オリジナルビーダマン物語 第25話

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爆砕ショット!ビースピリッツ!!


第25話「神秘の大陸 ヨーロッパ」





 ジャパンビーダマンカップ関東予選団体戦を突破した仲良しファイトクラブ。
その激闘から数週間。
現在、仲良しファイトクラブのメンバーは……。

上空数千メートルの雲の上、天国にもっとも近い場所にいた。

「うっひゃ~、す、すげぇ、すげぇ、ほんとに飛んでる、飛んでる~!!」
旅客機のファーストクラスの窓際でシュウが窓に顔と手を押しつけながら騒いでいた。
「こら、うるさいわよシュウ!さっきから同じことばっかり言ってるじゃない」
真ん中の席で彩音と隣に座っている琴音が文句を言う。
「だってしょうがないだろ!?俺、飛行機初めてなんだから!!ってか、ファーストクラスってほんとにあったんだなぁ……!」
シュウはフカフカの椅子に身を沈める。
「ったく、ガキなんだから」
「まぁまぁ、良いじゃない琴音ちゃん。シュウ君楽しんでるみたいだし、他にお客さんもいないんだから」
彩音の言う通り、この周りにはほかに客がおらず、ほとんど貸切状態だった。
「まぁ、ね……」
彩音に言葉に、琴音はしぶしぶながら頷く。
「そうそう、堅い事言わない言わない!」
「あんたが言うな!」
シュウにだけは言われたくない。
「それにしても、全国大会出場祝いで夏休みを利用して一週間のヨーロッパ旅行に行くのは良いんだけどさ。どこからそんな金が出たんだ?」
シュウは、今回の旅費についてはまったく聞かされて無いようだ。
「あぁ、気にするな。お前の分の旅費は俺の小遣いから出してやってるから」
と、それに答えたのはシュウの隣に座っているタケルだった。
タケルは淡々と真顔でとんでもない事を口にした。
「は……?こ、小遣いって……小学生の小遣いで、ヨーロッパ旅行なんて出来るのか……?」
そもそもシュウは毎月の小遣いなんてものはもらってなくて、手伝いとかした時にたまにもらえるお駄賃だけで生計(?)を立てている。
「あれ、シュウ言わなかったっけ?」
琴音が、シュウが驚いている事に意外そうな顔をした。
「タケルのお父さんって守野財閥の社長で、凄いお金持ちなのよ」
「へ?」
初耳だ。
守野財閥って言ったら、一流大企業じゃないか。
「ちなみに、私たちのお父さんも、佐倉コーポレーションの社長」
「ぎょっ!?」
佐倉コーポレーションも守野財閥に負けず劣らずの一流企業だ。
「マ、マジ……」
「だいたい、今までたった3人しか会員がいなかったクラブが、どうやって会費を賄ってたと思ってるのよ」
なるほど、クラブは会員からの会費で運営するもの。
それがたったの3人では普通では成り立たない。
が、その3人が一流企業の社長の子供となれば話が違うのだろう。
タケル達は莫大なお小遣いで錆びれたクラブを運営してきたのだ。
「え、えげつない……。なんで今まで黙ってたんだよ」
「別にわざわざ言う必要ないだろ。自慢する事でもないし」
タケルの言うとおりではあるが、でもこれは重大な事実な気がする。
きっと、タケル達にとっては当たり前過ぎて大して気にしていないのだろう。
まぁ、金持ちである事を鼻にかけるよりはずっと良いのだが。
そんなこんなで、飛行機は無事にギリシャの空港についた。
この日は、そのままホテルに向かい、一休みし、次の日から観光する事になった。

翌日。
シュウ達は、エーゲ海の海水浴場にやってきた。
「うおおお、海だ~!!」
海水パンツ姿のシュウが、砂浜を走り、海へ飛び込む。
どっぱーーーーん!!
「っひゃ~、気持ち良い~!!」
そんなシュウを、ブーメランパンツ姿のタケルが砂浜から呼びかける。
「おーい、シュウ!ちゃんと準備体操してから水ん中入れよ!」
「なんだよ、いいじゃねぇか!タケルも早く来いよ~!!」
シュウは波と格闘しながら叫んだ。
「まったく」
そんなシュウの姿に、タケルはあきれながらも楽しげな顔をする。
そして、律儀に準備運動を始めた。
「お待たせ~!」
「ごめんね、遅くなっちゃって!」
と、準備運動していると二人の少女の声が届いた。
「おう」
タケルはそう短く返事して一旦準備運動を中断した。
「あれ、シュウ君は?」
彩音が、タケルしかいないことに疑問を抱く。
「あっち」
タケルが親指で、まだ波と戯れているシュウを指した。
「相変わらずね、シュウ」
「着替えた途端、一目散に海に向かってったからなぁ」
タケルが苦笑した。
「そんな事よりも、どう?タケル、あたし達の水着姿」
言って、琴音はふざけてポーズを決めた。彩音は少し恥ずかしそうに後ろに下がった。
「どうって……」
琴音は、スポーツブラとホットパンツを合わせたようなシンプルな黄色い水着だ。
凹凸の少ないボディ形状だが、スレンダーな体型にはよく似合っている。
対する彩音は、フリルのついたピンクのビキニだ。ボトムのフリルは超ミニスカートのようになっているがわずかに裾が覘いている。
そして、中学生だけあって、年相応に発育はしてる。

残暑見舞い


「似合ってるんじゃないか?」
タケルの感想は簡素だった。
「……それだけ?」
「うん?あぁ。それより二人とも早く準備運動して、シュウの相手してやらないとうるさいぞ」
言って、タケルは準備運動の続きを再開した。
「とーへんぼく」
「あはは……」
淡々と準備運動をするタケルをジト目で見ながら琴音は呟いた。
「おーーい!皆来たんなら早く来いよーー!!」
海の方からシュウが催促する。せっかく海に来たのだから、海に行こうぜ!って事だろう。
「おう!すぐ行くよ!!」
「いこ、お姉ちゃん!」
「うん!」
彩音と琴音は海へと駆けだした。
「お、おい!二人とも準備運動!!」
結局、タケル以外誰も準備運動する気はないようだ。
「冷た~!」
「水キレイね~!」
キャイキャイしながらシュウのとこへやってくる彩音と琴音。
「くらえぇ!スーパーウォーターアタック!!」
そこへ、シュウが手で水鉄砲を作り、琴音の顔面に向かって発射した。
ぶしゃああああああ!!!
「きゃああ!」
バッシャーン!
琴音は、彩音を巻き込んで海の中にブッ倒れた。
「ぎゃっはっはっは!!見たか、俺のパワーショット!!」
その姿を見て、シュウは大爆笑している。
「うぅ、いきなり何すんのよシュウ!!」
「へっへーん!油断してるからだぜ!!ビーダマンバトルは一瞬の隙が命取りだろ!」
「これはビーダマンバトルじゃないってーの!」
ふに……と、琴音は自分の手が何か柔らかいものに触れていることに気づいた。
「ちょ、琴音ちゃん、手……」
見ると、彩音の顔が少し赤い。
琴音の左手がちょうど彩音の胸に当たり、沈んでいた。
「お姉ちゃん……」
琴音は、素早く彩音の後ろに回り込み、両手で胸をわしづかみにした。
「きゃぁ!!」
「いつの間にかこんなに成長して……ズルい!!」
「ちょ、琴音ちゃんやめっ……!」
「姉妹なんだから、ちょっとくらいあたしにも分けてくれたっていいのに~!!」
「琴音ちゃんだって、これからもっと成長するよ、だから、離して……!」
彩音の懇願は聞かず、琴音は手を離さない。それどころか手つきがどんどんいやらしく……、
ゴチンッ!
「あいたっ!」
「なにやっとんじゃおのれは!」
調子に乗ってきた琴音の頭上にタケルのゲンコツが降り注いだ。
「なにするのよ~」
彩音の胸から手を離し両手で頭を押さえ涙目になる琴音。
「ガキも見てんだから、そういうのは自重しろ」
二重の意味でな。
「うおおおおりゃあああああ!!!」
一同が、完全に彩音の胸に集中している時だった。
突如シュウの雄叫びが聞こえたかと思うと。
バッシャーーーーーーン!!!
超絶水しぶきが三人に降り注いだ。
「うわっぷ!!」
三人は頭から水をかぶってしまった。
「うぅ……」
「なっはっはっは!!水面を思いっきり叩く事で、莫大な水しぶきを発生させたんだぜ!!」
シュウが得意げに、今行った技の説明をする。
こいつは、彩音の胸がどうのこうのな状態でもそんな事しか頭になかったようだ。
「やったなこのやろう!!」
タケルも負けじと、自慢の腕力で水を振り上げてシュウにぶっかけた。
「どわわわ!!さっすがタケル……でも負けねぇぇ!!」
シュウもお返しにと水鉄砲を繰り出した。
こんな調子で、四人は午前中ずっと海水浴を楽しんだのだった。
そして、午後は市内観光だ。
ギリシャの街並みを徒歩で観覧する。
「おぉ~!」
シュウは物珍しそうにキョロキョロと首を動かしながら歩く。
「よそ見してると、危ないよ~」
彩音がやさしく注意するのだが、シュウの耳は右から左だ。
「いやぁ、ヨーロッパってなんか日本と違うよなぁ!こう、神秘的っていうか、なんていうか!」
「あんたにギリシャの良さが分かるの?」
琴音がからかうように言う。
「わ、わかるさ!えっと、なんというか、えっと……!」
なんとか自分が感じたヨーロッパの良さを言葉にしようとするのだが、良い言葉が思いつかない。
と、ふいに、シュウの目つきが変わる。それはヨーロッパの良さを感じていた時とは比べ物にならないほどの楽しさに満ちていた。
「あぁ、ビーダマンバトルやってる!!」
視界に入った広場で、現地の子供たちがビーダマンバトルで遊んでいたのだ。
シュウは目を輝かせながらそこに向かっていった。
「あ、シュウ!」
「シュウ君、待って!」
みんなの制止も聞かず、シュウは走っていく。
「まったく、ギリシャに来た感動よりも、ビーダマンバトルが出来る感動の方が上じゃいつもと変わらないじゃない」
琴音が呆れる。
「まっ、それに関しては俺も人の事は言えないがな」
タケルはシフトレックスを取り出す。
「待てよシュウ~!」
そしてシュウの跡を追って駆け出した。
「タケルまで……せっかくの旅行なのに、ほんとビーダマンバカね」
「ふふ、そういう琴音ちゃんもなんじゃない?」
彩音が言うと琴音もハニカミながらスパークグルムを取り出した。
「えへへ」
琴音と彩音も広場へ向かっていった。
ドギュッ!ドギュッ!バギィ!!
「おっしゃぁ、俺の勝ち~!!」
シュウ達は広場で現地の子供たちと簡単な競技でビーダマンバトルを楽しんだ。
結果は、連戦連勝。
その強さに、シュウ達はあっという間に子供たちの人気者になったのだった。
「君たち強いね!」
「日本人なの?!」
「さすがビーダマン発祥の地!」
「ねぇねぇ、今度は俺とバトルしてよ!!」
と、現地の子供たちに言い寄られる。のだが、全部ギリシャ語なので実際なんて言われてるのかは分からない。
「えへへ、なんか人気っぽいなぁ俺達!おっしゃぁガンガンバトルしようぜ!」
言葉が通じなくてもバトルが出来るなら魂で通じ合えるのだろう。
再び、バトルに興じるのだった。
「へぇ、強いね。君たち」
何戦かした時、一人の少年が日本語でシュウ達に話しかけてきた。
言語は日本語だが、見た目は現地の少年だ。
「え、あぁ、まぁな!こう見えても俺達、日本の全国大会決勝への進出を決めたんだぜ!」
「へぇ、凄いね!君の持ってるビーダマンも強そうだし」
少年は、ジロジロと舐めるようにシュウの持っているバスターブレイグを凝視した。
「お、おう!まぁな!俺の最高の相棒、バスターブレイグだ!」
「そっか、よかったら僕ともバトルしてくれないかな?」
「おう、良いぜ!」

二人はフィールドについて、対峙した。
ルールはバトルホッケーだ。
「レディ、ビー・ファイトォ!!」
二人は一斉にビー玉を放った。

ドギュッ!ドギュッ!!
バトルはほぼ互角だった。
「へぇ、やるなぁ!」
「僕も、結構自信あるんだ」
「おもしれぇ!だったら遠慮せずに行くぜ!!」
シュウは、全力でシメ撃ちを放った。

バギュウウウウウ!!
シュウのパワーショットがパックにヒットし、パックはあっという間に少年の陣地に入った。
「おっしゃ勝ったぜぇ!」
シュウはガッツポーズした。
「いやぁ、負けた!まいったぁ!強いねぇ、君のビーダマン」
「へへへ、まーねぇ」
「僕も自信あったんだけどなぁ」
「いやいや、お前もなかなか強かったぜ。負けるかと思った」
「ありがとう」
「それにしてもお前、日本語上手いなぁ」
「仕事で、ツアーコンダクターの手伝いをしてるんだ。日本人の相手もするから、それで」
「なるほど」
「僕の名前はアラストール。君達、観光に来たんだろ?これからの予定は?」
アラストールが聞くと、タケルが答えた。
「いや、特に。適当にアクロポリスにでも行こうかって思ってるんだが……」
アクロポリスと言えばギリシャの観光名所の代名詞だろう。
「そっかぁ。よかったら、僕がもっと面白い場所に案内してあげようか?」
「面白い場所?」
「うん、ビーダーにとって、興味深い場所だと思うよ」
アラストールは意味深に笑みを浮かべた。
「へぇ!なんか面白そうじゃん!」
と乗り気なシュウの服を引っ張り、タケルは耳打ちする。
「待てシュウ。なんか怪しいぞ」
「何がだよ?」
「旅行先で、むやみやたらに人は信用しない方が良い」
「ビーダーに悪い奴なんていないって、大丈夫大丈夫」
シュウはタケルの忠告を軽く受け流して、アラストールに向き直った。
「で、ビーダーにとって興味深い場所なんだよな?」
「うん。すべてのビーダーにとって、ね」
「おっしゃ、行ってやろうじゃん!」

と、いうわけで、シュウはアラストールに連れられて、その場所にたどりついた。
そこは、廃墟と化した都市だった……。
「着いたよ」
「着いたって、ここは……何もないじゃん」
「随分と荒れ果てた場所ね」

草木は枯れ果て、建物は崩れ落ち、あたりには瓦礫が散乱している。
随分と長い間、人間が離れているようだ。
「ここのどこが観光名所なのよ」
どっちかと言うと、心霊スポットだ。
「一体、ここはどういう場所なんだ?」
タケルがアラストールに聞く。
「ここは、俗称『プトスィポリス』。ビーダマンによって、滅びた都市さ」
「ビーダマンでぇ!?」
「そんなバカな」
一同、信じられないようだ。
「まぁ、あくまで都市伝説だけどね」
「都市伝説……」
そういえば、前に似たような事を聞いたことがある気がする。
“普段ヒンメルは、かなり力を抑えている。でも本気になった時の力は凄まじく、対戦相手どころか周りのすべてを滅ぼしてしまうらしい”
“一度それで、都市一つを壊滅させたとか、させなかったとか……”
(まさかな。それに、ヒンメルってドイツ人だし)
シュウはその疑問を振り払い、アラストールの話に耳を傾けた。
「数年前、一人の強大な力を持ったビーダーの暴走で、街の中枢にあるエネルギー生成所が破壊され、爆破した、らしい……」
それを語ったアラストールの口調は重かった。目は、荒廃した風景を見据え、唇を噛みしめ、拳も握りしめて震えている。
「アラストール?」
「あぁ、すまない。少し感情移入しすぎた。あ、それよりもシュウ君、あっちの方に、もっと面白いものがあるよ」
アラストールが、ある方向を指さす。
「へぇ、どこどこ!」
「この先だよ。良いものが見れるよ」
「おっしゃぁ!俺いっちばーーん!」
アラストールが指さした方へシュウは駆け出した。

「って、おわあああ!!」
と、急にシュウが踏んだ地面が崩れ、落とし穴のように落ちてしまった。
「い、てててて……!」
「大丈夫かい、シュウ君!」
「なにやってんだよシュウ!」
タケル達が慌てて駆け寄る。
穴は相当深く、なんの道具もなしには助け出せそうにない。
「うぅ、なんでこんなとこに落とし穴が……」
「ここら辺は地盤が緩くなってるから、凹みやすくなってるんだ。先に言っておけばよかったね、ごめん。ちょっと待ってて」
アラストールはそうそういうと、持っていたバッグからロープを取り出し、近くにあった瓦礫に結んだ。
「随分と用意が良いな」
「ここら辺でツアコンしてると、こう言う事がよくあるから。常備してるんだ」
「ほぅ」
タケルは、少し疑いの視線を向けたが、アラストールはあっさりとそれを回避し、ロープを穴にたらし、それを伝って穴に降りた。
「さ、つかまって」
「わ、悪いな」
シュウはアラストールに捕まり、なんとか穴から脱出できた。
「っひゃー、ひどい目にあった~」
シュウは服についた泥を叩く。
「落ち着きないからそうなるのよ」
「大丈夫、怪我してない?」
「うん、まぁ。で、アラストール。良いものってなんだよ?」
「え、あぁ、それは……」
アラストールは、なぜか口ごもった。
そして、明後日の方向を見ると、急に何かを思いついたように指さした。
「ほ、ほら、あれ!」
アラストールが指さした方を見る。
すると、一同が歓声をあげた。
「「「おおお」」」
そこには、キレイな夕日が沈んでいくさまが見えた。
神話の国ギリシャの、神秘的な夕焼けだった。
「そっか、これを見せたかったんだな」
「うん。この夕日は、ここら辺の名物だからね」
得意げにいうアラストールだが、タケルは一つ疑問を抱いた。
(別に夕日を見るだけなら、場所を変えなくても見られたんじゃないのか?)

それから、時間も遅くなったので、アラストールとは別れ、一同はホテルに戻った。
「あ~、つっかれた~!」
シュウは、部屋に入るとベッドにダイブした。
「今日一日、遊びまくったからな」
荷物を置くとタケルも椅子に腰掛けた。シュウとタケルは同じ部屋のようだ。
「おう。明日は、ドイツに行くんだよな?」
「ああ。昼から向かう予定だ」
「たのしみだなぁ。確か、ドイツって言ったらヒンメルの出身地だもんな!どんなとこなんだろう?」
「俺も、ドイツに行くのは初めてだからな。今から楽しみだ」
「へへへ、ドイツにはどんなビーダーがいるんだろうなぁ」
「結局それか」
「あったり前だろ!なっ、バスターブレイグ!」
と、シュウは荷物を弄ってブレイグを取り出そうとする。
が、様子がおかしい。
「あれ?」
ゴソゴソと手をかき回すのだが、お目当てのブレイグの感触がない。
「あれれ?」
ゴソゴソ。さすがに、タケルも様子がおかしいことに気づいた。
「どうしたんだ?」
「い、いや……」
ガサガサ!!
シュウは、バッグを逆さにして中身をぶちまける。
「あれ、ない!ない!ないないない!!」
「ま、まさか、お前……!」
「ブレイグが、無いいいいいい!!!!!」

   つづく

 次回予告

「無いいいいい!!ブレイグが、ブレイグがなくなっちまったあああ!!どこだ!?どこでなくしちまったんだ!?
なっ、まさか、アラストール、お前……!
次回!『盗まれたブレイグ』
熱き魂で、ビー・ファイトォ!!」

 

 



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