はぁぁ!!」
レックスはドライブショットで水を切りながらターゲットを撃破した。
「す、すごいです!」
「悪いが、こんな所で手こずっている場合じゃないんだ!全力でいかせてもらう!!」
「それは、要も同じです!」
要の一人称は、自分の名前のようだ。
「いくです!スピン=オブディヴァリ!!」
オブディヴァリは、ヘッドにシカのような角パーツが特徴的なビーダマンだ。
「シカ型ビーダマン!?」
「要の出身地は奈良!奈良と言えば、シカです!!」
「なるほどな」
奈良なら、仕方がない。
「いくです!!」
ドンッ!バシュッ!!
が、オブディヴァリのショットはあらぬ方向へ飛んで行った。
「どこを狙って……」
「ここからですよ!」
ガッ!
壁にぶつかって急激に反射し、ターゲットを撃破した。
「スピンボールか……!」
「要のスピンコアは、片側をラバーに、もう片側にはボールベアリングを仕込むことで回転力を更に増幅させてあるのです!」
「なるほどな。だがっ!」
今度は反対側にターゲットが出現する。
それに要は反応できず、タケルはそれを撃破した。
「いくら回転力を増幅した所で、そのスピンコアでは片側の回転にしか対応できない!」
「くぅぅ!バレてしまったですか!でも、ちゃんとその対策はしてあるです!」
「なにっ!?」
再びさっきと同じ側にターゲットが出現する。
「いけです!!」
ドンッ!
今度は、要が反応した。スピンしているにも関わらず素晴らしいコントロールでターゲットを撃破する。
「スピンボールを完璧にコントロールした……!」
「このシカの角がどんなにビー玉が回転しても正確にコントロールできるようにしてるです!」
「ほぅ、ただの照準器にしては妙な形をしていると思ったら、曲がりくねった角はスピンの軌道に合わせているというわけか」
「オブディヴァリに死角はないです!」
「面白い!!」
『これは凄いぞ!バトルは一進一退の攻防戦だ!!
大接戦の白熱バトル!これこそビーダマンバトルと言えるぞ!!』

そして、バトルは終盤戦。
得点は二人とも同数だ。
『同数で迎えた終盤戦!次のターゲットがラストとなる!これを制したものが勝利だ』
「行くです!スーパースピンショット!!」
ドンッ!!
要はコアを思いっきりシメつけて強力な回転のビー玉を放った。
「はぁぁぁぁ!!グランドプレッシャー!!」
タケルは光のテーブルを出現させ、その上にレックスを叩きつけながらショットを放った。
先に撃ったのは要だが、タケルの方が速いのですぐに追いつきそうになる。
「蹴散らせ!」
「無駄です!回転で弾き返します!!」
しかし、タケルの振動玉は要の回転を無効化し、弾き飛ばしてしまった。
「えぇ!?」
『決まったぁ!!タケル君のスーパーショット炸裂で、この勝負はタケル君の勝利だ!!』
「よし!」
「負けてしまったです……でも、良いバトルでした」
「ああ。楽しかったぜ」
タケルと要は互いの健闘を称えて握手をするのだった。
そして、バトル終了後、タケルはボートから降りてシュウ達の待つところまで歩いていた。
「よぉ」
そんなタケルの前にヒロトが現れた。
「ヒロト、さん……」
「強くなったな、タケル」
ヒロトは、バカにするでもなくそう言ったが、タケルは身構えてそれには答えなかった。
「……」
「だが、まだまだ甘いな。馴れ合いでビーダマンやってるうちは、俺には勝てないぜ」
「仲良しは、馴れ合いなんかじゃありません」
タケルは鋭くヒロトを睨み付けながら言った。
「プッ!仲良し、ねぇ……ガキじゃあるまいし。そういうところが甘いっつってんだよ」
「俺は!仲良くしたいから仲良くするわけじゃない!強くなるために互いに高め合えば自然と仲良くなる!そして、仲が良いからこそ全力で競い合える!
全力で競えるからこそ強くなる!それが仲良しファイトクラブなんです!!」
「なら俺には不要だ。強くなるための道は、既に見極めている」
「ヒロトさん……!」
「昔の仲間のよしみだ。お前のビーダマンは俺が破壊する」
ヒロトはそれだけ言うと、タケルの横を通り過ぎて歩いて行った。
「……」
タケルは歯を噛みしめながらジッとしていた。
そして翌日。
仲良しファイトクラブでは、明日に控えた準決勝に向けてシュウとタケルが準備をしていた。
「うおおお!!!」
ドーーーーン!!!
シュウは、備え付けてあるパンチングマシンのような、ビーダマンのパワー測定機に向かってショットを放った。
隣では彩音がそのショットを分析している。
「うん、パワー効率98%。調整はこれで完成ね」
「おう!ブレイグも良く手に馴染むし、あやねぇのメンテは完璧だぜ」
「後は、明日に備えてシュウ君自身の体調を整えれば、準決勝は100%の力で戦えるはずよ」
「ああ、サンキュ!明日の試合、絶対にことねぇに勝つぜ!!」
「うん」
と、シュウと彩音が話している中。
タケルは一人、アルティメットシューティングを相手に練習していた。
しかし、その表情は上の空で、全く集中できていない。
「タケル?なんかボーッとしてるけど、大丈夫か?」
そんなタケルに気付いた二人が声をかけた。
「調子が悪いんだったら無理しない方が良いよ」
彩音にそう言われ、タケルはハッとした。
「あ、いや、大丈夫です。体調が悪いとかではないんで」
そう言いながらも、タケルは別の事を考えていた。
“馴れ合いでビーダマンやってるうちは、俺には勝てないぜ”
“昔の仲間のよしみだ。お前のビーダマンは俺が破壊する”

先日、ヒロトに言われた言葉が頭から離れなかった。
(ヒロトさん……)
タケルは、知らず拳を強く握りしめた。
(あのヒロトさんには勝たなければならない。だが、今の俺で本当に勝てるのか?新型ヴェルディルに、今のレックスで……)
手に持ったレックスを見る。
ヴェルディルと比べ、性能差は大きいだろう。
タケルは、意を決して彩音に向かって言った。
「彩音さん。工房からあのビーダマンを持ってきてください」
「えっ、でもあれは……!?」
タケルの言葉に、彩音は驚いた。
「今のままじゃヒロトさんには勝てない。あいつの力を使うしかないんだ」
「……分かったわ」
彩音は頷き、練習場を出て行った。
しばらくすると彩音が戻ってきて、赤いビーダマンをタケルに手渡した。
「はい、これ」
「ありがとうございます」
「あれ、そのビーダマンって……」
シュウは、その赤いビーダマンに見覚えがあった。
「あぁ、お前も前に見た事あったな。こいつは、本来のレックスだ」
「本来のレックス?」
「このビーダマンが、私が4年前にタケル君用に開発したレックスなの」
「だが、当時の俺はこいつを扱いきれなかった。性能が高すぎたんだ」
タケルは悔しそうに本来のレックスを握った。
「それで、性能を落として当時のタケル君でも扱えるように開発したのがシフトレックス」
「へぇ……」
「あの時は使いこなせなかったが、今の俺なら出来る。いや、やらなければいけないんだ!」
タケルはレックスを持って測定機の前に立った。
「行くぞ、タイラントレックス!!!」
バシュウウウウウ!!!
タイラントレックスから今までのレックスとは比べ物にならないパワーショットが放たれた。
「す、すげぇ……!」
しかし……。
「ぐああああああ!!!」
その衝撃にタケルは悲鳴を上げ、そのショットは測定機から大きく外れて、壁にぶつかってしまった。
「ぐぅぅぅ……!」
タケルは腕を抑えて蹲っている。
「だ、大丈夫かよタケル!?」
「タケル君!」
彩音とシュウが駆け寄った。
「あ、あぁ、大丈夫だ……しかし、まだ扱いきれないのか、俺は……!」
タケルは悔しげに唸った。
「タケル君……」
そんなタケルを見て、彩音は少し悲しげな表情になる。
「だが、準決勝までまだ時間はある!必ず使いこなして見せる!!」
タケルは立ち上がって再びタイラントレックスを構えた。
「うおおおおお!!!」
バシュウウウウウ!!!
再び強烈なパワーショットが炸裂するが、狙いが定まらない。
「ぐううう……!」
タケルも先ほどと同様苦しそうにしている。
「タ、タケル……!」
「まだまだぁ!!」

その後も何度も何度も挑戦するのだが、結果は同じだった。
タイラントレックスは上手くコントロールできず、タケルのダメージが増大する一方だった。
「ぐ、うぅぅぅ……!」
タケルは腕を抑えて蹲った。
「だ、大丈夫かよ!」
「あ、あぁ……続けるぞ……!」
「ダメよ。これ以上やっても無理が祟るだけ。一旦休憩室で休んで」
彩音が厳しい口調で言った。
「だ、だが……」
「タイラントレックスもそろそろメンテしなきゃ。メンテナンスは私がやっておくから、タケル君は休憩室へ」
「……はい」
タケルはしぶしぶ頷いて、休憩室へ歩いて行った。
その途中、ガクッ!と倒れそうになる。
「タケル!」
シュウは慌ててタケルを支えた。
「マジで大丈夫かよ」
「すまん、シュウ」
シュウはタケルに肩を貸し、二人で休憩室へ歩いて行った。

休憩室。
シュウはタケルに飲み物を渡し、二人で座布団の上に座った。
「しかし、情けねぇ。あれから4年も経ってるってのに、俺は全然進歩してないのか……」
タケルは天を仰ぎながら悔しそうに呟いた。
「タケル……」
「負けるわけにはいかない。仲良しファイトクラブのためにも、俺のためにも……ゆうじさんの、ためにも……」
最後の方の呟きは、小さすぎてシュウには聞き取りづらかった。
「なぁ、タケルは、なんでそんなに頑張るんだ?なんのためにビーダマンやってるんだ?」
「え?」
「前に、タケルが俺に聞いた事だろ。だから、今度はタケルから聞かせてくれよ。なんで、仲良しファイトクラブがこんなに錆びれてもクラブを続けようと思ったんだ?」
「……そうだな。お前には見せてもいいかもな」
そう言って、タケルは立ち上がり、部屋の奥へと歩いて行った。
そして、一枚の手紙を持ってきた。
「これは?」
「世界大会決勝前に、ゆうじさんが俺とヒロトさん宛てに書いた遺書だ」
「遺書……」
「あぁ、俺とヒロトさんが使っているロッカーの下に同じ内容の物がヒッソリと置かれていたんだ」

シュウはその手紙を読んでみた。
『これを見ていると言うことは、俺はもう死んでいるんだと思う。
こんな形で別れを言うことになってすまない。みんなには迷惑をかけた。
だが、俺は後悔はしていない。この人生をビーダマンに捧げられたのだから
だから、皆もこれまで通りビーダマンに励んでほしい。それがオレの願いだ。
タケル、ヒロト。俺がいなくなった事で皆の士気は下がると思う。二人で協力して、皆を引っ張り、導いてくれ。
そして、タケル。いずれはお前がクラブのトップに立つんだ。だから、もっともっと強くたくましくなれ。後のことは任せたぞ』
「ゆうじさんは、俺とヒロトさんの二人に見てほしいとこの手紙を書いたみたいなんだが。
ヒロトさんはこの手紙に気付く前に辞めてしまって、結局この手紙の内容は俺一人しか知らないままだ」
タケルとヒロトに宛てているとしっかり明言されている以上、彩音や琴音にも話せなかったのだろう。
「まぁ、内容は違うみたいだが、当然彩音さんや琴音にも手紙は渡したみたいだけどな」
当然ながらその内容はタケルは知らないし、知ろうとも思わない。それは死者に対する冒涜だと思ったからだ。
シュウに見せてしまったのは、やはりシュウがどことなくゆうじと似ているからなのだろう。
「こんな手紙が……」
「この言葉があったから、俺は仲良しファイトクラブがどんな事になっても頑張ろうと思えるんだ。この、過去からの手紙が俺の支えだ」
「タケル……」
「だが、結局皆の士気を上げることは出来なかった。ヒロトさんは辞めて、メンバーもどんどん減っていって……。そして琴音まで……俺じゃ、ユウジさんのようには」
「何言ってんだよタケル!まだ、俺がいるだろ!頑張ろうぜ!頑張ってレックスを使いこなして、絶対にことねぇとヒロトの目を覚させるんだ!」
「シュウ……へへっ、お前をクラブに入れたのはやっぱ正解だったみたいだな」
「な、なんだよ急に」
「シュウ、改めて言う。クラブに入ってくれて、ありがとうな」
「よ、よせやい!俺は自分の目的のために入ったんだ!礼を言われる事なんてねぇよ」
「それでも、だ」
「あ、あぁ」
シュウは少し照れつつも頷いた。
「それじゃ、少し仮眠を取る。30分経ったら起こしてくれ」
「分かった」
言って、タケルは眠りについた。
それを見ると、シュウは休憩室を出てメンテをしている彩音の所へ向かった。
「あやねぇ」
「あ、シュウ君。タケル君は大丈夫?」
「あぁ。今は仮眠を取ってる」
「そっか……」
「タケルってほんとすげぇよな。クラブがどんな状態になっても頑張っててさ。俺も負けてられねぇぜ」
「シュウ君……」
「タイラントレックスだって、タケルだったら準決勝までに使いこなせるぜ!」
「実は、それなんだけど……」
彩音は言いにくそうに口を開いた。
「え?」
「タケル君はもう、タイラントレックスを使いこなせているはずなの」
「ど、どういう事!?」
「これを見て」
彩音はシュウにパソコンのモニターを見せた。
そこには、シフトレックスのパラメータとタイラントレックスのパラメータ、そしてタケルのパラメータが映し出されていた。
「これが、シフトレックスを扱っている時のタケル君のパラメータ。この時点で、もうタイラントレックスを扱えてもおかしくないのよ」
「そ、そうなのか……?」
シュウには良く分からないが、タケルがもうタイラントレックスを扱えるほどの力を持っている事は理解した。
「でも、実際使えてなかったじゃん」
「それは、シフトレックスを使っている時のタケル君のパワーの話。そしてこれが、タイラントレックスを使った時のタケル君の能力値」
一気にタケルのパラメータ数値が下がった。
「あれ?タケルの能力値が……!」
「そう、タイラントレックスを使った時だけ、タケル君の能力値が4年前の数値まで下がっちゃったの。これがタケル君がタイラントレックスをまだ使えない理由よ」
「ど、どうしてこんな事が……!」
「きっと、身体的な問題じゃなく、精神的な問題ね……」
「精神的な?」
「うん。4年前、初めてタケル君がタイラントレックスを撃った時、扱いきれなかったばかりか、反動に耐え切れずに壁に激突して、大けがをした事があるの。
その時の恐怖が、タケル君本来の能力を阻害しているんだと思う」
「……つまり、タケルは怖がってる?」
「きっと、タケル君もそれは分かってる。分かってて、必死に立ち向かってるのに、それでもどうしようもないんだと思う」
「タケル……」
シュウは拳を握りしめた。
休憩室。タケルは仮眠を取っている。
しかし、その寝顔はやすらかなものではない。
「う……く……!」
悪い夢でも見ているのか、うなされているようだ。
「うわああああ!!」
悲鳴と共に目が覚める。
「はぁ、はぁ……くそ、ロクに休めやしない」
その時。一発のショットが机に置いてあったシフトレックスを直撃した。
「なにっ!」
床に落ちて分解するシフトレックス。
ショットを撃ったのは、シュウだった
「お前、どうして……」
「聞いたぜ、タケル。本当はもうタイラントレックスを扱えてるはずらしいじゃねぇか。なのに怖がって扱えないんだって?」
「……」
図星を付かれたのか、タケルは黙りこくった。
「幻滅だぜ。タケルがそんな弱虫とは思わなかった。そんな奴がリーダーのクラブじゃ廃れて当然だな」
「何が言いたい?」
「悪いけど、今日を持って仲良しファイトクラブを退会する。俺も源氏派に付くぜ」
「なにっ!」
「勝負だ。確か源氏派は相手のビーダマンを壊すんだったよな」
「シュウ……てめぇぇ!!!」
シュウのいきなりの発言に、タケルの頭に血が上った。
タイラントレックスを手に取って、シュウとの勝負を受けたのだ。

練習場で、フィールドを挟んでタケルとシュウが対峙している。
「競技はバトルホッケーでいいな?」
「あぁ。弱虫なんかぶっ潰してやるぜ!」
バトルスタート。
「うおおおお!!いけぇ、バスターブレイグ!!!」
バスターブレイグのパワーショットがパックをどんどん弾き飛ばしていく。
「くっ!」
「どうしたタケル!?撃ってこいよ!!それとも、怖くて撃てないのか!?」
「舐めるなぁぁあ!!!!」
ドンッ!!!
タイラントレックスから、バスターブレイグに負けないほどのパワーショットが放たれた。
大きくパックが弾き飛ばされる。
「ぐっ、このパワー……バスターブレイグより強いかもしれねぇ……!」
「俺は、負けるわけにはいかない!!うおおおおおお!!!」
再びタイラントレックスからパワーショットが放たれた。
「くそっ!」
シュウも急いで迎撃する。
「はあああああああああああ!!!!!」
だが、タケルの気迫の方が勝っており、そのままパックは押し込まれてしまった。

バトル終了。
「はぁ、はぁ……」
「はぁ、はぁ……」
二人とも汗だくで息が切れている。
「シュウ、てめぇ……覚悟は出来てるんだろうな!?」
未だ怒りの収まらないタケルがシュウへ掴みかかろうとする。
が、その前にシュウは嬉しそうに言った。
「やったな、タケル!タイラントレックスを使いこなせたじゃねぇか!!」
いきなりの態度にタケルは面食らった。
「え?」
「タイラントレックスだよ!あそこまでバトル出来れば、もうばっちりじゃねぇか!」
「シュウ、お前まさかそのためにワザと……?」
そこまで言われて、タケルはシュウの真意に気付いた。
「あぁ、タケルがレックスを使えない原因が心の問題だとしたら、心を別の所に集中させればいいって思ったんだ」
「ちょっと荒療治だけどね。大丈夫、シフトレックスは分解しやすいように私が細工しておいただけだからすぐ治るよ」
彩音もシュウに便乗して言った。
「なんだよ、彩音さんまでグルだったのか……ったく、人が悪いな」
タケルはさっきまで怒っていたのが恥ずかしくなったのか後頭部を掻いた。
「なんだって良いじゃねぇか!これで、準決勝はばっちりだぜ!」
「ったく、ありがとよ!」
ゴチンッ!!
タケルはお礼と一緒に拳をシュウの頭に振り下ろした。
「いってぇぇ!!!」

つづく

次回予告

「さぁ、ついに準決勝!俺とことねぇとのバトルになった!
ことねぇは、俺のブレイグを破壊しなければならないと、悲しそうな表情でバトルをしてくる!
だけど、そんなバトルことねぇのバトルじゃねぇよ!俺のビー魂で目を覚まさせてやる!!
次回!『追い求めていた偶像』

熱き魂で、ビー・ファイトォ!!」

 

 




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

JPEG,PNG,GIF形式の画像を投稿できます(投稿時はコメント入力必須)