オリジナルビーダマン物語 第22話

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爆砕ショット!ビースピリッツ!!


第22話「急げシュウ!大接戦クラッシュタワーバトル!!」





 ビーダマン関東大会団体戦の会場、お台場ビックリサイト。
 既にタケルと琴音は受付を済ませ、シュウの到着を待っていた。
「遅いなぁ、シュウの奴……」
「まさか、海浜メッセに行ってるってオチじゃないよね」
「まさか、なぁ……」
 
 その、まさかだった。
 シュウは海浜メッセの前で立ち往生していた。
「うわああどうしよう!会場間違えた~!!」
 頭を抱え、アタフタとその場をぐるぐる回る。
「どーしよ、どーしよ、どーしよおおおおおお!!!」
 どんなに泣き叫んでも、どうしようもない。
 その時だった。
 
 ブオオオオオ!!
 シュウの隣に、大きなエンジン音と排気ガスの匂いがしたかと思うと、頭上から見知った声が降ってきた。
「何やってんだお前?」
「へ?」
 見上げると、そこには、大型トラックの窓から顔を出している父の顔があった。
「父ちゃん!!」
 渡りに船、とばかりにシュウは窓に飛びついた。
「おわっ、なんだよ!」
「父ちゃん、頼む!今からお台場のビックリサイトまで俺を乗っけてってくれ!」
「はぁ!?」
「頼むよ!俺、会場間違えちゃってさ!このままじゃ大会に出られないんだ!」
「……っつても、俺も仕事が」
 仕事ほっぽり出していまからお台場まで車を走らせるのは相当な無茶だ。しかし……。
 シュウの真剣なまなざしを受けて、父は観念した。
「分かったよ、しかたねぇ。先方さんには連絡しとく」
「サンキュー、父ちゃん!」
「ただし、しばらくお小遣いカットだからな」
「うっ、トホホ……」
 そして、シュウはトラックの荷台に入った。
「おっしゃぁ!飛ばすぜぇぇ!!!」
 エンジンをふかし、トラックが走り出す。
「おわあああ!!くぅぅ、相変わらず荒い運転だぜ……でも、これなら間に合うかな?!」
 ブオオオオオオオオン!!
 トラックは爆音を上げながら、会場へと爆走していった……。
 そして、会場では……。
「シュウ君、まだ着いてないんだ……大丈夫かな?」
 観客席から彩音が心配そうに、まだシュウと合流できてないタケルと琴音を見ていた。
 
 タケル達もそろそろ焦っていた。
「あ~、ほんと何やってんだあいつは!大会始まっちまうぞ!!」
 と、言った瞬間、会場の明かりが一斉に消えた。
「あ、やべぇ始まった!」
 そして、ビーダマスタージンの声が響き渡る。
『みんな!関東大会団体戦へようこそ!今回は、3人一組のチーム戦で行われるぞ!!』
 ワーーーーと言う歓声。
『まずは、予選を行ってもらい、上位16チームが本戦トーナメントに進めるぞ!
個人戦の時と同じ、アルティメットシューティングだ!チームワークが重要になるぞ!!』
 
 会場にアルティメットシューティングが用意される。
「アルシューか」
「2人だけだとちょっと不利かもね」
「いや、そうでもないだろ」
「え?」
「見てみろ」
 タケルが、他にプレイしているチームを指す。
 
 バシュッ!カキンッ!!
「くっそー!邪魔すんなよ!」
「俺が狙ってたんだよ!!」
「あぁ、もうどけよ!」
「狭いんだからしょうがないだろ!!」
「なんだよ!俺のビー玉に当てるなよ!」
「お前こそ!!」
 3人でプレイしているほかのチームは思いのほか苦戦しているようだ。
「あんな狭いシューティングエリアで、3人がひしめき合って、2つしかない小さなターゲットを同時に狙うんだ。
上手く息を合わせないと、互いのビー玉がぶつかって狙いが定まらない」
「なるほど」
「その点、2人しかいない俺達は、1つずつ担当を決めて集中して狙えるからな」
 
 そして、タケルと琴音がアルシューに挑戦する。
「はああああ!!」
「いっけえ!」
 お互い、トルネードマガジンを装着した連射モードでターゲットを撃って行く。
 ガンッ!ガキンッ!!
 互いが邪魔する事無く、正確にポイントを稼いでいく。
「もともと3人用のシューティングエリアに二人しかいないから、スペースも広くて撃ちやすいね」
「ああ。予選に関してだけなら2人の方が有利だ!」
『おおっと!仲良しファイトクラブ、2人しかいないのに、大健闘だ!順調にポイントを重ねていくぞ!!』
「シフトレックス!」
「スパークグルム!!」
 残り時間30秒。
 タケルと琴音は一気にスパートを駆けた。
 そして、予選終了。
「ふぅ……」
『さぁ、予選の結果が出たぞ!トップ通過者は、なんと2人だけで大健闘!仲良しファイトクラブだ!!』
 モニターに予選通過者が表示される。仲良しファイトクラブはトップだ。
「よし!」
「やったね、タケル」
「ああ、思ったとおりだ」
「この調子で本戦も……」
「……」
 予選通過は嬉しいが、それよりも……タケルは会場の入り口に視線を移す。
「まだ、こないね。シュウ」
「仕方ない。このまま1回戦は2人で戦うぞ」
 その頃のシュウ達。
「うおおおお!!どけどけぃ!邪魔だ邪魔だ~!!」
 父ちゃんの荒い運転によって、トラックは首都高を爆走していた。
「け、ケーサツにだけは捕まらないでくれよ、父ちゃ~~ん!!」
 シュウは涙目になりながら、激しい揺れに耐えていた。
 そして、1回戦が始まった。
 仲良しファイトクラブとその対戦チームが用意されたフィールドに着く。
『さぁ、いよいよ第1回戦のスタートだ!対戦カードは、東京都出身仲良しファイトクラブVS栃木県出身コザッコザッコチーム!!
ルールは、タワークラッシュバトル!東京都のシンボルである634メートルの巨大な電波塔『東京都スカイタワー』!
これを模したターゲットが自分と相手の陣地に設置されている。
先に相手陣地に設置されたタワーを撃破したら勝利だ!!
タワーは、支柱とそのの周りにある10本の添え柱によって立っている。まず周りの添え柱を崩し、支柱を倒したらタワーが1段降りる仕組みになっているぞ!
全6段あるタワーをだるま落としのように下げていき頂上のシンボルビー玉を落とせばタワー撃破となる!
これを3ラウンド行い、先に2勝したチームの勝ちだ!!』
「相手のタワーを崩すか。それとも相手のショットを防御するか、その駆け引きが重要なのか」
『そんじゃ、熱いバトルを期待してるぜ!レディ、ビー・ファイト!!』
 バトルスタート!
 両チームが一斉にビーダマンを発射する。
『おおっと!両チームともいきなりのラッシュ!ビー玉の嵐がタワーに襲い掛かる!だが、コザッコザッコチームのほうがやや優勢か!?』
 ズドーーーン!
『コザッコザッコチーム!早くも1段目を撃破だ!!』
「けけけ!楽勝楽勝!」
「なんだよあいつら、2人しかいねぇじゃん!」
「予選トップつっても2人じゃなぁ!」
 コザッコザッコチームは楽勝ムードでどんどんラッシュしてくる。
「くそっ!手数が違いすぎる!まともにぶつかってたら勝ち目がない!」
「どうするのタケル!?」
「琴音、こうなったらお前は防御に専念するんだ!タワーは俺一人で狙う!攻撃と防御を完全に分担した方が効率が良い!」
「分かった!」
 
 琴音は連射で向かってくるビー玉を撃ち落す事に専念した。
『おおっと!急に、仲良しファイトクラブのタワーが崩される速度が落ちてきたぞぉ!おおっと、琴音君が得意の連射で相手のラッシュをことごとくブロックしている!!』
「な、なにぃ!?」
「なんて、連射だ……!」
「それだけじゃないぜ!!」
 タケルが、シメ撃ちをぶちかます。
 バゴオオオオン!!
 一気に添え柱が数本フッ飛ぶ。
「なんて、パワーだ……!」
「コザッコザッコチームのパワーは、琴音のショット一発でも逸らせる。だったら、手数の多い琴音を防御にして、俺はパワーショットで一気に攻める!
これが今のベストの戦略だ!!」
「一人で3人分の連射を相手にするのはちょっとキツいけどね!」
「く、くそぅ!俺達だって負けるかぁぁ!!」
 コザッコザッコの一人がタケルのショットを防御しようとする。
「無駄だ!!」
 しかし、タケルのパワーは凄まじく、あっさりその防御を突破する。
「うぅ!」
「ダメだ!あいつに防御は通じない!俺達は3人で攻撃に専念するんだ!」
「おう!」
 コザッコザッコはやっぱり3人で一斉にタワーに向かって連射する。
「スパークグルム!!」
 ガキッ!ガキンッ!!
 スパークグルムの連射によって、ことごとく止められてしまう。
 もちろん、さすがの琴音もすべてのショットを止めているわけではない。
 タワーを攻撃されたらまずいショットだけを的確に撃ち落しているのだ。
 それでも、すべて撃ち落しているわけではないので、何発か攻撃は入っているのだが、それもそんなに問題になるダメージではない。
「うおおおお!!!」
 バゴオオオン!
 そして、タケルのショットは更に勢いを増していく。
 相手の防御が手薄なので、遠慮なくパワーショットをぶち込めるのだ。
 
 そんな調子でバトルが進んでいく。
 ズドドドドド、バゴオオオオン!!!
『バトル終了!勝者、仲良しファイトクラブ!!』
「おっしゃ!」
「タケルの作戦勝ちね。ちょっとキツイけど、2ラウンドもこの調子でいけそう」
「大丈夫か?」
「うん、あと1ラウンドくらいなら、なんとか」
「そうか。よし、頼むぞ」
 それを聞いたコザッコザッコチームは憤慨する。
「けっ、また同じ手で来るなんて、ずいぶんなめられたもんだな」
「このままじゃ、おわらねぇぞ。俺達の方が絶対有利なんだ」
「目にもの見せてやる!」
 言って、コザッコザッコチームはビーダマンの調整を始めた。
「戦いは数だ。絶対に勝つ!」
 タケル達もコザッコザッコの様子を見て思案する。
「相手も作戦を変えてくるだろうが、シュウがいない以上こっちはもうこの手しかない。今のうちにしっかりメンテして、次のラウンドに備えるぞ」
「うん……」
 と、タケルは琴音が少し息を切らしている事に気づいた。
「いや、グルムのメンテは俺がやっておく。琴音は次のラウンドが始まるまで手を休めとけ」
「分かった、ありがとう」
 タケルは、二つのビーダマンのメンテナンスを始めた。
 そして、しばらくしてビーダマスターのアナウンスが響く
『そんじゃ、そろそろ第2ラウンドをはじめるぞ!』
「琴音」
 タケルが琴音にグルムを渡す。
「ありがとう」
「もう、大丈夫か?」
「うん、このくらいで根を上げてられないよ」
「よし、行くぞ!」
 タケルと琴音は改めて気合いを入れなおした。
「俺達もいくぞーー!」
「「おーーーー!!」」
 コザッコザッコチームも気合いを入れて叫ぶ。
『両者とも、準備は良いようだな?そんじゃ、行くぜ!レディ、ビー・ファイトォ!!』
 バトルスタート!
 開始早々両チームとも猛ラッシュが始まる。
 
 ズドドドドド!!
「いっけぇ!!」
 琴音が相手の攻撃を防御しようとする。
 しかし……。
 ガキンッ!
「えっ!?」
 一発では撃ち落せなかった。さっきは落とせたのに
「甘いぜ!さっきのブレイクタイムで俺達は連射重視からパワー重視のセッティングに変更したのさ!!」
「そんなっ!」
 ガキッ!ガキッ!!
 琴音のショットでは、数発当てないと今の相手のショットはそらせない。
「これじゃ、いくら連射しても防御しきれない!」
「ちっ、やはりセッティング変更してきたか!」
 予想していたとはいえ、タケル達は焦った。これではさきほどの作戦は通用しない。
「相手や状況に合わせてセッティングを変える。ビーダマンの常識だぜ!」
「そういう事!」
 コザッコザッコチームがどんどんタワーを崩していく。
「ちぃ、このままじゃジリ貧だ……!」
「どうしよう、タケル!」
「攻撃と防御を交代だ!俺なら、奴らのパワーショットを一発で落とせる!琴音は、連射でタワーを!」
「分かった!」
 
 ガキッ!ガキィ!!
 タケルのショットは確かに相手のショットを一撃で弾き飛ばせる。
 しかし、一回のショットにつき一発しか防御できていない。相手の手数にはとても間に合わない。
 連射型に対して、パワー型は手数の多い相手を防御するのに向かないのだ。
「くっ!」
「おっ、さっきと比べて面白いくらい攻撃が通る!」
「がんばって、スパークグルム!!」
 一方の琴音は、必死に連射してタワーを崩しているのだが、そのペースは相手よりも遥かに遅い。
『バトルはコザッコザッコチーム有利で進んでいる!このまま決まってしまうのか!?』
「みんなっ!」
 観客席から身を乗り出す彩音。
「く、くそぉ……!」
 さすがのタケルも大苦戦に汗を流す。
「タケル、このままじゃ……!」
「やっぱり、2人だけじゃ無理なのか……シュウ、まだか!?」
 そのころのシュウは……。
 ブオオオオオオオオ、キキーーーー!!
 シュウの乗っていたトラックが急ブレーキをかける。
「おわああああ!!」
 そのせいで、シュウはゴロゴロと転がり、壁にぶつかる。
「い、ててて……」
 そして、荷台の扉が開き、光が差し込んだ。
「うぉ、まぶし……!」
 思わず手で光を遮った。そして、その先で声が聞こえる。
「着いたぞ、修司!」
「さ、サンキュ、父ちゃん……」
 急ブレーキのせいでひっくり返って変な体勢になりつつも、シュウは立ち上がってトラックから飛び出した。
「いっそげいっそげ~!!」
 会場に向かって走っていく。
 会場に入ると、目の前に受付があった。
「遅れてすいません!俺、仲良しファイトクラブの竜崎修司です!!大会には、参加できますか!?」
「あぁ、仲良しファイトクラブですね。既にエントリーされてますから大丈夫ですよ」
 受付のお姉さんがニコリと笑う。
「よかった」
「あとは、使用されるビーダマンのチェックがお済しだい、バトル会場にお入りください」
「はい」
 シュウはビーダマンを渡した。
「はい、大丈夫です。がんばってくださいね」
 受付のお姉さんはシュウにブレイグを返すと、ニコリと笑った。
「ありがとうございます!」
 それを受け取ったシュウは、駆け出した。
 そして、試合は。
『仲良しファイトクラブ大苦戦!!コザッコザッコチーム、あと2段でタワー撃破だぞ!!』
「はぁ、はぁ、くそっ!」
「タケル、何か他に良い作戦無いの!?」
「これ以上はもう無理だ!あいつが、あいつが来てくれれば……シュウーーーーー!!!」
 タケルは思わず叫んだ。返事など来るはずが無いのに。
 だが!
「おーーーーう!!」
 それに応えるものがいた。
「っ!」
 見ると、会場入り口から駆けてくる少年が見えた。
「「シュウ!!」」
 それは紛れも無くシュウだった。
「遅いぞ!シュウ!!」
 シュウが駆け寄ってきながら声をかける。
「ごめん!この試合のルールは!?」
「あのターゲットの撃破だ!」
 タケルが、相手のタワーを指す。
「了解っ!」
 バッ!と、まだフィールドについてないのにシュウは構える。
「そ、そこから撃つの!?」
「届くのか?!」
 シュウのいる位置からタワーまで、かなりの距離がある。並みのビーダマンではとても届く距離ではない。
「へっ、こいつのパワーなら問題ないぜ!!うおおおおおお!!!」
 ギシギシギシ……!
 シュウはブレイグを思いっきりシメつける。
「いっけぇ!!バスターブレイグ!!!」
 
 ズゴオオオオオオオ!!!!!
 バスターブレイグから、凄まじい勢いのビー玉が射出される。
 
 ビュンッ!!
「うっ!」
 ショットがタケルの頬を掠める。その風に、タケルは思わず目をしかめた。
「な、なんじゃぁ!?いきなり増援か?!」
「この、ショットは……!」
 当然、事情を知らないコザッコザッコは焦りまくった。
 バゴオオオオオオオオオ!!!!!
 そして、そのショットは、たった一撃で相手のタワーを撃破してしまった。
「……」
「……」
 その、あまりの迫力に。それを見ていた全員が唖然とする。
「す、すごい……!」
「これが、新ブレイグの力か……」
「へへへ!」
 ワアアアアアアアアアアア!!
 少しの静寂のあと、ドッと歓声が沸きあがった。
「なんだ、あのビーダマン!?」
「たった一撃でタワーを破壊しちゃった!?」
「見たこと無いぞ、あんなの……」
「しかもあんな遠くから!?」
「飛び入り参加でそりゃねーぜ」
 みんな口々にシュウの新型ブレイグのことを言う。
 そして、ビーダマスタージンのジャッジが入る。
『第2ラウンド終了!仲良しファイトクラブ……』
 みんな、ゴクリと喉を鳴らし、判定を待つ。結果は火を見るより分かりきっているが。
『反則行為により、失格!よって第2ラウンドの勝者、コザッコザッコチーム!!』
「「「ええええええ~~~!!!」」」
 この判定は予想できなかった。
「な、なんでだよ!そりゃ、遅れてきたのは悪かったけど、ちゃんと受付もしてきたぜ!!」
 納得できないシュウは抗議する。
『それは手元の資料で分かっている。が、シュウ君、君はシュートエリアの外で撃ったね。これはルール違反だ!』
「あ」
 そうだ。フィールドまで駆け寄ったら間に合わないと思って、遠くから撃っちゃったんだ。
「タケル、琴音、すまん……」
「いや、気にすんな。どっちみちお前が来なければ俺達は負けていた」
「そうそう、それにまだファイナルラウンドもあるんだし」
『その通り、まだ第3ラウンドが残っているぞ!現在、1対1のイーブンだが、どちらが勝つのかはまだ分からない!!』
「び、ビーダマスター……」
 ビーダマスターの実況を遮って、コザッコザッコチームが声をかけてきた。
『ん、なんだい?』
「俺達……」
「「「棄権しま~~~す!!」」」
「「「ええええ~!!!」」」
「あんなビーダマンに勝てるか~!!」
「フルボッコにされるまえに退散だ!!」
「さよ~なら~!」
 言って、コザッコザッコチームはそそくさとその場を離れていった。
『……え、え~と、そういうわけで。第1回戦の勝者は、仲良しファイトクラブだ!!』
「なんか、勝っちゃったね」
「良いのか、これで……?」
「まぁでも、勝ちは勝ちだ!やったぜ、バスターブレイグ!!2回戦からもブッ飛ばそうぜ!!」
 そして、シュウ達は選手控え室に戻った。
 そこには彩音もいた。
「みんな、お疲れ様」
 彩音は笑顔でねぎらう。
「それにしてもよかった、シュウ君間に合って」
「ギリギリだったけどな」
「あははは……。いやぁ、間違って海浜メッセに行った時は焦ったぜ」
 シュウが笑いながら言うと、タケルの目の色が変わった。
「おまっ!あれほど会場違うって言っただろうが!!」
 シュウは、山登りする前に、散々タケルから説明を受けていたのだ。
「うわぁ、ごめん!!つい、うっかりしてて……」
「うっかりじゃねぇだろ!このやろう!!!」
 タケルは、シュウに飛び掛り、コブラツイストを決める。
「い、いででで……!なんだよ!勝てたんだからいいじゃねぇか~!!」
「まだ反省が足りんかこのやろう!!」
 タケルがツイストを極めているのを見ながら、琴音はフトある事を思いついた。
「あ、そうだシュウ。急いでここまで来たんだから、疲れてるでしょ」
 琴音は、ニヤリと笑う。タケルもそれを見て琴音が何を企んでいるか悟ったらしい。
「なるほど、確かになぁ」
「へ?」
「お姉ちゃん、シュウにあのマッサージしてあげたら?」
「ぎょっ!?」
 あの、マッサージ……ヒンメルカップで喰らったあれか!?
「うん、いいよ~」
 彩音はニコニコしながら頷いた。
「い、いや、俺は、だいじょ、大丈夫……ってタケル!離せよ!!」
 彩音から逃げようとするも、シュウはタケルのコブラツイストを喰らっているので、逃げられない。
「まぁまぁ、遠慮するなよ」
「そうそう、お姉ちゃんのマッサージは効くんだから」
「や、だから、そうじゃなくて!」
 必死に暴れるが、タケルのパワーには敵わない。
 そして、ついに彩音に捕まってしまう。
 別の意味で彩音の拘束は振りほどけない。
「それじゃ、いくよ~」
 
 ボキッ、メキッ!グギョギョ!!
 シュウの間接から、ありえない音が響き渡る。
「うっぎゃああああああああああああああああああ!!!!!!」

     つづく

 次回予告

「俺の新型ビーダマン、バスターブレイグのパワーはすげぇぜ!!こいつがあれば誰が相手でもどんなルールでも敵はない!!
そして、第2回戦が始まった!第2回戦のルールは、アルティメットSHB!対戦相手は……防御重視のビーダマン!?
 次回!『アルティメットSHB 激闘!バスターブレイグ!!』
熱き魂で、ビーファイトォ!!」

 

 



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