レツゴWGPのリレーレースを興行視点で語る

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爆走兄弟レッツ&ゴー!!WGPでのメイン題材である大会『ミニ四駆世界グランプリ』

5人1組のチーム対抗戦で行われ、コースや勝敗を決めるルールは試合毎に個別で設定されると言う方式の大会なので
劇中では様々なルールが描かれました

そしてその中でも、チーム対抗のレース競技として最もメジャーで誰しもが思いつく方式のルールが『リレー』です

一人一人がバトンを繋げながら走るだけでありながらチームの総合タイムが競えるため、手軽にチームレースが展開できます

実際に劇中でも序盤からこの方式のレースが登場し
ビクトリーズは計4回ほどやりました

しかし、このリレー方式
中盤以降になるとパッタリと姿を消します
特に、5人全員が出るリレー形式は第15話の光蠍戦を最後に行わなくなり

以降は第28話で変則的なスリーリレーレースをやったのみです

なぜこんなメジャーな方式のルールが終盤では空気になったのか……?

実は、世界グランプリをスポーツ興行として見た場合、リレー方式は欠陥だらけだったのです!

・チーム対抗戦に見えない

世界グランプリの魅力は5台1組のチームが同時に走り
フォーメーション走行したり、それぞれに役割分担をしたするリアルタイムな戦略要素にあります
しかしリレーにしてしまうとそれが全てなくなり1VS1の個人戦をつなげただけになってしまうのです
もちろん、バトンタッチのスムーズさだったり、情報のやり取りなどでチームワークは大切なのですが
それはあくまでやってる人間だけが感じる要素であり
観客には伝わりづらいのです

・レース時間が長くなるor一人一人の走行時間が短くなる

単純に、一試合で5回分レースをする事になるので
試合時間は5倍になるか、もしくは1人分の走行時間が1/5になってしまいます
これがただの周回コースだった場合、いつもの5倍の長さのタイマンをダラダラと見る事になるだけじゃなく
もしも推しのレーサーがいる場合、いつもより推しを観られる時間が減ってしまいます

・コース設営のコストが5倍

第10話では少しでもリレーを面白くするために、周回コースではなく走者毎にコースを変える方式が取られましたが
そうした場合、5セクション分コースを用意しなければならず
コストは何倍にも跳ね上がります

・トラブルに厳しい

ポイント制や4トップレースなどは、仮にトラブルで欠場者が出たとしても
不利にはなるものの不戦敗にはなりません、レース自体は開催出来ます
しかしリレーは5人全員出る事が最低必須条件なので、1人でも欠場者が出たらアウトです
欠場でなくとも、レース中1人リタイアするだけでその場でレースが終わってしまいます

競技者としてはただの「敗北」でしかありませんが
興行収入的にその損害は大きいでしょう
特に序盤の光蠍が世界グランプリの経営に与えた影響は大きかったのでは?

・スリーリレーは苦肉の策?

試合時間の長さやコース設営コスト、欠場者が出ても試合が出来る……と言う面をクリアするための案として出たのがスリーリレーだったのでしょう
しかし、それはそれで選手が2人出られなくなるのでその選手目当てに会場に来た観客的には面白くないでしょう(出場選手が事前に告知されてるなら別ですが、劇中描写的にはその場で決めていた)

 

 

世界グランプリは初の試みだった事もあり、手探り感を思わせる描写がちょいちょいあります

運営も序盤はチーム戦のお約束としてリレーを取り入れてはみたものの
やはり上記の理由から収益が低いと判断して、後半からはリレー方式が空気になったのではないかなと思います

 

 

 

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